今週の指標 No.381 目次   前へ 次へ 2002年10月15日

カナダ:好調続くも、先行き下方リスクは高まる

<ポイント>

  1.  カナダ経済は、本年1-3月期に実質GDPが前期比年率6.0%と高い成長率となった後、4-6月期も同4.5%と好調を保っている。今後についても、IMF(2002年9月)は、2002年、03年ともに3.4%の成長を見込むなど、G7諸国の中で最も高い経済成長率となると予想している(図1)。
  2.  高い成長の要因には内需の拡大が挙げられる。4-6月期の成長率の内訳を見ると在庫投資が大幅な押上げ要因となっているが、消費、設備投資を中心に国内最終需要も堅調である。ただし、内需の強さを反映して輸入が高い伸びとなる一方、輸出の約85%を占める米国向けが、米消費の鈍化などの影響を受けて伸び悩んだことから(図2)、純輸出は大きなマイナスとなった (前掲図1)。 
  3.  米国の景気回復はこのところ一層緩やかになっており、カナダの対米輸出も今後一層鈍化する可能性が高い。また、カナダの株価は米株価との連動性が極めて高く、最近の米株価の動向を受けて下落しており(図3)、国内最終需要に対する悪影響も懸念される。さらに、イラク情勢の緊張の高まりも先行きのリスク要因として挙げられる。カナダ中銀は、4月から物価上昇に対する予防的な金利の引き上げを行っていたが、こうしたリスクの高まりを受けて、9月以降は金利を据置いている(図4)。なお、消費者物価上昇率は前年比2.6%(8月)とインフレターゲット(2±1%)の内にある。

図1 実質GDP成長率の推移と寄与度、図2 カナダの輸出入と米消費の推移、図3 米国とともにカナダでも株価は下落、図4 9月以降、金利は据え置き

担当:海外経済担当参事官付 上野 由喜 直通 03-3581-9536

              小倉 秋 直通 03-3581-9536

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