昭和51年

年次経済報告

新たな発展への基礎がため

昭和51年8月10日

経済企画庁


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第1章 昭和50年度経済の推移と特色

昭和50年度の日本経済は,戦後最大の不況から徐々に回復の足がためをしてゆく過程にあつた。昭和48年秋のいわゆる石油危機に端を発する不況は,従来の不況とかなり様相を異にする面が少なくなく,またその落込みの幅も,戦後の日本経済がかつて経験したことのない深いものであつた。このため,不況からの回復過程として位置づけられる50年度の経済にとつても,高度成長期における回復局面とは異なり,不況のつめあとを容易には瘉やしきれない厳しい年となつた。またこのような過程において,これまで高度成長期を通して日本経済の諸側面に内在していた種々の問題点も浮かび上つてきた。第1章では,このようないわば構造的な変化の芽をもとらえながら,今回の景気回復過程における特徴点を整理することとしよう。


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