今週の指標 No.358 目次   前へ 次へ 2002年7月15日

改善の兆しがみえる企業の資金繰り

<ポイント>
  1. 7月1日に発表された日本銀行短観における資金繰り判断DIをみると、水準として中小企業で依然として厳しい状況にあるものの、方向としては大企業及び中小企業でやや改善した。資金繰りの先行きの見方についても、統計の癖として悲観的なバイアスがあるものの、反転上昇という意味で改善の兆しがみられる。(図1)。
  2. 企業側から見た資金繰りの状況は、景気の変動による収益の動向や金融機関からの貸入金利などを反映するものと考えられる。そこで、企業の資金繰り判断DIを、企業の業況判断DI(図2)及び借入金利水準判断DI(図3)で説明する関数を作ると、(表1)のような結果となり、(1)景況感の改善につれて資金繰りも改善すること、(2)金利が上昇する局面では資金繰りが悪化すること、(3)大企業の方が金利に対して敏感であること、などが読み取れる。
  3. 先行きの資金繰り判断DIには悲観的バイアスがあるため、試みに上記の関数に6月短観の業況判断、借入金利判断DIの先行きの値を代入して、来期(2002年9月)の資金繰り判断DIの変化幅を試算すると、大企業、中小企業ともに若干の改善となる。

図1 資金繰り判断DIの推移 図2 業況判断DIの推移 図3 借入金利判断DIの推移 表1 推計式

担当:参事官(景気判断・政策分析総括担当)付 飯塚正明 直通 03-3581-5854

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