今週の指標 No.355 目次   前へ 次へ 2002年7月8日

アメリカ:悪化する連邦財政収支

<ポイント>

  1. アメリカの連邦財政収支は98〜2001年度には黒字を達成していた。しかし、2001年に入り、景気減速と同時に歳入が大きく減少に転じた(図1)。この結果、2002年度の財政収支は、昨年10月から5月までの累計額が▲1,471億ドルにのぼっており(図2)、赤字に転落すると見込まれている。
  2. 3月時点で50億ドルの黒字を見込んでいたアメリカ議会予算局(CBO)は、6月の月報において2002年度の財政赤字は1,000億ドルを超えるとの見方を示している。仮に2002年度の財政収支が1,000億ドルの赤字となった場合、前年度差は2,270億ドルと、過去最大の悪化幅となる(図3)。
  3. 歳入減少の主な要因としては、昨年より実施している個人所得税減税に加え、景気の後退による個人所得の減少などにより、歳入の約半分を占める個人所得税収入が大幅に減少していることが挙げられる。一方、昨年9月のテロ事件以降、国防支出は増加傾向に転じており(図4)、これらが財政収支悪化の大きな要因となっている。
  4. 7月中旬には行政管理予算局(OMB)の年央財政見通し、8月中旬にはCBOの経済財政改訂見通しが発表される予定であり、今年春時点の見通しからの改訂状況が注目される。

図1 歳入は大きく減少、図2 2002年度の財政収支累計額、図3 CBOの財政収支見通し、図4 国防支出は増加

担当:参事官(海外経済担当)付 津永 博 直通03-3581-9536 

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