今週の指標 No.427 目次   前へ 次へ 2003年4月28日

インド:近年定着化してきている経常収支の黒字傾向

<ポイント>

  1. インドの経常収支は長年赤字が続いてきたが、近年黒字傾向が定着化してきており注目を集めている(図1)。
  2. これはモノ(財)の取引の貿易収支については依然として赤字が続いているものの、サービス収支黒字と移転収支黒字の拡大によるためである。サービス収支黒字は、ソフトウエア輸出の増加による。また、移転収支黒字は、海外居住インド人からの送金の増加がその主力を占めている(図2)。
  3. 経常収支の黒字化は外貨準備の増加をもたらしており、政府は90年に生じたような外貨危機の再来はないとしていることから、外国投資の誘致等においても有利な状況となっている。一方外貨準備の増加に伴い為替レートが最近増価している(図3)。
  4. 為替レートの増価は製造業製品等の輸出の伸び鈍化の一因になっていると考えられる。さらに貿易赤字(通関収支ベース)も拡大傾向にあることから、今後の一本調子の為替増価には懸念ももたれている(図4)。

図1 経常収支は黒字化へ図2 経常収支の内訳(四半期)

図3 外貨準備の増加に伴い為替は最近増価図4 貿易赤字は拡大傾向

(出所)インド中央統計局、大蔵省、準備銀行
(注)年度は4〜3月。


担当:参事官(海外経済担当)付  柴本芳郎 直通 03-3581-9537


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