今週の指標 No.300 目次   前へ 次へ 2001年11月19日

米国同時多発テロ事件が日本の輸出に与える影響

<ポイント>

  1. 日本のアメリカ向け輸出は2000年7-9月期以降、5四半期連続で前期比減少している。アメリカ向け輸出数量関数を推計すると、アメリカ国内の需要の急速な冷え込みを背景に所得要因が減少に寄与している。(図1)
  2. こうした中、9月の同時多発テロ事件の影響によって、アメリカ経済の停滞がさらに長期化することが懸念されているが、これは、日本のアメリカ向け輸出のさらなる下押し要因となる。実際にテロ発生前と発生後、それぞれのアメリカ経済の見通し(Blue Chipの9月と11月での予測値)をベースに、10−12月期のアメリカ向け輸出を関数推計から試算すると、テロ発生後は発生前と比較して前期比の伸びが1.3%低下する結果となった。(図2)
  3. 日本・アメリカ・アジア3地域の経済依存の関係を貿易連関表で分析してみると、80年代後半と比較して、99年以降、アメリカ・アジアの景気動向が我が国経済に与える影響が強まっている。この点からも、アメリカ経済の停滞が長期化した場合、アメリカ向け輸出の減少のみならず、IT貿易を通じてアメリカとの関係が強まっているアジア経済の低迷を経由して、日本の輸出のさらなる下押し要因となる可能性がある。(図3)

図1 アメリカ向け輸出数量関数の要因分解 図2 アメリカ向け輸出数量の推移 図3 各国の需要が1%増加した場合の日本のGDP増加率

担当:景気判断・政策分析担当参事官付 木村 佳人 直通 03-3581-9527

輸出数量関数の推計結果 貿易連関表の推計方法

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