今週の指標 No.443 目次   前へ 次へ 2003年6月30日


通貨保有主体の行動から見たマネーサプライの変動
<ポイント>
    このところ、マネーサプライの伸び率が減少している。(図1)
    この要因について、資金循環統計の通貨保有主体の行動をもとに分析を行った。
  1. マネーサプライの趨勢
    通貨保有主体の行動から見ると、マネーサプライ変動の要因は、(1)プラス要因:海外部門の資金不足(経常黒字)、財政の資金不足(財政赤字)、(2)マイナス要因:民間金融機関からの借入(銀行貸出)の減少、金融部門の資金余剰、があり、両者を合計するとプラスの方が大きいがその幅が減少してきている。(図2)
  2. マネーサプライの最近の動向
    2002年入り以降のマネーサプライの減少要因としては、上記の各主体の資金運用・調達の動きの他、金融資産内の入繰り要因もあり、その他預貯金(郵便貯金等)・現預金以外の資産からのシフトの減少、が見られる。現預金以外の資産では、投資信託からのシフトの落ち着きが見られる。(図3)
  3. まとめ
    以上より、金融資産内の入繰りを除くとマネーサプライの伸び率の低下という基調が続いており、2001年後半からのM2+CDの伸び率上昇と2002年末からの低下は、郵便貯金・投資信託等からの資金シフトの剥落が影響していると思われる。(図2)

図1 マネーサプライと信用定数参考 マネーサプライのバランスシート分解について
図2 通過保有主体の行動から見たマネーサプライの変動要因図3 現預金以外の資産からのシフト要因

    (注)
  1. 日本銀行「資金循環統計」より作成。2003年3月は速報値。
  2. 資産価値の変動の影響を除去するため、四半期ごとの取引額の合計から年間取引額を算出し、前年同期末の資産・負債残高からの変化を求めた。
  3. マネー統計と資金循環統計で部門の定義に差異があること、マネー統計が平残ベースであるのに対し資金循環統計は末残ベースであること、等により図1のマネーサプライと図2のマネー対象資産は一致しない。
(参考文献)
日本銀行調査統計局経済統計課(2001)「入門 資金循環」東洋経済新報社
日本銀行企画室(2002)「金融政策運営に果たすマネーサプライの役割」


担当:参事官(景気判断・政策分析総括担当)付 金澤光俊 直通 03-3581-5854


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