今週の指標 No.462 目次   前へ 次へ 2003年9月8日


年齢構成が平均賃金に与える影響


<ポイント>
  1. 賃金カーブの維持のためには、年率2%程度の賃上げが必要と言われている。97〜02年度の春闘賃上げ率は平均すると2%程度まで落ちており(図1)、92〜97年度にかけて上方にシフトしていた賃金カーブは、97〜02年度にかけては、シフトが止まっている(図2)。
  2. 賃金カーブに変化がないにもかかわらず、97〜02年度にかけても平均賃金は上昇している。この要因を探るため、年齢構成に目を向けると、少子高齢化とバブル崩壊以降の新卒採用抑制により、雇用者の平均年齢が上昇している(図3)。平均賃金の伸びを年齢構成要因と各年齢層の賃金変化要因に要因分解してみると、97〜02年度にかけての平均賃金の伸びは、賃金上昇によるものではなく、年齢構成の変化によるもの(相対的に賃金が高い中高年層のウェイトが高まったために平均賃金が上昇)であったことがわかる(図4)。
  3. 賃金カーブが02年度と同じと仮定し、今後の年齢構成の変化が平均賃金に与える影響を試算してみよう(07年度時点)。これまで平均賃金を押し上げてきた団塊の世代は徐々に定年を迎えていく。この間、近年の採用抑制によって賃金水準が低い若年層の比率が低下していく中で、バブル期採用世代・団塊のジュニア世代が年齢を重ねながらウェイトを高めていくため、今後も、年齢構成の変化は、平均賃金を押し上げる方向に働くことが見込まれる。


図1 春闘賃上げ率の推移図2 賃金カーブの変化(所定内給与)
図3 年齢構成の変化図4 所定内賃金変化の寄与度分解
(備考)
 1.厚生労働省「賃金構造基本統計調査」「人口動態統計」、日本経済団体連合会資料により作成。
 2.07年度の年齢構成の試算に際しては、99〜01年度の死亡率から人口構成を求め、各年齢層の雇用率は02年度と同じと仮定。


担当:参事官(景気判断・政策分析総括担当)付 菅田 宏樹  直通03-3581-9516


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