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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第13回会議(平成20年5月23日)

大田大臣

(1) 「新雇用戦略」について(認定こども園)

(2) 金融・資本市場の競争力強化について(公的年金基金)

(3) 地方分権改革・地方再生について

  1. 地方分権改革
  2. 地方再生

(4) 経済成長戦略案について

  大田弘子です。本日、今年第13回目の経済財政諮問会議が開催され、「新雇用戦略」(認定こども園)、金融・資本市場の競争力強化(公的年金基金)、地方分権改革・地方再生(地方分権改革、地方再生)、経済成長戦略案について議論しました。

  「新雇用戦略」(認定こども園)については、民間議員から、こども交付金を始めとする提案がなされました。これは長年の課題であり、今困っている人がいるので、福田内閣でぜひ一歩進めるべきだという発言がありました。議論は、以下のとおりです。

  • 舛添臨時議員から、(資料に沿って、)民間議員の提案については、こども交付金という形で努力したいが、それには追加財源が必要。今の仕組みだと保育所型のものでは補助金が出ない部分があり、幼稚園型のものでもまた補助金が出ない部分-ゼロ歳から2歳の部分-つまりカバーされない部分がそれぞれにある。こういう形で統合していくには、やはり追加財源が必要。
  • 民間議員から、文部科学省と厚生労働省それぞれで省令ができていて、その省令を変えないと動かない。この省令を一本化することが必要で、一本化した上でどの程度の費用がかかるのかを出してほしい。そうしないと、議論が前に進まない。両省で協議会をつくってやってほしい。
  • 舛添臨時議員、渡海臨時議員から、既にその作業は進んでいる。夏をめどに、その審議を進めていきたい。
  • 上川臨時議員から、両方の統合、改善に向けて努力したい。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 保育サービスを充実させることは、消費者の観点からも、女性の雇用や社会参画を拡大するためにも重要。現在の認定こども園は、役所の縦割りを子供に押しつけている。
  • 幼稚園と保育園の一元化という当初の目的に立ち返って、民間議員から提案のあったこども交付金を含めて、利用する子供の立場に立った抜本的な解決策を関係閣僚で早急に検討してほしい。

 今、文部科学省、厚生労働省で協議していますので、夏ごろまでに取りまとめていただいて、また諮問会議で議論したいと思います。

 金融・資本市場の競争力強化(公的年金基金)については、民間議員から、ペーパーに沿って説明がありました。議論は、以下のとおりです。

  • 舛添臨時議員から、公的年金基金の収益率の低さには、私も問題意識を持っている。閣僚になってすぐ、運用の委員を入れかえ、民間の人を入れた。ただし、民間議員提案のような形にするのに、次のような問題がある。1.リスク分散をするに当たっては、法律の縛りがある。2.運用機関が独立行政法人になっているので、これをどう変えていくのか。3.何よりも日本人には安心思想とも言うべきものがあり、ヘッジファンドとか有価証券というものへの抵抗感がある。年金というのは、労使の積み立て、拠出で成り立っているので、年金記録問題とも相まって、そういう危ない運用をすべきではないというような意見がある。
  • 民間議員から、リスクとリターンはコインの裏表。しかしながら、民間がやっている130の企業年金のリターンは、国がやっているものより平均的に高い。もう一工夫してほしい。また、透明度を高めることは非常に大事。
  • 甘利議員から、高い収益率を目指してポートフォリオを展開していくような運用を、ぜひしてほしい。これが、日本の産業の発展、企業の発展、ひいては日本経済の発展にもつながる。そのためにも、運用者の報酬体系の見直しが必要で、内外のプロを採用できるような見直しが必要。
  • 白川議員から、金融市場では、公的年金、私的年金、どちらも大きな投資家。金融市場の強化には、多様な投資家の存在が必要。各国とも年金基金というのは、長期的な機関投資家になっている。基金の運用に当たっては、基本姿勢、それから役割と責任の範囲を明確にすることが必要。それから、基金の運用主体に運用を委ねる。併せて、外部の評価が必要で、中・長期的な観点からこの評価をしていくということが必要。
  • 民間議員から、年金というのは国民の大きな財産。150兆円の利回りが1%違うと1.5兆円違うわけで、日本は外国に比べて、あまりに今、収益が低い。これは、将来の国民負担にもつながっていく。来年は年金財政検証の年なので、ぜひ見直しをしてほしい。
  • 民間議員から、長期的な観点から評価していくことが必要。
  • 額賀議員から、この年金基金の運用を、効率的に透明性を高めるというのは大事なこと。その場合、誰が責任をとるのかという視点も大事。また、今、運用資産は、国内債券が圧倒的なわけで、150兆円の半分ぐらいが国債運用になっている。これを転換していくときは、市場に対する影響というのも十分に留意すべき。

 私からは、舛添臨時議員に、今日意見があったように、いろいろ問題点はあるにせよ、もう一工夫、ぜひ検討をお願いしたいということを申し上げました。

 地方分権改革・地方再生については、地方分権改革に関し、丹羽地方分権改革推進委員会委員長から、ペーパーに沿って説明があり、民間議員からも、ペーパーに沿って説明がありました。議論は、以下のとおりです。

  • 民間議員から、民間議員は国の出先機関を大胆に改革するということを発言してきているが、地方分権改革推進委員会の2次勧告で大胆な国の出先機関の改革をするには、この1次勧告でしっかりと国と地方の役割分担をしておかなくてはいけない。ぜひ大胆で本質的な内容のものにしてほしい。
  • 民間議員から、国が責任を持つ分野を絞って、それ以外はまとめて地方に委ねていくことが重要。道州制に向けた第一歩にすべき。

 地方再生に関しては、定住自立圏の議論に入っていき、増田議員、民間議員の説明の後、以下の議論がありました。

  • 民間議員から、定住自立圏の提案に賛成。今、各府省が地域の政策を複線的に走らせているが、総理からも指示があったように、政策の棚卸しが必要。地方分権を徹底することが、地域活性化にもつながる。今年3月で、構造改革特区が1,000件に達した。全国展開されたのは567件であって、残りはまだ特区のままで残っている。地方再生計画も、今、1,009件立てられている。計画をつくって、補助金をもらって終わりということにならないように、きちんとモニターすべき。
  • 増田議員から、今、この全部を検証する作業に入っている。フォローと検証をしっかりしたい。

 私からは、増田議員に、定住自立圏構想を進めるに当たって、今日の民間議員提案を踏まえて検討してほしいということをお願いしました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 丹羽委員長には、勧告の取りまとめに御尽力いただいて、お礼を申し上げたい。地方に任せられないと言っていると、いつまでたっても地方分権というのは進まない。住民にとって、より便利になるように、前に進めていかなくてはいけない。
  • 民間議員提案の中に地方分権の大原則が書かれているが、大原則は、民間議員提案のとおりだと思う。
  • 地方自治体も、国に依存するのではなくて、なすべきことを自らの責任で決定するように意識を改革していくことが重要。
  • 増田議員には、この大原則に立って知恵を出し、各省と意見の隔たりがあるところは、地方分権に向けて着実に前進させてほしい。私からも各大臣に、内閣の一員として分権を進めるよう指示しているところ。定住自立圏の構想は、各省で連携して進めてほしい。

 経済成長戦略案については、民間議員、甘利議員、増田議員から資料の説明があった後、以下の議論がありました。

  • 民間議員から、人口が減り資源も乏しい日本で、成長する機動力は人と技術。そのとき、ベンチャー企業が重要な源泉になっていく。日本は、依然として開業率が低い水準にとどまっている。平成20年度の税制改正で、エンゼル税制は抜本的に進んだが、さらにこのベンチャーが起こってくる環境の抜本的な強化が必要。
  • 民間議員から、国際的に見ても、技術開発力の強化が必要。IMDの2008年ランキングで、日本は全体的には55カ国中25位だが、科学技術インフラでは2位。この技術開発力の強みをこれからも生かしていくためには、研究開発税制などが必要。また、知的財産の保護が必要。最先端の基盤技術は、政府が進めることも重要。さらに、技術開発で製品をつくって、その受け入れ市場が必要。昨日、総理が「アジアの未来」フォーラムで講演されたときの5つの約束のように、将来の市場獲得のための市場戦略というものが必要。
  • 民間議員から、成長戦略の中で一番大事なのは、生産性の向上。財政に頼らず、一人当たり生産性を高めていくことが必要。そのためには、起業だけではなくて、転廃業を円滑に進めることをセットでやっていく必要がある。
  • 民間議員から、海外市場を獲得するのは重要だが、こちらから獲得するために出ていくだけではなくて、海外が日本の市場を獲得することが必要。アジアの経済とEPAを強固にすることが必要。

 私からは、今日民間議員から提案された取りまとめの方向は了承をいただいたということで、次回の諮問会議で、福田内閣の経済成長戦略の取りまとめを行いたいということを申し上げました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 民間議員から提案があったように、国民の間の閉塞感や不安感を打破して、成長を実感できる包括的な成長戦略にしたい。
  • 今日の民間議員提案をもとにして、諮問会議で取りまとめてほしい。

 最後に、今日は業種別の生産性向上プログラムが資料として配られました。5月14日の諮問会議で、経済産業省関係のサービス業の生産性向上プログラムが報告されましたが、今回、それ以外の省庁のものも取りまとめられています。こういう業種別の生産性向上プログラムを取りまとめるのは初めてのことです。
実効性を持つことが重要ですので、このプログラムの1ページ目に、「各省庁が担当責任者を決めてフォローアップを実施する。進捗状況と成果について可能な限り数値を用い年2回程度定期的に経済財政諮問会議に報告する」と書かれていますが、ぜひ、これでやっていきたいということを、私のほうから最後に申し上げました。

(以 上)

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