今週の指標 No.346 目次   前へ 次へ 2002年5月27日

ユーロ圏の物価は強含みで利上げ観測

<ポイント>

  1.  ユーロ圏の物価動向をみると、2002年に入って強含んでおり、12か国全体のHICP(総合消費者物価指数)上昇率は、ECB(欧州中央銀行)が目標とする2%以下(前年同月比)を上回る状態が続いている(図1)。
  2.  国別にみると、ドイツ・フランス(両国でユーロ圏GDPの55%を占める)2か国のHICP上昇率は2%を下回る一方、その他の10か国のHICP上昇率は3%を超えている。ユーロ導入時(1999年1月)乖離していた加盟国の物価上昇率は2001年にかけて収斂の動きをみせていたが、このところは乖離が拡大しつつある(前掲図1)。
  3.  景気動向については、ユーロ導入国の間で、2002年のGDPギャップとホームメイドインフレの大きさは大きく異なっている。特に、GDPギャップがプラスまたは小さなマイナスの小規模な諸国(アイルランド、ポルトガル、オランダ、ギリシャ等)においては景気後退局面でも物価上昇率が高く、国内のインフレ体質が強いとみられる(図2)。
  4.  インフレ懸念から金利引上げ圧力がECBに対して高まりつつあるが、このように各国で景気動向や物価上昇率にばらつきがあり、ECBの金融政策は難しい舵取りを迫られている。

図1 ユーロ圏のHICP上昇率

図2 ユーロ圏のGDPギャップとホームメイドインフレ

担当:参事官(海外経済担当)付 古川 茂樹 直通03-3581-9537

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