今週の指標 No.449 目次   前へ 次へ 2003年7月28日

韓国:景気の減速が鮮明に

<ポイント>

  1.  03年第1四半期の実質GDPは前期比年率で▲1.4%と、00年第4四半期以来約2年ぶりにマイナスを記録した。 前年同期比では3.7%増と02年の6%超の高い成長から大幅に鈍化した。これは主として、消費や輸出の伸びが鈍化した ことや、機械投資も弱い動きとなったためである(図1)。
  2.  消費が鈍化した主な要因としては、99年に導入されたクレジットカードの利用優遇策(所得控除制度等)に より拡大した消費が、顕在化した過剰債務問題から02年以降カード利用制限措置がとられたことがあげられる。 また最近は失業率の上昇を背景に消費者マインドの悪化が続いており、消費の先行きについての見方は不透明と なっている(図2)。
  3.  輸出は、03年に入ってアメリカ向けが景気回復力の弱さから減少した。また中国向けはSARSの影響により 大幅に鈍化した。イラク戦争の終結からこのところ対米輸出は持ち直しており、SARSの終息等から今後は対中輸出も 増加が見込まれているが、年初来の輸出鈍化は生産の減少を引き起こした。
  4.  投資については、ストの頻発や半島情勢の不安定から企業の景況感が低迷するなど企業活動が停滞し、 機械投資も改善の兆しが見られない。建設投資は住宅建設が金利の低下もあって堅調に推移してきたが、このところの 所得環境の悪化もあって減速している(図3)。
  5.  こうした景気の先行き懸念に対応するため、政府は6月に4.2兆ウォン規模(GDP比0.7%)の補正予算を策定し、 7月には投資活性化策を打ち出した。韓国銀行は7月に政策金利を4.00%から3.75%に利下げした。しかしながら、政府 見通しが約5%から3%半ばへ下方修正されたほか、韓国銀行も当初予測の5.3%から3.1%へと下方修正している。さらに 1%台後半に下方修正する民間機関も出てきている。韓国経済の今後の動向には一層の留意が必要である。


図1 実質GDPの寄与度分解 図2 卸・小売販売額と消費者信頼感の推移 図3 民間機械受注と建築許可面積の推移

担当:海外経済担当参事官付 潮田 哲男 直通 03-3581-9537


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