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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第19回会議(平成20年7月28日)

大田大臣

(1) 「平成21年度予算の全体像」について

(2) 平成21年度概算要求基準について

(3) 特別会計改革について

 大田弘子です。本日、今年第19回目の経済財政諮問会議が開催され、「平成21年度予算の全体像」、平成21年度概算要求基準、特別会計改革について議論しました。

 「予算の全体像」については、前回から大きく違う点は2つだけです。歳出削減だけではなくて、前向きの課題もきっちり書くべだという御意見が前回ありまして、2ページの「今後の経済財政政策の考え方」というところに成長戦略のことなどを書き込んであります。次に、最後のページの最終パラグラフになりますが、基礎年金の国庫負担割合を2分の1に引き上げるというときに、16年の年金改正法に基づくということをしっかりと踏まえるべきだということで、この点を書き加えています。

 「予算の全体像」ついては、次のような御意見がありました。

  • 民間議員から、基礎年金の国庫負担割合の引き上げのための安定財源を確保するということが、年金改正法にも書かれているが、これを実行するのは重要な課題。国庫負担割合を2分の1に引き上げるに当たって、安定的財源を何にするかという議論がまだなされていないが、消費税を議論するよい機会である。実施時期はともかく、消費税を含めた議論をしっかりすべきだ。
  • 住基ネットが全国規模で定着してきている。社会保障カードに向けて議論を加速すべきときである。

 ほかには御発言はなく、「予算の全体像」はこれで取りまとめました。

 続いて、平成21年度概算要求基準について、額賀議員から資料に基づき御説明があり、次のような御発言がありました。

  • 今度の予算は「財政健全化」と「医師不足などの重要課題への対応」の両立をいかに図るかというのがポイントである。財政健全化については、「基本方針2006」の3年目なのでしっかり枠組みを守っていく。それから、重点課題については、各省の政策棚卸しにより、裁量的経費全体で2%の財源確保を行い、約3,000億円の重点化のための枠をつくり、医師不足などの重点課題に充てていく。これを具体化して概算要求基準を取りまとめたい。

 これに対して、次のような御意見がありました。

  • 民間議員から、平成21年度予算の最大のポイントは、重点課題の枠である。この重点化枠の中に何を持ってくるのか、どういう政策、どういう費目を持ってくるのかということが大事な課題であり、この重点化枠を使って予算の配分を大胆に変えていくというのが重要ポイントだ。この枠に入るものは、福田総理のイニシアチブでしっかりと決めていくべきだ。同時に、この枠に何を入れるかは、国民へのメッセージだ。国民の目に明らかになるように、予算編成過程でもそれをわかりやすく示していく必要がある。そこで、各省からどんな要望が出されたのか、金額やその基準を整理して、9月から10月に諮問会議に示してほしい。そして、これらの要望について諮問会議において議論をすべきだ。
  • 別の民間議員から、今回の予算編成はぜひ生活者の視点に立った前向きのメッセージを出すべきである。省庁の枠にとらわれない総理特別枠として、この重点化枠の中身をしっかり議論していく必要があり、諮問会議でも十分に議論すべきである。総理から国民に向けてインパクトのあるメッセージとして、この重点化枠の中身を示してほしい。
  • 別の民間議員から、この重点課題枠は、福田政権が何を重要だと考えているかを示すよい機会である。これを上手に実現することが重要だ。各省が重点化枠の中に要望として出してくるものも大事だけれども、何より総理がイニシアチブをとって、こういう課題に取り組んでいく、そして明るい日本にしていくということを示す必要がある。特に色々な省庁にまたがる少子化対策とか、環境という大きい課題について、総理のイニシアチブで重点課題に充てていくことが必要である。
  • 中野経済産業副大臣から、今回の予算は重点的なところにきちんと政策課題を示して、「燃費効率を高める」という意味で、今の額賀議員の御説明を評価している。経済産業省としても、メリハリのある概算要求にしていきたい。

 額賀議員から、民間議員などからの御発言に対して、次のような御発言がありました。

  • 福田政権は、これまで20世紀の負の遺産の後始末にかなり勢力をとられてきた。今回の予算では、新しいスタートに立ったつもりで、自由に使える枠というものを設ける。そして、新たな政策課題にチャレンジをしていきたいと考えている。民間議員から発言があったように、総理のイニシアチブを発揮して、よい予算にしていくことが大事だ。

 最後に、私からもこの重点化枠というのは、ここに何を入れるかが大変重要な課題ですので、諮問会議でも議論していきたいと申し上げました。

 次いで、特別会計の議論です。

 民間議員から特別会計改革のペーパーの説明があり、額賀議員からも、現在、特別会計改革をどう進めているかという資料の説明があり、額賀議員から、民間議員のペーパーに対して次のような御発言がありました。

  • 政策の棚卸しを徹底してやっていきたい。特別会計についてもしっかりやっていきたい。
  • 民間議員の提案の中で、財政投融資資金の運用について、多くの特会で財政投融資資金への預託が義務づけられているが、財投預託金での安易な運用に依存することなく、資金の運用及び保有方針を定めて、適正化を進めるべきだとされている。安易な運用のために預託していくのはよくないけれども、一定のメリットもある。例えば、事務負担が低いとか、リスクが小さいとか、色々な機関の預託ができるとか、そういうメリットもあるので、特会が担う政策、それから安全性を考えて、だれがリスクを背負うのかということを考えていく必要がある。一概にこの預託はよくないと切って捨てることはできない。ただ、積立金のことなど、運用のあり方もここは厳密に考え改革努力していきたい。
  • 特別会計の統廃合は、今、行革推進法に基づいて進んでいるわけですが、これはしっかりと進めていく。中身についても検討する。平成23年度には、全特会について存続の必要性そのものを見直していくということになっているので、しっかりとやっていきたい。
  • それから、民間議員の提案の中で、透明でわかりやすい予算管理ということで、事業会計の資金11.2兆円について歳出削減努力が見えるように目標を設定してやっていくべきだとされている。この11.2兆円のうち5兆円が一般会計からの繰り入れなので、この部分についてはシーリングが課される。残りの6兆円は、例えば地震の再保険であったりして、それぞれ対応が異なるので一律に対応を定めることはできない。ただ、透明性の確保というのは重要な課題なので、個別に対応するように努力をしたい。改革をしっかりと進めていきたい。

 続いて、次のような発言がありました。

  • 民間議員から、特会については、政策目的が妥当なのか、算出根拠はどうなのか、プロセス全体で透明性を高める必要がある。特会というのは、不透明で伏魔殿だという評価がなされている。少なくとも、そのような印象を国民に与えているので、国民にわかりやすい改革をやっていかなくてはいけない。ムダについては、特会のみならず特定財源も視野に入れて議論すべきだ。それから、この特会に限らず、国の財務諸表をベースにして、国全体のストック管理を見直していかなければいけない。例えば、国の資産の大層を占めているのは公共用の財産で、取得原価で評価されている。貸付金も簿価で計上されている。こういうものは民間会計基準を踏まえて、総資産を明示的に、明確化していく必要がある。つまり、特会に限らず全体に国の資産というものを見直していかなければいけない。特会の見直しはその一里塚になる。
  • 別の民間議員から、外為特会から1.8兆円を一般会計に繰り入れていて、これは優等生に見えるかもしれないが、実はどうなっているかというと、外為特会というのは外国債券で運用されている。これが大体4.5%で運用されている。その利子がドルで支払われている。そして、その裏側には為券がある。当然ですが為券を発行しているが、この為券の利子が0.5%。差額の4%が運用益となって、これはドルで入ってくる。3.5兆円から4兆円の間の運用益が発生する。これをどうしているかというと、入ってきた分、為券をまた発行する。バランスシートでバランスさせるために、入ってきた運用益に対応する為券を発行している。なぜ資産の運用益で為券を発行するのか。この為券を発行して、運用益をバランスシートの中に置いて、それを一般会計に途中で繰り入れて戻しているわけだが、一般会計に繰り入れて、そこで国債発行が減らされたとしても、結局長期の国債は減らせるけれども、為券という短期の国債を外為特会の中で発行している。つまり、短期の国債と長期の国債を入れ替えているというだけではないか。そういう国債管理施策が賢いのかと、これは長期的に考え直してほしい。
  • それから、労働保険特会の中で、保養施設、「スパウザ」のようなものが作られたり、「私の仕事館」のようなものが作られたりしていて明らかなムダだ。こういうものがなぜ許されるのか。やはり一般会計から労働保険への繰り入れも含めて、特会の改革は具体的な事例に基づいてしっかり改革していくべきだ。
  • 別の民間議員から、特会の改革は少しずつ節約するというようなことではなくて、制度のあり方を見直すことだ。額賀議員から、先ほどの財投預託金の発言で、安全性のために財投預託金というのは一定のメリットがあるという発言があったけれども、これは特会の性格によって違う。雇用保険などは、例えば経済的な変動によって一挙に失業率が上昇すれば、一挙に取り崩さなくてはいけないわけで、そういう観点から流動性が必要だ。しかし、労災勘定というのは年金のようなもので、毎年の支出は安定しているので、むしろこれは厚生年金などと一緒に運用していくことが考えられる。この特会ごとの縦割りの壁をなくして、資金運用を一本化する余地あるのではないか。
  • 中野経済産業副大臣から、特会からの支出を受けている独立行政法人、公益法人などでは、国家公務員よりも人件費が高いことが指摘されているので、こういうことも含めて議論すべきだ。

 額賀議員から、外為特会に関連して、次のような発言がありました。

  • 外為特会については、円高の評価損のために積み上げていることを考える必要がある。今の時点では積み立てがあるけれども、これは為替のレベルによって変わってくるということも考えなくてはいけない。

 私の方から、この特会というのは、国民の関心も非常に高いので、歳出の効率化、透明性の確保というのは重要な課題であり、「ムダ・ゼロ」、政策棚卸しを徹底していくのは当然ですけれども、やはり特会のあり方については、諮問会議でもさらに議論していきたい、それから、資産・債務改革専門調査会において議論せよというのが民間議員からの提言にありますので、平成21年度予算編成に生かせるように、この専門調査会で、秋に改革の考え方を提示していきたいということを申し上げました。

 最後に、総理から、次のような御発言がありました。

  • 特会についても、一般会計と同じく一つ一つ厳しく洗い直してムダを排除していく必要がある。今日民間議員から提起された問題を含めて、歳出の見直しを徹底して進めていきたい。民間議員にも引き続き御協力いただきたい。

(以 上)

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