第8-1図 にみる通り各輸送機関とも年度当初から出荷は強調で、需要の集中する10~12月期の輸送、特に国鉄輸送が懸念される状態であった。このため国鉄では輸送力不足線区の即効的重点工事の施工に努力し、輸送方式の合理化を図ると共に、車輌面でも前年度の3倍にあたる5,700両の貨車の増備を行う等輸送力の強化を図った。これらの対策により10~12月期の国鉄貨物輸送は、1日平均輸送量が前年度を8%上回る56万トンにまで高められた。一方政府においても緊急輸送対策連絡協議会を設置し、鉄道、海運、トラックの輸送を総合的に調整することによって、輸送難防止に努める態勢をとり、たまたま、米、肥料、水産物など一部季節物資に出荷のずれを生じたこともあって、この期の輸送は特に問題を生ずることなく推移した。しかし、1月から2月にかけて裏日本一帯にたびたび雪雪があり、このため約140万トンの滅送をみるに至り、これらの地方では輸送が混乱したので、1~3月期の駅頭在貨は前年を上回るに至った。