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海外経済報告

(平成12年7月四半期報)


参考図表

概 観

1.主要国の経済動向をみると(図1図2)、アメリカの景気は、一部に年初に比べれば減速の兆しがみられるものの、景気は拡大を続けている。ヨーロッパの景気は拡大している。アジアでは、景気は回復している。

 アメリカでは、実質GDP(前期比年率)は、99年10~12月期7.3%増の後、2000年1~3月期は5.5%増となり、一部に年初に比べれば減速の兆しがみられるものの、景気は拡大を続けている。カナダでは景気は拡大している。中南米をみると、メキシコでは景気は拡大しており、ブラジルでは景気は回復している。

 西ヨーロッパをみると、ドイツ、フランス、イタリアでは、景気は拡大している(1~3月期実質GDP(前期比年率)はドイツ2.7%増、フランス2.9%増、イタリア4.0%増)。イギリスでは景気拡大のテンポは緩やかになってきている(1~3月期同2.0%増)。中・東ヨーロッパをみると、ポーランド、ハンガリー、チェッコでは景気は拡大している。ロシアでは景気は拡大している。

 アジアでは、中国の景気拡大テンポはこのところやや高まっている。アジアNIEsでは、景気は拡大している。アセアンをみると、景気は回復している。

2.国際金融・商品の動向をみると、2000年4~6月期の米ドル(実効相場)は、4月に増価したが、その後は減価した(図3)。対円では、4~5月初旬にかけて増価基調で推移したが、6月に入り減価した。対ユーロでは、4月に増価し、史上最高値を付けた(4月27日)後、減価に転じた。国際商品市況(CRB商品先物指数)は、4月はほぼ横ばいで推移した後、5月下旬まで上昇し、その後は225ポイント前後で推移した。原油価格(北海ブレント・スポット価格)は、4月上旬は3月のOPEC総会での増産合意を受け下落したものの、5月は上昇基調で推移した。その後は、一時弱含む場面がみられたが、6月のOPEC臨時総会で合意された増産規模が需給緩和に資するには不充分であるとの観測が高まったことなどから、6月下旬にかけては、30ドルを上回って推移した。

(備考)

 本報告では、北米、西ヨーロッパ諸国、オーストラリアの指標の変化率は、特に断りのない限り四半期データは季節調整値前期比年率、月次データは同前月比である。また、中南米、中・東ヨーロッパ、ロシア、アジア諸国の指標は、前年同期(月)比である。

 

1 南北アメリカ 北米、景気拡大続く

アメリカ :一部に年初に比べれば減速の兆しがみられるものの、景気は拡大を続けている。雇用は拡大している。物価は総じて安定している。

 アメリカでは、実質GDPは、99年10~12月期前期比年率7.3%増(前年同期比4.5%増)の後、2000年1~3月期は同5.5%増(同5.1%増)となった。引続き内需が堅調に推移した(1~3月期内需寄与度6.4%)。外需寄与度のマイナス幅は前期から拡大した(同▲0.9%)。個人消費は、1~3月期前期比年率7.7%増となった後、4月は前月比年率2.0%増、5月は同2.8%増と増加しているが、うち耐久財消費支出は3月以降3か月連続で減少している。小売売上は、5月前月比0.3%減となった。消費者信頼感指数は、6月は138.8と前月の過去最高値から低下した。設備投資は、1~3月期前期比年率23.7%増と、大幅に増加している。設備投資の先行的な指標である非軍需資本財受注(航空機・同部品を除く)は、4月前月比2.6%増、5月同2.1%減となった。住宅投資は、1~3月期前期比年率5.2%増と増加した。直近の動きをみると、住宅着工件数は、3月前月比10.5%減、4月同1.6%増の後、5月同3.9%減となっており、住宅許可件数は2月以降4か月連続で減少している。在庫投資の1~3月期GDP成長率への寄与度は、▲1.5%となった。

 鉱工業生産は、3月前期比0.7%増、4月同0.7%増、5月は同0.4%増と増加している。また、設備稼働率は3月81.8%、4月82.1%、5月82.1%と、このところ上昇傾向にある。

 雇用は、非農業事業所雇用者数は1~3月期前期差97.1万人増、4~6月期同59.2万人増と拡大している。失業率は5月4.1%の後、6月は4.0%となった。民間非農業事業所の時間当たり賃金は、6月前年同月比3.6%増となった。物価は、消費者物価(総合)が5月前年同月比3.1%の上昇(消費者物価コアは同2.4%の上昇)、生産者物価(完成財総合)が5月同3.9%の上昇(生産者物価コアは同1.5%の上昇)と、総じて安定している。

 経常収支赤字は、1~3月期1023億ドル(GDP比▲4.2%)と前期から拡大した。この背景としては、財・サービスの貿易収支赤字が拡大したことが挙げられる。4月の財の貿易収支赤字(国際収支ベース)は、前月から2.4億ドル減の369億ドルとなったものの、依然として高水準である。

 金融面の動向をみると、連邦準備制度は、6月28日に、フェデラル・ファンド・レートの誘導目標水準と公定歩合の据え置きを決定した(それぞれ6.50%、6.00%)。なお、今後の物価及び景気動向に対するリスクの見通しはインフレ方向とした。6月の短期金利(TB3か月物)は、上旬にやや上昇基調で推移したが、その後低下し、中旬からはほぼ横ばいで推移した。長期金利(10年物国債)は、上旬は低下基調で推移したが、その後上昇し、下旬には再び低下した。(TB3か月物利回り6月平均5.84%(5月平均5.95%)、10年物国債利回り6月平均6.09%(5月平均6.43%))。6月の株価(ダウ平均)は、おおむね下落基調で推移した。月初と月末を比較すると下落した(NYダウ工業株30種平均の6月平均10,580.63ドル(5月平均比0.12%上昇))。マネーサプライ増加率(99年10~12月期対比年率)をみると、M2は5月で5.8%増となっている。

 行政管理予算局(OMB)は、6月26日、年央の改訂財政見通しを発表した。同見通しによると、2000会計年度の財政収支見通しは、前回見通し(2月予算教書)の1670億ドルの黒字を上方改訂し、2110億ドルの黒字を見込んでいる。また、実質GDP成長率も、2000年の見通しは、前年比4.8%と上方改訂された。

 

カナダ:景気は拡大している。

 カナダでは、実質GDP(前期比年率)は、99年10~12月期5.1%増の後、2000年1~3月期は4.9%増となり、景気は拡大している。1~3月期の成長率を内外需別にみると、内需寄与度は2.4%、外需寄与度は2.5%となった。個人消費は、1~3月期3.4%増と増加している。民間投資についてみると、設備投資は、1~3月期11.2%増、住宅投資は、同9.8%増と増加している。在庫投資は、GDP成長率への寄与度は▲1.1%となっている。生産はほぼ横ばいで推移しており、3月前月比0.7%増の後、4月同0.1%減となっている。失業率は4月に6.8%、5月には6.6%と低下しており、76年3月以来の低水準となっている。物価は安定しており、消費者物価上昇率は、4月前年同月比2.1%、5月同2.4%となっている。経常収支は1999年10~12月期3.4億加ドルの赤字の後、2000年1~3月期48.5億加ドル(GDP比0.5%)と、大幅な黒字となった。財の貿易収支黒字(国際収支ベース)は、99年以降高水準で推移し、3月41.1億加ドル、4月は31.7億加ドルとなった。金融面の動向をみると、カナダ銀行は5月17日に、公定歩合を0.50%引き上げ、6.00%とした。

 

 中南米:メキシコの景気は拡大している。物価上昇率は低下してきている。

     ブラジルの景気は回復している。物価上昇率は低下している。

 メキシコでは、実質GDP(前年同期比)は、99年10~12月期5.2%増の後、2000年1~3月期7.9%となり、景気は拡大している。需要項目別にみると、民間消費が前年同期比9.2 %増、固定資本形成が11.6%増となっており、内需主導での景気拡大となっている。鉱工業生産は10~12月期前年同期比4.6%増、1~3月期同8.6%増の後、4月は前年同月比5.1%増となった。

 失業率は低水準で推移しており、1~3月期2.4%の後、4月2.5%、5月2.1%となった。物価をみると、消費者物価上昇率は、1~3月期は前年同期比10.6%、4月は前年同月比9.7%、5月同9.5%と低下してきている。貿易収支赤字は、10~12月期23.4億ドル、1~3月期13.4億ドルと縮小している。経常収支赤字は、10~12月期は44.7億ドル、1~3月期は42億ドルであった。

 金融面の動向をみると、ペソの対ドルレートは減価基調で推移し、6月30日現在では    9.83ペソ/ドルと、3月末比で6.6%の減価となった。一方、株価(IPC指数)は3月末以降下落基調で推移し、5月下旬には99年11月の水準まで低下したが、その後やや上昇した。6月30日現在では3月末比で7.0%の下落となった。

 ブラジルでは、景気は回復している。実質GDP(前年同期比)は、99年10~12月期3.6%増(当初発表の3.1%から上方改訂)の後、2000年1~3月期は3.1%となった。鉱工業生産は1~3月期前年同期比8.1%増の後、4月は前年同月比3.2%増となった。

 失業率は高水準で推移しており、10~12月期7.0%の後、1~3月期は8.3%、4月7.8%、5月7.8%となった。物価をみると、消費者物価上昇率は、1~3月期は前年同期比7.9%、4月は前年同月比6.8%、5月も同6.5%と低下している。貿易収支は、10~12月期は4.4億ドルの赤字だったが、1~3月期は0.3億ドルの黒字と、わずかながら黒字に転じた。経常収支赤字は10~12月期75.8億ドルの後、1~3月期は40.7億ドルとなった。

 金融面の動向をみると、レアルの対ドルレートは4月以降ほぼ減価基調で推移し、5月下旬から6月初めにかけて増価したものの、2000年6月30日現在1.806レアル/ドルと、3月末比で3.7%の減価となった。株価(BOVESPA指数)は3月末以降下落基調で推移し、5月下旬には99年12月初めの水準まで低下したが、その後上昇した。6月30日現在では3月末比で6.1%の下落となった。

 

2 ヨーロッパ 景気は拡大している

 西ヨーロッパの景気の現状をみると、EU15か国では、世界経済の好調やユーロ安による輸出増とともに、内需が増加しており、景気は拡大している。実質GDPは、99年7~9月期前期比年率4.0%増の後、10~12月期同3.4%増、2000年1~3月期同2.9%増となった。

 中・東ヨーロッパでは、ポーランド、ハンガリー、チェッコでは景気は拡大している。ロシアでは、原油価格の上昇等によって輸出が増加していることから、景気は拡大している。

 

ユーロ圏:輸出の大幅増とともに固定投資の伸びによって、景気は拡大している。

 ユーロ圏(EMU第3段階移行11か国)では、景気は拡大している。実質GDPは、99年7~9月期前期比年率3.9%増の後、10~12月期同3.4%増、1~3月期同3.0%増となった。世界経済の好調や99年初来のユーロ安により輸出が大幅に増加していることが、固定投資の伸びを加速させている。欧州委員会発表のコンフィデンスをみると、製造業、建設業、消費者のいずれも改善している。鉱工業生産は、1~3月期前期比1.2%増、4月前月比0.7%増と増加している。失業率は1~3月期9.4%、4月9.2%、5月9.2%と高水準ながらも低下している。物価はエネルギー価格の上昇などがみられるものの総じて安定している。消費者物価上昇率は4月前年同月比1.9%、5月同1.9%となった。経常収支は10~12月期33億ユーロの黒字から、1~3月期には12億ユーロの赤字となった。

 ユーロ圏の金融面の動向をみると、5月には長期金利(ユーロ圏10年債平均、ECB発表)はやや低下した。ユーロ圏の広義のマネーサプライ(M3)は、5月前年同月比5.9%増となった(3か月移動平均では前年同期比6.3%増となり、ECBの参照値である同4 1/2%増を上回って推移している)。ユーロは6月には初旬に増価した後、一時減価する場面もあったが、ほぼ横ばいで推移した。

 

ドイツ:輸出の大幅増とともに機械設備投資の大幅増によって、景気は拡大している。

 ドイツでは、実質GDPは、99年7~9月期前期比年率3.2%増、10~12月期同2.9%増の後、1~3月期同2.7%増となり、景気は拡大している。輸出が大幅に増加しており、機械設備投資とソフトウェア等投資が内需の伸びを支えている。

 個人消費は、10~12月期前期比年率1.9%増の後、1~3月期同2.5%減と、やや低迷している。小売売上高をみると、1~3月期前期比1.2%減の後、4月前月比1.3%増となった。消費者コンフィデンス(欧州委員会発表)は改善している。

 機械設備投資は、10~12月期前期比年率1.7%減の後、1~3月期同25.6%増と大幅に増加した。足下をみると、国内向け資本財受注が1~3月期前期比0.1%増、4月前月比6.3%増、5月同1.8%減となった。建設投資は、10~12月期前期比年率5.1%減、1~3月期同2.2%減と回復の遅れが目立っている。建設受注数量をみると、1~3月期前期比0.2%増、4月前月比0.1%減、新規住宅受注数量は1~3月期前期比1.8%増、4月1.7%増となった。建設業コンフィデンス(欧州委員会発表)はやや悪化している。

 鉱工業生産は、1~3月期前期比0.9%増、4月前月比0.5%増、5月同2.2%増と増加している。足下をみると、製造業新規受注は、1~3月期前期比1.2%増、4月前月比1.6%増、5月同1.9%増と増加している。また、製造業景況感(ifo、旧西独地域)は改善を続けている。

 失業率は、高水準ながらも低下している(6月9.6%)。物価は、輸入物価の上昇がみられるものの総じて安定している。消費者物価上昇率は5月前年同月比1.4%、6月同1.9%、生産者物価上昇率は4月前年同月比2.1%、5月同2.7%となった。輸入物価上昇率は4月前年同月比9.8%増、5月同11.7%増と上昇している。

 経常収支は10~12月期78億ユーロの赤字(名目GDP比▲1.6%(経済企画庁算出))の後、1~3月期には40億ユーロの赤字(同▲0.8%)と、赤字幅が縮小している。貿易収支黒字は1~3月期156億ユーロの後、4月52億ユーロとなった。輸出は1~3月期前期比6.3%増、4月前月比3.5%減、輸入は1~3月期前期比8.3%増、4月前月比3.2%減となった。

 

フランス:景気は拡大している。個人消費、設備投資の増加傾向が続いており、内需は拡大している。失業率は高水準ながらも低下している。

 フランスでは、実質GDPは、99年10~12月期前期比年率3.5%増の後、2000年1~3月期同2.9%増となった。個人消費、設備投資を中心とした内需主導で景気は拡大している。雇用情勢の改善が消費者信頼感の向上につながっていることなどから、個人消費は、増加を続けている(実質個人消費は10~12月期前期比年率2.4%増、1~3月期同3.5%増)。設備投資は、引き続き増加している (実質法人固定投資は99年10~12月期前期比年率5.9%増、1~3月期同5.2%増)。一方、政府消費は10~12月期前期比年率2.7%増の後、1~3月期同0.7%増と伸びが大幅に鈍化した。

 鉱工業生産は、1~3月期前期比0.5%増、4月前月比0.2%減と、緩やかに増加している。INSEE(国立統計経済研究所)が6月に行った経営者アンケート調査によると、生産見通しは、高水準で推移している。

 失業率は、高水準ながらも低下しており、4月9.9%、5月9.8%となった。物価は、総じて安定している。消費者物価上昇率は、エネルギー価格の上昇がみられるものの、1~3月前年同期比1.5%、4月前年同月比1.3%、5月同1.5%となった。工業品生産者価格上昇率は、1~3月前年同期比3.0%、4月前年同月比4.4%、5月同4.7%となった。

 経常収支は1~3月期477億フランの黒字(名目GDP比2.1%)、貿易収支は1~3月期158億フラン、4月21億フランの黒字となった。輸出は1~3月前期比3.3%増、4月前月比1.3%減、輸入は1~3月前期比4.3%増、4月前月比0.6%増となった。

 

イタリア:輸出の大幅増と個人消費の伸びにより、景気は拡大している。

 イタリアでは、実質GDPは、99年10~12月期前期比年率2.5%増の後、2000年1~3月期は同4.0%増となり、景気は拡大している。

 個人消費は、実質個人消費が10~12月期前期比年率0.7%増の後、1~3月期同4.9%増と大幅な増加となった。固定投資は、実質固定投資が10~12期前期比年率7.0%増、1~3月期同5.0%増と、増加が続いている。輸出は、1~3月期前期比年率15.3%増の大幅増となり、外需寄与度は年率2.9%となった。

 鉱工業生産は、1~3月期前期比0.5%増(前年同期比0.4%増)の後、4月前月比0.7%減(前年同月比4.2%減)となった。

 失業率は、高水準ながらもやや低下しており、1月11.4%、4月10.8%となった。物価は、エネルギー価格上昇により、上昇率がやや高まっている。生計費上昇率は1~3月期前年同期比2.3%、4月前年同月比2.2%、5月同2.3%となった。工業品生産者価格上昇率は1~3月期前年同期比4.7%、4月前年同月比5.4%、5月同6.4%となった。

 経常収支は1~3月期22.4億ユーロの赤字(未季調値、名目GDP比▲0.8%)の後、4月6.2億ユーロの赤字となった。輸出は1~3月期前年同期比17.7%増、4月前年同月比8.9%となった一方で、輸入は1~3月期前年同期比23.6%増、4月前年同月比14.8%増となったため、貿易収支(未季調値)は1~3月期7660億リラの赤字の後、4月6230億リラの赤字となった。

 

イギリス:個人消費の増加などが成長に貢献しているものの、設備投資は減少しており、景気拡大のテンポは緩やかになってきている。

 イギリスでは、実質GDPは、99年10~12月期前期比年率2.8%増となった後、2000年1~3月期同2.0%増となった。個人消費や輸出は増加しているものの、設備投資は減少しており、景気拡大のテンポは緩やかになってきている。需要項目別にみると、個人消費は、実質個人消費が1~3月期前期比年率2.7%増となり、小売売上数量は、4月前月比0.1%減(前年同月比4.7%増)、5月同0.4%増(同3.6%増)と堅調に推移している。設備投資は、民間非住宅投資が、1~3月期前期比年率3.0%減となった。住宅投資は、1~3月期同6.0%減となった。

 鉱工業生産は、伸びが緩やかになっている。総合指数は、1~3月期前期比0.8%減、4月前月比1.0%増、5月同0.1%増となった。製造業指数は、1~3月期前期比0.2%減、4月前月比0.1%減、5月同0.4%増となった。失業率は、3月4.0%、4月3.9%、5月3.9%と約20年ぶりの低水準で推移している。物価は安定している。小売物価上昇率は、4月前年同月比3.0%、5月同3.1%となり、また、イングランド銀行がターゲット指標にしている住宅金利支払を除く小売物価上昇率(RPIX)は、4月同1.9%、5月同2.0%となった。

 経常収支は、10~12月期15.5億ポンドの赤字(名目GDP比▲0.7%)の後、1~3月期40.1億ポンドの赤字(同▲1.7%)となった。貿易収支は、3月19.4億ポンドの赤字の後、4月25.2億ポンドの赤字となった。輸出は、1~3月期前期比3.9%増、4月前月比3.0%減、輸入は、1~3月期前期比2.0%増の後、4月前月比0.7%増となった

 金融面の動向をみると、ポンド相場は、6月には、対ドルでは横ばい、対ユーロではやや減価した。金利は、短期金利(TB3か月利回り)は横ばい、長期金利(10年国債利回り)はやや上昇した。マネーサプライ(M4)は、5月には前年同月比5.0%増となっている。

 

中・東ヨーロッパ:ポーランド、ハンガリー、チェッコでは景気は拡大している。

 ポーランドでは、実質GDPが99年10~12月期前年同期比6.2%増、2000年1~3月期同6.0%増となり、景気は拡大している。鉱工業生産は、1~3月期前年同期比10.7%増、4月前年同月比5.5%増、5月同12.2%増と増加している。失業率は、1~3月期13.9%、4月13.7%、5月13.5%と低下している。物価は、消費者物価上昇率でみると1~3月期前年同期比10.3%、4月前年同月比9.8%、5月同10.0%と高まっている。経常収支は、10~12月期36.7億ドル、1~3月期35.1億ドルの赤字となった。

 ハンガリーでは、実質GDPが、10~12月期前年同期比5.9%増、1~3月期同6.8%増となり、景気は拡大している。鉱工業生産は、1~3月期前年同期比20.8%増、4月前年同月比14.9%増、5月同29.5%増と増加している。失業率は、10~12月期9.6%となった。物価は、消費者物価上昇率で1~3月期前年同期比9.9%、4月前年同月比9.2%、5月同9.1%と高水準ながらやや低下している。経常収支は、1~3月期3.8億ユーロの赤字となった。

 チェッコでは、実質GDPが、10~12月期前年同期比1.0%増、1~3月期同4.4%増となり、景気は拡大している。鉱工業生産は、1~3月期前年同期比4.7%増、4月前年同月比 2.8%増と増加している。失業率は、1~3月期9.5%、4月9.0%、5月8.7%と低下している。物価は、消費者物価上昇率でみると1~3月期前年同期比3.7%、4月前年同月比3.4%、5月同3.7%となった。経常収支は、10~12月期8.8億ドル、1~3月期3.5億ドルの赤字となった。

 

ロシア:景気は拡大している。

 ロシアでは、実質GDPは、99年10~12月期前年同期比7.3%増、2000年1~3月期同8.4%増となった。原油価格の上昇等によって輸出が増加していることから、景気は拡大している。鉱工業生産は、1~3月期前年同期比11.3%増、4月前年同月比5.5%増、5月同10.6%増と増加している。個人消費は、1~3月期前年同期比8.2%増、4月前年同月比8.8%増と増加している。固定投資は、実質総固定投資(政府・民間)で10~12月期前年同期比20.2%増、1~3月期同5.9%増と増加している。

 失業率(ILO基準)は、1~3月期11.8%、4月11.7%と横ばいで推移している。物価は、消費者物価上昇率でみると5月前年同月比19.3%(前月比1.7%)、6月同20.1%(同2.6%)となった。

貿易収支(個人業者による「シャトル貿易」を含む)黒字は、10~12月期130.7億ドル、1~3月期136.1億ドルと増加している。輸出は、原油価格の上昇やヨーロッパ諸国への輸出の回復等により、10~12月期前年同期比24.0%増、1~3月期同49.9%増と大幅に増加している。輸入は、10~12月期前年同期比18.0%増、1~3月期同6.9%増と増加している。

 金融面の動向を見ると、マネーサプライ(M2)は3月前年同月比58.6%増、4月同54.6%増となった。また、ルーブルは6月30日現在、対ドルで3月末比1.4%の増価となった。なお、中央銀行は、7月10日より、公定歩合を現行の33%から28%に引き下げることとした。

 

3 アジア等 東アジアの景気は回復している

 東アジアでは、2000年1~3月期の実質GDP成長率が、99年10~12月期に続き多くの国・地域で大きなプラスとなっており、景気は回復している。中国では景気の拡大テンポは、このところやや高まっている。

 鉱工業生産は、多くの国で増加が続いている。雇用情勢は依然として厳しいが、失業率が総じて低下している。物価は総じて安定している。

 輸出は、大幅な増加が続いている。輸入も生産の増加を反映して大幅に増加している。

各国の通貨は、総じて落ち着きをみせているが、インドネシアでこのところ減価している。株価は、アジアNIEsでは4月以降下落基調にあったものの、6月には総じて持ち直しの動きがみられる。ASEAN4か国では4月以降下落基調で推移している。

 インドでは、輸出入の増加が続いている。オーストラリアでは景気は拡大している。

 

中国:景気の拡大テンポは、このところやや高まっている。物価は、消費者物価が上昇に転じた。貿易は、輸出入ともに大幅に増加している。

香港:景気は回復している。物価は下落している。

 中国では、実質GDPは、99年前年比7.1%増の後、2000年1~3月期前年同期比8.1%増となった。鉱工業生産(実質)は、4月前年同月比11.4%増の後、5月同11.5%増と堅調に推移している。消費は、社会商品小売総額(消費財、実質)をみると、4月前年同月比11.8%増の後、5月同13.7%増と堅調に推移している。固定資産投資(国有部門、名目)は、1~4月期前年同期比9.3%増の後、1~5月期同9.5%増となり、伸びが高まっている。物価は、消費者物価上昇率をみると、4月前年同月比▲0.3%の後、5月同0.1%と上昇に転じた。また、小売物価上昇率(消費者物価上昇率からサービス、公共料金を除いたもの)は、4月前年同月比▲2.4%の後、5月同▲1.9%となっており、97年10月以降32か月連続で下落している。

 貿易収支をみると、輸出入ともに大幅に増加しており、黒字幅は拡大傾向にある。貿易黒字は、4月21.4億ドルの後、5月31.4億ドルとなった。輸出は、4月前年同月比38.7%増の後、5月同29.6%増と大幅に増加している。一方、輸入は、4月前年同月比32.8%増、5月同24.3%増と大幅に増加している。

 金融面の動向をみると、マネーサプライ増加率(M2、期末残)は、4月前年同月比13.7%の後、5月同12.7%と低下した(2000年目標圏:14~15%)。

 香港では、実質GDPは10~12月期前年同期比9.2%増の後、1~3月期同14.3%増となり、景気は回復している。民間最終消費は、10~12月期前年同期比4.4%増の後、1~3月期同8.3%増となった。小売売上高(名目)をみると、1~3月期前年同期比7.5%増の後、4月前年同月比7.7%増と増加している。固定資本形成は、10~12月期前年同期比10.4%減の後、民間設備投資が大幅に増加し、1~3月期同5.6%増と増加に転じた。物価は下落している。消費者物価上昇率は、98年10月以降前年同月比マイナスが続いており、衣料・靴、住宅等の下落から4月前年同月比▲3.3%、5月同▲3.4%となった。失業率は、1月~3月5.5%の後、2月~4月5.5%、3月~5月5.1%とやや低下している。
 貿易動向をみると、輸出入ともに大幅に増加している。輸出は、1~3月期前年同期比19.5%増の後、4月前年同月比15.0%増、5月同21.7%増となった。一方、輸入は、1~3月期前年同期比22.3%増の後、4月前年同月比17.4%増、5月同28.5%増となった。貿易収支は、1~3月期30.5億ドル、4月13.5億ドル、5月10.1億ドルの赤字となった。
 金融面の動向をみると、マネーサプライ(M2、期末値)は、3月前年同月比8.2%増の後、4月同7.0%増となった。

 

韓国:景気は拡大している。貿易は、輸出入ともに大幅な増加が続いている。

 韓国では、実質GDPは、99年7~9月期前年同期比12.8%増(前期比年率14.0%増)の後、10~12月期に同13.0%増(同11.7%増)、2000年1~3月期同12.8%増(同7.3%増)と4四半期連続で二桁の伸びを示した。なお、1~3月期の成長率を内外需別にみると、内需寄与度の12.8%に対して外需寄与度は1.4%となった。民間最終消費は、10~12月期前年同期比12.1%増の後、1~3月期同11.2%増と4四半期連続で二桁の増加となった。投資は、建設投資が1~3月期前年同期比7.0%減となったものの、機械設備投資が1~3月期同63.6%増、在庫投資が1~3月期同寄与度0.8%とプラスを記録した。

 鉱工業生産(原数値)は、1~3月期前年同期比23.4%増の後、4月前年同月比16.9%増、5月同20.0%増と、15か月連続で二桁の増加となった。製造業稼働率は、1~3月79.6%の後、4月76.4%、5月81.0%となった。失業率(季調値)は、4月4.0%の後、5月は3.9%と低下傾向にある。物価をみると、消費者物価、生産者物価ともに安定している。消費者物価上昇率は5月前年同月比1.1%、6月同2.2%となった。生産者物価上昇率は4月前年同月比1.9%、5月同1.2%となった。

 貿易動向をみると、輸出は、5月前年同月比28.1%増の後、6月は同20.8%増となった。輸入は、5月前年同月比40.5%増の後、6月同29.2%増と、大幅な増加が続いている。貿易収支は、5月に13.5億ドル、6月は23.0億ドルの黒字となった。経常収支は4月に2.6億ドルの赤字の後、5月は15.4億ドルの黒字に転じた。

 金融面の動向をみると、総合株価指数は、6月の期中平均で795ポイントと、やや持ち直している。為替レート(対ドルレート)は、このところ安定している。外貨準備高は、5月868億ドルの後、6月902億ドルと増加している。

 

台湾:景気の拡大テンポは高まっている。

シンガポール:景気は拡大している。

 台湾では、実質GDPは、99年7~9月期前年同期比5.1%増、10~12月期同6.8%増の後、2000年1~3月期は同7.9%増と景気拡大のテンポは高まっている。民間最終消費支出は、10~12月期前年同期比5.3%増、1~3月期同7.7%増と高い伸びが続いている。固定資本形成は、民間投資の回復により、10~12月期前年同期比8.1%増の後、1~3月期同8.2%増となった。

 鉱工業生産は、1~3月期前年同期比11.4%増の後、4月前年同月比5.0%増、5月同8.6%増と増加している。失業率は、1~3月期2.8%の後、4月2.7%、5月2.8%となった。物価は、やや上昇している。消費者物価上昇率は、1~3月期前年同期比0.9%の後、4~6月期同1.4%となった。卸売物価上昇率は、1~3月期前年同期比1.0%の後、4~6月期同2.0%となった。

 国際収支をみると、輸出は、エレクトロニクス製品の輸出が好調なことから、1~3月期前年同期比18.6%増、4月前年同月比34.2%増、5月同23.8%増と大幅な増加が続いている。一方、輸入は1~3月期前年同期比25.7%増、4月前年同月比48.5%増、5月同44.1%増となった。貿易収支は1~3月期13.5億ドル、4月1.2億ドル、5月4.5億ドルとなった。経常収支は、10~12月期14.3億ドルの後、1~3月期は4.9億ドルと黒字幅が縮小した。

 金融面の動向をみると、マネーサプライ(M2)は、10~12月期同前年同期比7.1%増、1~3月期同8.3%増となり、目標圏内で推移している(目標圏:6~11%)。なお、中央銀行は、6月に公定歩合を4.625%から4.75%へ引き上げた。

 シンガポールでは、景気は拡大している。実質GDPは、10~12月期前年同期比7.1%増の後、1~3月期には、同9.2%増となった。製造業生産は、1~3月期前年同期比13.3%増、4月前年同月比9.8%増、5月同20.0%増と、エレクトロニクスや化学を中心に高い伸びとなった。個人消費は、10~12月期前年同期比8.0%増の後、1~3月期同8.9%増と堅調に推移している。小売販売額(名目)をみると、1~3月期前年同期比26.3%増、4月前年同月比26.3%増と高い伸びが続いている。固定資本形成は、10~12月期前年同期比3.4%増の後、1~3月期同3.1%増となった。物価をみると、消費者物価上昇率は、1~3月期前年同期比1.1%、4月前年同月比1.1%、5月同0.6%となっている。失業率(季節調整値)は12月2.9%の後、3月は3.4%と上昇した。

 貿易収支は、1~3月期9.0億ドルの黒字の後、4月0.6億ドルの赤字、5月6.3億ドルの黒字となっている。輸出は、1~3月期前年同期比23.3%増の後、4月前年同月比10.0%増、5月同26.6%増と大幅に増加している。一方、輸入も、1~3月期前年同期比25.1%増の後、4月前年同月比15.4%増、5月同23.3%増と大幅に増加している。経常収支黒字は、10~12月期の61.6億ドルから1~3月期は47.8億ドルとなった。

 金融面の動向をみると、マネーサプライ(M2)増加率は、低下しており、4月末前年同月比3.1%となっている。

 

アセアン:景気は回復している。

 アセアン各国の動向をみると、インドネシアでは、景気は回復している。実質GDPは、99年10~12月期前年同期比5.2%増の後、2000年1~3月期同3.2%増となり、4四半期連続のプラス成長を記録した。製造業生産は、7~9月期前年同期比34.7%増の後、10~12月期は同32.6%増と大幅な増加となった。物価は、消費者物価上昇率が、2000年4月前年同月比0.1%、5月同0.8%と安定している。貿易収支(通関ベース)は、1~3月期75.7億ドルの黒字の後、4月25.6億ドルと大幅な黒字が続いている。輸出は、1~3月期前年同期比38.7%増の後、4月前年同月比25.4%増となった。。輸入は、1~3月期前年同期比17.5%増の後、4月前年同月比9.0%増と回復している。金融面の動向をみると、対ドル為替レートは、やや政情が不安定化したことを受け、減価基調で推移している。

タイでは、景気は回復している。実質GDPは、99年10~12月期前年同期比6.5%増の後、1~3月期同5.2%増となった。製造業生産は、10~12月期前年同期比20.4%増と大幅な伸びとなった後、1~3月期同9.5%増、4月前年同月比6.0%増と伸びが続いている。物価をみると、消費者物価上昇率は1~3月期前年同期比0.8%、4~6月期前年同期比1.6%となった。経常収支は10~12月期は32.5億ドル(GDP比10.1%)の黒字、1~3月期は34.1億ドル(GDP比10.1%)の黒字となった。輸出は、10~12月期前年同期比17.2%増、1~3月期同29.3%増と大幅に増加した。一方、輸入も、10~12月期前年同期比35.4%増の後、1~3月期同42.4%増と高い伸びが続いている。貿易収支は引き続き黒字で推移し、10~12月期21.0億ドル、1~3月期21.4億ドルとなっている。金融面の動向をみると、タイ・バーツ(対ドルレート)は4月は安定して推移したものの、5月以降は減価傾向で推移している。

 マレイシアでは、景気は拡大している。実質GDPは、10~12月期前年同期比10.8%増の後、1~3月期同11.7%増となった。鉱工業生産は、10~12月前年同期比17.9%増の後、1~3月期同22.1%増、4月前年同月比18.4%増と高い伸びが続いている。物価をみると、消費者物価上昇率は10~12月期前年同期比2.1%、1~3月期同1.5%、4月前年同月比1.5%、5月同1.3%と低い水準で推移している。貿易収支は、10~12月期52.3億ドルの黒字の後、1~3月期42.3億ドルの黒字と大幅な黒字を続けている。輸出は10~12月期前年同期比19.0%増、1~3月期同21.9%増、4月前年同月比12.0%増と二桁の伸びを続けている。輸入は10~12月期前年同期比25.6%増の後、1~3月期同27.4%増、4月前年同月比29.3%増と高い伸びが続いている。金融面の動向をみると、対ドル為替レートは引き続き固定制が採用されている。

 フィリピンでは、景気は緩やかに拡大している。実質GDPは、10~12月期前年同期比4.9%増の後、1~3月期同3.4%増と大幅な伸びを示した。製造業生産は、1~3月期前年同期比14.4%増の後、4月前年同月比2.7%増となった。物価は、消費者物価上昇率が5月前年同月比4.1%の後、6月同3.9%となった。貿易収支(通関ベース)は、1月0.5億ドル、2月4.2億ドルと黒字基調で推移している。輸出は、1月前年同月比4.8%増となった後、2月は前年同月比13.0%増となった。一方、輸入は、1月前年同月比10.7%増の後、2月前年同月比10.1%増と回復している。金融面の動向をみると、対ドル為替レートは、緩やかな減価基調で推移している。

 

インド:鉱工業生産、輸出入ともに増加が続いている。物価上昇率は高まっている。

 インドでは、実質GDPは、98年度(4~3月)前年度比6.8%増の後、99年度は前年度好調であった農業生産の不振から5.9%増とやや鈍化する見込みとなった。製造業部門は3.6%増から7.0%増へと伸びが高まっている。

 鉱工業生産は、99年7~9月期前年同期比7.2%増、10~12月期同9.2%増の後、2000年1~3月期は同9.3%増と増加している。物価は、原油価格上昇の影響を受けた石油関連製品の価格引き上げなどから、上昇率が高まっている。卸売物価上昇率は99年10~12月期前年同期比3.2%、2000年1~3月期同3.6%の後、4月は前年同月比5.9%、5月同6.4%となった。消費者物価上昇率(工業労働者対象)は、99年10~12月期前年同期比0.5%、2000年1~3月期同3.8%の後、4月は前年同月比5.5%となった。

 国際収支をみると、輸出(通関、ドルベース)は、アジア向けの回復などから、7~9月期前年同期比12.2%増、10~12月期同18.8%増の後、2000年1~3月期同13.8%増と増加が続いている。輸入は、原油価格の上昇などから7~9月期前年同期比9.0%増の後、10~12月期同12.6%増、2000年1~3月期同12.1%増と増加が続いている。貿易収支赤字は7~9期25.5億ドル、10~12月期20.8億ドルの後、2000年1~3月期は15.8億ドルと赤字幅が縮小した。

 金融面の動向をみると、インド準備銀行(中央銀行)は4月1日、公定歩合を99年3月以来8か月ぶりに1%引下げ7%とした。金利(TB91日物、期中平均)は、7月~9月期9.37%、10~12月期9.61%の後、2000年1~3月期は9.04%と低下した。通貨供給量(M3、期末残高)は、99年後半から増加率が低下傾向にあり、5月は前年同月比で15.1%増となった。

 

オーストラリア:景気は拡大している。失業率は低下している。消費者物価は上昇している。

 オーストラリアでは、実質GDP成長率は、99年10~12月期前期比1.1%増(前期比年率4.4%増)の後、2000年1~3月期は同1.1%増(同4.4%増)となり、景気は拡大している。

 需要項目別にみると消費は、実質家計最終消費支出が10~12月期前期比1.4%増のあと1~3月期同0.6%増と堅調に推移している。小売売上高は4月前月比0.1%増の後、5月は0.2%の増加となった。投資は、実質民間設備投資が、10~12月期前期比3.8%減の後、1~3月期は同7.0%増となった。民間住宅投資は、10~12月期前期比1.0%減の後、1~3月期同10.0%増であった。住宅建設許可件数は、4月前月比7.3%減の後、5月同5.2%減となった。民間建設投資は10~12月期に5.9%減の後、1~3月期同10.9%増となった。

 失業率は、1~3月期6.8%の後、4月6.8%、5月は6.7%と低下している。

 消費者物価上昇率は、10~12月期前年同期比1.8%の後、1~3月期同2.8%と上昇している。

 経常収支は、10~12月期78.2億豪ドルの赤字の後、1~3月期80.1億豪ドルの赤字となり赤字幅は拡大している。財の輸出(豪ドル建て)は1~3月期前期比5.3%増となり、財の輸入(同)は同3.2%増となった。この結果、財の貿易収支の赤字幅は同28.0億豪ドルと前期に比べ縮小した。

 金融面の動向をみると、準備銀行は、5月3日に政策金利であるキャッシュレートを0.25%引き上げ6.0%とした。総合株価指数は5月下旬以降上昇傾向にある。オーストラリア・ドルは、6月末日現在、対米ドルで3月末比1.2%減価となった。

 オーストラリア政府は、5月9日に2000年度(2000年7月~2001年6月)の経済・財政見通しを発表した。99年度のGDP成長率を4.25%と見込んでおり、2000年度見通しを3.75%としている。また、オーストラリアでは7月1日から10%のGST(Goods and Services Tax:消費税)が導入されている。

 

4 国際金融・商品 原油価格、6月に再び30ドルを上回った。

国際金融:米ドル(実効相場)は、4月に増価したが、その後は減価した。

国際商品:原油価格は、増産合意にもかかわらず、上昇。

【国際金融】

 2000年4~6月期の米ドル(実効相場)は、4月に増価したが、その後は減価した。(P2、図3)。対円では、4月~5月初旬にかけては2000年1~3月期に米実質GDP成長率が高い伸びを示したことに伴う日米間の景況感格差及び金利差拡大懸念などから増価基調で推移したが、6月に入り米国の景気過熱感が後退したことや、日本のゼロ金利政策の早期解除の思惑から減価した。一方、対ユーロでは、4月にオーストリアやイタリアなどでの政局不安、米国株が4月の半ば以降反発したことなどから増価し続け、史上最高値を付けた(4月27日)。その後、ECBの介入による警戒感や米国の景気減速感から減価に転じた。モルガン銀行発表の米ドル実効相場指数(1990=100)をみると、2000年6月30日現在で110.4、3月末比2.0%の増価となっている。内訳をみると、6月30日現在、対円では3月末比2.9%増価、対ユーロで同0.1%増価、対ポンドで同4.9%増価した。

 なお、アジア通貨は、依然インドネシア・ルピアが減価基調で推移している(対ドルで6月30日現在、3月末比▲13.4%)。また、タイ・バーツが同3.5%減価、韓国・ウォンが同0.9%減価した。

【国際商品市況】

 国際商品価格全体では、CRB商品先物指数は、4月はほぼ横ばいで推移した後、5月下旬まで上昇し、その後は225ポイント前後で推移した。

 商品別では、貴金属は、金が、ドル安や原油価格の高騰などを受け、6月上旬に急上昇した。非鉄では、銅が、アジア地域からの需要が引き続き好調に推移するとの観測が高まり、総じて上昇基調で推移した。砂糖は、主要輸出国であるブラジルの収穫量の減少が見込まれることから、上昇した。

【石油情勢】

 原油価格(北海ブレント・スポット価格)の4月以降の動きをみると、4月上旬は3月のOPEC総会での増産合意を受け下落したものの、米国石油協会や米国エネルギー省の在庫統計でガソリン在庫の大幅な減少が確認されたことなどから、5月は上昇基調で推移した。その後は、ベネズエラの石油担当大臣が6月のOPEC臨時総会での増産合意を示唆する発言をしたことなどにより、一時弱含む場面がみられたが、総会前にOPECが増産に懐疑的であるとの情報が伝えられたことや、総会で合意された増産規模が需給緩和に資するには不充分であるとの観測が高まったことなどから、6月下旬にかけては、30ドルを上回って推移した。