今週の指標 No.387 目次   前へ 次へ 2002年11月25日

アメリカ:湾岸危機時における経済動向

<ポイント>
  1. 90年8月のイラク軍のクウェート侵攻により、原油価格は急騰し、アメリカの企業・消費者マインドは大幅に悪化した(図1)。すでに鈍化していた個人消費の伸びは大幅なマイナスとなり(図2)、実質GDPは7−9月期以降3期連続マイナスとなった。90年後半には生産、雇用なども調整に入り、景気後退は決定的なものとなった。

  2. 一方、今年8月にイラクをめぐる情勢が一層緊迫したことから、原油価格は上昇し、消費者マインドの急速な悪化、株価の下落がみられた(図3)。FRBも9月以降「地政学的なリスク」を先行き懸念材料として言及している。その後、イラク情勢の今後の行方を見定める動きなどから、原油価格、株価は落ち着いてきているが、過去に原油価格が上昇した局面で景気後退に陥ったケースは多く(図4)、今後の動向に注視が必要である。

図1 湾岸危機時の企業・消費者マインド、原油価格、図2 湾岸危機時のGDP、個人消費、図3 消費者マインド、原油価格、株価、図4 原油価格の上昇は景気後退の引き金に

(出所)アメリカ商務省、アメリカ労働省、コンファレンスボード、全米供給管理協会、データストリーム

(注)実質原油価格は、生産者物価指数(原油)/生産者物価指数(総合)。

担当:参事官(海外経済担当)付 白川 淳 03-3581-9536

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