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地域経済動向

平成11年10月19日

経済企画庁調査局


1.地域経済の概況

 最近の地域経済の動向を地域別にみると、以下のとおりである。

 北海道地域では、景気は政策効果の浸透等により、緩やかな改善が続いている。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの動きがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

 東北地域では、景気は政策効果の浸透もあり、改善が続いている。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産は引き続き増加傾向にあり、需要面においては、大型小売店販売額が足踏み状態にあるものの、新設住宅着工戸数は持ち直しているからである。

 関東地域では、景気は政策効果の浸透もあり、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの動きがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

 北関東と南関東についてみると、北関東、南関東ともに、関東全体とほぼ同様の動きであることから、景気はこのところやや改善している。

 東海地域では、景気は政策効果の浸透もあり、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの動きがみられ、需要面においては、大型小売店販売額が低調に推移しているものの、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

 北陸地域では、景気は政策効果の浸透もあり、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、大型小売店販売額が足踏み状態にあるものの、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

 近畿地域では、景気は政策効果の浸透もあり、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの動きがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

 中国地域では、景気は政策効果の浸透もあり、緩やかな改善が続いている。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産が総じて増加傾向にあり、需要面においては、新設住宅着工戸数でこのところ減少が続いているものの持家の増加を背景に底固さがみられるからである。

 四国地域では、景気は政策効果の浸透もあり、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの動きがみられ、需要面においては、大型小売店販売額が低調に推移しているものの、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

 九州地域では、景気は政策効果の浸透もあり、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数は持ち直しており、また大型小売店販売額は改善の動きがみられるからである。

 沖縄地域では、景気は政策効果もあいまって回復傾向にある。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、主力の観光が高水準で推移し、需要面においては、スーパーの売上高が底固く、乗用車新規登録・届出台数は堅調に推移し、また、新設住宅着工戸数は持ち直しているからである。

 各地域の最近の経済動向を総合すると、以下のとおりである。

 鉱工業生産をみると、8月はすべての地域で増加となっており、とりわけ電気機械や輸送機械に牽引される形で、東北、関東、東海、中国の伸びが高かった。

 個人消費をみると、大型小売店販売額は、猛暑の影響による秋物衣料の低調等から、多くの地域で低調であり、これまで改善の動きがみられた東北、北陸でも足踏み状態となった。乗用車新規登録・届出台数は、ほとんどの地域で増加が続いている。

 建設活動をみると、公共工事は、多くの地域で着工の動きがこのところ低調だが、4~8月累計では北海道、関東、九州、沖縄が増加となった。住宅建設は、ほとんどの地域で持ち直している。

 雇用情勢をみると、すべての地域で厳しい状況が続いている。

 企業倒産をみると、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もみられるが、増加となった地域があった。

 地域別にいえば、前回調査において「改善」または「やや改善」の動きがみられた北海道、東北、北陸、中国のうち、東北は、鉱工業生産が引き続き増加傾向にあることから、「景気は改善が続いている」とした。北海道、中国においても、鉱工業生産の持ち直しの動きや増加傾向がより明確となったことから、「景気は緩やかな改善が続いている」とした。北陸は、大きな変化がみられなかったことから、前回同様「景気はこのところやや改善している」とした。

 前回「おおむね横ばい」とした関東、東海、四国、九州、及び「下げ止まりつつある」とした近畿は、鉱工業生産、個人消費、住宅建設のいずれかの面で改善がみられることから、「景気はこのところやや改善している」とした。

 沖縄は、前回と同様「景気は回復傾向にある」とした。

 以上のように、各地域を総じてみると、景気は、政策効果が浸透する中で、鉱工業生産の伸びを中心にほとんどの地域で改善がみられた。とりわけパソコン、携帯電話関連の電子機器・部品や自動車の生産増、及びアジア向け輸出の増加に関連した改善の動きが各地域にみられた。一方で、大型小売店販売額は足踏み状態または低調に推移し、雇用情勢は引き続き厳しい状況が続いている。このように、最近の地域経済動向は、厳しい状況をなお脱していないが、各種の政策効果の浸透もあり、緩やかな改善が続いている。


2.地域経済の動向

(1)北海道

 北海道地域では、景気は政策効果の浸透等により、緩やかな改善が続いている。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの動きがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

○ 第一次産業の動きをみると、農作物の生育状況(10月1日現在)は、おおむね順調である。なお、収穫の終了した水稲では一部の地域で斑点米の発生が多い。生乳生産(前年同月比)は、7月0.7%減、8月3.3%減とこのところ減少が続いている。水産業(主要10港、前年同月比)では、8月は水揚量が9.5%減、金額でも2.1%減となった。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、7月0.6%増、8月0.9%増となり、持ち直しの動きがみられる。

 主要業種の生産動向をみると、食料品・たばこは、ビール、発泡酒の生産が堅調に推移していることから、全体でも底固い動きとなっている。パルプ・紙は、持ち直してきているものの、依然として前年をやや下回る動きが続いている。窯業・土石は、このところやや減少しているものの、公共工事関連の需要増により前年を上回って推移している。電気機械は、無線通信装置の増加により、このところ持ち直している。なお、輸送機械では、新規生産ラインの本格稼動により、8月は大幅増となった。

○ 観光では、来道客数(前年同月比)は、7月0.9%減の後、8月1.3%増となり、総じて増加傾向にある。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、7月1.1%減、8月3.0%減と低調に推移している。業態別にみると、百貨店では主力の衣料品で秋物衣料が低調であったこと等から、7月1.3%減、8月3.3%減と低調に推移している。スーパーでは、衣料品でやや動きがみられたものの、主力の飲食料品で前年を下回る動きが続き、7月0.8%減、8月2.9%減となった。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、7月0.3%減の後、8月は5.7%増となり、猛暑の影響もあって堅調に推移している。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、7月2.0%減の後、8月5.3%増となった。なお、軽乗用車は大幅増が続いている。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、市町村の減少等から7月1.7%減、8月10.0%減となった結果、4~8月累計では3.3%増となった。なお、1~8月累計では12.5%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、7月4.8%減となったものの、8月13.2%増となり、持家の増加に加え、分譲がこのところ大幅増となっていることから持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7、8月ともに0.40となり、厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、7月45.5%減、8月10.3%増となった。

(2)東北

 東北地域では、景気は政策効果の浸透もあり、改善が続いている。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産は引き続き増加傾向にあり、需要面においては、大型小売店販売額が足踏み状態にあるものの、新設住宅着工戸数は持ち直しているからである。

○ 第一次産業では、水稲の生育状況(9月15日現在)は「やや良」となった。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、7月1.4%減の後、8月は4.2%増と引き続き増加傾向にある。

 主要業種の生産動向をみると、電気機械は、7月2.1%増、8月6.4%増と、パソコンや携帯電話関連の完成品や電子部品が引き続き高操業を続けている。その他の業種では、食料品・たばこは7月6.2%減、8月1.3%減、一般機械は7月17.9%減の後、8月は金型等の増産から4.6%増となった。繊維は7月0.5%増、8月4.7%増となった。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、これまで改善の動きがみられたが、7月3.2%減、8月2.3%減と、このところ足踏み状態にある。業態別にみると、百貨店は、夏物衣料や身の回り品に動きがみられたものの、秋物衣料の不振や法人需要の低迷から、7月2.0%減、8月0.8%減となった。スーパーは飲食料品に動きがみられたものの、秋物衣料の不振等から7月3.8%減、8月3.0%減となった。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、7月2.8%増、8月6.1%増と猛暑の影響もあり堅調に推移している。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、7月に普通・小型乗用車の大幅な減少により3.1%減となったものの、軽乗用車の大幅な増加が続いていることから8月9.1%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、地方の減少から7月4.2%減、8月17.4%減となった結果、4~8月累計では3.8%減となった。なお、1~8月累計では12.0%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、7月9.4%増、8月10.2%増と、持家、貸家が増加しており、持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7月0.46、8月0.48と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、7月48.6%減、8月9.4%増となった。

(3)関東

 関東地域では、景気は政策効果の浸透等により、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの動きがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

 北関東と南関東についてみると、北関東、南関東ともに、関東全体とほぼ同様の動きであることから、景気はこのところやや改善している。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、7月1.1%減の後、8月4.9%増となり、持ち直しの動きがみられる。

 主要業種の生産動向をみると、最もウェイトの高い電気機械は、7月1.2%減の後、8月5.2%増と、パソコン向け部品等の増産により、持ち直しの動きがみられる。一般機械は、7月4.2%減の後、8月3.6%増と、半導体製造装置等の増産により、持ち直しの動きがみられる。輸送機械については、7月0.7%減の後、8月5.9%増と、普通及び小型乗用車等の増産により、持ち直しの兆しがみられる。化学については、アジア向け輸出の増加を映じて汎用樹脂の生産が持ち直していること等もあり、全体でも持ち直しの兆しがみられる。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、7月2.8%減と閉店セールの効果等により改善の動きがみられたものの、8月4.3%減となっており、残暑が厳しかったことから秋物衣料の動きが鈍く、このところ足踏み状態にある。業態別にみると、百貨店では、閉店セールも終了し、再び減少幅が拡大している。品目別では、身の回り品や宝飾品等は引き続き増加し、大口需要のあった家具が増加となったものの、秋物の動きが鈍かった衣料品をはじめ、その他の品目では減少となった。スーパーについては、主力の飲食料品をはじめ、すべての品目で減少となり、全体でも前年を下回っている。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、7月0.6%減の後、8月0.8%増と増加となった。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、7月9.2%減の後、軽乗用車の増加に加え、新型車を含め一部に動きがあったことから普通・小型乗用車の減少幅が縮小し、8月3.9%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、7月17.4%減の後、8月3.5%増となった結果、4~8月累計では3.2%増となった。なお、1~8月累計では8.4%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家の増加幅は春先に比べ縮小しているものの、分譲が増加していることから、7月5.4%増、8月6.8%増となり、持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7、8月ともに0.46と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、7月16.8%減、8月11.0%減となった。

 (3-2)北関東

○ 鉱工業生産は、持ち直しの動きがみられる。主要業種の生産動向をみると、電気機械及び輸送機械は持ち直しの動きがみられ、一般機械は横ばい圏内で推移している。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、7、8月ともに6.0%減と低調に推移している。なお、スーパーの新規出店は続いており、店舗調整前では増加となっている。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、7月4.0%減の後、8月7.7%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、7月13.5%減、8月0.8%減となった結果、4~8月累計では2.0%減となった。なお、1~8月累計では19.7%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、7月0.6%減となったものの、8月4.6%増と持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7月0.66、8月0.67となった。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、7月は37.1%減、8月は9.6%減となった。

 (3-3)南関東

○ 鉱工業生産は、持ち直しの動きがみられる。主要業種の生産動向をみると、電気機械、一般機械は持ち直しの動きがみられ、輸送機械、化学は持ち直しの兆しがみられる。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、7月2.0%減と百貨店の閉店セールの効果等により改善の動きがみられたものの、8月3.7%減となっており、秋物衣料の動きが鈍く、このところ足踏み状態にある。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、7月10.7%減の後、8月2.6%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、7月19.6%減の後、8月5.7%増となった結果、4~8月累計では5.8%増となった。なお、1~8月累計では3.4%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、分譲が増加したことから、7月7.0%増、8月7.4%増となり、このところ持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7、8月ともに0.41と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、7月12.7%減、8月11.2%減となった。

(4)東海

 東海地域では、景気は政策効果の浸透もあり、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの動きがみられ、需要面においては、大型小売店販売額が低調に推移しているものの、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、7月1.6%減の後、8月7.2%増となり持ち直しの動きがみられる。

 主要業種の生産動向をみると、自動車は、輸出が総じて底固いことや新型車投入効果から持ち直しの動きがみられる。一般機械は、金属工作機械が受注の減少により低操業であること等から低調である。電気機械は、半導体集積回路が堅調であるものの、電子計算機・同関連装置がやや減少したこと等から、全体では高水準ながら横ばいとなっている。窯業・土石では、陶磁器が低調なものの、ファインセラミックスが輸出向けを中心に堅調なことから、全体で増加傾向にある。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、7月6.7%減、8月4.4%減と低調に推移している。10月に入って地元球団優勝のセールによる大幅な増加がみられる店舗もある。業態別にみると、百貨店では7月は中元商戦が振るわず飲食料品の減少が大きかったこともあり3.6%減となった後、8月2.4%減となった。スーパーでは、全品目で前年割れとなり7月9.4%減、8月5.5%減となった。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、7月0.7%減、8月1.4%減と前年を下回った。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、7月に普通・小型乗用車の大幅な減少により5.6%減となったものの、軽乗用車の大幅な増加が続いていることから8月7.6%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、7月12.4%減の後、8月8.9%増となった結果、4~8月累計では3.9%減となった。なお、1~8月累計では13.8%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、7月10.5%増、8月14.3%増と持家を中心に持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7、8月ともに0.59と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、7月16.2%減、8月8.7%減となった。

(5)北陸

 北陸地域では、景気は政策効果の浸透もあり、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、大型小売店販売額が足踏み状態にあるものの、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、7月0.2%減の後、8月0.7%増となり、持ち直しの兆しがみられる。

 主要業種の生産動向をみると、金属製品では、アルミ建材はビル用が低迷しているものの、住宅用で増加していることから、全体でも持ち直しの兆しがみられる。繊維では、主力の合繊織物は在庫調整に進展がみられるものの、衣料、非衣料向けとも内需が低迷していること等から、低水準な生産が続いている。一方、染色加工は在庫調整の進展から、低水準ながら持ち直しの動きがみられる。電気機械は、欧州向け携帯電話用部品やパソコン用部品が堅調なことから、総じて高水準な生産が続いている。一般機械は、繊維機械、工作機械とも低操業を続けている。建設機械では、ブルドーザは減少傾向となっているものの、小型油圧ショベルは公共工事増加の効果等から持ち直しの動きがみられる。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、これまで改善の動きがみられていたが、7月に法人向けギフトの減少や低温による夏物衣料の不振等から7.7%減となった。8月には猛暑により夏物衣料やビール、飲料等に動きがみられ0.2%減となったものの、直近では秋物衣料の動きが鈍く、このところ足踏み状態にある。業態別にみると、百貨店では7月6.3%減、8月1.9%減となり、スーパーでは7月8.8%減、8月0.7%増となった。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、7月に普通・小型乗用車の大幅な減少により2.1%減となったものの、軽乗用車の大幅な増加が続いていることから8月5.6%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、7月0.5%減、8月12.0%増となった結果、4~8月累計では0.2%減となった。なお、1~8月累計では17.3%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、7月14.1%減となったものの、8月10.5%増となり持家を中心に持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7月0.62、8月0.64と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、7月18.2%増、8月28.9%減となった。

(6)近畿

 近畿地域では、景気は政策効果の浸透もあり、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの動きがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、7、8月ともに2.0%増となり、持ち直しの動きがみられる。

 主要業種の生産動向をみると、電気機械は、7月0.6%増、8月5.8%増となり、民生用電気機械、通信・電子部品関連を中心に増加傾向にある。一般機械は、7月15.3%増の後、8月2.0%減となり、これまでの減少傾向に一服感がみられる。化学は、7月8.0%減の後、8月1.0%増、金属製品は、7月2.3%減の後、8月7.5%増となり、一進一退の状況となっている。繊維は、引き続き減少傾向にある。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、7月5.3%減、8月4.7%減となり、低調な推移となっている。業態別にみると、百貨店では、7月4.7%減の後、8月は、残暑の影響により秋物衣料が低調だったものの、ギフト用飲食料品に動きがみられたことから、3.7%減となった。スーパーでは、7月6.0%減の後、8月は、夏物処分セールの婦人衣料に動きがみられたものの、飲食料品が低調だったことから、5.4%減となった。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、7月2.6%減、8月3.9%減となり、前年を下回る動きとなっている。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、普通・小型乗用車は減少したものの、軽乗用車が増加したことから、7月4.4%減の後、8月7.9%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、7月3.0%減、8月13.8%減となった結果、4~8月累計では0.7%減となった。なお、1~8月累計では6.6%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、7月4.3%減の後、8月6.8%増となり、持家、分譲が増加したことから、持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7、8月ともに0.38となり、厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、7月25.6%減、8月9.9%減となった。

(7)中国

 中国地域では、景気は政策効果の浸透もあり、緩やかな改善が続いている。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産が総じて増加傾向にあり、需要面においては、新設住宅着工戸数でこのところ減少が続いているものの持家の増加を背景に底固さがみられるからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、7月2.2%減の後、8月8.2%増となり、アジア向け輸出の増加等を背景に、総じて増加傾向にある。

 主要業種の生産動向をみると、化学は、アジア向け輸出が増加していることから増加傾向にある。自動車は、軽自動車が堅調に推移していることや新型車の生産により、全体でも底固い動きとなっている。一般機械は、全体の基調としては低迷しているものの、8月は大幅増となった。鉄鋼は、アジア向け輸出の増加を背景に持ち直している。また、電気機械は、パソコン関連が好調に推移していること等から、高水準での生産が続いている。繊維は引き続き低調である。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、7月3.8%減、8月2.7%減と低調に推移している。業態別にみると、百貨店は、増床の効果も弱く、7月0.7%減と減少に転じた後、8月は1.3%増となったものの、主力の衣料品が低調であり、回復感に乏しい状況となっている。スーパーは、すべての商品で前年を下回る動きが続いたことから、7月6.4%減、8月4.9%減と低調に推移している。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、7月1.0%増の後、8月0.5%減と減少となったものの、全店舗ベースでは二ケタ増が続いている。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車で大幅増が続いていることから、全体でも7月2.5%増、8月8.5%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、市町村の減少等 により、7月12.9%減、8月11.1%減となった結果、4~8月累計では 8.5%減となった。なお、1~8月累計では7.4%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、7月11.2%減、8月0.9%減とこのところ減少が続いているものの、持家の増加を背景に底固さがみられる。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7、8月ともに0.60となり、厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、7月19.2%減、8月1.4%増となった。

(8)四国

 四国地域では、景気は政策効果の浸透もあり、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの動きがみられ、需要面においては、大型小売店販売額が低調に推移しているものの、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、7月2.6%増、8月1.3%増となり、持ち直しの動きがみられる。

 主要業種の生産動向をみると、電気機械は、パソコン・デジタル関連機器の需要好調を背景に、半導体や液晶画面用バックライトが増加し、映像機器等の北米向け輸出も依然として好調なことから、高操業を続けている。パルプ・紙は、国内需要に動きが出てきたものの、販売価格の引き上げを企図した生産調整を継続している。化学は、輸出好調に加え、国内向け需要の増加から持ち直してきている。一般機械は、アジア向け輸出に一部持ち直しの動きがみられるものの、民間設備投資の低迷から総じて低調に推移している。繊維は、一部では高操業を維持しているものの、秋冬物衣料の受注が低調なことから、総じて低調に推移している。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、7月5.0%減、8月3.7%減と低調に推移している。業態別にみると、百貨店は、天候不順により季節衣料品が低調だったことから、7月2.4%減、8月2.5%減となった。スーパーは、天候不順により主力の飲食料品や夏物衣料品セールが低調だったことから、7月7.0%減、8月4.3%減となった。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、天候不順等により7月1.8%減、8月5.9%減と前年を下回った。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車で大幅増が続いていることから、7月3.7%増、8月7.5%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、7月6.3%増の後、8月は32.3%減となった結果、4~8月累計では9.5%減となった。なお、1~8月累計では1.8%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家が7月25.1%増、8月24.3%増と大幅増が続き、全体では7月12.9%増、8月16.5%増と持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7月0.61、8月0.60と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、7月15.9%減、8月7.3%増となった。

(9)九州

 九州地域では、景気は政策効果の浸透もあり、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数は持ち直しており、また大型小売店販売額は改善の動きがみられるからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、7月0.1%減の後、8月3.5%増と持ち直しの兆しがみられる。

 主要業種の生産動向をみると、電気機械は、主力の半導体集積回路では、数量は前年比増が続き、8月には金額も19か月ぶりの前年比増となり、持ち直しの動きがみられる。化学は、アジア向け輸出の持ち直し等から、増産の動きがみられる。一般機械は、半導体製造装置に動きがみられるものの、全体では低調に推移している。輸送機械は、自動車では一部車種のマイナーチェンジによる生産増がみられた。造船では大手・中堅は高操業を維持しているものの、中小では新規受注が低迷し、低操業となっている。窯業・土石は、半導体関連のファインセラミックスの増加が続いている。鉄鋼は、在庫調整の進展、アジア向け輸出の増加等から、増産の動きがみられる。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、7月3.4%減、8月2.2%減と減少幅が縮小し、直近では地元球団優勝のセールは活況を呈しており、力強さはないものの、改善の動きがみられる。業態別にみると、百貨店は、7月は老舗の閉店セールの効果もあって0.9%減となった後、8月は中元商戦の盛り返しもあって0.8%減と前年水準に近づいた。スーパーは、飲食料品、衣料品等が低調で7月5.6%減、8月3.1%減となった。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、天候不順により7月2.4%減、8月3.9%減と前年を下回った。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車で大幅増が続いていることから、全体としては7月1.5%増、8月9.1%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、7月3.2%減、8月10.7%減となったものの、4~8月累計では1.2%増となった。なお、1~8月累計では4.8%減となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、7月5.1%減となった後、8月は持家と貸家の増加により8.8%増と持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7、8月ともに0.40と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、7月0.7%増、8月11.1%増となった。

(10)沖縄

 沖縄地域では、景気は政策効果もあいまって回復傾向にある。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、主力の観光が高水準で推移し、需要面においては、スーパーの売上高が底固く、乗用車新規登録・届出台数は堅調に推移し、また、新設住宅着工戸数は持ち直しているからである。

○ 観光では、入域客数(前年同月比)は、航空路線の増・開設効果や低価格旅行商品が堅調なことから、7月10.2%増、8月6.4%増となり、いずれも過去最高となった。直近も同様の動きとなっている。また、客室稼働率は、観光シーズンのピークを迎え、リゾートホテルを中心に、前年高水準を更に上回る状況となった。

○ 個人消費をみると、百貨店(那覇市内3百貨店)の売上高(前年同月比、沖縄銀行調べ)は、閉店セールの効果から、7月5.6%増、8月15.4%増となった。一方、スーパーの売上高(前年同月比、既存店ベース)は、7月2.4%減の後、8月は旧盆の効果もあり4.0%増(日本銀行那覇支店調べ)と、主力の食料品を中心に底固く推移している。なお、全店ベースでは7月3.2%増、8月11.8%増と引き続き増加傾向にある。また、家電製品の販売額は、天候不順の影響もあり7月は20.3%減となったが、8月は1.3%増となった。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、好調な軽乗用車に加え、観光客の増加を見込んだレンタカー需要もあり、7月45.1%増、8月4.3%増と堅調に推移している。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、7月は地方の減少から12.0%減、8月は国、地方とも減少し21.3%減となった結果、4~8月累計では6.7%増となった。なお、1~8月累計では16.0%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、7月5.5%減の後、8月24.4%増と持家を中心に持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、7月0.20、8月0.21と厳しい状況が続いている。完全失業率は7月8.7%、8月8.6%と厳しい状況が続いている。なお、新規求人数は引き続き広範な業種で増加している。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、7、8月とも前年を大幅に下回った。