今週の指標 No.369 目次   前へ 次へ 2002年8月19日

イギリス:イングランド銀行、インフレリスクを依然警戒

<ポイント>

  1. イングランド銀行(BOE)は、昨年の利下げの後、今月まで9か月連続で政策金利(レポ金利)を4.00%のまま据置いている。BOEは、インフレ・ターゲティングを採用しており、現在のインフレ目標値は、住宅金利支払いを除いた小売物価上昇率(RPIX)の前年比2.5%と設定されている。
  2. RPIXはこのところ目標値を下回る水準が続いており、6月には石油価格低下や衣料品・季節食品価格の下落等の影響もあって、許容レンジとされる目標値の±1%の下限である前年比1.5%にまで低下した。7月も同2.0%と、目標値を下回る状態が続いている(図1)。
  3. こうした中、8月8日に発表されたインフレーション・レポートで明言されたように、BOEはインフレ上昇リスクを依然として警戒している。その理由としては、1)消費や住宅投資の堅調等を背景にマネーサプライの伸びが高いこと(図2)、2)昨年以降ポンド高による輸入物価の下落が物価安定に寄与していたが、今後はその好影響が剥落するおそれがあること(図3)、3)単位労働コストの伸びは、昨年後半の景気減速期にやや鈍化したものの、このところ再び高まる兆しがあること(図4)等が考えられる。
  4. BOEは、先行き経済の不透明感が高まる中で、インフレリスクを注視しながら、難しい舵取りが続くこととなる。

図1 消費者物価上昇率、図2 マネーサプライの伸び、図3 輸入物価上昇率、図4 単位労働コスト増加率

(出所)イギリス統計局、BOE

担当:参事官(海外経済担当)付 大瀬木誠 直通 03-3581-0056

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