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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第12回会議(平成20年5月20日)

大田大臣

(1) 歳出・歳入一体改革について

  1. 総論
  2. 税制改革

(2) 対日直接投資について

(3) 航空自由化について

 大田弘子です。本日、今年第12回目の経済財政諮問会議が開催され、歳出・歳入一体改革(総論、税制改革)、対日直接投資、航空自由化について議論しました。

 歳出・歳入一体改革については、民間議員から総論と税制改革の2つの紙が出され、 最初、総論について、以下の議論がありました。

  • 額賀議員から、民間議員ペーパーには「基本方針2006」に則り最大限の削減努力を行うと書いてあるが、これは努力ではなく、きちんと削減すべき。きちんとした姿勢を示さなくてはいけない。
  • 民間議員から、道路特定財源の一般財源化という方針に伴って、歳出改革にやや緩みがあるような報道もなされているが、これは決して緩んではいけない。歳出の無駄や二重行政を徹底的に排除していくことが必要。また、新たな歳出を行うときは、他の歳出削減によって賄う、ペイ・アズ・ユー・ゴーが必要。特別会計についても、経済財政諮問会議で改革の進捗をチェックしていく必要がある。
  • 甘利議員から、「ムダ・ゼロ」に取り組みつつ、予算の燃費を高めていかなくてはいけない。一昨年は成長戦略で3,000億円、昨年の今年度予算では重点化枠で6,000億円、こういう枠組みで成長をメリハリをつけて実現させていく。ゼロベースで議論していく。この、一律カットして重点配分していくという仕組みをもっとつくるべき。

 税制改革については、民間議員ペーパーの説明の後、以下の発言がありました。

  • 香西税制調査会会長から、民間議員の提案には、敬意を表したい。十分に参考にして税調としても意見をまとめていきたい。個別の項目と全体としての体系のつながりが必要。昨年の政府税調の答申では、生活の安全・安心、経済の活力、あるいは自由な選択など、大きなテーマで議論してきたが、今年は具体的な問題が見えてきているので、両方の解決の整合性をとって、全体のテーマと個別の税目を整合的に議論していきたい。したがって、従来以上に緻密な議論をしなければならないと覚悟している。また、税の扱いについて説明をしっかりしながらやっていきたい。さらに、景気動向をどう判断するのかも重要。政府全体の判断と歩調を合わせながら検討していきたい。
  • 民間議員から、長期にわたって社会保障費が増加していく。一方で経済成長の足取りもやや弱まってきている。したがって、安全・安心の確保と成長の両立のためには、歳出を中心としたこれまでの改革では限界がある。財政規律を緩めることは決してよくないし、「基本方針2006」に則って改革することは当然だが、歳入を含めて議論をし、財源の配分まであわせて一体的にやることが必要。消費税や道路の特定財源の一般財源化を含めて、抜本的な税制改革をやる必要がある。
  • 民間議員から、納税者番号の導入が信頼を獲得するためには不可欠であるし、税の公平・公正にも不可欠。電子政府の工程表を作ろうしているが、あわせて納税者番号も工程表をつくって取り組むべき。
  • 民間議員から、今回の税制改革は、社会保障や道路の特定財源の一般財源化を含めて大改革になる。通常の予定にこだわらず前倒しして議論すべき。早期に議論に着手する。政府の中でも経済財政諮問会議と政府税調との連携をとっていく必要がある。納税者番号も過去色々な経緯はあるが、それにこだわらず導入すべき。
  • 甘利議員から、3つのポイントが大事。1つ目は、主要国で最も高い法人税。2つ目は、研究開発やIT、人材など投資効果の高い減税。3つ目は、資金還流に役立つ簡素な国際租税。1つ目の法人税と2つ目の研究開発減税のような政策減税は、近年諸外国では同時に進められている。経済活性化には、この両方の組み合わせが必要。また、資金還流にかかわる税については、成長戦略として位置づける必要があるので、成長戦略を議論するときに改めて申し上げたい。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 歳出削減というのは、大変厳しいことではあるが、将来世代のためにもここで改革努力をやめてはいけない。「基本方針2006」に則って、引き続き歳出・歳入一体改革に取り組み、2011年度には確実に基礎的財政収支の黒字化を達成することとしたい。そのためにも、これまで以上に「ムダ・ゼロ」や政策の棚卸しを徹底し、一般会計、特別会計、独立行政法人や公益法人を含めて、聖域なく政府を挙げて歳出の無駄を削減していく。よろしくお願いしたい。
  • 税制については、今日の議論も踏まえて、この秋に抜本的税制改革に取り組む。政府部内でも、経済財政諮問会議、政府税調、社会保障国民会議など、関係機関で協力しながら進めていただきたい。

 私からは、以下のとおり、とりまとめました。

  • 税制については、また経済財政諮問会議でも議論をしていく。
  • 歳出・歳入一体改革は、「基本方針2006」に則ってしっかりと改革を進めていく。

 対日直接投資については、島田対日投資有識者会議座長から提言の報告があり、民間議員からペーパーに沿って説明がありました。次いで、斉藤東京証券取引所社長から、以下の発言がありました。

  • 対日直接投資を拡大することは日本経済の活力に不可欠であり、M&Aのあり方を整理・明確化する必要がある。
  • 企業のM&Aは、企業自らが価値を向上させる手段であり、そういうビジネスモデルである。本来は、政府があり方の是非を決める問題ではない。買収防衛策の指針を政府が提示するのは違和感がある。本来は、ビジネス側が提案すべきこと。経営者がそれを盾にとってポイズンピルを導入すると、経営者の保身と思われている。問題なのは、国内同士のM&Aや日本が外に出ていくM&Aと、海外から入ってくるM&A、これを色分けして論ずること。海外にのみ制約をかけるのは問題で、これはいかがなものか。
  • 過去は、銀行を中心にモニタリングが果たされ、金融機関がコーポレートガバナンスを行っていたが、これが金融技術によって変わってきた。今株主を中心にしたファイナンスなので、コーポレートガバナンスの主体が株主になってきていると。したがって、安易に買収防衛策を講ずるというのは株主の利益に反する。
  • では、その株主を評価するのは誰か。その監視がまた必要。この監視の輪というものがつくられていかなければいけない。ファンドに対しても、その出資者のチェックが必要。
  • 東証でも、M&Aのあり方について、株主の権利、利益を守る立場から、市場開設者として独自の検討を行いたい。

 これに続き、以下の議論がありました。

  • 民間議員から、対日投資の中でビジネスコストの低減は大事。海外では、地方が独自に大胆な減税をしている。日本でも地方の課税の自主権を確保することが必要。また、M&Aは友好的なM&Aは歓迎であるが、敵対的な買収、グリーンメーラーには、国内にも海外にも適切な規制が必要。
  • 民間議員から、海外で収益源の30%から40%を得ていることを考えると、M&Aについて過剰な防衛を日本企業がすると、日本がその国にM&Aをする場合の問題になる。外国は悪、国内は善というような分類でなく、外資規制自体は分類としてあっていい分野もあるが、説明できるものにする必要がある。例えば、軍事とか原子力。それ以外は内外無差別の原則を明確にしていかなくてはいけない。対日直接投資で、法人税がどれぐらい阻害要因になっているか。海外では、直接投資の弾力性を3%、法人税1%上げれば投資が3%増えるという分析結果もあるが、日本では影響がないという意見もある。したがって、法人税率が直接に影響があるかどうかの実証分析は必ずしも明確ではないので、すぐに引き下げにいくのは少し早いのではないか。
  • 民間議員から、外資によるコントロールを排除する外資規制については、国家の安全保障など、必要最小限にすべき。産業基盤、インフラなど、公の秩序については、内外無差別の行為規制、それから大口株主保有規制という経済行為の規制、あるいは有事法制で対応すべき。
  • 額賀議員から、外資規制はOECDのコードという投資ルールに整合的。予見可能性についても、諸外国では業種を限定させない国もある。日本は業種を明確に限定しており、運用ルールも明確。アメリカのエクソンフロリオ条項では事後的に介入するケースもあるが、日本は法的な安定性もある。問題は、行為規制や大口株主保有規制など、他の規制手法で対応できるケースがあるのではないかということ。事業の公益性を確保するために、内外無差別の資本規制や行為規制で対応した方がいい。例えば、経済安全保障法のようなものを整備すべきではないか。例えば、銀行では決済システムの観点から大口株主保有規制をかけているが、各省庁でどう対応するかを検討してまとめていくべき。そういう中で、内外無差別の一般法ができていくのではないか。
  • 甘利議員から、資料を示しながら、諸外国より日本の方がはるかに予見可能性が高い。対日投資を増やすために何を改善すべきか、フォーカスを絞って議論する必要がある。また、自国が決して閉ざされているのではなく、開かれているというPRも必要。買収ルールのあり方は、4年前から経済産業省の企業価値研究会、それから自由民主党でも統治研究会で議論し、提言をしている。それが正しく理解されていない面がある。正しく理解されることが必要。
  • 島田座長から、諸外国の例を踏まえて改革することが必要。何のために直接投資を増やさなくてはならないのかという点が非常に重要。日本は、先進国、途上国含めて対内直接投資が低い。しかも、日本は高齢化が進むので、海外に出て行くことは成長にとって不可欠。ということは、国内を他国以上に開放していく必要がある。そうしないと、日本の将来は維持できないということを総理以下十分に認識してほしい。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 私は、1月のダボス会議で、対日投資を拡大し、日本を世界とともに成長する国にしていくと話した。今日の議論を踏まえて、この秋には内閣府を中心に対日直接投資加速プログラムを改訂し、着実に進めてほしい。有識者会議の提言についても、各省ともしっかり受けとめて、実行に移してほしい。
  • 島田座長から話があったように、フォローアップが大事。今後の動きを経済財政諮問会議でしっかりと検証したい。
  • 更に、グローバル化全般について、民間議員から提案のあった日本の開国指標によって成果を検証しながら進めてほしい。
  • 外資規制のあり方については、海外に対して日本がどういうメッセージを発するかという観点から、政府として包括的に議論を深めてほしい。

 対日直接投資の改訂プログラムについては、内閣府を中心に取りまとめていきます。また、斉藤社長から、東京証券取引所で株主の立場でM&Aのあり方について検討を始めるという発言がありましたので、私からもよろしく頼むと申し上げました。それから、外資規制については、外資を規制すべき範囲や方法などについて、総理の指示を受けて、関係府省連携をとって問題点を整理するところから始めて、年度内に議論を進めていきたいと考えています。

 航空自由化については、民間議員からペーパーに沿った提案があり、冬柴臨時議員から資料に沿って、以下の大変前向きの提案をいただきました。

  • 羽田、成田ともに発着枠を増やしていく。成田・羽田一体で運用できるようにリレー時間帯をつくり、深夜については羽田からの国際線の枠も充実させていく。
  • (資料にはオープンスカイについて書かれていませんが、発言の中で、)航空自由化については、アジアゲートウェイに沿って着実に実施し、まずはアジア各国との間で進めていきたい。
  • 民間議員提案の中では、欧米ともオープンスカイをという提言があるが、欧米については、まず成田ではアメリカの航空会社が既得権を持っている点をどうしていくのか。欧州については欧州委員会とEU各国で意見が統一できていない。こういう問題があるので、欧米の動向を見ながら自由化を考えたい。
  • 民間議員提案の時間帯別料金制については、検討する。
  • 発着枠別取引制度については、発着枠というのは貴重な資源なので、民間に任せると高収益のところにだけ集中して、低収益のところが切り捨てられる可能性があるのを懸念している。
  • 内際無差別枠という民間議員の提案についても、貴重な資源なので、配分を受ける会社の判断だけで国内・国際を決めるというのはどうかと思う。ただ、民間議員の提案なので検討していきたい。

 これに続き、以下の発言がありました。

  • 民間議員から、首都圏の企業にアンケートを取ると、羽田からアセアンに行きたいという希望が高い。日本にとってアセアンは非常に重要なので、まず昼間羽田からアセアンに行けるよう検討してほしい。
  • 民間議員から、特定時間帯を拡大してリレー時間帯をつくったことを評価したい。ただし、アメリカの東海岸など、この特定時間帯の中で対応できないところについては、2010年以降、帰りだけでも昼間の時間帯を使えるよう検討してほしい。
  • 民間議員から、オープンスカイは、アジアと今4つ結ぼうとしているが、アメリカとEUは今年3月に自由化が発効しているので、日本はまだ空は鎖国されていると言えるのではないか。引き続き検討を進めてほしい。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 冬柴臨時議員から、羽田を世界に開き、成田と一体的に24時間運用して国際航空機能を高めるという積極的な提案をいただいた。千葉県を初め、地元との調整に取り組み、首都圏の空港の利便性を拡大に向上させてほしい。
  • 特に発展するアジアの活力を我が国の成長のエネルギーとしていくためにも、羽田からアジアの主要都市への路線が早期に実現することが重要だと考えている。
  • これらの点も含めて、年内に航空自由化工程表を取りまとめてほしい。

 航空自由化工程表は、私からも冬柴臨時議員にお願いをしました。これを受けて、また経済財政諮問会議で議論をしていきたいと考えています。

(以 上)

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