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海外経済報告

(平成11年10月四半期報)


参考図表

概 観

1.主要国の経済動向をみると(図1図2)、アメリカの景気は、先行きに不透明感もみられるものの、拡大を続けている。ヨーロッパの景気は緩やかに改善してきている。アジアでは、景気は総じて回復している。

 アメリカでは、実質GDP(前期比年率)は、99年1~3月期4.3%増の後、4~6月期は1.6%増となり、個人消費や設備投資などを中心に景気は拡大を続けている。カナダでは景気は拡大している。中南米の景気は、メキシコでは緩やかに拡大しており、ブラジルでは後退している。

 ヨーロッパでは、ドイツの景気は緩やかに改善してきている(4~6月期実質GDP前期比年率0.2%増)。フランスでは景気は緩やかな拡大を続けており(同2.5%増)、イギリスでは景気は改善してきている(同2.6%増)。イタリアでは景気は緩やかに改善してきている(同1.7%増)。中・東ヨーロッパでは、ポーランド、ハンガリーでは景気の拡大テンポはこのところやや高まっている。チェッコでは景気に底入れの兆しがみられる。ロシアでは景気は底入れしたとみられる。

 アジアでは、中国の景気拡大テンポは鈍化している。アジアNIEsでは、景気は回復している。アセアンをみると、景気は総じて回復しつつある。

 

2.国際金融・商品の動向をみると、99年7~9月期の米ドル(実効相場)は、7月上旬にやや増価したものの、その後は減価基調で推移した(図3)。アジア通貨は、インドネシア・ルピアが東ティモール情勢の混乱などから対ドルで減価した。国際商品市況は、7月半ばに183ポイント台まで下落したが、その後は原油価格の高騰を主因に上昇し、9月下旬には208ポイント台まで回復した。原油価格(北海ブレント・スポット価格)は、7月初めの17ドル台前半から始まり、減産遵守率の向上を背景に上昇を続け、9月下旬には23ドル台まで上昇した。

 

(備考)

 本報告では、北米、西ヨーロッパ諸国、オーストラリアの指標の変化率は、特に断りのない限り四半期データは季節調整値前期比年率、月次データは同前月比である。また、中南米、中・東ヨーロッパ、ロシア、アジア諸国の指標は、前年同期(月)比である。

1 南北アメリカ アメリカ、経常収支赤字(GDP比)過去最高

 

アメリカ:先行きに不透明感もみられるものの、景気は拡大を続けている。

     雇用は一時的要因により減少した。物価は総じて安定した動きとなっている。

 アメリカでは、実質GDPは、99年1~3月期前期比年率4.3%増(前年同期比4.0%増)の後、4~6月期は同1.6%増(同3.9%増)となった。引続き内需が堅調に推移した(4~6月期増加率寄与度3.0%)。外需寄与度のマイナス幅は前期から縮小した(同▲1.4%)。個人消費は、耐久財消費を中心に4~6月期前期比年率4.8%増となった後、7月は前月比年率1.3%増、8月は同8.0%と増加している。小売売上は、自動車関連など耐久財が好調だったため、8月前月比1.2%増となった。消費者信頼感指数は、9月134.2とやや低下したものの依然高水準にある。設備投資は、4~6月期前期比年率10.8%増と増加している。設備投資の先行的な指標である非軍需資本財受注(航空機・同部品を除く)は、7月の大幅増の反動減もあり、8月前月比1.0%減となった。住宅投資は、低金利や高水準の消費者信頼感、堅調な所得の伸びなどを背景に4~6月期前期比年率7.1%増と増加しているものの、1~3月期の大幅増の反動もあり、伸びが鈍化している。住宅着工件数は、7月前月比3.9%増の後、8月は同0.4%増となった。在庫投資は、4~6月期増加率寄与度▲1.4%となっている。

 鉱工業生産は、6月前月比0.2%増、7月同0.7%増の後、8月は同0.3%増と増加している。また、設備稼働率は6月80.3%、7月80.7%、8月は80.8%と、このところ上昇傾向にある。

 雇用は、非農業事業所雇用者数は7月前月差37.3万人増、8月同10.3万人増の後、9月はハリケーンの影響により同0.8万人減となった。失業率は8月4.2%の後、9月も

4.2%となった。民間非農業事業所の時間当たり賃金は、9月前年同月比3.8%増となった。物価は、消費者物価(総合)が8月前年同月比2.3%の上昇(消費者物価コアは同1.9%の上昇)、生産者物価(完成財総合)が8月同2.3%の上昇(生産者物価コアは同1.3%の上昇)と、総じて安定している。

 経常収支赤字は、4~6月期807億ドル(GDP比▲3.6%)と前期から拡大した。この背景としては、財の貿易収支赤字が輸入増により拡大した一方、サービス貿易収支黒字が減少したことが挙げられる。7月の財の貿易収支赤字(国際収支ベース)は拡大しており、前月から5億ドル増の317億ドルとなった。

 金融面の動向をみると、連邦準備制度は、10月5日の連邦公開市場理事会(FOMC)において、金融政策姿勢をそれまでの「中立」から「引締め」方向へ転換したことを発表した。9月の短期金利(TB3か月物)は、月半ばに低下し、月初と月末を比べてもやや低下した。長期金利(30年物国債)は、ほぼ横ばいで推移した(TB3か月物利回り9月平均4.81%(8月平均4.85%)、30年物国債利回り9月平均6.06%(8月平均6.07%))。9月の株価(ダウ平均)は、上旬にやや上昇したもののその後は下落し、月初と月末を比べると下落した(NYダウ工業株30種平均の9月平均10,730.60ドル(8月平均比1.87%下落))。マネーサプライ増加率(98年10~12月期対比年率)をみると、M2は8月6.1%となっている。

 

カナダ:景気は拡大している。

 カナダでは、実質GDP(前期比年率)は、99年1~3月期4.2%増の後、4~6月期は3.3%増となり、景気は拡大している。個人消費は、4~6月期3.0%増と増加している。民間投資では、設備投資は、4~6月期25.3%増、住宅投資は、同15.4%増と増加している。在庫投資は、GDP成長率への寄与度は3.1%となっている。生産は上昇しており、6月前月比0.7%増の後、7月同0.7%増となった。失業率はこのところやや低下しており、7月は7.7%、8月は7.8%となった。物価は安定しており、消費者物価上昇率は、7月前年同月比1.8%、8月同2.1%となっている。経常収支赤字は1~3月期に引き続いて減少傾向にあり、4~6月期13.1億加ドル(GDP比▲0.6%)となった。財の貿易収支黒字(国際収支ベース)は、輸入を上回る輸出の増加から、5月23.9億加ドル、6月27.5億加ドル、7月31.7億加ドルと拡大した。

 

中南米:メキシコの景気は緩やかに拡大している。物価上昇率は高水準で推移している。

    ブラジルの景気は後退している。物価上昇率は安定している。

 メキシコでは、実質GDP(前年同期比)は、99年1~3月期1.9%増の後、4~6月期は3.2%増となり、景気は緩やかに拡大している。需要項目別にみると、民間消費が前年同期比2.8%増、固定資本形成が5.9%増となっており、内需主導での景気回復となっている。鉱工業生産は1~3月期前年同期比1.8%増、4~6月期同4.4%増の後、7月は前年同月比4.4%増となった。

 失業率は低水準で推移しており、4~6月期2.6%の後、7月2.3%、8月2.5%となった。物価上昇率は高水準で推移しており、消費者物価上昇率は、4~6月期は前年同期比17.9%増、7月は前年同月比17.0%増、8月同16.6%増となった。貿易収支赤字は、1~3月期11.5億ドル、4~6月期9.3億ドルと縮小している。経常収支は、1~3月期は29.2億ドルの赤字(GDP比▲2.6%)、4~6月期は28.4億ドルの赤字(GDP比▲2.4%)であった。

 金融面の動向をみると、対ドルレートは、7月から8月上旬にかけて、米国の金利先高観やアルゼンチンの州知事によるモラトリアム発言等により、減価基調で推移した。8月中旬にメキシコ債の格付けを引き上げるとの報道により増価し、その後は横ばいで推移している。99年9月30日現在9.355ペソ/ドルと、6月末比で0.2%の減価となった。一方、株価(IPC指数)は7月中旬までは横ばいで推移したが、その後はアメリカの利上げ等の影響から軟調に推移している。99年9月30日現在では6月末比で15.4%の下落となった。

 ブラジルでは、景気は後退している。実質GDP(前年同期比)は、99年1~3月期0.1%減の後、4~6月期は同0.8%減となった。鉱工業生産は4~6月期前年同期比2.9%減の後、7月は前年同月比5.0%減となった。

 失業率は高水準で推移しており、4~6月は7.9%、7月は7.5%、8月も7.5%となった。消費者物価上昇率は、4~6月期は前年同期比3.4%上昇し、7月は前年同月比4.2%の上昇と安定して推移している。貿易収支は、4~6月期は2.0億ドルの黒字と、四半期でみて96年4~6月期以来の黒字となった。経常収支赤字は1~3月期52.2億ドルの後、4~6月期は70.7億ドルとなった。

 金融面の動向をみると、対ドルレートは、7月から8月にかけて、米国の金利先高観やアルゼンチンの州知事によるモラトリアム発言等により、減価基調で推移した。9月に入ってからはブラジル経済の回復期待等から、横ばいから増価基調で推移したが、9月中旬以降は再び減価傾向で推移している。99年9月30日現在1.939レアル/ドルと、6月末比で8.8%の減価となった。株価(BOVESPA指数)は、7月から8月中旬にかけて、アメリカの利上げや、アルゼンチンに端を発する中南米地域のカントリーリスクの高まり懸念から下落傾向で推移した。8月下旬以降はブラジル経済の回復期待等から上昇に転じた。99年9月30日現在、6月末比で4.7%の下落となった。

 ブラジル中央銀行金融政策委員会は、中長期的なインフレの沈静化を理由に、7月28日に指標的金利であるSELIC金利(国債を担保とした翌日物金利)を22.0%から19.5%に引き下げた。続いて、9月22日には3月以降で11回目となる利下げを実施し、指標的金利であるSELIC金利は19.0%となった。

 

2 ヨーロッパ 景気は緩やかに改善してきている

 ヨーロッパの景気の現状をみると、ユーロ圏(EMU第3段階移行11か国)では、景気は緩やかに改善してきている。実質GDPは、99年1~3月期前期比0.4%増の後、4~6月期同0.5%増となった。1~3月期と比べ、個人消費と固定投資の伸びが鈍化したが、製造業コンフィデンス(欧州委員会発表)は大幅に改善している。輸出入はともに増加し、純輸出は3四半期ぶりにプラスに転じた。失業率の低下は緩やかになっている。物価は安定している。イギリスでは、景気は改善してきている。

 金融面の動向をみると、ユーロは発足後、ドルに対して減価し続けたが、7月中旬以降減価傾向に一応の歯止めがかかっている。広義のマネーサプライ(M3)は、7月前年同月比5.7%増となった(3か月移動平均では6月前年同月比5.4%増となり、ECBの参照値である同4.5%増をやや上回っている)。イギリスでは、9月8日、個人消費や住宅市場の過熱感等を懸念して、政策金利 (レポ金利)を5.25%に引き上げた。

 中・東ヨーロッパでは、ポーランド、ハンガリーでは景気の拡大テンポはこのところやや高まっている。チェッコでは景気は底入れの兆しがみられる。ロシアでは、景気は底入れしたとみられる。

 

ドイツ:景気は緩やかに改善してきている。個人消費は、特殊要因もあり減少したものの、機械設備投資は好調に推移している。

 ドイツでは、実質GDPは、99年1~3月期前期比年率1.8%増の後、エネルギー課税強化などの特殊要因もあり、4~6月期同0.2%増となった。景気は緩やかに改善してきている。

 個人消費は、1~3月期前期比年率2.9%増の後、4~6月期同1.8%減と、上記特殊要因もあり減少した。小売売上高でみると、4~6月期前年同期比0.9%増の後、7月同0.9%減となった。消費者コンフィデンス(欧州委員会発表)は、9月にはやや悪化した。

 機械設備投資は1~3月期前期比年率20.4%と大幅に増加した後、4~6月期同2.6%増と増加している。建設投資は、暖冬等の影響から1~3月期に前期比年率8.0%増と大幅に増加した後、4~6月期同7.4%減となった。新規建設受注数量をみると、4~6月期前期比2.4%増、7月前月比2.4%増、新規住宅受注数量は4~6月期同1.2%増、7月前月比7.6%増と増加している。

 鉱工業生産は、4~6月期前期比0.7%減の後、7月前月比1.0%増、8月前月比1.1%増と増加に転じた。足下を見ると、製造業新規受注は、4~6月前期比3.2%増、8月前月比5.1%増と、大幅に増加している。また、ifo景況感は、このところ大幅に改善している。

 失業率は、ほぼ横ばいで推移している(9月10.6%)。物価は、消費者物価上昇率が8月前年同月比0.7%、9月同0.7%、工業品生産者価格上昇率が8月同▲0.7%と安定している。

 経常収支は4~6月期3億ユーロの赤字(名目GDP比▲0.1%)となった。輸出は7月前月比1.4%増、輸入は同1.1%増となり、貿易収支黒字は4~6月期154億ユーロから、7月66億ユーロとなった。

 

フランス:景気は緩やかな拡大を続けている。個人消費、設備投資の増加傾向が続いており内需は拡大している。輸出が増加し、外需は3四半期ぶりにプラスに転じた。

 フランスでは、実質GDPは、99年1~3月期前期比年率1.4%増の後、4~6月期同2.5%増となった。個人消費、設備投資を中心とした内需主導の景気拡大が続いており、輸出も増加に転じたことなどから、景気は緩やかな拡大を続けている。個人消費は、雇用情勢の改善が消費者信頼感の向上につながっていることから、増加している(実質個人消費は1~3月期前期比年率0.7%増、4~6月期同2.1%増)。設備投資は、引続き増加している (実質法人固定投資は1~3月期前期比年率9.8%増、4~6月期は同4.2%増)。輸出が3四半期ぶりに増加に転じたため、4~6月期には外需の寄与度が年率プラス0.8%となった。

 鉱工業生産は、4月前月比0.5%減、5月同0.5%増、6月同0.8%増と、ほぼ横ばいで推移している。INSEE(国立統計経済研究所)が9月に行った経営者アンケート調査によると、今後生産は改善すると見ている経営者が増加している。

 失業率は、高水準ながらもやや低下しており、8月11.3%となった。物価は、消費者物価上昇率が、8月前年同月比0.5%、工業品生産者価格上昇率が、8月同▲1.2%と安定している。

 経常収支は4~6月期457億700万フランの黒字(名目GDP比2.1%)、貿易収支は6月122億7900万フラン、7月213億4100万フランの黒字となった。輸出は6月前月比4.9%増、7月同4.6%増、輸入は6月同0.4%増、7月同1.5%減と、このところ輸出の増加が目立っている。

フランス政府は9月15日に2000年度予算を閣議決定し、その中で実質GDP成長率見通しを99年2.3%、2000年2.8%としている。

 

イギリス:外需の回復や個人消費および住宅投資などの伸びに支えられ、景気は改善してきている。

 イギリスでは、実質GDPは、1~3月期前期比年率0.9%増となった後、4~6月期同2.6%増となった。需要項目別の寄与度(市場価格ベース)をみると、海外経済の回復に伴い輸出が4~6月期同8.8%増と大幅に伸び、7四半期ぶりに外需がプラスに寄与している。また、個人消費や住宅投資も成長に大きく寄与している。消費は、実質個人消費が4~6月期前期比年率4.4%増となり、小売売上数量が8月前月比0.8%増となった。設備投資は、実質非住宅投資が4~6月期前期比年率3.4%増となった。住宅投資は、4~6月期同8.3%増となり、大幅に増加している。

 鉱工業生産は増加している。総合指数は4~6月期前期比0.7%増、8月前月比0.3%増となった。製造業指数は4~6月期前期比0.3%増、8月前月比0.5%増となった。失業率は、7月4.3%、8月4.2%と約20年ぶりの低水準で推移している。物価は、小売物価上昇率が、7月前年同月比1.3%、8月同1.1%と約36年ぶりの低い上昇率となった。また、イングランド銀行がターゲット指標としている住宅金利を除く小売物価上昇率(RPIX)は、7月前年同月比2.2%、8月同2.1%となった。

 経常収支は、1~3月期35.6億ポンドの赤字(名目GDP比▲1.7%)の後、4~6月期37.4億ポンドの赤字(同▲1.7%)と赤字幅は拡大している。貿易収支は、輸出の増加を受け、6月25.6億ポンドの赤字の後、7月22.2億ポンドの赤字と赤字幅は縮小した。

 金融面の動向をみると、9月には、短期、長期金利ともに上昇した。マネーサプライ(M4)は、8月前年同月比4.3%増となった。なお、イングランド銀行は9月8日、個人消費や住宅市場の過熱感等を懸念して、政策金利を年5.25%と0.25%ポイント引き上げた。

 

イタリア:景気は緩やかに改善してきている。政府消費、投資が増加している。失業率は高水準ながらもやや低下している。

 イタリアでは、実質GDPは、99年1~3月期前期比年率0.7%増の後、4~6月期は同1.7%増となり、景気は緩やかに改善してきている。

 個人消費は、実質個人消費が1~3月期前期比年率2.0%増、4~6月期同1.6%増となった。固定投資は、実質固定投資が1~3期前期比年率5.6%増、4~6月期同4.2%増となり、内需拡大が成長に寄与している。輸出は減少が続いていたが、約1年ぶりに回復し、4~6月期前期比年率5.5%増となった。一方、輸入も同5.7%増となったため、外需の寄与度は、ほぼゼロとなっている。

 鉱工業生産は、4~6月期前期比0.8%減(前年同期比3.1%減)の後、7月は前月比0.5%増(前年同月比3.2%減)となった。

 失業率は、高水準ながらもやや低下しており、4月11.7%、7月11.1%となった。物価は、生計費上昇率が8月前年同月比1.6%、工業品生産者価格上昇率が8月同0.0%と安定している。

 経常収支は4~6月期35億1400万ユーロの黒字(名目GDP比1.2%)、7月50億8500万ユーロの黒字となった。輸出は7月前年同月比2.9%減、輸入は同5.6%増となり貿易収支は7月7兆6040億リラの黒字となった。

 

中・東ヨーロッパ:ポーランド、ハンガリーでは景気の拡大テンポはこのところやや高まっている。チェッコでは景気は底入れの兆しがみられる。

 ポーランドでは、実質GDPが1~3月期前年同期比1.5%増、4~6月期同3.0%増(速報値)となり、景気の拡大テンポはこのところやや高まっている。鉱工業生産は、4~6月期前年同期比1.9%増、7月前年同月比1.4%増、8月同7.4%増と増加してきている。失業率は、4~6月期11.7%、7月11.8%となっている。物価は、消費者物価上昇率で4~6月期前年同期比6.4%、7月前年同月比6.3%、8月同7.2%となっている。経常収支赤字は、1~3月期22.4億ドル、4~6月期27.6億ドルとなった。

 ハンガリーでは、実質GDPが、1~3月期同3.3%増、4~6月期前年同期比3.8%増となり、景気の拡大テンポはこのところやや高まっている。鉱工業生産は、99年4~6月期前年同期比6.2%増、7月前年同月比6.9%増、8月同9.5%増となった。失業率は、4~6月期9.7%、7月9.5%、8月9.4%と低下してきている。物価は、消費者物価上昇率で4~6月期前年同期比9.1%、7月同10.1%、8月同10.9%と上昇してきている。経常収支は、1~3月期6.0億ドル、4~6月期6.2億ドルの赤字となった。

 チェッコでは、実質GDPが、1~3月期前年同期比4.1%減、4~6月期同0.3%増と景気は底入れの兆しがみられる。鉱工業生産は、4~6月期前年同期比4.1%減、7月前年同月比 6.1%減、8月同1.5%増となっている。失業率は、4~6月期8.2%、7月8.8%、8月9.0%と上昇している。物価上昇率は、消費者物価上昇率で4~6月期前年同期比2.4%、7月同1.1%、8月同1.4%、9月同1.2%と低下している。経常収支は、1~3月期3.2億ドルの赤字、4~6月期3.0億ドル(暫定値)の黒字となった。

 

ロシア:景気は底入れしたとみられる。ただし、個人消費は大幅に減少している。

 ロシアでは、実質GDPは、1~3月期前年同期比2.8%減、4~6月期同1.4%増となり、景気は底入れしたとみられる。鉱工業生産は、ルーブル安を背景に輸入代替が進んだこと等により、4~6月期前年同期比5.2%増の後、7月前年同月比12.8%増、8月同16.0%増と増加している。個人消費は、4~6月期前年同期比20.2%減、7月前年同月比23.5%減と大幅に減少している。固定投資は、実質総固定投資(政府・民間)で4~6月期前年同期比1.0%減、7月前年同月比1.0%減となっている。

 失業率(ILO基準)は、4~6月期12.6%、7月12.4%と高水準で推移している。物価上昇率は、消費者物価上昇率で7月前年同月比126.5%(前月比2.8%)、8月同120.9%(同1.2%)の後、9月には同62.0%(同1.5%)と大幅に低下した。

 貿易収支(個人業者による「シャトル貿易」を含む)黒字は、1~3月期64.7億ドル、4~6月期72.1億ドルと増加傾向にある。輸出は、一次産品価格の上昇により、1~3月期前年同期比15.9%減の後、4~6月期同9.2%減と減少幅が縮小している。輸入は、1~3月期同48.3%減、4~6月期同42.7%減と大幅な減少が続いている。

 金融面の動向を見ると、マネーサプライ(M2)は5月前年同月比46.6%増、6月同54.0%増と増加している。また、ルーブルは9月30日現在、対ドルで6月末比3.4%減価となり、安定した動きとなっている。

 

3 アジア等 東アジアの景気は総じて回復している

 東アジアでは、多くの国で金融部門をはじめとする経済構造改革を更に進める必要があるが、景気は総じて回復している。4~6月期の実質GDP成長率は各国ともプラスとなっており、99年の経済成長率見通しは多くの国で上方修正されている。一方、中国では景気の拡大テンポは鈍化している。

 鉱工業生産は、多くの国で増加が続いている。雇用情勢は依然として厳しいが、韓国などでは失業率が低下している。物価上昇率は総じて低下しており、中国、香港などでは下落が続いている。

 輸出は、一部の国を除き増加に転じている。一方、輸入も生産の増加を反映して増加に転じている。

 各国の通貨は、経常収支の改善や外貨準備高の増加等を背景に、総じて落ち着きをみせていたが、インドネシア、タイ、フィリピンでこのところ減価している。また、短期金利は多くの国で通貨危機前の水準よりも低下している。

 インドでは、生産に回復がみられる。一方、オーストラリアでは景気の拡大テンポが鈍化している。

 

中国:景気の拡大テンポは鈍化している。物価は下落している。貿易収支は、輸出が増加に転じたことから黒字幅は拡大している。

香港:景気に底入れの兆しがみられる。物価の下落幅は拡大している。

 中国では、実質GDPは、99年1~3月期前年同期比8.3%増の後、4~6月期同7.1%増となった。鉱工業生産(実質)は、4~6月期前年同期比9.1%増の後、7月前年同月比9.3%増、8月同9.5%増となった。消費は、社会商品小売総額(消費財、実質)をみると、4~6月期前年同期比9.3%増の後、7月前年同月比8.4%増、8月同8.8%増と堅調なものの、このところ伸びが鈍化している。固定資産投資(国有部門、名目)は、4~6月期前年同期比12.1%増の後、7月前年同月比3.8%増、8月同4.4%増となり、伸びが大幅に鈍化している。物価は下落している。消費者物価上昇率をみると、1~6月期前年同期比▲1.8%の後、7月前年同月比▲1.4%、8月同▲1.3%となった。また、小売物価上昇率(消費者物価上昇率からサービス、公共料金を除いたもの)は、1~6月期前年同月比▲3.2%の後、7月前年同月比▲2.6%、8月同▲2.6%となっており、97年10月以降23か月連続で下落している。

 貿易収支をみると、輸出が増加に転じたことから、黒字幅は拡大している。貿易黒字は、4~6月期37.0億ドルの後、7月34.2億ドル、8月48.8億ドルとなった。輸出は、香港向け輸出の減少等から98年8月頃より減少傾向にあったが、香港をはじめ各地域向けの輸出が軒並み増加したことから、99年7月前年同月比7.5%増の後、8月同17.8%増となり、2か月連続でプラスの伸びとなった。一方、輸入は、7月前年同月比16.7%増の後、8月は同24.0%増となった。

 金融面の動向をみると、マネーサプライ増加率(M2、期末残)は6月前年同月比17.7%の後、7月同15.7%と、低下した(99年目標圏:14~15%)。なお人民銀行(中央銀行)は、6月10日、預金金利、貸出金利の引下げ(それぞれ平均1%、0.75%の引下げ)を行った。

 香港では、実質GDPは99年1~3月期前年同期比3.2%減の後、4~6月期同0.7%増となり、97年10~12月期以降6四半期ぶりのプラス成長となった。4~6月期は、内需の落ち込みを外需がカバーしたかたちになっている(4~6月期内需寄与度▲11.9%、外需寄与度12.6%)。民間最終消費は、1~3月期前年同期比4.4%減の後、4~6月期同1.3%増とプラスに転じた。小売売上高(名目)をみると、4~6月期前年同期比7.8%減の後、自動車等の減少から7月前年同月比7.9%減と減少が続いている。固定資本形成は、1~3月期前年同期比22.2%減の後、引き続き民間設備投資と建設投資が低迷し、4~6月期同26.4%減と減少幅が更に拡大した。物価は下落幅が拡大している。消費者物価上昇率は、98年10月以降前年同月比マイナスが続いており、99年4~6月期前年同期比▲3.5%の後、住宅、衣料・靴等の下落から7月前年同月比▲5.0%、8月同▲5.2%となった。失業率は、4月~6月6.1%の後、5月~7月6.0%、6月~8月6.1%と高水準で推移している。
 貿易動向をみると、輸出、輸入ともに7月に増加に転じた。輸出は、4~6月期前年同期比5.9%減の後、7月前年同月比2.8%増、8月同4.1%増となった。一方、輸入は、4~6月期前年同期比11.3%減の後、7月前年同月比3.5%増、8月同1.5%増となった。貿易収支は、4~6月期15.8億ドル、7月6.5億ドルの赤字となった後、8月3.1億ドルの黒字となった。
 金融面の動向をみると、マネーサプライ(M2、期末値)は7月前年同月比9.0%増の後、8月同7.6%増となった。なお、香港銀行協会は、米国の利上げ(8月24日)に追随し、預金金利を3.50%から3.75%への引上げを決定した(8月27日)。

 

韓国:景気は急速に回復している。失業率は、高水準ながらも低下している。

 韓国では、実質GDPは、98年10~12月期前年同期比5.3%減の後、99年1~3月期に同4.6%増と5四半期ぶりにプラス成長に転じ、4~6月期も同9.8%増と大幅な伸びを示した。なお、4~6月期の成長率を内外需別にみると、内需寄与度の10.9%に対して外需寄与度は▲0.5%となった。民間最終消費は、99年1~3月期前年同期比6.2%増の後、4~6月期同9.0%増と2四半期連続の増加となった。投資は、建設投資が99年4~6月期前年同期比8.5%減となったものの、設備投資が4~6月期同37.2%増、在庫投資が4~6月期同5.0%増とプラスを記録した。

 鉱工業生産(原数値)は、4~6月期前年同期比22.7%増の後、7月前年同月比33.2%増、8月同29.9%増と、6ヵ月連続で二桁の増加となった。鉱工業生産指数(季節調整値)の水準をみると、7月133.3の後、8月132.2と、既に通貨・金融危機前の水準を大きく上回っている。製造業稼働率は、4~6月76.8%の後、7月80.8%、8月78.7%となった。失業率(季調値)は、依然として通貨・金融危機前の水準を取り戻していないが、7月6.4%の後、8月は5.9%と低下している。失業者数は、99年2月に178.1万人と過去最大を記録した後減少に転じ、8月には124.1万人となった。物価をみると、消費者物価は安定しており、生産者物価は下落している。消費者物価上昇率は8月前年同月比0.9%、9月同0.8%となった。生産者物価上昇率は8月前年同月比▲1.6%、9月同▲1.1%となった。

 国際収支をみると、輸出は、8月前年同月比17.8%増の後、9月は同11.8%増となった。輸入は、8月前年同月比38.8%増の後、9月同40.0%増と、大幅な増加が続いている。貿易収支は、8月15.6億ドルの後、9月18.6億ドルと安定した黒字基調が続いている。経常収支は4~6月期64.4億ドルの黒字(GDP比6.6%)の後、7月28.0億ドル、8月14.1億ドルの黒字となった。

 金融面の動向をみると、総合株価指数は、9月の期中平均で928.2ポイントとなり、大宇財閥の破綻懸念を受け、やや軟調に推移している。為替レート(対ドルレート)は、このところ1ドル=1,200ウオン前後で安定的に推移している。外貨準備高は、8月648億ドルの後、9月655億ドルと増加している。

 

台湾:景気の拡大テンポは高まっている。

シンガポール:景気は回復している。

 台湾では、実質GDPは、1~3月期前年同期比4.3%増の後、4~6月期同6.5%増となった。個人消費は引き続き堅調で、輸出も高い伸びを示した。個人消費は、1~3月期前年同期比4.8%増、4~6月期同6.1%増となった。固定資本形成は、民間投資は依然低調であるが、公共投資の増加により、1~3月期同5.6%減から4~6月期は同1.1%増となった。外需の増加寄与度は1~3月期4.9%から4~6月期は4.2%となった。

 鉱工業生産は、1~3月期前年同期比5.5%増の後、4~6月期は同9.5%増と伸びを高めた。失業率は、4~6月期2.8%の後、学卒者による求職者数の増加などから7月3.1%、8月3.2%とやや高まっている。物価をみると、消費者物価上昇率は、農産品価格の下落などから4~6月期前年同期比▲0.1%となった後、7~9月期は同0.3%となった。卸売物価上昇率は、4~6月期前年同期比▲6.1%の後、7~9月期同▲4.8%と下落幅が縮小している。

 国際収支をみると、輸出は、エレクトロニクス製品の輸出が好調で、4~6月期に前年同期比7.6%増の後、7月前年同月比11.8%増、8月同11.4%増と伸びを高めた。一方、輸入は4~6月期前年同期比0.7%減の後、7月前年同月比20.2%増、8月同19.0%増と増加に転じた。貿易収支は4~6月期約36億ドルと黒字幅が拡大した。経常収支は、4~6月期はサービス収支赤字の拡大などから黒字幅が縮小し、約17億ドル(GDP比2.5%)の黒字となった。

 金融面の動向をみると、マネーサプライ(M2)は、1~3月期前年同期比7.9%増、4~6月期同9.4%増となり、目標圏内で推移している(99年目標圏:6~11%)。

 なお、9月の大地震の被害により工業生産等に影響が出ており、当局は99年の実質GDP成長率が0.2%程度低下するとみている。

 シンガポールでは、実質GDPは、99年1~3月期前年同期比0.6%増の後、4~6月期には、同6.7%増と回復している。政府は、99年の実質GDP成長率の見通しを0~2%から4~5%へと上方修正している。製造業生産は、エレクトロニクスや化学を中心に増加しており、4~6月期同14.3%増、7月前年同月比17.9%増、8月同18.4%増とこのところ二桁台の伸びとなっている。個人消費は、1~3月期前年同期比0.7%減の後、4~6月期同5.8%増とプラスに転じた。小売販売額(名目)をみると、4~6月期には前年同期比9.0%増、7月前年同月比10.1%増となっている。固定資本形成は、1~3月期前年同期比16.7%減の後、4~6月期同4.8%減と減少幅は縮小した。物価をみると、消費者物価上昇率は、98年半ば以降下落が続いていたが、5月以降緩やかな上昇に転じ、4~6月期前年同期比0.1%、7月前年同月比0.6%、8月同0.9%となっている。失業率(季節調整値)は3月3.9%の後、6月は3.3%とやや低下している。

 貿易収支は、4~6月期の10.2億ドルの黒字の後、7月3.2億ドルの赤字、8月3.3億ドルの赤字と2か月連続の赤字となった。輸出は、4~6月期前年同期比1.0%増、7月前年同月比4.1%増、8月同9.0%増と増加している。一方輸入も、4~6月期前年同期比6.7%増、7月前年同月比14.2%増、8月同23.2%増と増加している。経常収支黒字は、サービス収支黒字の拡大により1~3月期の37.7億ドルから4~6月期は51.3億ドルへと黒字幅が拡大した。

 金融面の動向をみると、マネーサプライ(M2)増加率は、98年11月以降郵便貯蓄銀行の預金がM2に計上されたことから上昇率が大幅に高まっており、8月末前年同月比29.2%となっている(ただし、郵便貯蓄銀行の預金を含まないで試算すると、8月末同9.7%となっている)。

 

 

アセアン:景気は総じて回復しつつある。

 アセアン各国の動向をみると、インドネシアでは、景気底入れの兆しがみられる。実質GDPは、99年1~3月期前年同期比9.4%減の後、4~6月期同1.8%増となり、6四半期ぶりのプラス成長を記録した。製造業生産は、1~3月期前年同期比4.0%増の後、4~6月期は同10.2%増と2四半期連続のプラスとなった。物価は、消費者物価上昇率が、7月前年同月比13.5%の後、8月同5.7%と97年10月以来の1桁台となり、9月も同1.3%と低下した。貿易収支(通関ベース)は、4~6月期55.0億ドルの黒字の後、7月20.0億ドル、8月25.8億ドルと大幅な黒字が続いている。輸出は、4~6月期前年同期比4.5%減の後、7月も前年同月比7.5%減と減少したが、8月は同12.4%増と3か月ぶりにプラスとなった。輸入は、99年4~6月期前年同期比1.5%減、7月は前年同月比17.9%減、8月同7.7%減となり、依然マイナスが続いている。金融面の動向をみると、対ドル為替レートは、99年に入って増価傾向で推移していたが、IMF融資金の不正流用懸念や東ティモールの独立問題を巡る騒乱等により減価基調に転じ、10月に入ってからはやや増価している。

 タイでは、景気は回復しつつある。実質GDPは、1~3月期前年同期比0.8%増の後、4~6月期同3.5%増となった。製造業生産は、1~3月期前年同期比4.8%増の後、4~6月期に同10.6%増、7月前年同月比14.6%増とこのところ二桁台の伸びとなっている。物価をみると、消費者物価は5月以降下落しており、4~6月期前年同期比▲0.4%、7~9月期同▲1.0%となっている。経常収支は大幅な黒字が続いているが、1~3月期34.4億ドル(GDP比10.7%)、4~6月期25.5億ドル(GDP比8.5%)と黒字幅がやや縮小した。輸出は、1~3月期前年同期比4.0%減の後、増加に転じ、4~6月期同5.7%増、7月前年同月比7.2%増となっている。一方輸入も、1~3月期前年同期比1.0%減の後、4~6月期同11.7%増、7月9.1%増と増加に転じている。貿易収支はやや黒字幅が縮小し、1~3月期27.0億ドル、4~6月期21.2億ドルとなっている。金融面の動向をみると、このところタイ・バーツ(対ドルレート)は減価傾向となっている。なお、タイ中央銀行は、7月9日より公定歩合を5.5%から4.0%へと引き下げた。

 マレイシアでは、景気は回復しつつある。実質GDPは、1~3月期前年同期比1.3%減の後、4~6月期同4.1%増と6四半期ぶりにプラスに転じた。鉱工業生産は、2月以降増加に転じ、1~3月前年同期比2.3%減の後、4~6月期同6.6%増、7月前年同月比7.6%増となっている。物価をみると、消費者物価上昇率は低下しており、4~6月期前年同期比2.6%、7月前年同月比2.5%、8月同2.3%となった。貿易収支は大幅な黒字を続けている。貿易収支は、1~3月期41.2億ドルの黒字の後、4~6月期47.6億ドルの黒字とやや黒字幅が拡大した。輸出は1~3月期前月同期比4.6%増、4~6月期同15.7%増、7月前年同月比29.0%増と伸びが高まっている。輸入は1~3月期前年同期比6.6%減の後、4~6月期同9.3%増、7月前年同月比25.6%増と増加に転じている。金融面の動向をみると、マネーサプライ(M2)の伸びはやや増加しており、4~6月期前年同期比10.7%、7月前年同月比12.4%、8月同11.4%となっている。

 フィリピンでは、景気は回復しつつある。実質GDPは、99年1~3月期前年同期比1.2%増の後、4~6月期同3.6%増と、2四半期連続のプラスとなった。製造業生産は、4~6月期前年同期比5.3%増の後、7月前年同月比0.6%減となった。物価は、食料品価格の低下を主因に消費者物価上昇率が低下しており、4~6月期前年同期比6.8%の後、7月前年同月比5.7%、8月同5.5%となった。貿易収支(通関ベース)は、5月2.1億ドル、6月1.9億ドル、7月0.6億ドルと黒字幅が縮小している。輸出は、4~6月期前年同期比12.2%増となった後、7月は前年同月比14.0%増、8月同21.1%増と好調を維持している。一方、輸入は、4~6月期前年同期比6.3%増の後、7月は前年同月比13.2%増と回復している。金融面の動向をみると、短期金利は99年に入り低下していたが、7月以降はほぼ横ばいで推移している。

 

インド:農業生産の回復により消費が持ち直し、鉱工業生産は回復している。物価は落ち着いてきている。

 インドでは、実質GDPは、97年度(4~3月)前年度比5.0%増の後、98年度は農業生産の回復から6.0%増(改訂値)とやや回復した。農業生産の回復により消費が持ち直しており、鉱工業生産にも回復がみられる。

 鉱工業生産は、98年10~12月期前年同期比3.0%増を底に、99年1~3月期同4.8%増、4~6月期同5.6%増と回復している。物価は、農産品価格の下落などから、99年に入り落ち着きをみせている。卸売物価上昇率は1~3月期前年同期比5.0%、4~6月期同3.8%の後、7~9月期は同1.8%となった。消費者物価上昇率(工業労働者対象)は、1~3月期前年同期比8.9%、4~6月期同7.2%の後、7~9月期は同2.4%となった。

 国際収支をみると、輸出(通関、ドルベース)は、アジア向けの回復などから、1~3月期前年同期比0.1%減となった後、4~6月期は同2.6%増と増加に転じた。輸入は、1~3月期前年同期比7.9%減、4~6月期同0.5%減と減少幅が縮小した。4~6月期の貿易収支赤字はは25.1億ドルで、再び赤字幅が拡大した。

 金融面の動向をみると、通貨供給量(M3、期末残高)は、99年に入り増加率が低下傾向にあり、3月前年同月比18.4%増、6月同18.1%増の後、9月は同15.0%増となった。

 

オーストラリア:景気の拡大テンポは鈍化している。経常収支の赤字幅は拡大している。

 オーストラリアでは、実質GDP成長率は、99年1~3月期前期比年率5.7%増の後、4~6月期は同0.9%増となり、景気の拡大テンポは鈍化している。

消費は、実質家計最終消費支出が1~3月期前期比1.8%増のあと0.5%増と堅調に推移している。小売売上高は7月前月比1.2%増の後、8月は1.5%増となった。投資は、実質民間機械設備投資が、1~3月期前期比16.8%増の後、4~6月期は同8.6%減となった。民間住宅投資は、1~3月期前期比1.2%増の後、4~6月期同0.6%減となった。住宅建設許可件数は、7月前月比0.9%増の後、8月同3.7%増となった。民間非住宅建設投資は1~3月期に11.1%減の後、4~6月期同13.1%増となった。

 失業率は、4~6月期7.4%の後、7~9月期7.2%となった。

 消費者物価上昇率は、1~3月前年同期比1.2%の後、4~6月同1.1%と安定している。

 経常収支は、1~3月期82.8億豪ドルの赤字の後、4~6月期93.6億豪ドルの赤字となり、赤字幅が拡大している。財の輸入は4~6月前期比0.4%減となったものの、財の輸出も同4.0%減となったため、財の貿易収支の赤字幅は4~6月期42.8億豪ドルと前期に比べ拡大した。

 金融面の動向をみると、長期金利(10年物国債)は、このところ上昇している。総合株価指数は7月以降下落傾向にある。オーストラリア・ドルは、9月末日現在、対米ドルで6月末比1.0%減価となった。

 

トピック:危機から回復に向かう東アジア

 

4 国際金融・商品 原油価格、減産継続合意により急騰

国際金融:米ドルは、日本の景気回復期待などから対円で大きく減価。

国際商品:原油価格は、9月下旬に23ドル台へ急騰。

【国際金融】

 99年7~9月期の米ドル(実効相場)は、7月上旬にやや増価したものの、その後は米国の経常収支の悪化、インフレ警戒感の高まりなどから減価基調で推移した(P2、図3)。対円では、日本の株価上昇や景気回復期待などから減価基調で推移した。一方、対ユーロでは、7月はユーロ圏の景気回復期待に伴う金利上昇懸念が生じたことなどから減価したものの、8月に入りロシア大統領による閣僚解任などからやや増価し、その後はほぼ横ばいで推移した。モルガン銀行発表の米ドル実効相場指数(1990=100)をみると、99年9月30日現在105.7、6月末比4.77%の減価となっている。内訳をみると、99年9月30日現在、対円では6月末比12.31%減価、対ユーロで同3.26%減価、対ポンドで同4.24%減価した。

 なお、アジア通貨は、インドネシア・ルピアが東ティモール情勢の混乱などから、対ドルで99年9月30日現在、6月末比19.9%減価した。また、タイ・バーツが同9.9%、フィリピン・ペソが同6.9%減価した。

【国際商品市況】

 国際商品価格全体では、CRB商品先物指数は、7月半ばに一時183ポイント台まで下落したが、その後は原油価格の高騰を主因にほぼ一本調子で上昇し、9月下旬には1年2ヵ月振りとなる208ポイント台まで回復した。

商品別では、穀物は、産地の収穫予想に応じて上下する展開となったが、米国を襲った熱波などの影響により、総じて強含んだ。貴金属では、金が、7月以降弱含んでいたが、9月21日に行われた英国政府の第二回目の保有金売却の落札価格が市場の予想を上回ったことから、9月下旬に急上昇した。非鉄では、銅が、8月半ばまでやや軟調に推移していたものの、その後は北米の生産者による減産とアジア地域からの需要回復などを反映し、上昇基調で推移した。

【石油情勢】

 原油価格(北海ブレント・スポット価格)の7月以降の動きをみると、7月初めは17ドル台前半から始まり、減産遵守率の向上やアジア地域を中心に需要が持ち直したことを背景に上昇を続け、8月中旬には1年10ヵ月振りに20ドル台を上回った。その後も、8月の減産遵守率が90%を超えたとのIEA(国際エネルギー機関)からの報告に加え、9月22日の第108回OPEC総会で現行規模の減産を2000年3月まで継続することが合意されたことを受け、冬季の需給逼迫観測が高まったことから騰勢を強めた結果、9月下旬には一気に23ドル台まで上昇した。