内閣府ホーム  > 内閣府の政策  > 経済財政政策  > 月例経済報告関係資料  > 地域経済  > 産業動向(平成10年1月から平成13年6月まで)  > 産業動向(平成10年1月)

産業動向

平成10年1月


業種別動向の推移


〇概況

我が国産業の最近の動向について次のような特徴がみられる。

(1)需要面をみると、個人消費関連では、旅行販売が底固い動きとなっているものの、家電の国内出荷で弱い動きとなっており、乗用車販売についても低調な動きが続いている。

設備投資関連では、工作機械の受注が好調な動きとなっているが、建設機械の出荷に弱い動きがみられ、また、主力の情報関連機器が伸び悩むなど、リース契約額も前年割れが続いている。

建設関連では、住宅建設が弱い動きが続いている。

輸出では、家電、自動車等が堅調に推移している。

(2)供給面をみると、生産では、紙板紙は堅調な動きとなったが、石化製品については樹脂によりばらつきがみられ、自動車は9か月ぶりに前年割れとなった。また、一般機械はやや弱い動き、繊維、家電は弱い動き、通信機器については大幅な前年割れとなった。

広告は堅調に推移しているものの、国内貨物は弱い動きとなっている。

輸入では、一般機械で増加幅が縮小傾向となり、繊維で前年を下回る動きとなっている。

(3)このように最近の我が国産業をみると、依然好調な業種もあるものの、伸び悩みや、弱い動きがみられる業種が増加してきた。


鉄鋼(普通鋼鋼材)の国内受注は、建設向けで弱い動きがみられるほか、製造業向けもやや低調な動きとなっている。また、普通鋼の国内在庫は高い水準となり、足もとでは減産の動きを強めている。こうしたなか、粗鋼生産量は、10月1.8%増、11月0.6%増となったものの、足もとでは前年を下回る動きとなっている。

化学(石油化学)の基礎原料であるエチレンの生産は、高水準の生産が続いている。汎用樹脂の国内出荷は全体では水準は高いものの、需要減を映じてこのところ弱い動きとなっており、海外出荷は東南アジア市況が低迷のなか、樹脂によりばらつきがみられる。

紙・板紙の生産は、総じて堅調な動きとなったものの、足もとでは一部にやや弱い動きもみられる。一方、紙・板紙の在庫は、新設備の稼働や出荷の伸び悩みなどから、高い水準が続いている。このようななか、市況はこのところ横ばい傾向となっている。

繊維の生産は、内需の低迷などから在庫が増加しており、生産調整の動きがみられることなどから、10月3.7%減、11月5.7%減と引き続き弱い動きとなっている。輸入は前年を下回る動きとなっており、輸出は前年並みとなっている。糸の市況は、綿や羊毛では弱含み、合繊は横ばいで推移している。

一般機械の生産は、10月0.7%増、11月3.4%減とやや弱い動きとなった。産業機械の受注は、10月は外需主導により増加したものの、11月は前年を大きく下回った。工作機械の受注は、内外需とも好調が続いている。建設機械の出荷については、内需の落ち込み等により弱い動きとなっている。

産業用電気機械・電子部品では、半導体集積回路の出荷額は、10月11.3%増、11月3.9%増(速報)と前年を上回ったものの、伸び率は鈍化している。DRAMの市況は、軟化基調で推移している。コンピュータ関連機器の生産額は、9月8.6%増、10月5.5%増となった。通信機器については、9月7.4%減、10月20.3%減と大幅な前年割れとなった。

家電の国内出荷は、総じて弱い荷動きとなっている。家電の輸出は、AV家電が米国向けを中心に堅調に推移している。家電の生産額は、国内需要の不振により、これまで下支え役となっていたAV家電も減少に転じたことなどから、弱い動きとなった。

自動車の国内販売は、11月20.5%減、12月8.4%減と低調な動きが続いている。輸入車販売も前年割れが続いている。完成車の輸出は、欧州向けを中心に堅調な動きとなっている。以上から、生産は、10月5.6%増、11月は3.1%減と9か月ぶりに前年割れとなった。

建設業大手50社の受注額は、11月5.2%増となった。民間建築着工は、大宗を占める居住用建築の減少幅が大きく、全体的に弱い動きとなっている。公共工事着工は4~10月累計で3.7%減となった。 住宅着工戸数は、分譲でマンションが底固い動きとなっているものの、持家、貸家の減少により弱い動きが続いている。

運輸・サービスは、国内貨物輸送は、建設関連貨物、消費関連貨物の減少から、弱い動きとなっている。旅行関連は、底固い動きとなっている。 リース契約額は、主力の情報関連機器が伸び悩んでいることなどにより、10月2.1%減、11月0.8%減と前年割れが続いている。

電力需要は、10月4.5%増の後、検針期間や景気の足踏み状況の影響もあり11月0.6%増と低い伸びとなった。用途別では、電灯、小口電力が検針期間の影響もあり11月は前年実績を下回ったほか、大口電力は景気の足踏み状況を映じて伸び率が鈍化している。

広告の売上高は、10月4.6%増、11月7.4%増と引き続き堅調に推移し、11月で42か月連続の増加となっている。広告量でみると、情報・通信では堅調な出稿が続いているが、全体としてはこのところ横ばい傾向にある。


1.鉄鋼

普通鋼鋼材の国内受注は、建設向けで弱い動きがみられるほか、製造業向けもやや低調な動きとなっている。また、普通鋼の国内在庫は高い水準となり、足もとでは減産の動きを強めている。こうしたなか、粗鋼生産量は、10月1.8%増、11月0.6%増となったものの、足もとでは前年を下回る動きとなっている。

○ 普通鋼鋼材の国内出荷(前年同月比)は、10月4.8%減、11月9.0%減となり、このところ弱含み傾向となっている。

これを受注面からみると、普通鋼鋼材の国内受注は、9月2.9%減、10月7.0%減と前年を下回る動きが続いている。

用途別にみると、建設向けは、土木用、建築用ともに前年を下回る動きとなったため、9月1.8%減、10月7.3%減と弱い動きとなっている。

製造業向けは、9月1.7%減、10月4.6%減となり、やや低調な動きとなっている。

内訳別では、ウェイトの高い自動車用は、このところの乗用車生産台数の減少を映じて10月6.1%減となった。また、造船用では堅調な動きとなっているものの、電気機械用、産業機械用では弱い動きもみられる等、殆どの用途で前年を下回る動きとなった。

こうした状況のなか、国内在庫は、10月564万トン(前年同月比11.1%増)、11月576万トン(同13.1%増)と高い水準となり、足もとでは減産の動きを強めている。

○ 鉄鋼の輸出入(全鉄鋼ベース、前年同月比)をみると、輸出数量は堅調な需要に支えられた結果、10月22.9%増、11月18.4%増となった。

これを仕向け先別にみると、中国、米国向け等は総じて堅調な動きとなった。アセアン向けは伸びの鈍化がみられ、足もとでは減少の兆しとなっている。また、このところ二ケタ増が続いていた韓国向けは、足もと大幅減の動きとなっている。

輸出船積平均単価は、低付加価値製品のウェイトが高まっていることなどからドルベースではやや低下したものの、円ベースでは落ち着いた動きとなった。

輸入数量は、10月0.9%増の後、国内の需給緩和を映じた岸壁在庫の増加等から11月17.6%減となった。

○ 粗鋼の生産は、10月894万トン(前年同月比1.8%増)、11月868万トン(同0.6%増)となったものの、足もとでは前年を下回る動きとなっている。

○ 鋼材の市況をみると、鋼板類は総じて横ばいとなっているものの、条鋼類は需給緩和が続いていること等からやや弱含みとなっている。


2.化学(石油化学)

基礎原料であるエチレンの生産は、高水準の生産が続いている。汎用樹脂の国内出荷は全体では水準は高いものの、需要減を映じてこのところ弱い動きとなっており、海外出荷は東南アジア市況が低迷のなか、樹脂によりばらつきがみられる。

○ 石油化学製品の基礎原料であるエチレンの生産は、高水準の生産が続いているが、11月635万トン(前年同月比9.1%)の後、12月657万トン(速報、前年同月比1.7%減)と、稼働率の低下により前年を割り込んだ。97年間生産は742万トン(速報、前年同月比3.9%増)と前年に引き続き史上最高を記録した。汎用樹脂の生産の足もとの動きをみると、樹脂によりばらつきがみれ、一部には減産の動きもみられる。

在庫水準については、急増したポリプロピレンはじめ、やや過剰感がみられる。

○ 汎用樹脂の国内出荷をみると、全体では水準は高いものの、このところ弱い動きとなっている。主要樹脂別には、低密度ポリエチレンは需要期にある一部の用途で増加となったものの、多くの用途で減少となり、全体でも減少となった。高密度ポリエチレンは主力の射出向けで増加となったものの、全体では減少となった。塩化ビニルについては、水準的には依然として高いものとなっているものの、住宅向けを中心として弱い動きが続いている。汎用樹脂最大の需要を有するポリプロピレンは、自動車向け等の需要減少を映じてやや弱い動きがみられる。ポリスチレンは包装用向け等が増加となったが、電気工業向け等は減少となった。

○ 汎用樹脂の輸出は、樹脂により大きなばらつきがみられ、塩化ビニルについては、旺盛な中国需要を背景に増加傾向となっているものの、ポリスチレンでは市況軟化により輸出抑制の動きがみられている。

汎用樹脂の東南アジア市況については、通貨下落等を背景に全体的に低迷している。


3.紙パルプ

紙・板紙の生産は、総じて堅調な動きとなったものの、足もとでは一部にやや弱い動きもみられる。一方、紙・板紙の在庫は、新設備の稼働や出荷の伸び悩みなどから、高い水準が続いている。このようななか、市況はこのところ横ばい傾向となっている。

○ 紙の生産(前年同期比)は、10月3.0%増、11月2.8%増となる等これまでは堅調な推移となったものの、足もとでは一部にやや弱い動きもみられる。出荷は、底固い内需を背景に10月3.7%増となった後、11月は0.6%増と伸び悩みがみられる。一方、増加傾向にある在庫は、新設備の稼働や出荷の伸び悩み等から、依然高い水準が続いている。

紙の生産を品目別にみると、新聞巻取紙は、このところ伸びに鈍化がみられるものの、総じて底固い動きとなっている。

印刷・情報用紙では、非塗工類は、微塗工紙で伸び悩みが続いているものの、上級紙で大幅増となっているなど、総じて底固い動きとなっている。塗工紙は、販促用のチラシ、カタログ向け等で、コート紙を中心に堅調に推移している。情報用紙は、コピー用等のPPC用紙を中心に堅調な動きとなっている。

衛生用紙では、市況対策などから足もと生産調整の動きがみられる。

○ 板紙の生産は、10月3.1%増、11月2.4%増と増加基調が続いたものの、足もとでは前年をやや下回る動きとなっている。出荷は、10月3.6%増の後、11月1.0%減となった。在庫は、高水準の生産が続いた結果、10月9.0%増、11月17.2%増と大幅増が続いた。

板紙の生産を品目別にみると、段ボール原紙は、11月までは堅調な動きとなったものの、足もとでは需給緩和を映じた在庫の積み上がり等からやや弱い動きとなっている。

○ パルプの生産は、製品需要が堅調な動きを示したことなどから、10月4.1%増、11月4.4%増となった。

○ 紙、板紙の輸出入(数量ベース、前年同期比)をみると、輸出は、主要仕向先である東南アジア向け等でコート紙を主体とした増加が続いたものの、10月13.1%増の後、11月4.4%増と伸びに鈍化がみられる。

一方、輸入は、板紙ではこのところ減少傾向となっているほか、紙でも落ち着いた動きがみられることから、全体としては10月20.4%減、11月2.4%増となった。

○ 紙の市況をみると、紙、板紙ともにこのところ横ばい傾向となっている。


4.繊維

繊維の生産は、内需の低迷などから在庫が増加しており、生産調整の動きがみられることなどから、10月3.7%減、11月5.7%減と引き続き弱い動きとなっている。輸入は前年を下回る動きとなっており、輸出は前年並みとなっている。糸の市況は、綿や羊毛では弱含み、合繊は横ばいで推移している。

○ 繊維の輸出入の動向(通関、円ベース、前年同月比)をみると、輸入は、合繊糸や毛糸などの糸や合繊織物などでは前年を上回っているものの、二次製品では中国等からの外衣が大幅に減少していることなどから減少傾向となっており、総じて前年を下回っている。輸出は、数量ベースでは前年並み、円ベースでは前年を上回っているが、主力であるアジア地域向けの合繊織物がこのところ減少している。

○ 繊維の生産(繊維工業総合指数、前年同月比)は、ポリエステル長繊維織物など一部品目では前年を上回っているものの、外衣や下着類等の二次製品や糸類など多くの品目で生産を低下させており、10月3.7%減、11月5.7%減と、引き続き弱い動きとなっている。

また、国内の衣料消費の低迷が続いていることから、出荷も前年を下回って推移しており、在庫は増加傾向となっている。

○ 天然繊維の動向をみると、綿では、糸は末端需要が伸び悩んでいることや輸入糸の大幅な増加などから、生産は前年割れが続いている。織物は、製品輸入が減少していることや在庫調整が進んでいることから、前年並の生産となっている。糸の市況は低下傾向にある。

羊毛では、糸は輸入糸が大幅に増加していることや衣料消費の不振から引き合いが低下していることなどから、生産は減少傾向となっている。また、織物も受注の伸び悩みなどから、生産は前年割れとなっている。糸の市況は弱含みとなっている。

○ 合繊の動向をみると、内需は産業用が伸び悩んでいることに加え、衣料向けも消費の不振が続いていることからこのところ需給の緩和がみられる。また、外需は欧米向けは底固いものの、主力のアジア向けが低調な動きとなっている。以上から、これまで回復の牽引役であったポリエステル長繊維織物に生産調整の動きがみられるなど総じて生産は前年をやや下回る動きとなっている。糸の市況は、引き続き横ばいで推移している。


5.一般機械

 一般機械の生産は、10月0.7%増、11月3.4%減とやや弱い動きとなった。産業機械の受注は、10月は外需主導により増加したものの、11月は前年を大きく下回った。工作機械の受注は、内外需とも好調が続いている。建設機械の出荷については、内需の落ち込み等により弱い動きとなっている。

○ 一般機械の生産(季調済前月比)は、化学機械や運搬機械などの動きにより、10月0.7%増となった後、11月3.4%減(速報)となった。増加した機種は、16機種中、10月には8機種、11月には5機種(速報)となった。

機械受注(原動機・産業機械・工作機械のみ、金額ベース、前年同期比)をみると、10月2.8%減、11月17.6%減となっている。

輸出入の動向(事務用機器を除く・円ベース、前年同期比)をみると、輸出は10月7.4%増となったが、11月2.9%減となった。輸入は10月12.3%増、11月1.7%増と増加したものの、増加幅は縮小傾向となった。

〇産業機械の受注(日本産業機械工業会調べ、金額ベース、前年同期比)は、10月5.8%増の後、11月30.0%減となった。需要者別にみると、製造業において、鉄鋼業、自動車工業向け等が高い伸びを示したものの、電力業向け等が減少したため、内需全体としては低調となった。外需は、10月は好調な伸びを示したものの、11月は東南アジア向け単体機械の落ち込みがみられたことなどから、前年を大きく下回った。

○ 工作機械の受注(日本工作機械工業会調べ、金額ベース、前年同期比)は、内外需双方の好調により10月22.1%増、11月24.8%増となっている。需要者別にみると、内需は、環境対策や効率化のための自動車関連の投資や金型関連の更新需要を背景に、自動車工業、一般機械工業向けを中心に増加傾向が続いている。外需は、北米向けを中心に増加傾向で推移している。

○ 建設機械の出荷(日本建設機械工業会調べ、本体・金額ベース、前年同期比)は、10月11.8%減、11月16.4%減と弱い動きとなっている。需要者別にみると、内需は、公共工事需要の減少等により、弱い動きが続いている。外需については、北米・欧州向け等が好調なものの、アジア向けが低迷しており、11月は前年を下回る水準となった。


6.産業用電気機械・電子部品

半導体集積回路の出荷額は、10月11.3%増、11月3.9%増(速報)と前年を上回ったものの、伸び率は鈍化している。DRAMの市況は、軟化基調で推移している。コンピュータ関連機器の生産額は、9月8.6%増、10月5.5%増となった。通信機器については、9月7.4%減、10月20.3%減と大幅な前年割れとなった。

〇半導体集積回路の出荷額(前年同月比)は、10月11.3%増、11月3.9%増(速報)と前年を上回ったものの、伸び率は鈍化している。在庫率は9月0.64、10月0.68と引き続き低い水準で推移している。DRAMの市況は、供給過剰感等から、軟化基調で推移している。

○ コンピュータ関連機器の生産額(前年同月比)は、9月8.6%増、10月5.5%増となった。内訳をみると、パソコンは、国内需要が低迷し、10月9.0%増、11月2.4%増(速報)となった。また、周辺機器はプリンタ等を中心に10月4.3%増、11月7.5%増(速報)と、堅調な推移なものの、伸び率が鈍化している。

〇通信機器の生産額(前年同月比)は、9月7.4%減、10月20.3%減と大幅な前年割れとなった。これは、移動体通信端末用基地局の敷設が一段落したことや携帯電話、PHSの新規加入が一巡したこと等による。また、電子交換機は11月1.4%減(速報)と前年を下回り、ISDN、デジタル専用線に関連する搬送装置にも9月20.0%減、10月30.2%減と大幅な前年割れとなった。


7.家庭電器

家電の国内出荷(台数ベース)は、総じて弱い荷動きとなっている。家電の輸出は、AV家電が米国向けを中心に堅調に推移している。家電の生産額は、国内需要の不振により、これまで下支え役となっていたAV家電も減少に転じたことなどから、弱い動きとなった。

○ 家電の国内出荷(台数ベース)は、総じて弱い荷動きとなっている。

AV家電は、総じて荷動きが弱含んでいる。品目別では、カラーテレビは、11月に二ケタの減少となるなど弱い荷動きがみられた。VTRは、BSチューナー内蔵型を中心に底固い荷動きとなった。ビデオカメラは、デジタル化需要の一巡、及び、前年水準も高水準であったことから、減少基調となった。

一方、白物家電は、総じて引き続き弱い荷動きとなっている。品目別には、冷蔵庫は、11月は前年水準が高かったこともあり、二ケタの減少となった。洗濯機は、全自動式、二槽式ともに減少幅が大きく、10、11月と二ケタの減少となった。電子レンジは、底固い推移となっている。エアコンは、暖冬傾向にあることから、引き続き大幅な減少となっている。

○ 家電の輸出(台数ベース)は、AV家電が米国向けを中心に堅調に推移している。特に、VTR、CDプレーヤは大幅な増加を示している。一方、カラーテレビは、アジア向けの減少から、伸び率に鈍化がみられる。

○ 家電の輸入(台数ベース)は、VTRは、海外生産シフトの一巡から減少基調となっている。カラーテレビは、10、11月は再び増加となった。

○ 家電の生産額(前年同月比)は、国内需要の不振から、9月3.7%減の後、10月は、これまで下支え役となっていたAV家電も減少に転じたことなどから、10.9%減となるなど弱い動きとなった。


8.自動車

自動車の国内販売は、11月20.5%減、12月8.4%減と低調な動きが続いている。

輸入車販売も前年割れが続いている。完成車の輸出は、欧州向けを中心に堅調な動きとなっている。以上から、生産は、10月5.6%増、11月は3.1%減と9か月ぶりに前年割れとなった。

○ 自動車全体の国内販売(新車新規登録届出台数、前年同月比)は、新型車には動きが見られるものの、既存車種の落ち込みが大きいことから、低調な動きが続いており、11月20.5%減、12月8.4%減と9か月連続で前年実績を下回った。車種別にみると、人気車種のモデルチェンジがあった普通乗用車が12月は前年を上回ったものの、その他の車種では前年割れが続いている。中でも法人需要の低迷から大型トラックなどの貨物車は大幅な落ち込みが続いている。

輸入車販売では、一部欧米車に動きがみられたものの、国内市場の低調さを映じて、11月25.3%減、12月12.4%減と国内販売全体を下回る動きが続いている。

○ 自動車の輸出(完成車台数ベース、前年同月比)は、円安傾向に下支えされて受注が好調であったことなどから、10月21.3%増、11月12.7%増と堅調な動きとなっている。仕向地別にみると、欧州向けが大幅に前年を上回っているほか、北米、中南米、中東向けなどはいずれも増加傾向となっているが、アジア地域向けは通貨不安などでタイ向け等でこのところ大幅減が続いている。

自動車部品の輸出(日本自動車工業会々員11社分、ドルベース)は、部品の現地調達が進展していることから、海外生産用、OEM用とも減少傾向が続いており、10月18.3%減、11月25.8%減となった。

○ 以上から、自動車の生産(完成車台数ベース、前年同月比)は、国内販売の長期低迷を映じて、生産調整の動きがみられ,10月5.6%増となった後、11月3.1%減と9か月ぶりに前年割れとなった。車種別にみると、輸出が好調な普通トラックでは増加傾向となっているが、輸出比率の低い小型トラックや軽自動車では大幅な減少となっている。


9.建設・住宅

建設業大手50社の受注額は、8月7.5%減、9月31.7%減となった。民間建築着工は、居住用建築で弱い動きが続いているが、非居住用建築は全体的に底固い動きとなっている。

公共工事着工は4~9月累計で3.1%減となった。

住宅着工戸数は、マンションが堅調に推移しているものの、他の全ての用途で減少となり、弱い動きが続いている。

[建設]

○ 建設業大手50社の受注額(対前年同期比)は、8月7.5%減、9月は前年が消費税率改訂に伴う駆け込み需要のピークであったため、31.7%減と大幅減少となった。受注の約6割を占める民間工事をみると、8月4.3%減、9月34.5%減となった。製造業向けは、業種によりばらつきがみられるものの、全体ではやや弱い動きとなっている。ウェイトのより大きい非製造業向けは、運輸通信業で堅調に推移しているものの、その他の業種での減少が大きく、弱い動きが続いている。受注の約3割を占める官公庁工事は3か月連続で減少となり、減少傾向が続いている。海外工事は東南アジアを中心に底固く推移してきたが、通貨不安等の影響により足もと不透明感がみられる。

施工高は、7月2.2%減、8月4.1%減となった。また、未消化工事高は、9か月連続で減少となった。

また、地方大手建設業者470社の受注は、全体的に弱い動きが続いている。

○ 建築の着工状況(床面積)をみると、着工床面積の約9割を占める民間建築については、8月12.6%減、9月12.3%減と8か月連続で減少となり、減少傾向が続いている。

内訳をみると、民間建築の大宗を占める居住用建築では消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、引き続き弱い動きが続いている。また、非居住用建築については、全体的に底固い動きとなっており、鉱工業用、商業用で堅調に推移しており、サービス業でも9か月ぶりに増加となった。

○ 公共工事着工(総工事費評価額)は、8月1.3%増、9月24.0%減となった結果、4~9月累計で3.1%減となった。

また、民間土木工事着工は、8月13.1%減、9月57.5%減と弱い動きとなっている。

[住宅]

○ 住宅着工(戸数)は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動が引き続きみられ、8月17.6%減、9月22.2%減と9か月連続の減少となり、弱い動きが続いている。また、9月の年率換算値では133万戸となっている。利用関係別では、持家は7か月連続で2ケタの減少、貸家も10か月連続の減少となった。分譲はマンションで堅調に推移しているが、一戸建ての減少が響き、3か月連続の減少となっている。

○ 戸建住宅産業の最近の動きについては、構造別の着工戸数は木造、非木造ともに弱い動きが続いており、建築単価については、1m2当たりの工事費予定額で木造、鉄骨ともにほぼ横ばいで推移している。

○ マンション産業の最近の動きについては、着工は大宗を占める首都圏において増加傾向で推移しており、全体でも8月5.3%増、9月3.7%増と底固く推移している。新規契約率(首都圏)は、9月71.5%、10月73.4%と70%台前半でこのところ推移しており、在庫戸数も上昇してきている。坪単価はほぼ下げ止まりとなっている。


10.運輸・サービス

国内貨物輸送は、建設関連貨物、消費関連貨物の減少から、弱い動きとなっている。旅行関連は、底固い動きとなっている。

○ 国内貨物輸送(前年同月比:トンベース)は、宅配貨物以外は弱い動きとなっている。

内訳をみると、一般トラックは建設関連貨物が低調なことから、特別積合せトラックでは、消費関連貨物が低調なことから、10月は前年を下回り、11月以降の荷動きはさらに弱くなっている。なお、宅配貨物取扱個数は9月8.3%増、10月7.3%増と引き続き増加傾向にある。内航海運(貨物船)は9月1.5%減、10月1.3%減と弱い動きが続いている。JR貨物は、車扱いの減少が続いており、また、これまで増加傾向にあったコンテナの伸びが鈍化していることから、10月3.1%減、11月7.1%減(速報)と弱い動きとなった。航空貨物は10月2.3%増、11月1.3%増(速報)と堅調なものの伸びが鈍化している。

〇国際貨物輸送は、航空貨物の輸出は半導体関連、コンピュータ関連等が好調で、貨物トン数(全国ベース)でみると、10月21.8%増、11月22.0%増と引き続き増加している。輸入は生鮮食品等の減少等から、10月0.3%減、11月1.6%減となった。外航海運の貨物トン数は、輸出は10月4.2%増、11月8.7%減となった。輸入は10月5.6%増、11月0.7%増となった。

〇大手旅行会社(鉄道旅客協会加盟13社)の取扱額(前年同月比)をみると10月3.6%増、11月1.8%減となり、海外旅行にこれまでのような堅調さがみられないものの、総じて底固い動きとなっている。内訳をみると、国内旅行は、10月5.0%増、11月1.3%減、年末年始は前年をやや上回った。海外旅行は10月0.3%増、11月1.3%減、年末年始は香港が大幅に落ち込んだことから17年ぶりに前年割れした。主要旅客輸送機関の実績人数ベース、前年同月比)をみると、JR旅客は、定期外は9月1.9%減、10月0.5%減となった。航空(3社)は、国内線は10月6.2%増、11月は3.4%増(速報)、国際線は10月3.2%増、11月5.4%増(速報)と引き続き増加している。


11.リース

リース契約額は、主力の情報関連機器が伸び悩んでいることなどにより、10月2.1%減、11月0.8%減と前年割れが続いている。

〇リース契約額(リース事業協会調べ、前年同期比)は、主力の情報関連機器が伸び悩んでいることなどにより、10月2.1%減、11月0.8%減と前年割れが続いている。

○ 物件別の最近の動向をみると、契約額の約4割を占める情報関連機器は、前年水準が高かったことなどにより10月6.6%減となり、11月は、契約件数は伸びているものの電算機の価格低下などの影響を受け1.2%減と伸び悩んでいる。

商業・サービス業用機械・設備は、10月2.0%減、11月4.9%減と前年割れが続いているが、商業用機械・設備は、一部に新規・更新需要が出てきたことから持ち直しの動きもみられ、前年を上回った。

事務用機器は、設備投資の一巡や情報関連機器への需要のシフト等により、10月1.0%増、11月12.1%減と減少傾向となっている。

産業機械は、製造業向けの設備投資需要がみられたことなどにより、10月5.7%増、11月14.7%増となった。

工作機械についても、10月19.6%増、11月22.4%増と2か月連続で前年を上回る水準となった。

土木建設機械は、10月5.0%増、11月1.7%増となった。

自動車は、10月6.7%減、11月20.4%減と前年を下回る水準となった。

○ リース料率は、低い水準で推移している。


12.電力

電力需要は、10月4.5%増の後、検針期間や景気の足踏み状況の影響もあり11月0.6%増と低い伸びとなった。用途別では、電灯、小口電力が検針期間の影響もあり11月は前年実績を下回ったほか、大口電力は景気の足踏み状況を映じて伸び率が鈍化している。

○ 電力需要(9社計、前年同期(月)比)は、10月4.5%増の後、検針期間や景気の足踏み状況の影響もあり11月0.6%増と低い伸びとなった。

用途別にみると、家庭用電灯需要は、契約口数が安定した伸びとなっているが、11月は検針期間が前年に比べ短かったことから前年実績を下回った。業務用電力は、契約電力がビル需要の回復や郊外型大型店の増加などにより安定した伸びとなっているのを映じて堅調な伸びとなっている。小口電力のうち、低圧電力は、検針期間や景気の足踏み状況の影響もあり11月は前年実績を下回った。高圧電力Aは、景気の足踏み状況を映じて前年実績を下回った。大口電力は、景気の足踏み状況を映じて伸び率が鈍化している。

地域別にみると、検針期間の影響などから11月は全般的に低めであり、特に関東は前年実績を下回った。

〇大口電力需要を、自家発電を含め業種別にみると、鉄鋼は、粗鋼生産の伸び悩みなどから11月は前年実績を下回った。化学は、高水準のエチレン生産を映じて堅調な伸びとなっている。パルプ紙は、カタログ等の塗工紙を中心に生産が堅調なことから安定した伸びで推移している。電気機械は、半導体や電子通信機器の生産は堅調であるものの、11月の伸び率は鈍化している。輸送用機械は、自動車の国内販売の不振による生産減などにより11月は前年実績を下回った。非鉄は、半導体関連需要や電線ケーブルなどの生産が堅調なことから高めの伸びとなっている。セメントは、公共工事向けの需要減少などから前年実績を下回っている。

地域別にみると、東北を除き全般的に低調であり、特に北海道、近畿の11月は前年実績を下回っている。


13.広告

広告の売上高は、10月4.6%増、11月7.4%増と引き続き堅調に推移し、11月で42か月連続の増加となっている。広告量でみると、情報・通信では堅調な出稿が続いているが、全体としてはこのところ横ばい傾向にある。

○ 主要10社の売上高(前年同月比)をみると、10月4.6%増の後、11月も7.4%増となり42か月連続の増加となっている。

媒体別では、ウエイトの大きいテレビは、機動的に運用できるスポットで完売状況が続き堅調な伸びが続いていたが、12月に入り月初めに枠の空きが出るなど基調に変化の兆しもみられる。雑誌は、女性誌の創刊が活発で堅調な伸びが続いている。新聞はこのところ横ばい傾向にある。4媒体以外では、東京モーターショー関連のセールスプロモーションの増加から11月は高い伸びとなった。

○ 広告量(前年同月比)の動向をみると、テレビ番組は概ね前年割れが続いており、テレビスポットはこのところ横ばい傾向にある。新聞は、カラー広告が好調な伸びを続けており、全頁広告も堅調となっているが、案内広告は弱い動きとなっている。

出稿業種別にみると、情報・通信は、電話やパソコン関連が好調で、テレビ番組や新聞で堅調な伸びが続いている。飲料・嗜好品は、ウイスキーが好調でテレビ番組、新聞で堅調な動きとなっている。一方、自動車・関連品はテレビ番組で高い伸びが続いているものの、テレビスポット、新聞で弱い動きが出てきている。化粧品・トイレタリーは、秋のキャンペーンによりテレビスポットで高い伸びとなっているが、新聞では大幅な減少となっている。食品は、テレビスポットで堅調な動きとなっているが、テレビ番組では減少している。