第1章 日本経済の現状とデフレ脱却に向けた動き

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我が国の経済は、雇用・所得環境の改善にみられるように好循環が広がりつつある中で、2016年前半の新興国経済等の海外経済の弱さや資源価格の低下等の動きが一服したこと等により、企業の業況観も改善をみせ、生産面を中心に緩やかな回復基調が続いている。しかし、企業の設備投資や個人消費といった支出面への波及はまだ十分ではない。また、物価についても、国内の賃金上昇による押上げ効果を輸入品の価格押下げ効果が相殺し、横ばいの動きが続いている。

本章では、最近の景気動向を概観し、力強さに欠ける設備投資や消費の背景等について考察する。さらに、こうしたマクロ経済環境を踏まえて、デフレ脱却への課題を検討する。また、やや中長期的な観点から、少子高齢化といった人口構造の変化が労働市場や個人消費に及ぼしている影響についても分析する。

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