ワークライフバランス 企業における最新の試み

「わが国の労働市場における多様就労に関する調査報告書」

内閣府委託調査(三菱総研受託)

平成19年3月

内閣府政策統括官(経済財政運営・企画担当)


1.調査の経緯

 わが国では人口減少と少子・高齢化が進展し、労働市場においては今後、労働力人口が急激に減少していくことが予想されている。現在、就労意欲があるにもかかわらず何らかの要因で働くことを制約されている人々について、働くことのできる環境を整え、個人の能力を最大限発揮出来るようにすることは、結果的に、予想される労働力の減少を補い、彼らの社会参加自体が日本経済の活力を維持していくことにもつながる。

 一方、国民の価値観や仕事と家庭・余暇の調和などのニーズも多様化しており、今後は、これらに対応した働き方が求められ、これまでの働き方を見直し、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を推進することは、喫緊の課題である。
 しかし、現状ではこれらの価値観やニーズに対応した働き方(例:短時間勤務制度、在宅勤務制度)に取り組んでいる企業は少なく、導入を検討している企業においても、情報が少ないと思われる。

 以上のことから、わが国の労働市場の改善に資するため、短時間勤務制度、在宅勤務制度を先行的に導入している企業の成功事例等を調査分析し、仕事と家庭・余暇の調和などに対応した働き方等の方策を検討することとした。
 調査は、制度を先行的に導入している企業にご協力頂き、その制度の内容、利用者の状況、制度導入の背景、導入にあたっての課題と解決策、制度利用に伴う企業及び利用者におけるメリットについて聞き取り調査を行い、その内容を整理・再構成して取りまとめを行った。
 

2.調査結果の概要

短時間勤務、在宅勤務への高い評価

◇ 人事施策の変化

 ・ 景気回復の中、企業の人事施策は、コスト削減から質も確保へ

 ・ ワーク・ライフ・バランスへの新たな試みをする企業を事例研究

◇ 新しい試みへの企業の高い評価

 ・ 社員の多様性に対応でき継続雇用に有利な制度でもある、短時間勤務、在宅勤務への企業の高い評価

 ・ 社員の評価が高いのはもちろん、企業側もコストパフォーマンスも良好との評価が圧倒的

 ・ 現場の上司及び同僚の理解・協力と、企業のトップが自社にとってのメリットをしっかり認識することが鍵

 ・ 労働需給の引き締まり傾向が進めば、ワークライフバランス企業の優位性が一層高まるものと予想

 ■ 「短時間勤務制度」導入の効果

◇ 離職率の顕著な低下

 短時間勤務制度の導入により、結婚・出産に伴う離職が顕著に低下しており、有能な社員の流失防止に成功

◇ リクルートへの高い効果

 学生は、短時間勤務制度の導入などで企業のワークライフバランスぶりを評価しており、人材確保に高い効果

◇ 育児休業の短縮化

 社員は長期の育児休業より短時間勤務を選ぶ傾向があり、導入は企業側にとっても合理的

◇ 利用への新たな人事評価

 ・ 企業は短時間勤務を利用しても評価を下げない人事評価制度を導入(社員の不安を解消する十分な対策が必要)

 ・ 正社員・パートの双方向転換、再雇用保障といった新たな試みも

 ■ 「在宅勤務制度(テレワーク)」導入の効果

◇ テレワークは戦力化へ

 機器の高度化が進んだことによって、実験的なものから有用なものとして戦力化が進んでいる

◇ 利用社員の無限定化

 特別な事情を持つ社員から、希望者はすべて利用できる無限定化が進み、「できる社員」こそ利用するように

◇ テレワークで能率向上

 移動時間の節約のみならず、自宅で集中できることが企画力や能率性に好影響

◇ 勤務時間の管理の明確化

 ・ 情報管理は十分対応可能

 ・ 残業など勤務時間の管理を明確にする必要性



3.企業における試み(実例)

味の素株式会社(PDF形式)

NECソフト株式会社(PDF形式)

株式会社キャリア・マム(PDF形式)

シャープ株式会社(PDF形式)

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社(PDF形式)

ソフトバンクテレコム株式会社(PDF形式)

株式会社ニチレイ(PDF形式)

日産自動車株式会社(PDF形式)

日本アイ・ビー・エム株式会社(PDF形式)

10 松下電器産業株式会社(PDF形式)

11 株式会社三菱東京UFJ銀行(PDF形式)

12 株式会社りそな銀行(PDF形式)



( 以上 )



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