13 計量モデルを用いた乗数分析の結果を見ると、例えば佐久間他(2011)は、輸入価格下落と類似のケースとして原油価格が20%上昇する場合の乗数を公表している。それによると、1年目の輸入物価は約3.8%、輸出物価は約0.6%の上昇となり、交易条件は-3.2%悪化する。この時、実質GDPは-0.2%程度下落する。したがって、事後的な交易条件変化の実質GDP弾性値は+0.06程度となる。このことは、交易条件の改善/悪化が実質GDPにプラス/マイナスとなることを示している。