今週の指標 No.324 目次   前へ 次へ 2002年3月4日

欧州:景気減速下でのワークシェアリングの効果

<ポイント>

  1.  欧州では2001年に経済成長率は期を追って顕著に低下した。景気がピークから減速していく過程において、失業率がどのように推移していたか、ワークシェアリングを行っている欧州主要3か国について過去の同様の局面と比較した(図)。
  2.  1979年からの局面では、景気後退に伴って3か国とも失業率が大幅に上昇している。次に、90年からの局面では、景気後退に伴いドイツ及びフランスで失業率が大きく上昇したが、ワークシェアリングの取組み(82年以降)が進んでいたオランダでは、失業率は微減した。最近の動向をみると、ドイツは2000年の景気拡大期においても失業率は微減にとどまり、2001年に失業率は上昇に転じている。フランスは2000年の景気拡大期に失業率は低下したものの、2001年に入って上昇している。オランダのみ、景気減速下にあって失業率はやや低下している。
  3.  このように、ワークシェアリングが先進的に進んでいるオランダでは、景気後退時に失業率の悪化が回避されていることが分かる。ドイツにおいても、85年以降ワークシェアリングが取り組まれているが、構造改革の遅れのため、景気悪化の影響が失業率に現れている。フランスでは、99年以降ワークシェアリングに取り組んでいる効果がやや見られるが、今後の推移を見極める必要がある。

図 景気減速下での失業率の動向(四半期)

図 ドイツ 図 フランス

図 オランダ

(出所)Datastreamより作成。
(注1)ドイツは2000〜01年のみ統一ドイツデータ。その他の期間は西ドイツデータ。
(注2)失業率は、1979〜81年及びドイツの90〜92年は各国基準。その他は、Eurostat基準。

担当:参事官(海外経済担当)付 野口美雪 直通03-3581-0056

目次   前へ 次へ