昭和46年

年次経済報告

内外均衡達成への道

昭和46年7月30日

経済企画庁


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第1部 昭和45年度の日本経済

第4章 景気後退下のジレンマ

45年度の国内景気が後退するなかで,国際収支黒字は大きく拡大する一方,消費者物価はいぜん強い騰勢をつづけた。不景気,国際収支大幅黒字,高消費者物価の併存状態は,日本経済が直面するジレンマである。

景気後退は輸入を停滞させ輸出圧力を強めて,国際収支黒字拡大をもたらしている。一方,長期好況の落とし子として,所得・賃金の伸び率そのものはなお高く,景気と消費者物価のすれ違いをもたらしている。国際収支の黒字幅を拡大させないためには,景気の円滑な回復を進めることがなによりも必要であるが,それが消費者物価の上昇を加速させることがないよう配慮が加えられなければならない。


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