今週の指標 No.365 目次   前へ 次へ 2002年8月5日

香港:返還5周年を迎えた香港経済

<ポイント>
  1. 1990年から1999年までは労働需給が緩和し続け、失業率とインフレ率はフィリップス曲線上を左上から右下へ移動していた(図1)。2000年以降は曲線がほぼフラットになり、デフレが継続し失業率が上昇している。
  2. その背景をみると労働市場に関しては返還直前に労働力が急増し、その後も増加を続けていることから、労働供給が大幅に増加している(図2)。中国本土からの出稼ぎ労働者が多いこともこの傾向に拍車をかけている。他方、香港企業が中国本土へ移転していることは、労働需給を抑制し、需給を緩和する要因となっている。
  3. 財市場においては、中国からの安い物資の流入が顕著となり、特に2000年以降は急増している。返還後5年間の間に中国本土と香港の補完的な経済関係が一層緊密になるなかで、香港経済はデフレが続いている(図3)。

図1 フィリップス曲線はフラット化 図2 労働市場は需給が緩和 図3 中国本土からの香港への輸出は急増が続く

(出所)”Hong Kong Monthly Digest of Statistics”、中国経済景気月報

担当:参事官(海外経済担当)付 舘 貞栄 直通 03-3581-9537

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