昭和63年

年次世界経済報告 各国編

経済企画庁


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I 1987~88年の主要国経済

第6章 イタリア:力強さ増す景気拡大

5. 貿易・国際収支

貿易動向をみると,87年は,輸出が150.5兆リラ(前年比3.5%増),輸入が161.6兆リラ(同8.5%増)で,貿易収支は11.1兆リラの赤字となり,86年の3.7兆リラの赤字から大きく悪化した。そして,88年に入ると,赤字幅はさらに拡大しており,1~9月累計9.9兆リラの赤字(前年同期8.7兆リラの赤字)となった(第6-3図)。財別収支をみると,エネルギー収支は,原油価格の下落等によりその赤字が87年18.9兆リラ(8石年19.7兆リラ),88年1~9月11.5兆リラ(87年同期13.9兆リラ)と改善しているものの,非エネルギー収支は,消費・投資の国内需要の好調による輸入数量の増加や,ドル安,リラの堅調による価格競争力の低下に伴う輸出の伸び悩みのためその黒字が87年7.7兆リラ(86年16.1兆リラ),88年1~9月1.6兆リラ(87年同期5.2兆リラ)と縮小している。

また,経常収支の推移をみると,87年は貿易収支赤字が大きく増加したため,観光収支等貿易外収支の黒字拡大にもかかわらず,3.0兆リラの赤字(86年2.0兆リラの赤字)と再び悪化し,88年は1~6月7.4兆リラの赤字(87年同期1.8兆リラの赤字)とさらに赤字幅が拡大している。しかし,総合収支は,資本収支の改善から黒字基調にある(第6-3表)。


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