昭和44年

年次経済報告

豊かさへの挑戦

昭和44年7月15日

経済企画庁


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第2部 新段階の日本経済

4. 新らしい経済政策の方向

これからの目本経済に要請されることは,これまでの繁栄を支えてきた諸要因をさらに強化し,ひきつづき高い成長を図つていくとともに,その成果をさきにあげた経済的,社会的なアンバランスの解消にむけることである。

過去の繁栄がある意味ではこれらのアンバランスの代償のうえで実現された面もあるので,繁栄の持続と困難の解決とを両立させることはかなりの努力を要する。さらに,国際社会への積極的参加と協力がいつそう要請されるようになつてきた。これまでの通念にとらわれることなく,新らしい時代にふさわしい経済政策への脱皮を図る必要があるが,以下とくに①景気政策と資源配分政策の調和,②人間能力の開発,③成長と国民生活のための産業構造へ,④国際的交流の拡大という点についてのべよう。


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