平成10年

年次経済報告

創造的発展への基礎固め

平成10年7月

経済企画庁


[年度リスト]

目次

平成10年度年次経済報告(経済白書)公表に当たって

はじめに

第1章 景気停滞が長びく日本経済

 第1節 景気の停滞が続く日本経済

  (景気回復の好循環はなぜ断ち切られたか)

  (金融システムの動揺と「貸し渋り」)

  (金融・資本市場のパフォーマンスをどう考えるか)

  (「デフレ・スパイラル」の可能性)

  (アジア経済・通貨問題との相互影響)

  (今後の回復に向けて)

 第2節 低調だった家計消費

  1. 公的負担増と家計消費の変動

   (大きかった駆け込み需要)

   (駆け込み需要はなぜ大きかったか)

   (予想を上回った駆け込み需要の反動)

  2. 先行き不透明感から低調になった家計消費

   (家計の景気の先行き不透明感から秋以降低下した消費性向)

   (将来所得の条件変化による現在消費への影響)

   (98年入り後も低調な動きが続く)

  3. 消費の潜在需要発掘を

   (消費は飽和したか)

 第3節 低水準の続く住宅建設

  1. 低水準続く住宅需要

   (最近の住宅建設の動向)

   (住宅建設の潜在需要)

  2. 住宅の潜在需要の発掘

   (住み方の多様化と住み替え促進のための政策)

   (さらに本格的な住み替え需要の喚起策)

   (住宅投資回復へのシナリオ)

 第4節 減少する生産と企業収益

  1. 長期化する在庫調整と減少する鉱工業生産

   (長期化の様相を呈する在庫調整)

   (川上部門にまで波及した在庫調整)

   (アジアの通貨・経済危機の日本の鉱工業生産への影響)

  2. 減益傾向の中で広がる企業間体力格差

   (97~98年度の企業収益の動向)

   (コスト圧縮の成功不成功)

   (バブル後遺症の清算としての特別損失)

   (増加する企業倒産)

   (企業財務の改善はどこまで進んだか)

 第5節 弱含む設備投資

  1. 設備投資の動向

   (減速して調整過程に)

   (今後の動向~待たれる内需の立ち直り)

   (弱含んだ要因と低金利の効果について)

   (成長率の低下と設備投資の低迷)

  2. 資本ストック調整

   (マクロ的な過剰資本ストックの解消と,一部業種で続く調整過程)

   (資本効率の低下による資本ストック調整の長期化)

   (ストック循環の中心のシフト)

   (景気の停滞に伴う調整~大規模なストック調整の可能性は小さい)

  3. 資金調達と設備投資

   (資金調達の手段と設備投資の関係について)

   (キャッシュフローと設備投資)

   (「貸し渋り」の設備投資への影響)

   (「貸し渋り」の解消と,代替的な資金調達ルート充実の重要性)

  4. オフィスビルの建設投資

   (低迷する事務所建設着工)

   (需要の伸びを背景に事務所フロアの供給は増加している)

   (規制緩和による事務所建設の活性化の可能性)

 第6節 厳しさを増す雇用情勢

  1. 厳しさを増す雇用情勢

   (雇用の減少と失業増)

   (本格的な雇用調整は回避できる)

  2. 雇用を下支えするサービス雇用とパートタイム労働

   (雇用者の産業間移動の必要性)

   (パートタイム労働者の増加)

  3. 伸び鈍る賃金

   (賃金の動向)

   (日本の労働市場は伸縮的か)

 第7節 弱含む卸売物価

  1. 弱含む卸売物価

   (輸入物価の下落,国内卸売物価の弱含み)

   (物価の押し下げ要因)

  2. 「デフレ・スパイラル」の可能性

   (「デフレ・スパイラル」とは?)

   (交易条件改善効果)

   (「デフレ・スパイラル」懸念の払拭)

   (「デフレ・スパイラル」の心配のない経済構造を)

 第8節 国際経済

  1. 外需と対外バランス

   (頭打ちとなった輸出・横ばい傾向続く輸入)

   (輸出促進的な為替レート)

   (高水準となった経常収支黒字)

   (流入超に転じた証券投資)

   (「改正外為法」施行の影響)

  2. アジア経済と日本経済

   (アジア経済・通貨の混乱)

   (日本経済はアジア経済混乱の引き金となったか)

   (拡大しないアジアからの輸入)

   (アジア経済の変動が日本経済に与える影響)

   (その1―輸出入を通じた影響)

   (その2―現地日系企業への影響)

   (その3―アジア向け債権の不良債権問題)

   (98年に入ってからの円安の影響)

   (アジア経済の相互依存関係を通じた影響)

 第9節 金融・資本市場の大幅変動と金融政策

  1. 不良債権問題が影を落とす金融・資本市場

   (金融市場の動向)

   (株価動向)

  2. 金融機関の貸出態度の慎重化

   (金融機関のいわゆる「貸し渋り」問題)

   (貸出供給曲線と借入需要曲線)

   (自己資本比率と貸出伸び率の関係)

   (これまでとは異なる貸出態度判断D.I.の動き)

   (貸出慎重化のマクロ経済への影響)

   (今後の貸出動向の展望)

  3. 金融緩和の継続

   (低金利の継続とその影響)

   (金融機関や企業の構造調整を遅らせる余裕を与えた可能性)

   (金融システム安定化策)

 第10節 財政政策と経済対策

  (財政構造改革と平成10年度予算)

  (過去最大規模の「総合経済対策」)

 第11節 今後の回復に向けて

第2章 成長力回復のための構造改革

 第1節 低下した潜在生産能力の伸び

  1. 潜在生産能力の伸びと予想成長率の低下

   (潜在生産能力の伸びの低下)

   (潜在生産能力の伸びの低下は現実の成長率を引き下げる)

   (労働投入量・資本投入量の伸びの低下)

  2. 生産性上昇率回復の課題

   (低下していない製造業の生産性上昇率)

   (バブル崩壊や規制が影響する非製造業の生産性上昇率低下)

   (生産性上昇に向けた課題)

   (電気機械産業の生産性上昇が投資に与えるスピルオーバー効果)

   (非製造業の生産性上昇率低下がもたらす高コスト構造)

 第2節 規制改革はじめ構造改革の必要性

  1. 規制の撤廃・緩和等による生産性向上と事業機会拡大

   (公的規制の緩和・撤廃等が生産性向上に寄与)

   (技術進歩の成果を最大限に引き出す―電気通信の自由化)

   (高コスト構造の是正―発電への新規参入)

   (成熟産業を活性化する―鉄道事業の合理化・効率化)

  2. 高齢社会に備えた医療制度改革

   (高齢化に備える医療制度改革)

   (国民医療費の現状)

   (医療効率化のために)

 第3節 資本コストの引き下げ等による経済活動へのインセンティブ強化

  (高い資本コストと空洞化の懸念)

  (負債コストと自己資本コスト)

  (日本の資本コストを低める低水準の金利)

  (制度面に係る資本コストの差)

  (引き下げられている法人税率)

  (個人所得課税も見直し)

 第4節 金融システムによるリスクマネー供給と企業の新規開業

  1. リスクマネー供給体制の問題点

   (資金供給経路の各段階における問題点)

  2. 新規開業と金融チャネル

   (低下する開業率)

   (新規開業と雇用)

   (新規開業のリスク)

   (リスクマネーの供給が円滑化するための条件と現状)

   (新規開業と間接金融)

  3. 成長部門への資源配分が重要

   (まとめ―何が問題か)

   (「成長」を支えるシステム構築を)

 第5節 企業システムの変革

  1. メインバンク依存の変質

   (制度疲労の可能性)

   (企業金融のメインバンク依存体質の変質)

   (企業の資金調達構造と経営の効率性)

  2. 企業統治構造の空白

   (バブル期に空白を迎えたガバナンス構造)

   (機能していない市場によるガバナンス・メカニズム)

   (変化の兆しが見られる株式持合い構造)

   (漸進的な変化を望む企業の意識)

  3. 今後の経営システム

   (求められる会計制度の充実)

   (今後の経営システムとは)

 第6節 労働力需給のミスマッチの拡大により重要性が増す労働市場の機能

  1. 構造的・摩擦的失業の上昇

   (長期雇用は基幹となる労働者を中心に維持)

   (外部労働市場の一層の活用)

   (構造的・摩擦的失業の上昇)

  2. 労働移動の円滑化の課題

   (円滑な労働移動の重要性)

   (労働市場の需給調整機能の強化)

   (賃金体系は依然として長期雇用を前提)

 第7節 経済構造改革の実現のために

  (市場での再挑戦機会の重要性)

  (短期の景気回復にも有効な経済改革)

  (自己責任原則と情報開示)

第3章 各種構造改革下の経済政策

 第1節 裁量的財政政策の有効性

  (景気対策としての裁量的財政政策は有効だったか)

  (設備投資の落ち込み)

  (景気回復の好循環の弱まり)

  (バブルの後遺症の影響)

  (民間部門の将来に対する信頼感の弱まり)

  (財政政策の乗数効果が変化している可能性)

  (その1―家計や企業の行動の変化)

  (その2―金利や為替レートの反応の変化)

  (金利や為替レートの反応の変化:VARモデルによる検証)

  (財政赤字に対する認識の高まり)

  (裁量的財政政策のラグ)

  (認知ラグと決定ラグ)

  (ビルト・イン・スタビライザー機能)

  (実行ラグと外部ラグ)

  (OECD諸国の財政緊縮の経験)

  (債務削減に成功した国の共通点と日本への含意)

  (構造改革下の財政政策の有効性)

 第2節 金融政策の有効性

  (低金利の効果)

  (金融システム動揺以降のマネーサプライ)

  (マネーサプライと実体経済との関係)

  (中央銀行のハイパワードマネーのコントローラビリティー)

  (更なる金融政策の余地)

 第3節 金融システムの安定化とバランスシートの改善

  (金融機関に対する市場の評価)

  (金融システム不安定化のリスク)

  (金融機関に対する市場の評価が強まったことのインプリケーション)

  (情報開示の重要性)

  (金融システム不安による金融仲介コストの上昇)

  (健全な企業への影響)

  (金融機関のバランスシート改善)

  (金融機関の貸出資産自己査定)

  (株価変動の銀行行動への影響)

 第4節 公的金融を巡る諸問題

  (政府系金融機関と民間金融機関の貸出の関係)

  (いわゆる「貸し渋り」と政府系金融機関貸出)

  (公的金融における能動的な資金調達の必要性)

  (財政投融資の改革の方向)

 第5節 不動産の流動化

  (不動産市場の現状)

  (競売の制度面での問題)

  (不動産関係の諸施策)

 第6節 社会資本形成の効率性

  (社会資本のマクロの生産性)

  (建設コストの内外格差と官民格差)

  (公共事業分野への民間活力の導入)

 おわりに

  (厳しい景気情勢と経済対策)

  (景気減速と90年代の低成長)

  (低成長から脱却するためのマクロ経済政策と構造改革)

  (停滞から新たな飛躍への転換)

付図・付表

付  注

長期経済統計


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