今週の指標 No.323 目次   前へ 次へ 2002年3月4日

ペイオフを控えた預金動向の変化

<ポイント>

  1. ペイオフの解禁
    2002年4月にペイオフが解禁となる。ペイオフとは、金融機関が破綻した場合、預金者1人の預金について元本1千万円までとその利息額が保護される預金保険機構の制度である。ただし2002年4月から2003年3月までは当座預金・普通預金・別段預金については全額保護される。そこでペイオフ解禁を控えた預金動向の変化を観察した。
  2. 定期預金の動向
    国内銀行の定期預金残高をみると、2000年10月から2001年12月までの間に、元本1千万円未満の定期預金残高が約4.8兆円増加しているのに対し、元本1千万円以上の定期預金残高は、約24.8兆円減少している。(図1)
  3. 預金全体の動向
    国内銀行の預金種類別平残をみると、2001年12月までの2年間に定期性預金が約23.7兆円減少し、要求払預金が約30.5兆円増加した。その結果、預金全体に占める要求払預金の割合は、2000年中は30%台前半で推移していたのが、2001年12月には約37.1%へと上昇している。(図2)
  4. まとめ
    金利の動向等が預金シフトに及ぼす影響もあるものの、以上のように、元本1千万円以上の定期預金残高の減少、要求払い預金比率の上昇など、ペイオフ解禁を意識したと思われる動きがみられる。

(図1)定期預金残高推移


(図2)預金種別平残と要求払預金比率

*日本銀行調査統計局「金融経済統計月報」より作成(国内銀行ベース)

(注1) 要求払い預金の内訳は、当座預金・普通預金・別段預金・貯蓄預金・通知預金・納税準備預金であり、このうち2003年3月まで保護されることになっている当座預金・普通預金・別段預金の2001年12月末における合計残高は要求払預金全体の約88.4%を占める。また、定期性預金は、定期預金・据置貯金・定期積金の合計である。
(注2) 元本1千万円以上の定期預金残高減少の理由としては、ペイオフの他に譲渡性預金へのシフトが考えられる。図1では、元本1千万円以上の定期預金残高に譲渡性預金残高を加えたものを折れ線で表示した。2000年10月から2001年12月までの間に、譲渡性預金残高の増加は約9.3兆円であるが、仮に譲渡性預金の増加要因が全額定期性預金からのシフトであるとすると、ペイオフ等これ以外の要因による定期性預金残高の減少は約15.5兆円となる。

担当:参事官(景気判断・政策分析総括担当)付 金澤 光俊

 直通03-3581-5854

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