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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第15回会議(平成20年6月17日)

大田大臣

(1) 歳出・歳入一体改革について(公共投資改革)

(2) 「基本方針2008」に向けて

 大田弘子です。本日、今年第15回目の経済財政諮問会議が開催され、歳出・歳入一体改革(公共投資改革)、「基本方針2008」について議論しました。また、最後に額賀議員から、国有財産の有効活用に関する報告書の報告がありました。

 歳出・歳入一体改革(公共投資改革)については、民間議員と冬柴臨時議員から説明がありました。その後の議論とあわせ、概要は以下のとおりです。

  • 民間議員から、これまでの削減努力を決して緩めずに改革していくべき。平成19年度予算は3.5%削減、20年度は3.1%削減ということで、これまでの削減努力を緩めないでやっていくべき。
  • 冬柴臨時議員から、公共投資はもう既に十分に削減されてきている。これまでGDPデフレーターがマイナスになっていたが、徐々にデフレ脱却に向かっている。既に資材価格が上昇しているので、削減はもはや限界に来ている。
  • 民間議員から、道路の中期計画を見直すに当たっては、交通需要の推計をやり直すべき。人口が伸びることを前提にするのではなく、生産年齢人口、さらには総人口が減ることを踏まえて、交通需要の再推計をすべき。また、全国一律の規格やマニュアルでつくるのでは合理化できない。例えば、夕張にある歩道と東京の歩道では必要性などが違う。地域が補助金獲得のために無駄な公共投資をすることがないように、補助金制度の見直しなどを含めて、地方分権改革の流れを汲んで、中期計画を策定してほしい。最大限の削減をすべき。国民は、天下り、談合、無駄な経費の使い方を見ている。これらの使い方を改める意思をどういう形で示すのかが重要で、国民にわかりやすい形で改革を示していく必要がある。
  • 民間議員から、需要推計だけではなく、便益計算の方法も見直すべき。今の便益計算では、時間短縮効果の便益を、短縮される時間掛ける平均賃金で出しているが、道路を使う人がすべて平均賃金を稼ぎ出しているわけではなく、レジャーに使う人もいる。したがって、便益の範囲や評価方法を見直すべき。また、資材価格が上昇するということは、費用便益分析の費用が上がるということ。採算に合わない道路が出てくるわけで、ボーダーラインの下にある道路はつくらないことが大事。さらに、冬柴臨時議員の資料の中で、GDPに占める政府の社会資本投資の推移が出ているが、日本はこの下がり方が大きいが、欧米に比べて高い。最近の削減でやっとG5の上のあたりに下りてきており、削減の余地はある。また、維持管理費がだんだんかかってくるので、新規投資も厳選すべき。「選択と集中」で、プライオリティの高いところからつくることが必要。さらに、官製談合というのは非常におかしい。コストを下げるべき人が、逆にコストを押し上げているわけで、このような無駄を徹底的になくし、組織の改編も含めて見直していくべき。
  • 民間議員から、これまで無駄な投資が行われてきたのも事実だが、一方で、重要な産業開発のために必要な道路が、地方でなおざりにされているのも事実。地域経済が自立するために、効果的な整備を行っていくべき。地域が自らの負担と権限で広域的に整備していく必要がある。
  • 谷口総務副大臣から、道路特定財源の一般財源化に当たっては、国庫補助金や交付金など、地方の税財源の確保が必要。併せて、自由度を拡大していくことが必要である。
  • 民間議員から、資材価格が上がっているが、これは日本全国起こっていることで、民間もコスト削減の努力をしている。公共投資もそれをやらなければいけない。また、国会で道路予算の無駄が随分指摘されたので、今回の公共投資の削減幅がマイナス3%を下回ることがあれば、国民から納得されない。道路の中期計画見直しを考慮すると、それ以上の削減になってもよいわけで、そういうことを考慮すべき。それから、身近な道路は、やはり地方分権の考え方で進めるべき。
  • 額賀議員から、地域の活性化、安全・安心の確保、資材価格の高騰、こういったことは、我々としても当然考えていかなくてはいけない。しかし、財政状況を考えると、コスト縮減、談合の廃絶、入札の改革、ムダ・ゼロ、こういったことを排除していかねばならない。公共投資を含めて、「基本方針2006」を守るかどうかというのは、改革が後退しているかどうかの象徴。したがって、公共投資もメリハリをつけながら、しっかり歳出削減していかなくてはならない。また、道路財源を一般財源化しても、この金額自体が増えるわけではないので、省庁の分捕り合戦になるようなことがあってはいけない。さらに、税率構造─これはガソリン税、揮発油税などだと思いますが、環境問題や財政を考えて、維持する方向で考えなくてはならない。諮問会議でも、その方向で議論してほしい。
  • 冬柴臨時議員から、交通需要推計は、新しい12年のものを使って推計しており、今年の秋にでき上がるので、これを前提にする。また、費用便益分析も、意見が出た費用の考え方、便益の考え方、これを改める。これも、秋にでき上がる。さらに、新規投資のものは、厳選していく。工事中のものも、新しい基準で見直していく。コスト上昇分も加えて費用便益分析をやる。また、政府投資の対GDP比が欧米より高いという話があったが、日本はGDPが伸びていない一方で欧米は伸びていることを考えると、高いと簡単に言うことはできないのではないか。さらに、談合は誠に情けない話で、国民の皆様におわびしたい。これは、絶対にやめるようにしたい。それから、地方が自主的な判断で効果的に必要な道路、必要な公共投資を厳選することは重要だが、道路は多府県にわたるものもあるので、国土形成計画の中でも考えていく必要がある。ただ、地方の意見をよく聞いていきたい。また、民間議員からの既存ストックの維持管理コストを含めたライフサイクルコストの推計を毎年公表すべきという指摘に対しては、ライフサイクルコストというのは30年間のコストを考えるので、毎年出せるかどうか、せっかくの提言なので、しっかり検討したい。

 私からは、以下のとおり、とりまとめました。

  • 公共投資を取り巻く環境を見ると、材料費が高騰する一方で、無駄遣いや談合という問題があり、さらには道路特定財源の一般財源化といったことも考慮する必要がある。
  • こうした状況を踏まえて、夏の概算要求基準、年末の政府案に向け、引き続き、諮問会議でも議論を行っていきたい。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 道路特定財源を見直すに当たっては、地方の発展に欠かせない道路をつくることと同時に、生活者の目線で使い方を見直し、生活者が真に求める重要施策に予算配分を変えていくことが重要な課題である。
  • 生活者が真に求める重要施策に予算配分を変え、医師不足問題や救急医療など社会保障等の充実を求める国民の声に応えるため、徹底したムダ。
  • ゼロに加え、道路特定財源の生活者目線での見直しなど、政策の棚卸しを活用して対応していきたい。
  • その上で、改めて、福田内閣において、財政健全化と社会保障を中心とした国民の安心・安全を両立させる道筋について申し上げたい。
  • まず、これまでの制度を前提とした既定経費については、効率化の徹底など、「基本方針2006」に則った削減を継続する。
  • 内閣として、国民の期待に応えるために取り組んでいる医師不足問題や救急医療など、社会保障を中心とした重要施策に必要となる歳出については、効率化を徹底した上で、以下の順で財源を捻出して対応したい。
  • 第1は、これまでの延長上にない徹底したムダ・ゼロである。第2は、生活者目線での道路特定財源の見直しなど、政策の棚卸しである。それでも賄い切れないものについては、負担と合わせて国民に選択していただく必要がある。
  • 21年度予算に向けて、まずはムダ・ゼロと政策の棚卸しによって財源を捻出し、福田内閣の社会保障関係等の生活者が真に求める重点課題に充てることとしたい。
  • 最後に、民間議員には、公共投資に限らず、特別会計全般について目を光らせる必要があるので、ムダ・ゼロ、政策の棚卸しに向けた提案をいただくようお願いしたい。

 「基本方針2008」については、素案を説明しました。議論は、以下のとおりです。

  • 谷口総務副大臣から、子どもの農村と都市の交流プロジェクトは重要な施策である。
  • 甘利議員から、成長戦略をしっかり書き込んでいるという方向に賛成である。これを国民にはっきりと示し、実行していくことが大切。また、予算編成でも、重要政策に重点化して、予算の燃費効率を高めなくてはいけない。各論として、資源外交をしていると、ODAの役割の重要性を痛感する。さらに、諸外国は、租税条約の締結を希望している。優先順位を決めて、迅速に対応すべき。
  • 額賀議員から、重要なことは将来世代に負担を先送りしないということ、国際市場の信任を得るということ。「基本方針2006」はしっかり守っていく。そして、福田政権の姿勢を示していく。この問題意識を共有したい。また、国際租税条約については、積極的に対応したい。
  • 民間議員から、成長戦略について、住宅の政策が重要。日本の住環境を充実させることは、関連産業への波及効果なども含め、重要である。また、EPAが極めて重要。EPAの中でも、EUとの交渉を最優先すべき。人口5億人、域内GDP1,700兆円であり、EUはアメリカをしのぐ。日本からの投資への期待も強い。一方で、中東3カ国を訪問したが、韓国の市場への進出が進んでいて、存在感が日本をしのいでいる。FTA交渉で、韓国はEUとの交渉を既に開始しているので、遅れをとらないようにしていく必要がある。また、資源のない国にとって、やはりODAというのは重要。
  • 民間議員から、歳出・歳入一体改革は5年間のプログラムだが、早2年目で、もう撤回すべきだというような議論が出てきている。こういうことをしていると、日本への信任は失われる。もちろん、医師不足とか新たな課題には対応しなくてはいけないが、基本フレームは2011年度までしっかりと守っていくべき。総理には、今後とも強いリーダーシップを発揮してほしい。また、地方の出先機関の改革が非常に重要。基本方針の素案に、この仕分けの考え方が示されているが、これに沿って、地方分権改革委員会を応援して、諮問会議でもしっかり議論したい。
  • 民間議員から、低炭素社会について、福田ビジョンで道筋が示されのは大変重要なことで、基本方針でこれを閣議決定し、取組を加速すべき。また、グローバル戦略が成長のためには重要で、EPAが非常に重要である。さらに、金融・資本市場を活性化することが非常に大きい課題である。そのためには、国際的な人材が東京に集まってくることが必要。それから、年金基金の活用も重要。さらに、農業改革が重要。国際的な食料価格の高騰は農業改革のチャンスであり、これを機にコストを削減し、世界に輸出できるような農業にすべき。
  • 民間議員から、日本の将来を考えると、人と教育が必要で、基礎科学に対する投資が必要。また、農業が重要で、規制の撤廃をすべき。さらに、中小企業の再生が重要。

 これを踏まえ、次回、「基本方針2008」の原案を示します。

(以 上)

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