第1章 厳しい状況にある景気と雇用

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日本経済は、2008年9月のリーマンショック後の大幅な景気悪化を経て、2009年春頃から外需と経済対策の効果にけん引されて持ち直してきた。2010年夏にはこれに猛暑効果も加わったが、一方で輸出の弱さが次第に明確となるとともに、急激な円高がマインドに影響を及ぼした。秋に入ると猛暑効果の反動や環境対応車購入補助金制度(以下、「エコカー補助金」という。)終了の影響も加わって、景気は足踏み状態となった。こうしたなかで、失業率が高水準にあるなど、雇用面での厳しい状況が続いている。本章では、リーマンショック後2年を経過した日本経済の現状について、実体面を中心に概観するとともに、雇用情勢の厳しさや政府支出と雇用の関係についてやや詳しく検討する。

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