今週の指標 No.434 目次   前へ 次へ 2003年5月26日

国際金融:進行するユーロ高の背景



<ポイント>
  1.  ユーロ(対ドル)は99年1月の導入以降、減価傾向が続いたが、2000年後半からほぼ横ばいとなり、2002年に入り増価傾向に転じた。このところは導入時の水準(1ユーロ=1.17ドル)近辺にまで戻している。実効レートでみても、2002年秋以降は急速なユーロ高となっており、米ドルの減価、ほぼ横ばいの円に比べ対照的な動きをみせている(図1)。
  2.  こうしたユーロの動きの背景の一つとして、経常収支の黒字増加が挙げられる。2000年後半にユーロ圏では経常収支赤字が縮小し始め、2001年後半に経常収支黒字に転じた。その後黒字幅が増加している(図2)。他方、アメリカでは経常収支赤字が史上最高を更新している。
  3.  第二の背景として、機関投資家のユーロ買いが挙げられる。2002年以降、ユーロに対する買いが集まっており、ユーロ買い、ドル売りの傾向が続いている(図3)。投資家のユーロ買いには、2001年春以降は金利差(ユーロ金利ードル金利)がプラスに転じていることや、米欧政策当局が為替の動きを放置するのではないかとの思惑も働いていると言われている。

図1 2002年秋以降ユーロは急速に増加  図2 2001年後半以降ユーロ圏の経常収支黒字は増加傾向  図3 対ドル為替レートと機関投資家のユーロ買い動向

担当:海外経済担当参事官付 上野 由喜 直通 03-3581-9536


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