内閣府 Cabinet Office, Government of Japan

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経済新生対策

平成11年11月11日
経済対策閣僚会議

目次

  • 第1部 基本的考え方
    1. 経済情勢の認識
    2. 対策の基本方針-景気本格回復への道
    3. 日本経済新生への道筋
  • 第2部 具体的施策
    • 日本経済のダイナミズム発揮のための施策
      1. 中小企業・ベンチャー企業振興
        • (1) 産業と雇用を生み出す中小企業政策の構築
        • (2) 創業・ベンチャー等の振興
        • (3) 人材・技術・情報等経営資源の確保の円滑化
        • (4) 金融経済環境の激変への適応円滑化
      2. 戦略的重点的技術開発の推進
        • (1) ミレニアム・プロジェクト等重点分野の技術開発の推進
        • (2) 創造的な研究開発体制の整備と産学官の連携推進
      3. 成長分野や事業活動の基盤に係る規制緩和・制度改革
        • (1) 規制緩和推進3か年計画の前倒し等
        • (2) 成長分野における規制緩和・制度改革
        • (3) 事業活動の基盤に係る規制緩和・制度改革
      4. 雇用対策
        • (1) 中小企業の創業支援等による雇用創出・安定対策
        • (2) 「21世紀人材立国計画」の推進等
        • (3) 早期再就職の促進とセイフティ・ネットの確立
        • (4)安心して働けるゆとりある勤労者生活の実現
      5. 少子化・高齢化対策等、年金改革
        • (1) 介護対策
        • (2) 少子化・高齢化対策等
        • (3) 年金改革
    • 21世紀の新たな発展基盤の整備
      1. 21世紀に向けた生活基盤の整備・充実
        • (1) 都市・地域基盤の再構築
        • (2) 総合的な渋滞対策
        • (3) 弱者にやさしい街づくり
      2. 基幹ネットワークインフラの整備
        • (1) 高速交通体系の整備とETC設置目標の引上げ
        • (2) 情報通信ネットワークの高速・大容量化
        • (3) 国際拠点インフラの整備とアクセス強化
      3. 情報化の飛躍的推進
        • (1) 教育の情報化
        • (2) 地域の情報化
        • (3) 電子政府の実現
        • (4) 電子商取引の法整備等
      4. 環境への負荷の少ない経済社会構築のための環境整備
        • (1) 循環型社会形成のための基礎調査・研究の推進
        • (2) 廃棄物処理・リサイクルの推進、ダイオキシン対策の推進
      5. 国民の安全対策
        • (1) 安全な街づくり
        • (2) コンクリート構造物の安全対策
        • (3) 原子力防災・安全対策
      6. アジア対策
    • 金融市場の活性化と不動産の証券化等
      1. 金融市場の活性化
        • (1) 証券市場の改革・活性化
        • (2) 検査監督体制の強化等
      2. 不動産の証券化等
        • (1) 不動産の証券化等
        • (2) 住宅金融対策
      3. 日本銀行による金融政策の適切かつ機動的な運営
    • その他
      1. 税制
      2. 国債発行の多様化
      3. 2000年問題への対応
      4. 新千年紀記念行事

経済新生対策

日本経済にとって、喫緊の重要事であり避けがたい必要事でもあるのは、経済社会の基本構造と、その根底にある発想と概念を改めることである。

政府は昨年来、大規模かつ迅速な経済政策によってデフレスパイラルに陥りかねない厳しい経済状況からの脱却に努めてきたところであり、経済界においても従来の発想の転換が見られるようになってきた。

この結果、金融改革をはじめとする構造改革が進捗すると同時に、我が国経済は5四半期連続マイナス成長から2四半期連続プラス成長となるなど、緊急経済対策をはじめとする各般の政策は着実な成果を上げつつある。しかし、いまだ民需の回復力は微弱であり、雇用情勢は依然として厳しい。また金融再編や産業再編が進んでいるものの、21世紀の知恵の時代にふさわしい経済社会の発想転換と基盤の整備も未だしの感が深い。

今次の経済新生対策は、このような現状認識に立って、雇用不安を払拭しつつ、公需から民需へのバトンタッチを図り、我が国経済を早急に本格的回復軌道に乗せるとともに、21世紀型社会への新たな考え方の確立と基盤の整備への契機を創ろうとするものである。

このために、中小企業政策の理念を改め、情報化の推進、社会資本の整備、都市・地域開発、技術開発などの発展基盤の整備においては、新規性、期待性、訴求性を持つ施策を盛り込むこととした。

対策のとりまとめに当たっては、従来の概念や計画、省庁の枠組みにとらわれない新たな構想と目標を策定し、投資効率と利用者の使いやすさを考えた、ハード、ソフト、制度改革の同時実施に最大限配慮した。

また、対策の成果・効果が国民の目にはっきり見えるように、施策の目標と全体像と目標年次の明示に極力努めることにした。

第1章 基本的考え方

  1. 経済情勢の認識
    • (1) 我が国経済は、緊急経済対策などをはじめとする各種の政策効果の浸透などにより、緩やかな改善が続いている。しかし、民間需要に支えられた自律的回復には至っていない。一方、世界経済では、アメリカ経済は先行きに不透明感もみられるものの、景気は拡大を続けており、ヨーロッパ経済は緩やかに改善してきている。昨年は厳しい状況にあったアジア諸国も総じて回復してきている。
    • (2) 構造的に見れば、我が国経済は、バブル崩壊から10年、戦後の高度成長時代に確立した規格大量生産型の経済社会構造から脱却し切れず苦闘してきたが、今年に入って金融再編成の進捗、産業競争力の強化、企業体質の改善など、ようやく積極的な動きが現れている。しかし、この過程では雇用の流動化、過剰設備、過剰負債の整理などに伴い、問題が生じるおそれがある。日本経済を21世紀の知恵の時代にふさわしいものとするには、こうした産業経済界の変革を積極的に評価する一方、中小企業政策の理念の変更や、情報化社会への基盤整備、新技術の開発などを急速に進める必要がある。
  2. 対策の基本方針-景気本格回復への道
    • (1) 今次の経済新生対策には、2つの役割がある。その第一は、公需から民需への円滑なバトンタッチが行われ、民需中心の本格的な回復軌道に乗せるための新規需要の創造である。これには、民間投資などの民間需要を喚起するとともに、公的投資の拡充、雇用不安を払拭するための施策等を実行する。
    • (2) 第二は、我が国社会経済の構造改革の方向を決定的にすることである。このために中小企業を日本経済のダイナミズムの源泉として、また、地域経済の基盤的存在として振興するとともに、多様な起業の支援、ベンチャー企業の育成、ミレニアム・プロジェクト等の技術開発、新たな概念に基づく発展基盤の整備など、ハード・ソフト両面からの政策を総動員して、情報化・高齢化に対応した経済新生を実現する。
    • (3) 政府としては、以上の方針の下に、社会資本整備、中小企業等金融対策の他、住宅金融対策、雇用対策を含め全体としての事業規模17兆円程度、さらに、介護対策を含めれば18兆円程度(事業規模の内訳は別紙参照)の事業を早急に実施する。
        なお、本対策を実施するに当たっては、地方財政の極めて厳しい状況にかんがみ、これに適切な配慮を行う。
  3. 日本経済新生への道筋
    • (1) 日本経済の新生には、景気回復と構造改革の二つを同時に進める必要がある。まず、景気回復の道筋としては、平成11年度は、当初政府見通しの実質0.5%程度の経済成長を達成しうる見込みである。
      平成12年度には、企業の雇用・設備の調整の進展、海外経済の動向など、不確定要因が多いが、本対策をはじめ必要な諸施策を強力かつ機動的に推進することにより、民需の回復を図り、年度後半には、本格的回復軌道に乗せる。
      平成13年度からは、民需を中心とした自律的な回復から新たな成長軌道に乗せることで、日本経済の長期的発展を確実にする。
    • (2) 構造改革の面では、今年度は金融再編が本格化するとともに、第1次補正予算において雇用政策の抜本的な強化がなされた。続いて、本対策における中小企業・ベンチャー企業の見方を変えた振興、新たな概念に基づいた発展基盤の整備、ミレニアム・プロジェクト等の技術開発などを推進し、構造改革の初期段階を完成するとともに、改革を後退のない確実な軌道に乗せる。

第2部 具体的施策

  • 日本経済のダイナミズム発揮のための施策
    景気を本格的な回復軌道に乗せ経済を新生させるためには、短期的な景気対策とともに、経済社会の概念を改め、経済フロンティアへの挑戦等を通じて民間の経済主体がダイナミズムを発揮させていくことが重要である。
    そこで、この対策においては、第一に日本経済がダイナミズムを発揮するための施策、特に新しい知恵の時代の経済活動の主体となる創造的な中小企業・ベンチャー企業振興、新たな産業を生み出す大胆な技術開発を通じたフロンティアの拡大、成長分野における規制緩和・制度改革等に取り組むこととする。
    第ニに、21世紀の新たな発展基盤の整備、第三に金融市場活性化と不動産の証券化等、第四にその他の4つに分類している。これらの間に軽重の差はないし、一つの施策が二つ三つの効果を上げる場合もあるが、これは第1部の基本的考え方を受けた一応の分け方である。
    1. 中小企業・ベンチャー企業振興
      • (1) 産業と雇用を生み出す中小企業政策の構築
            規格大量生産型産業の拡大が限界に達した今日、我が国経済が新たなフロンティアを切り拓く上で多様性と独創性の発揮が不可欠である。しかしながら、近年の開業率の趨勢的低下に見られるように、我が国経済の活力の減退が懸念される状況にある。日本経済のダイナミズムを発揮するためには、多数の中小企業が創意工夫を生かして活躍し、日本経済の牽引車となることが期待される。
        このため、これまでの中小企業政策の理念を転換し、中小企業を我が国経済のダイナミズムの源泉と位置づけるとともに、多様で活力ある中小企業の成長発展を目指すことを基本理念とする。個々の政策については、利用者の立場に立った使いやすいものとすることとし、1 経営革新・創業の促進、2 経営基盤の強化、3 環境の激変への適応円滑化へと再構築する。
        このような産業と雇用を生み出す中小企業政策の構築を行うため、今臨時国会において中小企業基本法の改正を期すとともに、後述のとおり、関係法令の改正をはじめ、必要な施策を推進する。
        今回の総合的な政策により、新規株式公開企業数の大幅な増加とともに、「起業の倍増」即ち
        • 1) 5年後において、年間開業企業数が10万社程度増加(現在14万社)
        • 2) 今後3~5年の間に、創造的な中小企業数(注1)が1万社程度増加
          することが期待される(注2)。
        (注1)創造的な中小企業
        新規性を有する生産、販売及び役務提供の技術の開発、その成果の利用のための需要開拓等を行う中小企業(創造的中小企業として中小創造法の認定を受けている企業数は現在約5,000社)
        (注2)これらの数値は多様で活力ある中小企業の望ましい姿を展望したものであり、企業の設立または上場は本来的に個人ないしは企業の自主的判断によることから、他の政策目標と比べて、政策との因果関係が弱いことに留意する必要がある。
      • (2) 創業・ベンチャー等の振興
        • 1) 資金供給の円滑化・多様化
          中小企業等の資金調達は、これまで間接金融を中心とするものであったが、今後、民間のリスクマネー供給の円滑化等により需要に応じた多様な資金調達の手段を確保する観点から以下の措置を講ずる。
          (資金調達の選択肢の拡大)
          • 一定の要件を満たす中小企業の私募債発行に対する信用保証の付与
          • 投資事業組合(ベンチャーキャピタルファンド)への公的機関による出資の拡充
          • 無議決権株式の発行上限の拡大等商法上の特例措置
          (担保の乏しい企業に対する資金供給)
          • 担保の乏しい中小企業のワラント債を中小企業金融公庫が引き受ける制度の創設
          • ベンチャー企業等に対する日本政策投資銀行等の知的財産権担保融資等の積極的活用
          (創業者、小規模企業等に対する資金供給)
          • 創業者、小規模企業等を対象とする無利子設備資金貸付・リース制度の創設
          • 国民生活金融公庫の新規開業支援貸付制度の拡充
          • 新規開業向け貸付等マル経融資制度(ⅰ)の特別措置の延長
          • 女性起業家・高齢者起業家支援資金の拡充
        • 2) 人材・組織面の制度改正
          中小企業・ベンチャー企業の人材確保の円滑化を図り、また、組合形態での創業の促進など、企業の発展・成長段階に応じた多様な組織形態の選択を可能とするため、以下の措置を講ずる。
          • ストックオプション(ⅱ)制度の拡充、事後設立に係る検査役調査の扱い等商法の特例措置
          • 中小企業組合から会社への組織変更制度の導入
      • (3) 人材・技術・情報等経営資源の確保の円滑化
        • 1) 中小企業の多様なニーズに対応して、人材、技術、知識、情報等のソフトな経営資源の円滑な確保をワンストップサービス型できめ細かく支援できる体制を整備する。このため、国レベルの支援センター、都道府県等のレベルでの支援拠点、さらに中小企業が抱える悩みを気軽に相談できるより身近な地域毎の支援拠点を整備する。その際、情報ネットワークの活用等により、これら3者間の連携を促進するとともに、従来の中小企業団体に限定せずに、民間専門家の能力の最大限の活用を図ることとする。
        • 2) 中小企業技術革新制度(SBIR) (ⅲ) や産学官の連携を充実するとともに、中小企業、ベンチャーの情報化の施策として、中小企業等の競争力強化、雇用拡大を図るため、情報技術を有効活用した経営効率や経営環境の改善に資するソフトウェア等を開発し、その普及を積極的に推進する。
        • 3) フランチャイズ・チェーンシステムの普及促進等新事業展開に向けた経営資源の相互補完の促進を図る。
        • 4) 後継者問題が深刻となっている地場産業や伝統的工芸品産業について、人材の育成・確保や事業活動の普及、啓発の促進を図る。また、中小小売業等の経営資源の活用を進め、中心市街地の活性化を図る。
      • (4) 金融経済環境の激変への適応円滑化
          金融経済環境の激変への適応円滑化を図るため、中小企業金融安定化特別保証を平成13年3月末まで1年間延長し、保証枠を10兆円追加するとともに、雇用の増大等建設的努力の計画を有することを対象要件に加える。その際、本年9月から実施している創業・ベンチャー向け特別保証について、来年度も引き続き保証枠を適用する。また、中小企業者・農林漁業者等に対する政府系金融機関等による金融環境に対応した融資制度及び金利減免措置の延長等を行う。さらに、後述のとおり倒産法制の整備を行う。
    2. 戦略的重点的技術開発の推進
      ミレニアム・プロジェクトとして決定された情報化、高齢化、環境対応の3つの重点分野についての、以下のプロジェクトやその他の技術開発を推進する。
      • (1) ミレニアム・プロジェクト等重点分野の技術開発の推進
        • 1) 情報化
          平成17年度までに、すべての国民が場所を問わず超高速のインターネットを自由自在に活用して、自分の望む情報の入手・処理・発信を安全・迅速・簡単に行えるインターネットとコンピューティング環境を創造する。また、平成15年度までに電子政府を実現させるために不可欠な技術開発を行う。
          これにより、現在のインターネットの1万倍の処理速度と3万倍の接続規模(注)を有し、利用者を目的の情報に安全かつ的確に導くスーパーインターネットを実現する。また、安心して、誰もが高度な情報処理とネットワーク接続を簡単に行える新世代コンピューティングを実現する。
          注:現在のインターネットの処理速度:数十~数百Mbps
          現在の接続規模:コンピュータ3,700万台
        • 2) 高齢化
          平成16年度を目標に痴呆、がん等の高齢者の主要疾患のオーダーメイド医療(ⅳ)を実現し、画期的な新薬の開発に着手するとともに、拒絶反応のない自己修復能力を利用した骨、血管等の再生医療を実現する。疾患予防、健康維持のための植物の高品質化によるアレルゲンフリー(v)等高機能食物及び農薬の少ない稲作を通じて、健康な食生活と安心して暮らせる生活環境を実現する。
          このため、痴呆、がん等の遺伝子情報の解明、ヒトゲノム(ⅵ)の多様性の解明、イネゲノム(ⅶ)の有用遺伝子解析、遺伝子情報を利用した実用化技術の開発等を行う。
        • 3) 環境対応
          地球温暖化防止のため、次世代燃料電池実用化技術、テクノスーパーライナーのトータル・サポート・システム(最適運航支援等)等次世代技術の開発を行う。また、安心・安全の生活のため、ダイオキシン関連技術開発、環境ホルモン(内分泌撹乱物質)のリスク評価、適正管理技術の開発、処理困難廃棄物等のリサイクル・リユース技術の開発を行う。
        • 4) その他
          メガフロート、フリーゲージトレイン等重点分野の技術開発を推進する。
      • (2) 創造的な研究開発体制の整備と産学官の連携推進
        • 1) 研究者側のイニシアティブにより先導的・独創的な研究や産学官共同の研究開発を飛躍的に発展させるための基盤となる施設、設備の整備等を行う。また、国立大学、国立試験研究機関等の研究施設、知的基盤の整備を図る。
          計量標準、化学物質の安全性データ等研究開発活動、経済社会活動を支える知的基盤については、平成13年までに欧州並み水準に整備することを目指すとともに、分野毎に機動的に対応しながら、平成22年を目途に米国並みの整備状況を目指す。
        • 2) 産学官連携の一層の推進を図るため、国立大学教官等の民間企業役員との兼業規制のあり方について検討を進め、早急に結論を得る。
    3. 成長分野や事業活動の基盤に係る規制緩和・制度改革
      • (1) 規制緩和推進3か年計画の前倒し等
        規制緩和推進3か年計画における各項目については、その実施や検討を可能な限り前倒しする。
        基準認証等については、製品安全等一部の制度においては既に国際的な相互承認への対応や自己確認・自主保安を基本とした制度へ移行させるための法律改正がなされているが、その他の制度についても、国が関与する範囲の必要最小限化、自己責任原則への移行、国際整合化等の観点から、早急に見直しを行い、必要な法令改正等の措置を講ずる。
      • (2) 成長分野における規制緩和・制度改革
        インターネットとの接続に関し、新規事業者がMDF(主配線盤)接続により、DSL(デジタル加入者回線)サービスを競争的環境下で提供できるようNTTアクセス網のオープン化を推進する。このための新たな接続ルールを平成12年度中を目途に策定することにより、インターネット通信料金の低廉な定額料金制の導入を促進する。
      • (3) 事業活動の基盤に係る規制緩和・制度改革
        • 1) 中小企業を中心とした事業者の事業再建を迅速かつ柔軟に行えるようにするため、再建型の倒産手続の一般法としての民事再生法案の成立を期する。
        • 2) 会社の資産・負債を複数の会社に分割し、企業がその経営資源を効率的に活用できるようにするため、次期通常国会において会社分割制度に係る法案を提出する。
        • 3) 企業会計に関して、国際的調和の観点も踏まえた一連の会計基準の変更(注)を着実に実施する。また、このような新しい会計基準への円滑な移行に関連する諸制度の整備を行う。
          (注)新しい会計基準移行のスケジュール
          • 連結財務諸表作成に際し従来の持ち株基準に代え実質的な支配基準・影響力基準を導入し、対象子会社・関連会社の範囲を拡大(平成11年4月以後開始する事業年度より適用)
          • 税効果会計を連結財務諸表に加え個別財務諸表にも導入(同上)
          • 金融商品、年金資産・負債の時価評価等の導入(平成12年4月以後開始する事業年度より適用予定)
        • 4) 港湾運送事業の効率化と日曜・夜間荷役の推進等による港湾運送サービスの向上を図るため、京浜港等9港における港湾運送事業について、需給調整規制の廃止や料金認可制から届出制への移行等を平成12年内に行う法案を次期通常国会に提出するとともに、港湾運送事業者の集約・協業化を推進する。
    4. 雇用対策
      • (1) 中小企業の創業支援等による雇用創出・安定対策
        • 1) 地域の特性等を活かして、新たに労働者を雇い入れ良好で魅力的な雇用機会の創出を行う先導的な中小企業に対し、人材開発・労務管理等を支援するため、中小企業地域雇用創出特別奨励金(仮称)(510億円)を創設する。
        • 2) 人材の確保、円滑な移動の促進、雇用管理の支援等新規・成長分野の事業所、求職者に対する総合的支援を行うため、新規・成長分野人材サービスセンター(仮称)を全国主要都市に設置する。
        • 3) 中小企業の個々具体的な人材ニーズに応じ、その発展を担う人材育成を専修学校等を活用しつつ推進する。
        • 4) NPO等を含め、介護分野での雇用機会の創出を図るため、介護労働者法改正案を次期通常国会に提出する。
        • 5) 大規模なリストラの実施により、大きな影響を受ける地域における雇用創出を図るため、特定地域・下請企業離職者雇用創出奨励金(仮称)(321億円)を創設する。
        • 6) 就職環境の厳しい新卒者をはじめとした若年者及び障害者の就職支援対策を強化するため、大学・高校新卒者や若年早期離転職者等を対象とした就職面接会や相談コーナーの設置、経営者団体と連携して障害者のトライアル雇用などを実施する「障害者緊急雇用安定プロジェクト」を行う。
        • 7) 外国人観光客の訪日の促進等により国内観光需要を早急に拡大するとともに、観光産業における良質なパート労働力の育成を促進し、雇用創出を図る。
      • (2) 「21世紀人材立国計画」の推進等
        • 1) 産学官の連携により、各人・各企業のニーズに応じた人材育成のためのツール開発、教育訓練の斡旋を行うシステムの先導的構築を行うとともに、特に、新規事業展開を担う人材育成を図る中小企業や高齢起業者に対し特別の支援を行う「21世紀人材立国計画」を推進する。
        • 2) 改正労働基準法による新裁量労働制に基づき、創造性豊かな人材がその能力を存分に発揮しうる主体的な働き方ができるよう条件整備を行う。
      • (3) 早期再就職の促進とセイフティ・ネットの確立
        • 1) 労働力需給調整機能の強化を図るため、改正職業安定法、改正労働者派遣法の円滑かつ効果的な施行、公共職業安定所のインターネットによる情報提供等を行う。
        • 2)雇用保険制度の安定的運営を確保するとともに、労働者の就職を一層促進するため、雇用保険法改正案を次期通常国会に提出する。
        • 3) 中高年齢者の雇用環境の深刻化に的確に対応して、再就職の援助を行うとともに、65歳までの雇用の確保を図るため、高年齢者雇用安定法改正案を次期通常国会に提出する。
      • (4) 安心して働けるゆとりある勤労者生活の実現
        • 1) ゆとりある勤労者生活の実現、家庭と地域の連携強化等により少子・高齢化社会に適切に対応するため、長期休暇制度の早期実現に向けて、有識者、労使代表等からなる長期休暇制度と家庭生活の在り方に関する国民会議(仮称)を開催し、国民的な運動を展開するとともに、調査研究を行う。
        • 2) 勤労者財形持家融資制度の積極的活用を図ることにより、勤労者の住宅投資を促進する。
    5. 少子化・高齢化対策等、年金改革
      • (1) 介護対策
        • 1) 介護保険法の円滑な実施のため、制度導入当初の半年間(平成12年4月から9月まで)について、高齢者の保険料を徴収しないことができるよう財政措置を講ずる。さらに、平成12年10月からの1年間について、高齢者の保険料の1/2を軽減するほか、平成11年度以降の準備経費等の一部に充てることができるよう財政措置を講ずる。
        • 2) 第2号被保険者の負担については、介護保険法の施行に伴う医療保険者の負担のうち、すでに老人医療で負担している分を除いた負担増の1年分について、全体として、新たな負担増をおさえることとし、このため個々の保険者の財政状況等をくみ取りつつ、国が医療保険者に対し財政支援措置を講ずる。
        • 3) 介護保険法の円滑な実施のため、介護関連施設の整備促進等の措置を講ずる。
        • 4) 在宅介護サービスについては、現行制度でも民間企業等の参入が可能となっているが、介護サービス利用の際の選択の自由度を一層高めるため、介護保険法の円滑な実施に向けて、多様な事業主体の参入を促進する。
      • (2) 少子化・高齢化対策等
        • 1) 平成13年度までに高齢者の作業適性に関する調査を実施し、将来の勤務・作業形態、高齢者対応機器等のあるべき姿を解明する大規模な調査研究を行い、高齢者の雇用・就労を可能とする経済社会の実現を目指す。
        • 2) 子育て支援を推進するため、保育所等の整備を進めるとともに、子育て支援サービスに関する情報の流通システムの構築による情報提供を行う。
        • 3) 平成11年度に公営住宅へのエレベーター設置等少子・高齢化に対応した良質な公共賃貸住宅3万戸の追加を図る。
        • 4) 少子・高齢化に対応した医療提供体制整備及び保健衛生対策を実施するとともに、障害者プランに基づく関係施策等を推進する。
      • (3) 年金改革
        年金制度については、国民の将来に対する不安を払拭するため、以下の改革を実施する。
        • 1) 将来世代の過重な負担を防ぎ確実な給付を約束するため、年金改革関連法案について、その一日も早い成立に向けて取り組む。
        • 2) 老後における所得確保を図るため、確定給付型の企業年金等に加え、新たな選択肢として、自己責任を原則とする確定拠出型年金の平成12年度からの導入を目指す。
        • 3) 企業年金の統一的基準を定める企業年金法の制定の検討等、包括的な企業年金制度の整備を促進する。
  • 21世紀の新たな発展基盤の整備
    日本経済を新生させる21世紀の新たな発展基盤を築くため、生活基盤、基幹的なネットワークインフラ等を戦略的、重点的に整備する。また、地域経済の動向にも十分配慮しつつ、地域の活性化に役立つ社会資本整備を進めるとともに、災害対策を推進する。
    公共事業については、近年、費用対効果分析を含む新規事業採択時評価や再評価を導入したところであるが、引き続きその着実な実施と適切な情報の開示に努め、効率性や透明性の一層の向上を図る。さらに事後評価については、本格的な導入に向けて平成11年度に試行に着手する。また、透明性の確保と行政コストを分析するための手法等について調査研究を行う。また、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して効率的・効果的に社会資本整備を行うため、PFI (ⅷ) を積極的に推進する。
    1. 21世紀に向けた生活基盤の整備・充実
      • (1) 都市・地域基盤の再構築
        • 1) 「歩いて暮らせる街づくり」構想の推進
          少子・高齢社会にふさわしい安全・安心でゆとりのある暮らしを実現するためには、通常の生活者が暮らしに必要な用を足せる施設が混在する街、自宅から街中まで連続したバリアフリー空間が確保された夜間も明るく安全な歩行者、自転車中心の街、幅広い世代の住民からなる街、住民主役の永続性のある街づくりが重要となる。このため、「歩いて暮らせる街づくり」構想を積極的に推進することとし、全国10ヵ所程度の地区においてモデルプロジェクトを実施すべく、平成11年度中に対象自治体を選定する。
        • 2) 電線地中化3,000kmプロジェクト、街灯設置5,000基プロジェクト
          都市景観の向上、都市災害の防止等の観点から、電線類地中化約3,000kmを平成15年度までに実施する。また美しい街並みの形成及び安全な道路交通環境を実現するため、主要都市の市街地等に平成11年度中に街灯約5,000基を設置する。
        • 3) 都市内の遊休地を活用し、市街地開発事業等により都市基盤を総合的・集中的に整備することにより、国際競争力を備えた都市を戦略的に再構築する。都心居住の推進、密集市街地における老朽住宅の共同建替え等を推進し、良好な住宅市街地の整備を図る。
        • 4) 既存住宅の積極的な改装・活用
          バリアフリー化、耐震化等住空間の質的向上に資する既存住宅の積極的改善を推進し、リフォーム投資を促進する。
        • 5) 田園空間等の形成
          暮らしやすく自然豊かな田園・森林・漁村空間を形成し、都市住民の利用にも供するための伝統的な景観の復元や住環境を形成するための整備を行うとともに、定年帰農への支援、菜園併設型の緑住空間の形成等により地域の活性化を推進する。
      • (2) 総合的な渋滞対策
        • 1) 渋滞ボトルネック100箇所の重点的解消
          主要都市の交通体系のボトルネック解消のために、すでに事業実施中の箇所のうち全国で約100箇所について、平成12年度までに事業を完了し、都市環境の改善と都市内における移動時間の短縮を図る。また、ボトルネックとなっている踏切を解消するため、連続立体交差事業等を推進する。
        • 2) 3大都市圏における構造的な渋滞解消を図るため、通過交通の都心部への流入を抑制する効果の高い環状道路に重点投資を行う。また、都市鉄道の整備等都市内公共交通機関の整備を積極的に進める。
      • (3) 弱者にやさしい街づくり
        あらゆる人に利用しやすい生活空間を実現するため、公共施設、公共交通機関、歩道等におけるバリアフリー化等について所要の措置を講じる。原則として、段差が5m以上あり、かつ、1日の乗降客数5,000人以上の鉄道駅について、平成22年までにエレベーター・エスカレーターを整備することを目標とする。
    2. 基幹ネットワークインフラの整備
      • (1) 高速交通体系の整備とETC (ⅸ)設置目標の引上げ
        人・物の交流をより効率的で安全なものにするための高速交通ネットワークの整備を図る。多様なITS (x)のサービスを支えるスマートウェイ (xi) の本格的整備に向け、ETCについて、平成14年度までに全国約900箇所で導入という整備目標を設定する。
      • (2) 情報通信ネットワークの高速・大容量化
        • 1) 今後の日本全土の情報流通を想定し、情報通信網等の情報通信基盤のあり方等について平成11年度を目途に21世紀への架け橋となる情報通信ビジョンを策定する。
        • 2) 研究開発用ギガビットネットワーク(ⅻ)を活用した超高速ネットワークの利用技術の研究開発を一層推進するとともに、既に構築されている幹線系ネットワークについて、さらなる高速・大容量化を推進するため、テラビット(ⅻ)に関する基礎・応用研究に加え、平成12年度よりペタビット(ⅻ)通信技術の基礎研究を開始する。また、加入者系(ⅹⅲ)光ファイバー網については、民間主体原則の下、平成13年度末で全国の約50%の地域がカバーされる見込みであり、平成17年度を目途に全国整備が実現できるよう努力する。
        • 3) 民間主導の情報通信ネットワーク整備に要する時間の短縮とコストの削減に資するよう、公共施設管理用等の光ファイバー網及びその収容空間(情報BOX(ⅹⅳ)等)の民間事業者等による活用のための環境整備を積極的に推進する。
      • (3) 国際拠点インフラの整備とアクセス強化
        三大都市圏における拠点空港、港湾等競争力の高い国際拠点を整備する。また、国際拠点へのアクセス強化を進める。
    3. 情報化の飛躍的推進
      • (1) 教育の情報化
        • 1) 平成13年度までに、全ての公立小中高等学校等がインターネットに接続でき、すべての公立学校教員がコンピュータの活用能力を身につけられるようにする。平成14年度には、我が国の教育の情報化の進展状況を、国際的な水準の視点から総合的に点検するとともに、その成果を国民に周知するため、国内外の子供たちの幅広い参加による、インターネットを活用したフェスティバルを開催する。
          平成17年度を目標に、全ての小中高等学校等からインターネットにアクセスでき、全ての学級のあらゆる授業において教員及び生徒がコンピュータを活用できる環境を整備する。
        • 2) 教員養成課程を有する全ての大学において、平成12年度からコンピュータの操作に関する科目を必修とする。
      • (2) 地域の情報化
        • 1) 地域内及び地域間の教育、行政、福祉、医療、防災等における情報網の高度化を図るため、地域の高速LAN整備等を促進するとともに、地域の創意工夫に基づくインターネット等の情報通信のソフト面及びハード面の利用環境の向上に資する事業を推進する。
        • 2) 地域に密着した情報通信メディアであるケーブルテレビ網の整備を促進する。
        • 3) 文化等の便益を享受でき、定住性の高い農山漁村生活を実現するとともに、農林漁業生産を核とする多彩なアグリビジネスを創出するため、未来型の高度情報化農村システムの開発を推進するとともに、高度情報基盤の整備を図る。
      • (3) 電子政府の実現
        • 1) 平成15年度までに、民間から政府、政府から民間への行政手続をインターネットを利用しペーパーレスで行える電子政府の基盤を構築する。具体的な電子申請システムの構築に当たっては、必要な規制緩和、制度改革との同時実施を目指す。
        • 2) 国税の電子申告については、必要な実験を行うなど、その実現に向けての基盤の整備を推進する。
        • 3) 輸出入及び港湾諸手続きについては、ペーパーレス化、ワンストップサービスの早期の実現を目指す。
        • 4) 郵便局等のワンストップ行政サービスステーション化を推進する。
      • (4) 電子商取引の法整備等
        • 1) インターネットを活用した電子商取引等を促進するために、相手方を確認する電子認証業務の健全な発展を促すとともに、電子署名が少なくとも手書きの署名や押印と同等に通用する法的基盤を整備するため、電子認証業務に関する法整備を行う。
        • 2) インターネット上の個人情報保護の確保、情報セキュリティ技術の開発等を推進し、情報通信ネットワークの信頼性の向上を図る。
        • 3) 地理情報システム(GIS)(ⅹⅴ)について、官民が協力して幅広い実証実験を実施し、データの利活用に関する技術開発等を行い、平成15年度以降、全国レベルでGISの効率的整備及び相互利用を行えるようにする。
        • 4) 新たな市場創出に結びつく創造的な情報通信技術・システムの開発や、それを活用したサービス開発に取り組むベンチャー企業、SOHO(ⅹⅵ)等に対する支援を行う。
    4. 環境への負荷の少ない経済社会構築のための環境整備
      • (1) 循環型社会形成のための基礎調査・研究の推進
        平成13年度までに、大量生産・大量消費・大量廃棄型の現行の経済社会システムを静脈産業(循環型経済社会を支える産業)という新たな視点から見直すため、産業経済構造、技術開発、技能普及、関連産業の育成等に関する大規模な調査研究を実施する。
      • (2) 廃棄物処理・リサイクルの推進、ダイオキシン対策の推進
        • 1) 廃棄物処理・リサイクルの推進
          廃棄物処理・リサイクル施設の整備を推進し、リサイクルの推進、優良な産業廃棄物処理業者の育成を図るとともに、次期通常国会に所要の法律案を提出する。
        • 2) ダイオキシン対策の着実な推進
          ダイオキシン対策推進基本指針に基づき、必要な諸対策に取り組み、平成14年度までに全国のダイオキシン類の排出総量を平成9年比で約9割削減する。
    5. 国民の安全対策
      • (1) 安全な街づくり
        • 1) 震災・風水害に対応できる災害に強い国土を形成するため、平成15年度までに浸水常襲地区(約350河川)の水害対策や平成14年度までに土砂災害の発生した危険箇所(約3,000箇所)の解消対策等の防災対策を推進する。
        • 2) 地震災害等に対し大都市の既成市街地における構造的な防災機能の強化を図るため、避難地・防災活動拠点となる防災公園と周辺市街地の一体的な整備等を推進する。
      • (2) コンクリート構造物の安全対策
        最近のトンネルにおけるコンクリート片の落下事故等を教訓とし、鉄道、道路等のコンクリート構造物に対する安全性・信頼性を向上させるため、必要な箇所に補修等の対策を講じるとともに、検査・維持・管理技術の高度化を図る。
      • (3) 原子力防災・安全対策
        東海村ウラン加工施設事故にかんがみ、初期動作の迅速化や国と地方自治体の有機的連携の強化等を図るための「原子力災害対策特別措置法案(仮称)」及び加工事業に係る定期検査の追加等を行うための原子炉等規制法改正法案を今臨時国会に提出すること等により、原子力防災や安全規制について、国や地方公共団体の体制整備を図る。
    6. アジア対策
      経済危機を脱却し回復過程に入りつつあるアジア諸国の中長期的な経済再生の基盤強化としての人造り・国造りを支援するため、産業人材育成を目的とした専門家派遣等、及び、将来の指導者層への投資としての留学生受入等の人的交流を拡充する。
      また、アジア経済への積極的貢献を引き続き行うため、アジア諸国等の経済構造改革支援のための特別円借款について、対象国及び対象分野の拡大につき検討する。
      さらに、国際開発金融機関と協力しつつ、国際協力銀行を通じたアジアの民間セクターへの投資による支援について検討を行う。
  • 金融市場の活性化と不動産の証券化等
    金融市場は、経済全体にとって言わば動脈とも言うべきものであり、資金の円滑な仲介とリスクの適切な配分という金融市場が本来果たすべき役割を十分に発揮するよう、証券市場の改革など金融市場の活性化のための諸施策を講じるとともに、不動産の証券化をはじめとする資産の流動化等に取り組む。
    1. 金融市場の活性化
      • (1) 証券市場の改革・活性化
        • 1) 個人金融資産のより有利な運用の道を開くとともに、中小・ベンチャー企業や次代を担う新規産業への円滑な資金供給を実現するため、店頭登録市場、未公開市場、取引所市場に係る証券市場の抜本的、総合的改革(注)を着実に推進する。
          (注)証券市場の改革
          (店頭登録市場)登録基準の弾力的見直し、店頭登録企業の四半期毎のディスクロージャー制度導入等
          (未公開市場)インターネットを利用した気配公表システムの稼動、週一回以上への気配公表頻度の増加等
          (取引所市場)新興企業を対象とした新市場の創設、会社型投信等新商品に対応した上場制度の構築等
        • 2) 決済期間の短縮等決済リスクの更なる低減、決済システムの効率化を図り、安全で国際的に通用するシステムを構築するため、取引の全過程を通じた電子化、CPのペーパーレス化、社債等登録法等の関連法制の見直しを行う。
        • 3) 現在紙媒体で提出されている有価証券報告書等の開示書類の電子化について、必要なシステムの開発の推進等を行い、平成13年度からの導入を目指す。
      • (2) 検査監督体制の強化等
        • 1) 先端金融技術の活用によるモニタリングの向上、海外当局や国際監督機関との連携強化を図るとともに、民間ノウハウを積極的に活用しつつ検査・監視・監督体制の強化を図ることにより、金融機関の財務状況の把握の強化、市場ルールの遵守の徹底を行う。また、信用組合の検査・監督事務の円滑な移管のため都道府県との連携強化を図る。
        • 2) 破綻金融機関の預金者保護を図るため預金保険機構の特例業務勘定に交付した国債について、その円滑な償還を確保する。
    2. 不動産の証券化等
      • (1) 不動産の証券化等
        • 1) 不動産の一層の流動化等を図り、金融イノベーションを促し、より多様で魅力的な商品の組成を可能とするため、投資家保護の視点も踏まえ、SPC法(「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」)の改正法案を次期通常国会に提出するなど、諸制度の整備を図る。
        • 2) 本年9月に創設された投資ファンド型(対象不動産変更型)不動産特定共同事業の活用促進、不動産投資顧問業登録制度の創設、商品の共同売買市場の整備、最低出資額制限の撤廃等を行う。
        • 3) 良質な賃貸住宅等の供給を促進する観点から定期借家権の導入に係る法案の早期成立を図る。
      • (2) 住宅金融対策
        住宅投資の促進を図るため、住宅金融公庫の融資枠を10万戸追加し、65万戸とするとともに、生活空間倍増緊急融資の適用期間の延長等を行う。また、良好な住宅ストック形成に資する融資制度の見直しや貸付債権の証券化等資金調達手法の多様化を図るため、住宅金融公庫法の改正法案を次期通常国会に提出する。年金住宅融資について、融資限度額の引上げ措置の延長等を行う。
    3. 日本銀行による金融政策の適切かつ機動的な運営
      日本銀行においては、経済の回復を確実なものとするため、金融・為替市場の動向も注視しつつ、豊富で弾力的な資金供給を行うなど、引き続き適切かつ機動的に金融政策を運営するよう要請する。
  • その他
    1. 税制
      景気の本格的回復と新たな発展基盤の確立を目指す観点から、中小企業・ベンチャー企業支援に資する措置、民間投資の促進に資する措置等、真に有効かつ適切な措置について検討を行い、結論を得る。
    2. 国債発行の多様化
      国債の発行については、確実かつ円滑な消化を図る観点から、市場のニーズを踏まえ、国債の多様化を進めるとともに公社債市場の活性化を図るため、平成12年2月を目途に5年利付国債を導入する。
    3. 2000年問題への対応
      コンピュータ西暦2000年問題に的確に対応するため、引き続き事業者等に対してプログラムの修正等の対応や、危機管理計画の策定を行うよう指導等を行う。また、万一の事態に対応するため、中小企業向けの相談・支援体制の充実など必要な措置を講ずる。さらに、アジア・太平洋地域諸国において我が国の国際的リーダーシップを具体的に発揮するため、これらの諸国における不測の事態に対応できるよう、所要の措置を講ずる。
    4. 新千年紀記念行事
      2001年を「ニュー・ミレニアム・ゲート・イヤー」と位置づけ、新しい世紀の技術、産業、国民生活の盛り上げを目指した祝祭行事を、2000年末から2001年にかけて行う。
      具体的には、地方公共団体と民間企業に参加を求めつつ、インターネットの全国普及と全国各地の個性的な文化の振興を目指す。このため、広くアイディアの公募を行う。

(脚注)

ⅰ)小企業等経営改善資金融資制度

ⅱ)業績向上意欲を高めることなどを狙いに、経営者や従業員に一定の価格で自社株を買い取る権利を与える制度

ⅲ)新規産業・雇用の創出を強力に進めるため、中小企業の技術開発からその成果を利用した事業化までの一貫した支援を行う制度(Small Business Innovation Researchの略)

ⅳ)遺伝情報を活用して個々人の特性に応じて行う医療

ⅴ)アレルギー反応を起こす物質の含まれていない状態

ⅵ)人間の遺伝情報の総体

ⅶ)イネの遺伝情報の総体

ⅷ)Private Finance Initiative(民間の資金、ノウハウを活用し、効率的・効果的に社会資本の整備を行おうとする手法)の略

ⅸ)ノンストップ自動料金収受システム(有料道路の料金所で一旦停車することなく無線通信を用いて自動的に料金の支払を行うシステム、Electronic Toll Collection Systemの略)

ⅹ)高度道路交通システム(最先端の情報通信技術等を用いて、人と道路と車両とを一体のシステムとして構築する新しい道路交通システムの総称、Intelligent Transport Systemsの略)

ⅺ)最先端のITS技術を統合して組み込み、安全性、円滑性などに優れた、高度な道路交通の受け皿となる道路

ⅻ)通信システムの容量の大きさを示し、1ギガビットは10億ビットに相当し、ギガの1,000倍がテラ、その1,000倍がペタ

ⅹⅲ)都市部を結ぶ通信網を幹線系といい、家庭やオフィスと電話局を結ぶ通信網を加入者系という

ⅹⅳ)道路管理用光ファイバーを収容するために道路の地下に設置する構造物であり、空間に余裕がある場合には、民間通信事業者も単独で埋設する場合に比べ低コストで利用可能

ⅹⅴ)電子化された地図や台帳・統計情報をコンピュータ上で統合的に管理、利用するシステム(Geographic Information Systemの略)

ⅹⅵ)Small Office Home Office(情報通信を活用して自宅または小規模オフィスで仕事をする自営業者)の略

(別紙)係数表
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電話番号 03-5253-2111(大代表)