今週の指標 No.411 目次   前へ 次へ 2003年3月3日

アメリカ:経常収支、財政収支の「双子の赤字」が拡大基調に

<ポイント>

  1.  アメリカ経済は80年代レーガン政権期に経常収支、財政収支がともに赤字となる「双子の赤字」を経験し、高金利が続き、また86年には対外純債務国となった。
  2.  当時と現在のアメリカ経済を比べると、90年代末から拡大している経常収支赤字は、2002年7−9月期にはGDP比4.8%と80年代の水準を大きく上回り、過去最大規模に達している(図1)。また20日に公表された貿易統計では、貿易・サービス収支は10−12月期に赤字幅がさらに拡大(7−9月期4.2%→4.5%)している。
  3.  連邦財政収支も、2002年度には5年ぶりに赤字(同▲1.5%)となった。米政府の財政見通しによると、80年代に比べると赤字幅は小さいものの、今後2003、2004年度には赤字幅が拡大し、その後も赤字が続くものとされている(図2)。
  4.  本年のCEA報告では、財政赤字が長期金利を押し上げる効果は低いとしている(表3)。他方、米ブルッキングス研究所などではより大きな効果(政府債務1000億ドルの増加→長期金利0.5%上昇)を見込んでいる。グリーンスパンFRB議長も財政赤字が長期金利に与える影響への懸念を表明し、財政規律の重要性を主張しており、またイラク情勢は進展によっては巨額のコストとなるリスクがある。現在、長期金利は非常に低い水準にあり、住宅投資を拡大させるなど、景気回復を下支えしているが、財政赤字の拡大は長期金利の上昇圧力となるため、今後の動向に注意を要する(図4)。

双子の赤字 図表

担当:海外経済担当参事官付 吉田 充志 直通 03-3581-9536

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