今週の指標 No.316 目次   前へ 次へ 2002年2月4日

キャッシュフロー計算書からみた企業の投資動向

<ポイント>
  1. 連結キャッシュフロー計算書(平成12年度決算から作成を義務付けられた)から企業の投資行動をみるために投資キャッシュフロー(投資CF)/営業キャッシュフロー(営業CF)をみると(図1)、
    1. 全産業では設備投資の増加等を受けて99年度から2000年度にかけて高まっているものの、両年度とも100%以下となっており(図1)、投資規模が営業CFの範囲内にとどまっていることがわかる。
    2. 業種別にみると、2000年度に設備投資が大きく増加した電気機械においても100%を下回っている。一方、非製造業では、投資が旺盛な通信業・サービス業で100%を超えている。リストラによる資産の売却等が進んだとみられる小売・不動産では、極めて低水準にとどまっており、建設業では0%を下回っている。
  2. 次に2000年度の営業CF/投資CFの水準、営業CFの水準について業種毎の会社数の割合をみると(図2)、
    1. 営業CFが黒字でありかつ投資CFが営業CFを上回っている(投資CF>営業CF>0)会社は、全産業で22%、電気機械でも27%にとどまっていることがわかる。一方、通信業、サービス業(特にソフトウェア業)では投資意欲が相対的に旺盛であるため、投資CFが営業CFを上回っている会社の割合が高い。
    2. 営業CFが赤字の会社(営業CF<0)の割合については、建設業、通信業、ソフトウェア業で高い。この要因として業績の低迷(主に建設業)、事業の立ち上がり期で投資回収に至っていないこと(主に通信業・ソフトウェア業)が考えられる。

図1.投資キャッシュフロー/営業キャッシュフロー

図2.投資CFが営業CFを上回っている会社数、または営業CFが赤字の会社数の割合

(備考)
  1. (財)日本経済研究所「企業財務データバンク」により作成。
  2. 99年4月〜2000年3月に期末を迎えた決算を99年度決算、2000年4月〜2001年3月に期末を迎えた決算を2000年度決算としている。
  3. 99年度・2000年度に決算期を迎えた上場・公開企業のうち、連結キャッシュフロー計算書を作成している会社を集計。
  4. 投資CFは、キャッシュフロー計算書記載の数値の符号を逆にしている。
    (すなわち、設備や株式の取得・貸付金の増加等で資金が流出する場合に正の値をとる。)

担当:参事官(景気判断・政策分析総括担当)付 加賀林 陽介 直通03-3581-0806

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