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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第14回会議(平成20年6月10日)

大田大臣

(1) 規制改革について

(2) 歳出・歳入一体改革について(社会保障)

(3) 経済成長戦略について

(4) 「基本方針2008」に向けて

 大田弘子です。本日、今年第14回目の経済財政諮問会議が開催され、規制改革、歳出・歳入一体改革(社会保障)、経済成長戦略、「基本方針2008」について議論しました。

 規制改革については、草刈規制改革会議議長から規制改革会議の重点3分野の説明があった後、民間議員からペーパーの説明がありました。議論は以下のとおりです。

  • 民間議員から、規制の事前評価、RIAによると、例えば去年の改正建築基準法のときに、「大臣認定プログラム」がまだできていない時にスタートして混乱があったが、そういうソフトウエアができる前に導入されるというようなこともチェックされてなくなる。
  • 地方分権改革推進委員会委員長でもある丹羽議員から、規制改革会議の重点3分野はいずれも重要なので、年内に結論を得るようにしてほしい。特に農業は潮目が変わっている。農業の国際競争力を高めるために、平成の農地改革を進める具体的な規制改革を進めてほしい。また、官の抵抗だけではなく、業界団体の様々な既得権益があり、この壁を打ち破るのが容易ではない。地方分権を進めていても、官だけではなく民の業界団体の抵抗が非常にある。官民ともにメスを入れていくことが重要。
  • 谷口総務副大臣から、事前評価、RIAについては、評価の質の向上に努めていきたい。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 規制改革は、消費者重視の行政を進めるに当たって重要な柱である。規制改革会議が提案した重点3分野を含め、しっかりとした方向性を年内に出してほしい。
  • 岸田臨時議員には、規制の事前評価の体制について、具体的検討をお願いしたい。

 私からは、この重点3分野は諮問会議で議論しているものとかなり重なっているので、これからも連携をして議論を進めたいとまとめました。

 歳出・歳入一体改革(社会保障)については、民間議員から「基本方針2006」で示された歳出改革の枠をどんな具合に進めていくのかについて、以下のような具体的な提案がありました。

  • 2011年度まで6,600億円、仮に平均的に割ると2,200億円になるが、これはしっかりと進めていかなくてはならない。そのためにどういうところで効率化できるのかということで具体的な試算を提示。
  • 新たな課題も指摘。これによって発生する歳出増の財源は、財源確保の原則(アメリカのペイ・アズ・ユー・ゴー原則:歳出を増やす時は、他の歳出財源もしくは増税によって賄う)に基づき、財源をしっかりと手当して、他の歳出増をやる。

 また、伊藤総理補佐官から社会保障国民会議の説明、額賀議員から財制審の建議を受けた予算編成の基本方針の説明がありました。議論は以下のとおりです。

  • 谷口総務副大臣から、国民会議の中間取りまとめに当たって、地方からも要望の強い次の2つの点を考慮してほしい。1つ目は、財源の確保について、地方の負担にも十分に配慮してほしい。2つ目は、地方分権による運用の改善について、例えば保育所の設置基準や公営住宅の入居基準を地方に委ねることで社会保障の水準も高めることができるので、ぜひこういう義務づけ、枠づけをなくしてほしい。
  • 民間議員から、効率化を進めることが重要で、そのために2点申し上げたい。1つ目は、社会保障カードを前倒し実行してほしい。2つ目は、現在は風邪でも大病院に殺到するようなことが起こっており、診療所と病院でしっかりと機能分担が働くような診療報酬の設定にする必要がある。ホームドクター制の構築を進めるべき。
  • 舛添臨時議員から、民間議員ペーパーに関し、(1)医師不足への対応として医療にかかわる人の役割分担の見直しが提言されているが、これにメディカルクラークというのをぜひ加えてほしい、(2)医師の周辺まで含めた役割分担には、実は金がかかることを理解してほしい。医師だけではなく看護師も不足している。看護師の質を上げるための養成にも金がかかる。看護師の質を上げるためにざっと計算しただけでも400ベッド以上の病院を対象にしただけで年間2,000億円。決して医療の周辺人材を活用したからといって、ただでできるわけではない、(3)雇用保険に対する一般会計からの国庫負担の見直しについて、政府の責任としての1600億円を減らすことに積極的かどうか疑問。これは労使の問題もある、(4)かかりつけ医と病院、開業医と病院の機能分担ができるような診療報酬の設定については、医師会と随分闘った。それでも、なかなか問題があって相当難しい。また、地域でかかりつけ医、病院という仕組みをつくっていくのも金がかかる。医師の数を増やすのは大して金がかかる話ではないが、構造改革を進めるのには金がかかるということを理解してほしい、(5)後発医薬品使用割合を40%まで引き上げる提案については、利用可能な後発医薬品を考えると30%でも相当満杯の状態。後発医薬品を使うときに必要だった医師の印をなくすことでここまで広がってきているが、安全性の問題、それから後発医薬品が体に合うのか合わないのかといった問題がある。厚労省が掲げている24年度まで30%に引き上げるということで努力しているが、実際にここで金がどれだけ出るかというのは、今の時点ではそうはっきりとは言えない。
  • 民間議員から、雇用保険への一般会計の負担を減らすという点について、国から雇用保険に金を出すのは筋が通らないのではないか。国の補助なしに回るような保険料の設定をすべき。もちろん未曾有の大不況があれば、そこは国家がきちんとサポートする。そのサポート体制はしっかりと整えた上で、保険の原点に帰るべき。また、医療人材の役割分担を進めるのに金がかかるということであったが、これはきっちり進めなくてはいけないので、改革の方法を考えた上で、どこまで金がかかるのかというのを示してほしい。それから、看護師を訓練して新しい看護師の資格をつくるというのが大事。
  • 舛添臨時議員から、雇用保険への国家の役割をどう考えるかは、まさに哲学の問題。雇用に対して国がどこまで面倒を見るかは、国民会議でもしっかりと議論をするべき課題であり、ここでばっさり切るのは色々な余波がある。
  • 甘利議員から、地元の病院の人から、本当に無茶苦茶働いて大変だという声がある。国には開業医の情報は把握されても、病院の体制はなかなか反映されていないのではないか。病院には医師という立場と、それから経営者という立場がある。幾つか経営のモデルケースを示して経営改革を行っていくことが、サービスの質を落とさずに経営効率を上げる一つの方策ではないか。
  • 民間議員から、雇用保険の国庫負担の金額を減らすのはいいが、国民が安心するためのセーフティネットとして、緊急時には国の役割がしっかりと働くという制度的担保がつくることが必要。
  • 民間議員から、国民会議の議論について、(1)年金制度を税方式にするか、社会保険方式にするかという議論のシミュレーションのやり方として、非現実的なケースも入れて計算されているのではないか。今の年金給付を増やすようなケースは非現実的。マスコミはその部分を取り上げて、こんなに税金が上がるということをクローズアップするが、諮問会議でも提案したような現実的な税方式、つまり未納の人には年金を給付することはせずに、社会保険方式から連続的に変わっていくような方式を対象とすべきではないか、(2)未納の問題がやや軽視されているのではないか。未納を解消することが年金財政にはそれほど影響を与えないという試算が出されていたが、未納の問題は財政だけでなく、まさに社会保障の根幹を揺るがす問題。年金には強制貯蓄という性格があり、そこはしっかりと押さえる必要がある。保険料の徴収は、個人だけではなく零細事業所の問題でもあるので、税方式がいいか保険方式にするのかという問題は、国民会議でもしっかりと議論を詰めていただき、結論を出す前に諮問会議でも議論させてほしい。
  • 吉川社会保障国民会議座長から、未納が大きい問題であるということは我々も十分に共有している。シミュレーションはできるだけ決め付けずに幅広くやった。現実的なケースと仰るが、何が現実的かというのは人によって違う。
  • 伊藤総理補佐官から、一定の方向に誘導するのではなく、なるべく中立的に、客観的に典型的なモデルを議論した。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 社会保障も聖域ではない。「基本方針2006」に則って、これまでの制度の中の非効率を徹底して削減する。
  • 一方、社会保障は国民の安心基盤であり、現実を見ると医師不足や介護労働力の不足といった問題が新たに顕在化している。
  • こうした新たな課題に対応して、国民の不安を解消することもまた重要である。
  • 新たな課題については、民間議員提案のように、決して歳出規律を緩めることなく、まずは他の歳出削減で行うということで対応する。

 経済成長戦略については、取りまとめをしました。私の方から、経済成長戦略の簡単な説明をしましたので、若干補足します。

  • 今回の成長戦略は、3つの柱で成り立っています。私は、今年初めの経済演説で、もはや経済は一流と呼ばれる状況ではなくなったということを申し上げました。経済は一流と呼べない、なかなか呼びづらい状況として3つの大きい弱みを抱えていると思っています。
  • 1つ目は、サービス産業の生産性が低いということ。ここがGDPの7割を占め、雇用者も7割ここで働いています。2つ目は、グローバル化に十分対応した仕組みができていないということ。これはEPAや対日直投の遅れだけではなくて、金融資本市場、航空分野という海外とのアクセスのインフラの国際競争力が劣っています。3つ目は、人材が十分に生かされていないということ。労働力がこれから減っていく中で、まだフリーターが180万人いる。子育て後の女性がなかなか働けない。職を見つけられないという状況があります。
  • 今回の成長戦略はこの3つの弱みに応える内容を盛り込んでいます。平成の開国、全員参加の経済、技術力を生かした強み発揮の経済です。成長戦略の中で、今の時点で結論を出せるものは出してあります。何年度までに何を実行するということで出してありますし、これから期限を切って集中的に討論するものも含まれています。航空自由化の工程表、対日直接投資加速プログラムは秋まで、外資規制のあり方の包括的見直しは年度内、高度人材の推進会議は今年中に結論を出して計画を作っていく、留学生30万人計画は年度内、401Kの拡充についても今年中ということで、これから工程を詰めていくものも残されていますが、それを含めてこの成長戦略をしっかり実行していきたいと思っています。

 意見としては、日本のよさというものをしっかり生かす戦略にしていくべき。平成の開国と銘打っているからにはグローバル化をしっかり進めるべきというのがありました。

 この経済成長戦略は、おおむね半年ごとに諮問会議でフォローアップすることになっています。1回目のフォローアップでは、この成長戦略を各省がどのように政策として具体化を進めているかということを検証します。これは半年後に行います。

 それから、これまで行ってきた成長力強化の戦略は併せて実行していきますので、甘利議員には成長戦略大綱を、更に着実に推進していただくようお願いしました。

 総理からは、以下の取りまとめの挨拶がありました。

  • 「経済成長戦略」を取りまとめていただき、議員の皆様方に厚くお礼申し上げる。我が国が未曾有の高齢化を乗り切り、世界の中で活躍していくには、成長力の強化が不可欠である。
  • 昨年末から、開かれた国づくり、全員参加の経済、革新的技術戦略の三本柱で精力的に御議論いただいた。高齢者、若者、女性の220万人の雇用充実を目指す「新雇用戦略」や、空の自由化、留学生30万人計画などの開かれた国への取り組み、強みを発揮するための環境エネルギー技術革新計画やスーパー特区の創設など、現在の内閣の特徴を打ち出せたと思う。
  • 今日から「基本方針2008」の策定に向けた議論が開始されるが、この戦略を「基本方針2008」の重要な柱として盛り込み、福田内閣の成長力強化の指針としたい。引き続き各議員の御尽力をお願いする。

 「基本方針2008」については、骨子案の審議を行いました。これについては格別の議論はありません。このとおり了承されました。

(以 上)

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