今週の指標 No.418 目次   前へ 次へ 2003年3月31日

干ばつの悪影響が懸念されるオーストラリア経済の先行き

<ポイント>

  1. オーストラリア経済は、90年代以降4%程度の高い成長を続け、2002年も3.5%成長と、先進国の中では、比較的堅調な成長を遂げた。しかし、2002年2月頃から大規模な干ばつに見舞われ、農業部門に大きな被害が生じている。干ばつは、概ね終息しつつあるようだが、政府は引き続き注意を払っている。
  2. 農業はオーストラリア経済にとって重要な産業であり、農業生産はGDPの5.5%(01/02年度)を占める。農業資源局によれば、干ばつにより02/03年度の農業生産額は306億豪ドル(GDP比4%程度)に減少すると見込まれている(図1)。特に穀物生産高は、前年比34%の大幅な減少が予測されている。 輸出の4分の1を占める農業製品の輸出は、前年比14%減少する見込みである(図2)。また、農家の所得は前年に比べ半減すると推計されている(図3)。
  3. この結果、2002年第2四半期以降農林水産部門は経済成長にマイナスの寄与を示している(図4)。政府は昨年11月末に干ばつの影響から、02/03年度の実質GDP成長率が3.75%から3.0%に押し下げられるとの見通しを発表した。政府は農民層や地方の零細企業を救済するために3年で総額3.7億豪ドル(約250億円)の支援策を講じ、所得補償を行っているところであるが、農業部門の不振が消費や投資に悪影響を及ぼすことがないかどうかが注目される。

(注)02/03年度(2002年7月〜2003年6月)。

図1 農業生産額は22%減少図2 農業輸出は14%減少図3 農家所得は50%の大幅な減少

図4 経済成長:3期連続落ち込む一次産業(農林水産部門)の寄与

(出所)オーストラリア連邦政府、農業資源経済局、Data Stream

担当:参事官(海外経済担当)付  小熊 智子 直通03-3581-9537

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