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月例経済報告

平成10年7月17日

経済企画庁調査局


概 観

我が国経済:需要面をみると、個人消費は、消費性向には持ち直しの動きもみられるものの、雇用者所得の低迷もあって、低調に推移している。住宅建設は、低水準での推移が続いている。設備投資は、弱い動きとなっている。

10年1~3月期(速報)の実質国内総生産は、前期比 1.3%減(年率 5.3%減)となり、うち内需寄与度はマイナス 1.0%となった。

産業面をみると、最終需要が停滞していることを背景に、在庫は高水準にあり、鉱工業生産は、減少傾向にある。企業収益は、全体として減少している。また、企業の業況判断は、中小企業を中心に一層厳しさが増している。

雇用情勢をみると、雇用者数が減少し、完全失業率が4%台と既往最高水準で推移するなど更に厳しさが増している。

輸出は、アジア向けが減少していることから、やや弱含んでいる。輸入は、弱含んでいる。国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、増加傾向にある。対米ドル円相場(インターバンク直物中心相場)は、6月は、月初の 139円台から一時 146円台まで下落し、その後一時 136円台まで上昇したが、月末には 140円台となった。

物価の動向をみると、国内卸売物価は、内外の需給の緩み等から、弱含みで推移している。また、消費者物価は、安定している。

最近の金融情勢をみると、短期金利は、6月はおおむね横ばいで推移した後、月末にやや上昇した。長期金利は、6月はやや上昇した。株式相場は、6月は月央にかけて下落した後、上昇した。マネーサプライ(M2+CD)は、5月は前年同月比 3.8%増となった。

海外経済 :主要国の経済動向をみると、アメリカでは、景気は拡大している。実質GDPは、97年10~12月期前期比年率 3.7%増の後、98年1~3月期は同 5.4%増となった。個人消費、設備投資は増加している。住宅投資は減少しているものの引き続き高水準にある。鉱工業生産(総合)はこのところ伸びに鈍化がみられる。雇用は拡大している。物価は安定している。財の貿易収支赤字(国際収支ベース)は、拡大している。6月の長期金利(30年物国債)は、総じて低下した。6月の株価(ダウ平均)は、上下したが、総じてやや上昇した。

西ヨーロッパをみると、ドイツ、フランスでは、景気は拡大している。イギリスでは、景気拡大のテンポは緩やかになってきている。鉱工業生産は、ドイツ、フランスでは拡大しており、イギリスでは鈍化している。失業率は、ドイツ、フランスでは高水準ながらもやや低下している。イギリスでは低水準で推移している。物価は、ドイツ、フランスでは安定しており、イギリスでは上昇の兆しがみられる。

東アジアをみると、中国では、景気の拡大テンポは鈍化している。物価は、下落している。貿易収支黒字は、輸入の減少から依然大幅である。韓国では、景気は後退している。失業率は、大幅に上昇している。物価は、高騰している。貿易収支黒字は、拡大している。

国際金融市場の6月の動きをみると、米ドル(実効相場)は、やや増価した。

国際商品市況の6月の動きをみると、初旬から中旬にかけて弱含みで推移した後、価格を戻した。原油スポット価格(北海ブレント)は、供給過剰懸念等から弱含みとなり、OPECは下旬の総会で追加減産を合意した。


我が国経済の最近の動向をみると、個人消費は、消費性向には持ち直しの動きもみられるものの、雇用者所得の低迷もあって、低調に推移している。住宅建設は、低水準での推移が続いている。設備投資は、弱い動きとなっている。輸出は、アジア向けが減少していることから、やや弱含んでいる。このように最終需要が停滞していることを背景に、在庫は高水準にあり、生産は減少傾向にある。雇用情勢をみると、雇用者数が減少し、完全失業率が4%台と既往最高水準で推移するなど更に厳しさが増している。また、民間金融機関において貸出態度に慎重さがみられる。不良債権問題の解決に向けての枠組みが整ったこともあって、昨年末以来の経済の先行きに対する著しい不透明感には落ち着く兆しもみられるものの、最終需要の停滞が生産や雇用等実体経済全体に及ぼす影響が強まっており、景気は停滞が長引き、引き続き厳しい状況にある。

このような厳しい経済の現況に対応し、政府は、4月24日に決定した総事業費16兆円超の過去最大規模の「総合経済対策」の着実な実施を図ることとする。また、金融機関等に対し、不良債権の抜本的な処理を促していくなかで、我が国金融の安定と再生を図り、内外の信認を確保し、我が国経済の早期回復に資するため、金融再生トータルプランを取りまとめ、これによって、不良債権問題の解決に向けての枠組みが整うこととなった。さらに、現下の雇用情勢に対応するため、6月2日及び30日に、産業構造転換・雇用対策本部を開催し、当面の対処方針を取りまとめるとともに、これを推進しているところである。


1 国内需要:設備投資は、弱い動き

実質国内総生産(平成2年基準、速報)の動向をみると、9年10~12月期前期比 0.4%減(年率 1.5%減)の後、10年1~3月期は同 1.3%減(同 5.3%減)となった。内外需別にみると、国内需要の寄与度はマイナス 1.0%となり、財貨・サービスの純輸出の寄与度はマイナス 0.4%となった。需要項目別にみると、民間最終消費支出は前期比 0.1%増、民間企業設備投資は同 5.1%減、民間住宅は同 1.7%増となった。また、財貨・サービスの輸出は前期比 3.8%減、財貨・サービスの輸入は同 1.4%減となった。

個人消費は、消費性向には持ち直しの動きもみられるものの、雇用者所得の低迷もあって、低調に推移している

家計調査でみると、実質消費支出(全世帯)は前年同月比で4月 2.1%減の後、5月は0.6%減(前月比 0.5%増)となった。世帯別の動きをみると、勤労者世帯で前年同月比0.2%増、勤労者以外の世帯では同 1.7%減となった。形態別にみると、半耐久財等は増加、サービスは減少となった。なお、消費水準指数は全世帯で前年同月比 0.3%減、勤労者世帯では同 0.7%増となった。また、農家世帯(農業経営統計調査)の実質現金消費支出は前年同月比で3月 6.4%減となった。小売売上面からみると、小売業販売額は前年同月比で4月 0.5%減の後、5月は 2.0%減(前月比 0.9%増)となった。全国百貨店販売額(店舗調整済)は前年同月比で4月 8.1%増の後、5月 0.7%減となった。チェーンストア売上高(店舗調整後)は、前年同月比で4月 1.8%増の後、5月 0.9%増となった。一方、耐久消費財の販売をみると、乗用車(軽を含む)新車新規登録・届出台数は、前年同月比で6月は 3.6%減となった。また、家電小売金額は、前年同月比で5月は 7.4%増となった。レジャー面を大手旅行業者13社取扱金額でみると、5月は前年同月比で国内旅行が 3.3%減、海外旅行は 5.8%減となった。

賃金の動向を毎月勤労統計でみると、現金給与総額は、事業所規模5人以上では前年同月比で4月 0.7%減の後、5月は 0.7%減(事業所規模30人以上では同 1.0%減)となり、うち所定外給与は、5月は同 8.1%減(事業所規模30人以上では同 8.3%減)となった。実質賃金は、前年同月比で4月 1.0%減の後、5月は 1.3%減(事業所規模30人以上では同 1.4%減)となった。なお、民間主要企業の春季賃上げ率(労働省調べ)は、2.66%となり、昨年(2.90%)を下回った。

住宅建設は、低水準での推移が続いている

新設住宅着工をみると、総戸数(季節調整値)は、前月比で4月 5.7%減(前年同月比16.1%減)となった後、5月は 1.1%増(前年同月比17.0%減)の10万4千戸(年率 125万戸)となった。5月の着工床面積(季節調整値)は、前月比 4.8%増(前年同月比17.9%減)となった。5月の戸数の動きを利用関係別にみると、持家は前月比 3.5%増(前年同月比18.6%減)、貸家は同 3.9%減(同13.4%減)、分譲住宅は同10.1%増(同15.2%減)となっている。

設備投資は、弱い動きとなっている

日本銀行「企業短期経済観測調査」(6月調査)により設備投資の動向をみると、主要企業の10年度設備投資計画は、製造業で前年度比 2.6%減(3月調査比 2.2%上方修正)

非製造業で同 0.6%減(同 0.2%下方修正)となっており、全産業では同 1.3%減(同0.6%上方修正)となった。また、中堅企業では、製造業で前年度比 9.4%減(3月調査比 1.6%上方修正)、非製造業で同14.2%減(同 0.4%上方修正)となり、中小企業では製造業で同21.7%減(同 4.8%上方修正)、非製造業で同17.9%減(同 3.2%上方修正)となっている。

なお、10年1~3月期の設備投資を、大蔵省「法人企業統計季報」(全産業)でみると前年同期比で 5.8%減(うち製造業 4.8%増、非製造業10.8%減)となった。

先行指標の動きをみると、機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比で4月は16.8%減(前年同月比17.8%減)の後、5月は 4.0%減(同28.6%減)となり、基調は減少傾向となっている。

民間からの建設工事受注額(50社、非住宅)をみると、おおむね横ばいで推移してきたが、このところ弱含みとなっており、前月比で4月23.5%減の後、5月は 3.6%減(前年同月比31.0%減)となった。内訳をみると、製造業は前月比 0.4%減(前年同月比32.1%減)、非製造業は同 3.6%減(同30.6%減)となった。

公的需要関連指標をみると、公共投資については、着工総工事費は、前年同月比で4月4.9%減の後、5月は31.6%減となった。公共工事請負金額は、前年同月比で5月24.4%減の後、6月は 0.8%増となった。官公庁からの建設工事受注額(50社)は、前年同月比で4月38.4%減の後、5月は15.0%減となった。実質公的固定資本形成は、9年10~12月期に前期比 1.8%減の後、10年1~3月期は同 1.9%減となった。また、実質政府最終消費支出は、9年10~12月期に前期比 1.4%増の後、10年1~3月期は同 0.6%減となった。


2 生産雇用:更に厳しさが増す雇用情勢

鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、在庫は高水準にあり、生産・出荷は、減少傾向にある

鉱工業生産は、前月比で4月 1.6%減の後、5月は、化学、プラスチック製品等が増加したものの、一般機械、輸送機械等が減少したことから、 2.0%減となった。また製造工業生産予測指数は、前月比で6月は化学、機械等により 1.8%増の後、7月は化学、機械等により 0.3%増となっている。鉱工業出荷は、前月比で4月 2.9%減の後、5月は、耐久消費財が増加したものの、資本財、非耐久消費財等が減少したことから、 0.1%減となった。鉱工業生産者製品在庫は、前月比で4月 0.1%増の後、5月は、食料品・たばこ、

非鉄金属等が増加したものの、輸送機械、石油・石炭製品等が減少したことから、 1.7%減となった。また、5月の鉱工業生産者製品在庫率指数は 114.4と前月を 1.6ポイント下回った。

主な業種について最近の動きをみると、一般機械では、生産は2か月連続で減少し、在庫は5月は減少した。輸送機械では、生産は5月は減少し、在庫は2か月連続で減少した。鉄鋼では、生産は4か月連続で減少し、在庫は3か月連続で減少した。

雇用情勢をみると、雇用者数が減少し、完全失業率が4%台と既往最高水準で推移するなど更に厳しさが増している

労働力需給をみると、有効求人倍率(季節調整値)は、4月0.55倍の後、5月0.53倍となった。新規求人倍率(季節調整値)は、4月0.96倍の後、5月0.92倍となった。雇用者数は、減少している。 総務庁「労働力調査」による雇用者数は、5月は前年同月比 0.5%減(前年同月差27万人減)となった。常用雇用(事業所規模5人以上)は、4月前年同月比 0.2%増(季節調整済前月比 0.3%減)の後、5月は同 0.1%増(同 0.0%)となり(事業所規模30人以上では前年同月比 0.2%減)、産業別には製造業では同 1.0%減となった。5月の完全失業者数(季節調整値)は、前月差1万人増の 282万人、完全失業率(同)は、4月 4.1%の後、5月 4.1%となった。所定外労働時間(製造業)は、事業所規模5人以上では4月前年同月比17.1%減(季節調整済前月比 2.6%減)の後、5月は同18.3%減(同 0.7%減) となっている(事業所規模30人以上では前年同月比18.0%減)。

前記「企業短期経済観測調査」(全国企業、6月調査)をみると、企業の雇用人員判断は、製造業、非製造業ともに過剰感に高まりがみられる。

企業の動向をみると、企業収益は、全体として減少している。また、企業の業況判断は、中小企業を中心に一層厳しさが増している。 

前記「企業短期経済観測調査」(6月調査)によると、主要企業(全産業)では、9年度下期の経常利益は前年同期比16.4%の減益(除く電力・ガスでは同18.2%の減益)の後、10年度上期には同21.4%の減益(除く電力・ガスでは同21.2%の減益)が見込まれている。

産業別にみると、製造業では9年度下期に前年同期比21.7%の減益の後、10年度上期には同23.8%の減益が見込まれている。また、非製造業(除く電力・ガス)では9年度下期に前年同期比 9.8%の減益の後、10年度上期には同15.5%の減益が見込まれている。売上高経常利益率は、製造業では9年度下期に3.54%になった後、10年度上期は3.24%と見込まれている。また、非製造業(除く電力・ガス)では9年度下期に1.39%となった後、10年度上期は1.43%と見込まれている。こうしたなかで、企業の業況判断をみると、製造業では「悪い」超幅が拡大し、非製造業では「悪い」超幅が縮小した。

また、中小企業の動向を同調査(全国企業)でみると、製造業では、経常利益は9年度下期には前年同期比33.6%の減益の後、10年度上期には同34.2%の減益が見込まれている。

また非製造業では、9年度下期に前年同期比14.5%の減益の後、10年度上期には同 9.5%の減益が見込まれている。こうしたなかで、企業の業況判断をみると、製造業、非製造業ともに「悪い」超幅が拡大した。

企業倒産の状況をみると、件数は、前年の水準を大きく上回る傾向で推移している

銀行取引停止処分者件数は、5月は 1,357件で前年同月比37.3%増となった。業種別に件数の前年同月比をみると、製造業で68.9%、建設業で45.5%の増加となった。


3 国際収支:輸出はやや弱含み

輸出は、アジア向けが減少していることから、やや弱含んでいる。 

通関輸出(数量ベース、季節調整値)は、前月比で4月 4.5%増の後、5月は 0.7%減(前年同月比 3.2%減)となった。最近数か月の動きを品目別(金額ベース)にみると、一般機械、電気機器、輸送用機器等が減少した。同じく地域別にみると、アジア等が減少した。

輸入は、弱含んでいる

通関輸入(数量ベース、季節調整値)は、前月比で4月 4.1%減の後、5月は 7.6%減(前年同月比11.1%減)となった。最近数か月の動きを品目別(金額ベース)にみると、製品類(金属・同製品)、鉱物性燃料等が減少した。同じく地域別にみると、中東、アジア等が減少した。

通関収支差(季節調整値)は、4月に1兆 2,271億円の黒字の後、5月は1兆 5,754億円の黒字となった。

国際収支をみると、貿易・サービス収支の黒字は、増加傾向にある

4月(速報)の貿易・サービス収支(季節調整値)は、前月に比べ、貿易収支の黒字幅が拡大したものの、サービス収支の赤字幅が拡大したため、その黒字幅は縮小し、 6,950億円となった。また、経常収支(季節調整値) は、貿易・サービス収支の黒字幅が縮小したことに加え、所得収支の黒字幅が縮小し、経常移転収支の赤字幅も拡大したため、その黒字幅は縮小し、 8,394億円となった。投資収支(原数値)は、3兆 6,035億円の赤字となり、資本収支(原数値)は、3兆 6,137億円の赤字となった。

6月末の外貨準備高は、前月比11億ドル減少して 2,059億ドルとなった。

外国為替市場における対米ドル円相場(インターバンク直物中心相場)は、6月は、月初の 139円台から一時 146円台まで下落し、その後一時 136円台まで上昇したが、月末には 140円台となった。一方、対マルク相場(インターバンク17時時点) は、6月は、月初の78円台から一時80円台まで下落し、その後一時75円台まで上昇したが、月末には77円台となった。


4 物価:国内卸売物価は弱含みで推移

国内卸売物価は、内外の需給の緩み等から、弱含みで推移している

6月の国内卸売物価は、加工食品(清涼飲料類)等が上昇した一方、電気機器(カーオーディオ)等が下落したことから、前月比保合い(前年同月比 2.1%の下落)となった。また、前記「企業短期経済観測調査」(主要企業、6月調査)によると、製品需給バランスは、引き続き緩和傾向にある。輸出物価は、契約通貨ベースで下落したものの、円安から円ベースでは前月比 2.6%の上昇(前年同月比10.4%の上昇)となった。輸入物価は、契約通貨ベースで下落したものの、円安から円ベースでは前月比 2.3%の上昇(前年同月比 2.0%の上昇)となった。この結果、総合卸売物価は、前月比 0.5%の上昇(前年同月比 0.3%の下落)となった。

企業向けサービス価格は、5月は前年同月比 0.3%の下落(前月比 0.3%の下落)となった。

商品市況(月末対比)は木材等は上昇したものの、非鉄等の下落により6月は下落し た。6月の動きを品目別にみると、合板等は上昇したものの、アルミニウム地金等が下落した。

消費者物価は、安定している

全国の生鮮食品を除く総合は、前年同月比で4月 0.2%の上昇の後、5月は公共料金(広義)の上昇幅の縮小等により保合い(前月比保合い)となった。なお、総合は、前年同月比で4月 0.4%の上昇の後、5月は 0.5%の上昇(前月比 0.3%の上昇)となった。

東京都区部の動きでみると、生鮮食品を除く総合は、前年同月比で5月 0.3%の上昇の後、6月(中旬速報値)は耐久消費財の下落幅の縮小等の一方、一般食料工業製品の下落幅の拡大等があり 0.3%の上昇(前月比 0.1%の下落)となった。なお、総合は、前年同月比で5月 0.8%の上昇の後、6月(中旬速報値)は 0.4%の上昇(前月比 0.4%の下落)となった。


5 金融財政:株式相場は、月央にかけて下落した後、上昇

最近の金融情勢をみると、短期金利は、6月はおおむね横ばいで推移した後、月末にやや上昇した。長期金利は、6月はやや上昇した。株式相場は、6月は月央にかけて下落した後、上昇した。マネーサプライ(M2+CD)は、5月は前年同月比 3.8%増となった。

短期金融市場をみると、オーバーナイトレートは、6月はおおむね横ばいで推移した。2、3か月物は、6月はおおむね横ばいで推移した後、月末にやや上昇した。

公社債市場をみると、国債流通利回りは、6月はやや上昇した。なお、国債指標銘柄流通利回り(東証終値)は6月2日に1.130 %となり、史上最低を更新した。

国内銀行の貸出約定平均金利(新規実行分)は、5月は短期は 0.003%ポイント上昇し、長期は 0.119%ポイント低下したことから、総合では 0.014%ポイント低下し 1.852%となった。

マネーサプライ(M2+CD)の月中平均残高を前年同月比でみると、5月(速報)は 3.8%増となった。また、広義流動性は、5月(速報)は 2.9%増となった。

企業金融の動向をみると、金融機関の貸出平残(全国銀行)は、6月(速報)は前年同月比 2.3%減となった。6月のエクイティ市場での発行(国内市場発行分)は、転換社債が60億円となった。また、国内公募事業債の起債実績は1兆4,130 億円となった。

前記「企業短期経済観測調査」(全国企業、6月調査)によると、資金繰り判断は「苦しい」超が続いており、金融機関の貸出態度も「厳しい」超が続いている。

民間金融機関において貸出態度に慎重さがみられる。

株式市場をみると、日経平均株価は、6月は月央にかけて下落した後、上昇した。


6 海外経済:アジア、総じて景気後退色強まる

主要国の経済動向をみると、アメリカでは、景気は拡大している。実質GDPは、97年10~12月期前期比年率 3.7%増の後、98年1~3月期は同 5.4%増となった。個人消費、設備投資は増加している。住宅投資は減少しているものの引き続き高水準にある。鉱工業生産(総合)はこのところ伸びに鈍化がみられる。雇用は拡大している。雇用者数(非農業事業所)は5月前月差30.9万人増の後、6月は同20.5万人増となった。失業率は6月 4.5%となった。物価は安定している。5月の消費者物価は前月比 0.3%の上昇、6月の生産者物価(完成財総合)は同 0.1%の低下となった。財の貿易収支赤字(国際収支ベース)は、拡大している。6月の長期金利(30年物国債)は、総じて低下した。6月の株価(ダウ平均)は、上下したが、総じてやや上昇した。

西ヨーロッパをみると、ドイツ、フランスでは、景気は拡大している。イギリスでは、景気拡大のテンポは緩やかになってきている。1~3月期の実質GDPは、ドイツ前期比年率 3.9%増、フランス同 2.3%増、イギリス同 2.2%増となった。鉱工業生産は、ドイツ、フランスでは拡大しており、イギリスでは鈍化している(鉱工業生産は、ドイツ5月前月比 0.9%増、フランス4月同 0.5%減、イギリス5月同 1.2%減)。失業率は、ドイツ、フランスでは高水準ながらもやや低下している。イギリスでは低水準で推移している(失業率は、ドイツ6月11.0%、フランス5月11.9%、イギリス5月 4.8%)。物価は、ドイツ、フランスでは安定しており、イギリスでは上昇の兆しがみられる(消費者物価上昇率は、ドイツ6月前年同月比 1.2%、フランス5月同 1.0%、イギリス5月同 4.2%)。

東アジアをみると、中国では、景気の拡大テンポは鈍化している。物価は、下落している。貿易収支黒字は、輸入の減少から依然大幅である。韓国では、景気は後退している。失業率は、大幅に上昇している。物価は、高騰している。貿易収支黒字は、拡大している。

国際金融市場の6月の動きをみると、米ドル(実効相場)は、やや増価した(モルガン銀行発表の米ドル名目実効相場指数(1990年=100)6月30日 113.1、5月末比 0.6%の増価)。内訳をみると、6月30日現在、対円では5月末比横ばい、対マルクでは同 1.3%増価した。

国際商品市況の6月の動きをみると、初旬から中旬にかけて弱含みで推移した後、価格を戻した。原油スポット価格(北海ブレント)は、供給過剰懸念等から弱含みとなり、OPECは下旬の総会で追加減産を合意した。