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地域経済動向

平成11年8月19日

経済企画庁調査局


1.地域経済の概況

 最近の地域経済の動向を地域別にみると、以下のとおりである。

 北海道地域では、景気は政策効果の浸透等により、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、大型小売店販売額が低調に推移しているものの、公共工事着工総工事費が総じて増加となっており、また新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。 

 東北地域では、景気は政策効果の浸透等もあり、このところ改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産は引き続き増加傾向にあり、需要面においては、大型小売店販売額に改善の動きがみられ、公共工事着工総工事費は総じて増加となっており、新設住宅着工戸数は持ち直しているからである。

 関東地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しの動きとなっているものの、雇用情勢は厳しい状況が続いているからである。

 北関東と南関東についてみると、北関東では、鉱工業生産で持ち直しの動きがみられ、新設住宅着工戸数が持ち直していることから、景気は政策効果の浸透等により、このところやや改善している。南関東では、関東全体とほぼ同様の動きであることから、景気は下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。

 東海地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産が横ばい圏内で推移し、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。

 北陸地域では、景気は政策効果の浸透等により、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産が横ばい圏内で推移し、需要面においては、大型小売店販売額に改善の動きがみられ、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

 近畿地域では、景気は政策効果等により下げ止まりつつある。これは、鉱工業生産が下げ止まりつつあり、需要面においては、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられるものの、雇用情勢は厳しい状況が続いているからである。

 中国地域では、景気は政策効果の浸透等により、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しの動きとなっているからである。

 四国地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。

 九州地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は横ばい圏内で推移し、需要面においては、新設住宅着工戸数は持ち直しているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。

 沖縄地域では、景気は政策効果もあいまって回復傾向にある。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、主力の観光が高水準で推移し、需要面においては、スーパーの売上高が底固く、乗用車新規登録・届出台数は堅調に推移し、また、公共工事着工総工事費は総じて増加となっており、新設住宅着工戸数は持ち直しているからである。

 各地域の最近の経済動向を総合すると、以下のとおりである。

 鉱工業生産をみると、東北は引き続き増加傾向にあり、関東、四国では引き続き持ち直しの兆しがみられる中、今回新たに北海道、中国で持ち直しの兆しがみられた。その他の地域では引き続き横ばい若しくは下げ止まりつつある。 

 個人消費をみると、大型小売店販売額は、沖縄は引き続き底固く推移し、東北、北陸では改善の動きがみられ、その他の地域でも減少幅の縮小の動きがみられた。なお、北海道、東海、近畿、四国、九州は依然として低調に推移している。乗用車新規登録・届出台数は、ほとんどの地域で増加が続いている。

 建設活動をみると、公共工事は、ほとんどの地域で着工の動きがこのところやや鈍くなっているものの、4~6月累計では東海、北陸、中国を除き増加となった。住宅建設は、すべての地域で総じて持ち直している。

 雇用情勢をみると、すべての地域で厳しい状況が続いている。

 企業倒産をみると、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、ほとんどの地域で減少している。

 地域別にいえば、東北は、鉱工業生産が引き続き増加傾向にあり、個人消費で大型小売店販売額に改善の動きがみられることから、「景気はこのところ改善している」とした。

 北海道、北陸、中国は、鉱工業生産、個人消費のいずれかの面で改善がみられることから、「景気はこのところやや改善している」とした。

 その他、前回と同様の評価とした地域については、沖縄は「景気は回復傾向にある」、関東、東海、四国、九州は「景気は下げ止まり、おおむね横ばいで推移している」、近畿は「景気は下げ止まりつつある」とした。

 以上のように、各地域を総じてみると、全体としては、景気は政策効果の浸透等により、このところやや改善している中で、業種構成、公共投資依存度、天候要因の影響の相違等によって、地域毎の改善度合いに違いが生じている。


2.地域経済の動向

(1)北海道

 北海道地域では、景気は政策効果の浸透等により、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、大型小売店販売額が低調に推移しているものの、公共工事着工総工事費が総じて増加となっており、また新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

○ 第一次産業の動きをみると、農作物の生育状況(8月1日現在)は、全体として順調である。生乳生産(前年同月比)は、5月0.6%減の後、6月前年並となり、底固い動きとなっている。水産業(主要10港、前年同月比)では、6月は、水揚量がほっけの減少等から2.7%減となったものの、金額では28.2%増となった。 

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、5月2.8%減の後、6月1.8%増となり、このところ持ち直しの兆しがみられる。

 主要業種の生産動向をみると、食料品・たばこは、ビール、発泡酒の生産が堅調に推移していることから、全体でも底固い動きとなっている。パルプ・紙は、一部品目で持ち直してきているものの、全体では前年をやや下回る動きが続いている。窯業・土石は、公共工事関連の需要増により、堅調に推移している。電気機械は、無線通信装置が減少していることから、全体でも減少が続いている。

○ 観光では、来道客数(前年同月比)は、5月7.4%増、6月3.4%増と増加傾向にあるものの、単価の低下により、収益状況は依然として厳しい。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、5月2.7%減、6月0.7%減と減少幅が縮小しているものの、直近も含め、基調としては低調に推移している。業態別にみると、百貨店では5月3.2%減、6月1.3%減と減少幅が縮小しているものの、直近では、中元商戦が法人向けを中心に低調である等、回復感に乏しい状況となっている。スーパーでは、5月2.2%減の後、6月は衣料品が増加したこと等から、0.1%減となり、減少幅が縮小している。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、5月2.6%減の後、6月は0.7%増と増加に転じた。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車で大幅増が続いていることから、全体でも5月3.1%増、6月8.6%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、5月25.3%増の後、6月は市町村の減少等から2.4%減となった結果、4~6月累計では11.6%増となった。なお、1~6月累計では21.5%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、5月3.4%増、6月6.2%増となり、持家の増加を背景に持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5月0.43、6月0.40と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、5月15.2%減、6月40.2%減となった。

(2)東北

 東北地域では、景気は政策効果の浸透等もあり、このところ改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産は引き続き増加傾向にあり、需要面においては、大型小売店販売額に改善の動きがみられ、公共工事着工総工事費は総じて増加となっており、新設住宅着工戸数は持ち直しているからである。

○ 第一次産業では、水稲の生育状況(7月15日現在)は「やや良」となった。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、5月1.3%増の後、6月は0.5%減となったものの、引き続き増加傾向にある。

 主要業種の生産動向をみると、電気機械は、5月4.7%増、6月は一部品目で新製品切り替えに伴う減産等もあり、7.3%減となったが、パソコン関連製品や携帯電話・PHS等は引き続き高操業を続けている。その他の業種では、食料品・たばこは5月11.9%減、6月12.6%増、一般機械は5月0.1%減、6月11.0%増、繊維は5月0.1%増、6月3.6%減となった。輸送機械は引き続き高水準で推移している。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、5月4.9%減の後、6月は1.5%減と減少幅が縮小し、直近も含め、力強さはないものの改善の動きがみられる。業態別にみると、百貨店は、夏物衣料品や身の回り品に動きがみられ、5月3.6%減、6月2.7%減と減少幅が縮小している。スーパーは5月5.2%減の後、6月は夏物衣料を中心に動きがみられ、0.9%減と減少幅が縮小している。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、5月1.5%増、6月3.4%増と底固く推移している。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、引き続き軽乗用車が大幅増となったことから、5月5.1%増、6月7.1%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、5月1.4%減、6月8.8%増となった結果、4~6月累計では4.4%増となった。なお、1~6月累計では24.2%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、5月6.9%増、6月14.1%増と持家を中心に持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5月0.48、6月0.46と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、5月37.3%減、6月13.8%減となった。

 

(3)関東

 関東地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しの動きとなっているものの、雇用情勢は厳しい状況が続いているからである。

 北関東と南関東についてみると、北関東では、鉱工業生産で持ち直しの動きがみられ、新設住宅着工戸数が持ち直していることから、景気は政策効果の浸透等により、このところやや改善している。南関東では、関東全体とほぼ同様の動きであることから、景気は下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、5月0.3%減の後、6月1.5%増となり、在庫調整の進展もあり、持ち直しの兆しがみられる。

 主要業種の生産動向をみると、最もウェイトの高い電気機械は、パソコン等の増産により、5月3.8%増、6月1.8%増と持ち直しの動きがみられる。一般機械は、5月0.8%減の後、プレス用金型等の増産により、6月3.4%増となり、持ち直しの動きがみられる。輸送機械については、5月1.1%減の後、軽乗用車、普通乗用車等の増産により、6月6.1%増となり、持ち直しの兆しがみられる。化学については、アジア向け輸出の増加を映じて汎用樹脂等の生産は持ち直しつつあるものの、全体では一進一退の動きとなっている。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、5月4.2%減、6月2.7%減と、閉店セールの効果等から減少幅は縮小している。業態別にみると、百貨店では、閉店セールの効果等から店頭を中心に個人需要に動きが見られたものの、全体では前年を下回っている。品目別では、身の回り品が増加し、紳士服・婦人服等の衣料品は前年並となり、宝飾品等にも動きがあるものの、その他の品目では減少となった。スーパーについては、主力の食料品をはじめ、すべての品目で減少となり、全体でも前年を下回っている。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、5月0.3%減、6月0.2%減と前年並で推移している。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、普通・小型乗用車は減少しているものの、軽乗用車の増加が続いており、5月2.4%増、6月0.2%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、5月31.2%増の後、6月14.3%減となった結果、4~6月累計では12.9%増となった。なお、1~6月累計では14.3%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、5月11.0%減の後、持家が増加を続けていることに加え、分譲の減少幅が縮小したことから、6月6.2%増となり、持ち直しの動きとなっている。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5月0.45、6月0.46と、厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、5月26.2%減、6月26.8%減となった。

(3-2)北関東

○ 鉱工業生産は、持ち直しの動きがみられる。主要業種の生産動向をみると、電気機械及び輸送機械は持ち直しの動きがみられ、一般機械は一進一退の動きとなっている。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、5月6.4%減、6月4.5%減と、減少幅は縮小している。なお、このところスーパーの新規出店が続いており、店舗調整前では増加となっている。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、5月4.5%増、6月3.3%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、5月15.5%減、6月7.8%減となった結果、4~6月累計では3.9%増となった。なお、1~6月累計では32.2%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、5月8.5%増、6月10.0%増となり、持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5、6月ともに0.66となった。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、5月は25.6%減、6月は9.6%減となった。

 (3-3)南関東

○ 鉱工業生産は、持ち直しの兆しがみられる。主要業種の生産動向をみると、電気機械は持ち直しの兆しがみられ、一般機械は持ち直しの動きがみられ、輸送機械は低水準横ばいで推移しており、化学は一進一退の動きとなっている。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、5月3.7%減、6月2.2%減と、減少幅は縮小しており、百貨店の閉店セールの影響等もあり、個人需要の一部に動きがみられる。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、5月1.7%増の後、6月0.8%減となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、5月58.8%増の後、6月17.8%減となった結果、4~6月累計では16.7%増となった。なお、1~6月累計では7.0%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、5月15.5%減の後、持家の増加に加え、分譲の減少幅が縮小したことから、6月5.2%増となり、持ち直しの動きとなっている。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5月0.39、6月0.40と、厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、5月26.3%減、6月29.5%減となった。

 

(4)東海

 東海地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産が横ばい圏内で推移し、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、5月0.1%増、6月3.8%増となり横ばい圏内で推移している。

 主要業種の生産動向をみると、自動車は、輸出が総じて底固いことや国内販売でも一部の新型車には動きがみられるが、普通・小型乗用車全体では低調であることから、低水準横ばいで推移している。一般機械は、金属工作機械が受注の減少により操業度を下げていること等から減少傾向にある。電気機械は、半導体集積回路が増加しているものの、電子計算機が法人需要の低迷等によりやや減少していること等から、全体では高水準ながら横ばいとなっている。窯業・土石では、陶磁器が低調なものの、ファインセラミックスが輸出向けを中心に堅調なことから、全体で増加傾向にある。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、5月3.6%減、6月3.7%減と低調に推移している。業態別にみると、百貨店では婦人服等で動きがみられたことから、5月2.1%減と減少幅は縮小したものの、6月は中元商戦が振るわなかったこともあり5.1%減となった。直近では夏物衣料に動きがみられるものの、中元商戦は依然として低調である。スーパーでは減少幅の縮小傾向がみられるが、全品目で前年割れとなり5月4.5%減、6月2.9%減となった。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、5月2.2%増、6月0.8%増と底固く推移している。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車が大幅に増加していることから、5月7.0%増、6月4.7%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、地方の減少により5月21.6%減、6月9.9%減となった結果、4~6月累計では7.4%減となった。なお、1~6月累計では20.7%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家の増加により5月8.6%増、6月10.7%増と全体でも持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5月0.58、6月0.59と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、5月19.0%減、6月19.1%減となった。

(5)北陸

 北陸地域では、景気は政策効果の浸透等により、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産が横ばい圏内で推移し、需要面においては、大型小売店販売額に改善の動きがみられ、新設住宅着工戸数が持ち直しているからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、4月0.1%増、5月0.1%減と横ばい圏内で推移している。

 主要業種の生産動向をみると、金属製品では、アルミ建材は住宅用で持ち直しの動きがみられるが、ビル用が低迷していることから、全体では横ばいとなっている。繊維では、主力の合繊織物は衣料、非衣料向けとも内需が低迷していることや在庫が引き続き高水準であること等から大幅な減産が続いている。一方、染色加工は在庫調整が進んでいることから減産幅が縮小している。電気機械は、携帯電話用部品が欧州向けに堅調なことやその他の電子部品も家電向けに操業度を引き上げていること等から、全体でも増加傾向にある。一般機械は、繊維機械がアジア向けの受注減等から、工作機械が欧米向けの受注減等から、いずれも低操業を続けている。建設機械は、公共工事増加の効果等から持ち直しの動きがみられる。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、5月に閉店セールの効果等により0.6%増となった後、6月2.4%減となり、このところ減少幅は縮小傾向にあり、力強さはないものの改善の動きがみられる。業態別にみると、百貨店では来店客数の増加等から5月1.9%減と減少幅が縮小した後、6月は法人向けギフトの減少等から7.9%減となった。スーパーでは閉店セールの効果もあり衣料品、身の回り品等が増加となり、5月2.2%増、6月1.4%増となった。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車の大幅な増加により、5月8.8%増、6月8.3%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、地方の減少により5月44.8%減、6月2.5%減となった結果、4~6月累計では7.8%減となった。なお、1~6月累計では22.5%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家の増加により5月19.3%増、6月21.1%増と持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5月0.61、6月0.62と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、5月8.6%増、6月11.9%減となった。

(6)近畿

 近畿地域では、景気は政策効果等により下げ止まりつつある。これは、鉱工業生産が下げ止まりつつあり、需要面においては、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられるものの、雇用情勢は厳しい状況が続いているからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、5月1.6%減、6月1.6%増となり、下げ止まりつつある。

  主要業種の生産動向をみると、電気機械は、5月1.5%減、6月1.4%減となったものの、民生用電気機械、通信・電子部品関連を中心に基調としては増加傾向にある。一般機械は、5月4.9%減の後、6月0.9%増となったものの、基調としては減少傾向となっている。化学は、合成洗剤、化粧品等が増加している。金属製品は、一進一退の状況となっている。繊維は、引き続き減少傾向にある。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、5月4.5%減、6月4.4%減と減少幅が縮小しているものの、低調に推移している。業態別にみると、百貨店では、中元ギフトが低調に推移したこと等から、5月3.9%減の後、6月は5.3%減となった。スーパーでは、5月5.0%減の後、低価格帯の紳士服を中心に改善がみられたことや中元ギフトの割引きセールが好調であったこと等から、6月は3.6%減となった。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、5月1.0%減、6月2.0%減となり、前年をやや下回る動きとなっている。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、普通・小型乗用車は減少したものの、軽乗用車が増加したことから、5月2.6%増、6月0.6%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、5月12.1%減、6月16.3%減となり、4~6月累計では6.4%増となった。なお、1~6月累計では11.7%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家が増加となったことから、5月3.1%増、6月0.3%減となり、持ち直しの動きがみられる。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5月0.35、6月0.37と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、5月29.9%減、6月25.3%減となった。

 

(7)中国

 中国地域では、景気は政策効果の浸透等により、このところやや改善している。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、鉱工業生産に持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数が持ち直しの動きとなっているからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、5月0.6%増、6月0.2%増となり、持ち直しの兆しがみられる。

 主要業種の生産動向をみると、化学は、アジア向け輸出が回復していることから総じて堅調に推移している。自動車は、軽自動車が堅調に推移していることや新型車の生産により、全体でも堅調に推移している。一般機械は、輸出が低迷し、内需も減少していることから、減少傾向が続いている。鉄鋼は、アジア向け輸出は増加しているものの、内需が減少していること等から、全体では依然として低調に推移している。また、電気機械は、パソコン関連が好調に推移していること等から、高水準での生産が続いている。繊維は引き続き低調である。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、5月2.2%減、6月1.9%減と減少幅が縮小している。業態別にみると、百貨店は、増床の効果から5月2.1%増となったものの、6月0.7%増と増勢が鈍化し、回復感に乏しい状況となっている。スーパーは、すべての商品で前年を下回る動きが続いたことから、5月5.0%減、6月3.6%減となった。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、5月4.3%増、6月3.6%増と堅調に推移している。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車で大幅増が続いていることから、全体でも5月11.0%増、6月6.2%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、5月8.7%減、6月28.8%減となった結果、4~6月累計では5.1%減となった。なお、1~6月累計では16.5%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、5月1.6%減の後、6月19.9%増となり、持家の増加を背景に総じて持ち直しの動きとなっている。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5月0.63、6月0.62と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、5月34.0%減、6月51.4%減となった。

(8)四国

 四国地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は持ち直しの兆しがみられ、需要面においては、新設住宅着工戸数に持ち直しの動きがみられるものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、5月4.4%減の後、6月1.5%増となり、在庫調整も着実に進展しており、持ち直しの兆しがみられる。

 主要業種の生産動向をみると、電気機械は、半導体のパソコン・デジタル関連機器向け、情報機器の北米向け輸出が好調なため、高操業を継続している。パルプ・紙は、国内需要に一部動きが出てきたものの、依然として生産調整が続いている。化学は、輸出好調のため持ち直しの動きがみられる。一般機械は、アジア向け輸出に一部持ち直しの動きがみられるものの、民間設備投資の低迷から総じて低調に推移している。繊維は、ニット、ジャージ等では堅調な動きがみられるものの、総じて低調に推移している。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、5月3.4%減、6月2.3%減と減少幅が縮小しているものの、直近も含め、基調としては低調に推移している。業態別にみると、百貨店は、夏物衣料品や身の回り品に動きがみられたものの、5月2.4%減、6月3.5%減となった。スーパーは、夏物衣料品や身の回り品に動きがみられたものの、主力の飲食料品が低調なことから、5月4.0%減、6月1.7%減となった。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、5月1.5%増、6月0.8%減となり、前年並で推移している。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車で大幅増が続いていることから、5月8.9%増、6月7.3%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、5月8.3%減、6月は2.1%増となった結果、4~6月累計では1.2%増となった。なお、1~6月累計では11.5%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家が5月23.7%増、6月21.7%増と大幅増が続き、全体では5月12.2%増の後、6月6.8%減となったものの、持ち直しの動きがみられる。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5月0.61、6月0.62と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、5月14.6%減、6月29.6%減となった。

 

(9)九州

 九州地域では、景気は政策効果等により下げ止まり、おおむね横ばいで推移している。これは、鉱工業生産は横ばい圏内で推移し、需要面においては、新設住宅着工戸数は持ち直しているものの、大型小売店販売額が低調に推移し、また雇用情勢も厳しい状況が続いているからである。

○ 鉱工業生産(季調済前月比)は、5月2.3%減、6月3.0%増と横ばい圏内で推移している。

 主要業種の生産動向をみると、電気機械は、主力の半導体集積回路では、金額は前年割れが続いているものの、数量は前年比増が続いており、持ち直しの動きがみられる。化学は、アジア向け輸出に持ち直しの動きがみられるものの、低調に推移している。一般機械は、半導体製造装置に動きがみられ、総じて増加傾向にある。輸送機械は、自動車では国内需要の回復の遅れにより前年割れが続いている。造船では大手・中堅は高操業を維持しているものの、中小では新規受注が低迷し、低操業となっている。窯業・土石は、セメントの増加に加え、半導体関連のファインセラミックスが増加となった。鉄鋼は、在庫調整の進展、アジア向け輸出の増加等から、増産の動きがみられる。

○ 個人消費をみると、大型小売店販売額(前年同月比)は、5月2.3%減、6月0.6%減と閉店セールの効果により減少幅は縮小しているものの、直近も含め、基調としては低調に推移している。業態別にみると、百貨店は、老舗の閉店セールの効果により、5月0.2%増、6月2.5%増となった。スーパーは、飲食料品、衣料品等が低調で5月4.2%減、6月2.8%減となった。

 なお、コンビニエンス・ストア販売額(前年同月比)は、5月0.7%増、6月0.9%増となり、前年並で推移している。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、軽乗用車で大幅増が続いていることから、全体としては5月9.5%増、6月7.9%増となった。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、5月1.2%増、6月5.9%減となった結果、4~6月累計では12.3%増となった。なお、1~6月累計では3.8%減となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、持家の増加により5月4.8%増、6月10.7%増と持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5、6月ともに0.40と厳しい状況が続いている。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、中小企業に対する信用保証制度の拡充の効果もあり、5月26.0%減、6月31.3%減となった。

(10)沖縄

 沖縄地域では、景気は政策効果もあいまって回復傾向にある。これは、雇用情勢は厳しい状況が続いているものの、主力の観光が高水準で推移し、需要面においては、スーパーの売上高が底固く、乗用車新規登録・届出台数は堅調に推移し、また、公共工事着工総工事費は総じて増加となっており、新設住宅着工戸数は持ち直しているからである。

○ 観光では、入域客数(前年同月比)は、航空路線の増・開設効果や低価格旅行商品が堅調なことから、5月12.2%増、6月14.2%増といずれも5、6月としては過去最高となった。直近も同様の動きとなっている。また、客室稼働率は、シティホテルが前年をやや下回ったが、リゾートホテルは6月は前年を上回った。

○ 個人消費をみると、百貨店(那覇市内3百貨店)の売上高(前年同月比、沖縄銀行調べ)は、閉店セールの効果から、5月1.4%増の後、6月は22.7%増と大幅に増加した。一方、スーパーの売上高(前年同月比、既存店ベース)は、夏物衣料品が低調だったため、5月3.8%減、6月2.9%減(日本銀行那覇支店調べ)となったものの、主力の食料品が堅調で、基調としては底固く推移している。なお、全店ベースでは5月2.5%増、6月3.6%増と増加傾向にある。また、家電製品の販売額は、5月5.3%減、6月4.6%増となった。

 乗用車新規登録・届出台数(前年同月比)は、好調な軽乗用車に加え、観光客の増加を見込んだレンタカー需要もあり、全体では5月27.3%増、6月15.0%増と堅調に推移している。

○ 建設活動をみると、公共工事着工総工事費(前年同期比)は、5月65.1%増の後、6月は国、地方とも減少し26.7%減となった結果、4~6月累計では46.7%増となった。なお、1~6月累計では38.1%増となった。

 新設住宅着工戸数(前年同月比)は、5月4.7%増、6月5.1%増と持家を中心に持ち直している。

○ 雇用情勢をみると、有効求人倍率(季調値)は、5月0.22、6月0.24とやや改善の兆しがみられるものの厳しい状況が続いている。一方、完全失業率は5、6月とも8.5%と悪化しており厳しい状況が続いている。なお、新規求人数は引き続き広範な業種で増加している。

○ 企業倒産件数(前年同月比)は、5、6月とも前年を大幅に下回った。