今週の指標 No.460 目次   前へ 次へ 2003年9月1日


アメリカ:北米における停電の経済への影響について



<ポイント>
  1. アメリカ北東部で現地時間14日午後4時頃に発生した停電は、アメリカ、カナダの9州5000万人に影響が及び、ニューヨーク市等では電力の完全復旧に一日以上を要した。この停電による経済的被害について現在までのところで発表されている主な被害は以下のとおり。
  2. ニューヨーク市の試算した同市の被害は総額10億ドルを超える見込み(参考:ニューヨーク市の2001年の総生産は4850億ドル)。経済活動の停滞による付加価値の減少8億ドルや、廃棄処分された冷凍・生鮮食品2億5000万ドルなど。また、これとは別に、ブルームバーグ市長によると、4000万ドルの税収減と、市職員への超過勤務手当1000万ドルが財政赤字拡大要因となる。
  3. 自動車業界では、停電により3万5千台の生産が止まったとされている。しかし、7月以降自動車生産は増加傾向にあり、8月16日に終わった週の生産は前週比で0.3%の増加となった。またGMによれば、停電による生産のロス分は9月末までで取り戻したいとしている。
  4. 小売に与える影響については、(停電が起きた14日、15日を含む)16日までの週の小売チェーン売上高は前年同週比で4.0%増となった(図2)。また、17日までの週の消費者信頼感指数は1ポイント増と3週間振りの改善を見せた(図3)。
  5. ニューヨーク証券取引所は、停電の発生が14日の取引終了後であり、15日も通常どおり取引が開始された。また、上昇基調にある株価には大きな影響は与えなかったと考えられる(図4)。
  6. 今後発表される8月の経済指標等を確認する必要があるものの、これらを総合すると、今回の停電の米国経済に与える影響は軽微なものにとどまり、経済の回復動向に変わりはないと見られる。


図1 アメリカ国内の週間自動車生産台数 図2 週間小売 図3 週間の消費者マインド 図4 株価の動き


担当:参事官(海外経済担当)付 阪口 理司  直通 03-3581-9536


目次   前へ 次へ