今週の指標 No.430 目次   前へ 次へ 2003年5月12日


製造業設備投資の展望


<ポイント>
  1. 製造業の設備投資は、01年後半以降の企業収益や鉱工業生産の回復を受けて、02年IV期に底入れしている(図1)。これまで製造業の設備投資は収益や生産が底入れすると3四半期程度後に底入れするのが一般的であったが、今回は過去の経験と比べて遅れている(図3)。
  2. 最終需要の中でも特に消費及び輸出との関係をみると、製造業の設備投資と概ね一致した動きをしてきたが、足元では設備投資の動きは消費及び輸出に遅行している(図2、3)。
  3. 企業活動や最終需要の動きに対して、設備投資の動きがこれまでよりも遅れているのは、企業が景気の先行きに慎重になっていることや、海外での設備投資が増加していること等が要因と考えられる。設備投資キャシュフロー比率も緩やかに低下してきているが(図4)、これも同様の理由が考えられる。
  4. 企業活動や最終需要との関係を考えると、製造業の設備投資は今後も持ち直し基調で推移するものと見込まれる。しかし、このところ生産が弱含んでいることや最終需要の先行きにやや不透明感があること等を考え合わせると、製造業の設備投資持ち直しの動きは当面、緩慢なものにとどまるものと考えられる。

 

図1 企業活動と製造業設備投資
図2 製造業設備投資と最終需要の動向
図3 製造業設備投資との相関関係
図4 製造業設備投資とキャッシュフローの関係
(出典・付注)
  1. 設備投資、経常利益:財務省「法人企業統計季報」(製造業)より。
    キャシュフローは、経常利益×(1−実効税率)+減価償却費にて試算。
  2. 鉱工業生産:経済産業省
  3. 消費、輸出:内閣府「四半期GDP速報」。
    消費は、除く帰属家賃。
    消費、輸出ともに名目値。


担当:参事官(景気判断・政策分析総括担当)付 鈴木 英介 直通03-3581-0806

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