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産業動向

平成11年9月


産業動向の推移


概 況

 我が国産業の最近の動向について次のような特徴がみられる。

(1) 最近の産業動向は、低調から横ばい状況となったのが2業種、不振から低調となったのが2業種あり、総じてやや改善している。これは、各種の政策効果の浸透などで、国内販売に持ち直しの動きがみられ、在庫は調整が進んでおり、また、生産は低い水準でおおむね横ばいだが、アジア向け輸出の回復もあり、持ち直しの兆しもみられるからである。

(2) 製造業をみると、

 素材型産業では、化学(石油化学)が低調から横ばい状況となった。紙・パルプは横ばい状況が続いている。また鉄鋼は不振から低調となった。

 加工組立型産業では、通信機器が低調から横ばい状況となった。半導体、コンピュータ関連機器、家電は横ばい状況が続き、自動車、工作機械、建設機械は低調に推移している。なお、産業機械は不振が続いている。

(3) 非製造業をみると、

 情報サービスは堅調に推移し、旅行、外食、電力は横ばい状況が続いている。国内貨物は不振から低調となった。また建設・住宅、リース、広告は低調に推移している。

 鉄鋼は不振から低調となった。これは、普通鋼鋼材の国内出荷に持ち直しの兆しがみられるなか、粗鋼生産もアジア向け輸出の増加等を背景に持ち直しの動きがみられ、ま た国内在庫も在庫率はやや高い水準にあるものの、在庫調整に進展がみられているからである。

 化学(石油化学)は低調から改善し横ばい状況となった。これは、エチレン及び汎用樹脂についてみると、国内出荷は、おおむね前年を上回る水準にまで回復してきており、生産は輸出増を映じて増加傾向となっているからである。

 紙・パルプは、横ばい状況が続いている。これは、出荷が総じて堅調に推移し、生産 が持ち直してきている一方、在庫をみると、在庫率が依然としてやや高い水準にあるからである。 

 一般機械では、産業機械は不振が続いている。これは、受注が官公需向けに動きはみられたものの、設備投資の冷え込みを映じて、引き続き低迷しているからである。工作機械は低調に推移している。これは、受注について、内需の大幅減に加え、外需も前年割れが続いているからである。建設機械は低調に推移している。これは、出荷について、設備投資の冷え込みを映じて、内需の持ち直しの動きに力強さがみられないからである。  産業用電気機械・電子部品では、半導体集積回路は、横ばい状況が続いている。これは、パソコン向け製品等が堅調に推移しているためである。コンピュータ関連機器は、横ばい状況が続いている。これは、ウェイトの大きいパソコンが堅調であるものの、その他の製品は低調であるからである。通信機器は、低調から改善し横ばい状況となった。これは、通信インフラの設備投資は総じて低調ではあるものの、携帯電話が好調に推移しているからである。  

 家電は横ばい状況が続いている。これは、国内出荷(台数ベース)は総じて底固く推移しており、生産も、全体としては横ばいで推移しているからである。

 自動車は低調に推移している。これは、国内販売(新車新規登録・届出台数)がおおむね横ばいで推移しているものの、完成車輸出は前年割れが続いており、生産も低調に推移しているからである。

 建設・住宅は低調に推移している。これは、公共工事については、着工の動きはこのところ低調だが事業の実施が進んでおり、住宅着工については全体として前年を上回る水準を保っているものの、民間工事や非居住用建築が大幅に減少しているからである。

 運輸・旅行では、国内貨物輸送は、不振から低調となった。これは、消費、住宅関連の貨物に荷動きがみられ、大宗を占める一般トラックの減少幅が縮小しているからである。

 旅行関連は、横ばい状況が続いている。これは、個人旅行者数に動きがみられるものの、団体旅行者数の減少や商品価格の低下等により、取扱高が減少したからである。

 情報サービスは堅調に推移している。これは、主力の受注ソフトウェアの売上高が、堅調に推移しているからである。

 外食は横ばい状況が続いている。これは、既存店ベースでは、売上高、利用客数が前 年割れを続けているものの、全店ベースでは店舗数が増加傾向にあり、売上高、利用客 数も前年比増で推移しているからである。

 リースは低調に推移している。これは、リース契約額が、設備投資の冷え込みを映じて引き続き減少しているからである。

 電力は横ばい状況が続いている。これは、大口電力が19か月連続で前年実績を下回ったものの、民生用電力が底固く推移しているからである。

 広告は低調に推移している。これは、企業の広告費削減の動きを映じて、売上高の減少傾向が続いているからである。


1.鉄鋼

 鉄鋼は不振から低調となった。これは、普通鋼鋼材の国内出荷に持ち直しの兆しがみられるなか、粗鋼生産もアジア向け輸出の増加等を背景に持ち直しの動きがみられ、また国内在庫も在庫率はやや高い水準にあるものの、在庫調整に進展がみられているからである。

 これを受注面からみると、普通鋼鋼材の国内受注は、5月2.3%減の後、6月2.1%増と増加に転じ、このところ持ち直しの兆しがみられる。

 用途別にみると、建設向けは、土木用が公共工事向けに堅調に推移しているなか、建築用でも住宅向けが二ケタ増となっていることから、全体でも、5月2.3%増、6月3.6%増となり、持ち直しの動きがみられる。

 製造業向けは、5月7.1%減の後、6月1.5%増と増加に転じ、このところ持ち直しの兆しがみられる。内訳別では、ウェイトの高い自動車用は、軽自動車に引き続き動きがみられているなか、普通、小型乗用車においてもモデルチェンジに向けた需要が増加しており、全体でも持ち直しの動きがみられる。また、その他の用途では、産業機械用、造船用は依然として低調に推移しているものの、電気機械用は6月に増加に転じており、持ち直しの動きがみられる。

 こうした状況のなか、国内在庫は、6月537万トン(前年同月比6.7%減)、7月522万トン(同4.0%減)と減少傾向にあり、在庫調整に進展がみられている。なお、在庫率は改善してきているものの、やや高い水準にある。

 これを仕向け先別にみると、米国向けは、アンチ・ダンピング提訴の影響から、大幅な減少が続いている。一方、韓国、アセアン向けは景気が回復傾向にあることから、鋼板類を中心に大幅な増加が続いている。

 輸出船積平均単価は、円ベース、ドルベースともにおおむね横ばいで推移している。

 輸入数量は、6月2.4%減の後、7月11.2%増となったものの、低水準で推移している。


2.化学(石油化学)

 化学(石油化学)は低調から改善し横ばい状況となった。これは、エチレン及び汎用樹脂についてみると、国内出荷は、おおむね前年を上回る水準にまで回復してきており、生産は輸出増を映じて増加傾向となっているからである。

 在庫水準については、改善されてきており、樹脂毎に差があるものの、適正水準に近づきつつある。

 汎用樹脂の東南アジア市況については、需要が回復してきたことに加え、原油及びナフサ価格が上昇していることを映じて、回復基調となっている。


3.紙・パルプ

 紙・パルプは、横ばい状況が続いている。これは、出荷が総じて堅調に推移し、生産が持ち直してきている一方、在庫をみると、在庫率が依然としてやや高い水準にあるからである。 

 紙の生産を品目別にみると、新聞巻取紙は底固い動きとなっている。印刷・情報用紙では、塗工紙で増加傾向にあること等から、持ち直しの動きとなっている。非塗工類は、上級紙で持ち直していることから、全体でも減少幅が縮小してきている。塗工紙は、微塗工紙、塗工紙ともに増加傾向にある。情報用紙は、ウェイトの高いPPC用紙が総じて堅調に推移していること等から、全体でも底固い動きとなっている。

 衛生用紙は、市況対策が一段落しており、生産においても持ち直しの動きとなっている。

 板紙の生産を品目別にみると、段ボール原紙は、需要が回復してきていることから、生産も持ち直しの兆しがみられる。

 一方、輸入は、6月19.3%減、7月15.4%減となり、板紙では総じて増加が続いているものの、全体の基調としては減少傾向にある。


4.一般機械

 産業機械は不振が続いている。これは、受注が官公需向けに動きはみられたものの、設備投資の冷え込みを映じて、引き続き低迷しているからである。工作機械は低調に推移している。これは、受注について、内需の大幅減に加え、外需も前年割れが続いているからである。建設機械は低調に推移している。これは、出荷について、設備投資の冷え込みを映じて、内需の持ち直しの動きに力強さがみられないからである。

 機械受注(原動機・産業機械・工作機械・半導体製造装置のみ、金額ベース、前年同月比)をみると、6月9.2%減の後、7月は半導体製造装置の大幅な増加により1.0%増となった。

 輸出入の動向(事務用機器を除く・円ベース、前年同月比)をみると、輸出は6月11.9%減、7月11.5%減と減少が続いている。輸入も6月19.7%減、7月17.5%減と減少が続いている。


5.産業用電気機械・電子部品

 半導体集積回路は、横ばい状況が続いている。これは、パソコン向け製品等が堅調に推移しているためである。コンピュータ関連機器は、横ばい状況が続いている。これは、ウェイトの大きいパソコンが堅調であるものの、その他の製品は低調であるからである。通信機器は、低調から改善し横ばい状況となった。これは、通信インフラの設備投資は総じて低調ではあるものの、携帯電話が好調に推移しているからである。


6.家庭電器

 家電は横ばい状況が続いている。これは、国内出荷(台数ベース)は総じて底固く推移しており、生産も、全体としては横ばいで推移しているからである。

 AV家電をみると、品目ごとにばらつきがあるものの、総じて底固い荷動きとなっている。品目別では、カラーテレビは、直近も含め基調としては底固い荷動きとなっている。VTRは、前年ワールドカップ需要の反動もあり、直近も含め前年を下回っている。ビデオカメラは、前年をやや下回る水準で推移している。CDプレーヤ(MDプレーヤを含む)は、伸び率が鈍化しているものの、引き続き高水準で推移している。

 白物家電をみると、天候要因により月ごとの増減があるものの、買い替え需要や住宅着工の持ち直しの効果もあり、総じて底固い荷動きとなっている。品目別では、冷蔵庫が大型を中心に6月は大幅増となったが、7月は天候要因もあり減少した。直近では前年を上回っている。洗濯機は前年をやや下回る水準で推移し、電子レンジは前年並みとなっている。エアコンは、6月は前年を大きく上回ったものの、年間需要のピークとなる7月は、西日本を中心とした長雨の影響から前年を大幅に下回った。直近では前年を上回っている。なお、その他の品目では、ウェイトは小さいながら、除湿機や乾燥機類が大幅増となった。


7.自動車

 自動車は低調に推移している。これは、国内販売(新車新規登録・届出台数)がおおむね横ばいで推移しているものの、完成車輸出は前年割れが続いており、生産も低調に推移しているからである。

 輸入車販売では、新型車等の増加により7月5.9%減の後、8月3.0%増となった。