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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第3回会議(平成20年2月15日)

大田大臣

(1) 「新雇用戦略」について

(2) 対日直接投資について

 大田弘子です。本日、今年第3回目の経済財政諮問会議が開催され、新雇用戦略、対日直接投資について議論しました。また、報告事項として、新しい専門調査会の設置について、私から報告しました。

 新雇用戦略については、民間議員からペーパーが出され、女性、若者、高齢者、それぞれについて、目標を設定しながら雇用戦略を講じるべきとされました。また、舛添臨時議員、渡海臨時議員から、それぞれ説明がありました。議論は以下のとおりです。

  • 民間議員から、雇用を増やすことの数値目標を明確に立てて、成長率にしっかりつながるような戦略を立てることが必要。
  • 民間議員から、保育所と幼稚園の両方の性格を持ち、縦割りを超える認定子ども園が、なかなか広がっていないという実態。また、放課後の児童サービスも、厚労省と文科省が異なる施策を講じている。国の一律ではなく、地域の実情に応じて地方が裁量性を持ってできるようにすべき。
  • 民間議員から、最低賃金の遵守状況を厚労省にしっかりとチェックしてほしい。去年、厚労省は、最低賃金の遵守状況をしっかりとチェックしたので、今年も引き続きやってほしい。
  • これに対し、舛添臨時議員から、最低賃金改正法で罰則が強化されたことが抑止力になると思うが、引き続きチェックしたい。
  • 渡海臨時議員から、民間議員ペーパー中の認定子ども園を内閣府に一元化したらどうかという点に関し、内閣府に移すことでうまくいくのか、実施部隊はどうするのか、今スタートしたばかりなので改良していくことが大事なのではないか。また、学校教育法の中で、幼稚園も教育の場であると位置づけられているので、これに保育をどう組み合わせていくのか、しっかりとした議論が必要。
  • 舛添臨時議員から、認定子ども園について、一緒にするという試みはよいが、福祉という見方からの子ども、また教育という見方からの子どもというのを、よくよく議論しなくてはいけない。例えば、インフルエンザなどで学級閉鎖するときに、幼稚園までは学級閉鎖できるが、保育園では閉鎖できないということがある。よく議論していく必要がある。
  • 増田議員から、それぞれの地域の現場では、認定子ども園、あるいは保育所と幼稚園が縦割りになっていることに対して、父母や関係者の不満は非常に強い。認定子ども園という形になっても、根っこが縦割りになっていると、地方では子どもの数が減っているので、お互いに現場では取り合いになってしまっている。父母のニーズに応えることが大事ではないか。
  • 町村議員から、文部大臣をしていたときに、当時の小泉厚生大臣と、縦割りではなく保育と幼稚園というのを一緒にやっていこうと議論して先行準備もしたが、一緒になれないのは補助率の問題。保育は措置なので、国費がしっかりと出るが、幼稚園は教育であって、国費は出ない。この問題が非常に大きい。
  • 民間議員から、保育の分野では、保育に欠ける児童を市町村が認定するという措置というのが根源的な問題で、これを利用者の立場に立ったサービスに変えていく必要がある。かつての待機児童ゼロ作戦は2万人の待機児童を解消しようとした。これは自治体に登録された子どもであって、潜在的な需要はもっと膨大である。このターゲットを大きく広げるには、措置では対応できないので、これを変える必要がある。地方分権改革推進委員会と連携して議論していくことが必要。
  • 舛添臨時議員から、問題になっている措置については、多様な選択肢が当然必要だが、財源問題が絡んでくるし、「安かろう悪かろう」になってはいけないので、サービスの質も含めて、もう少し議論したい。
  • 甘利議員から、地域の産業振興に適合した職業訓練が必要。経産省としても、その観点からの地域人材育成の支援に取り組んでいく。
  • 舛添臨時議員から、少子化対応は財源をどうしていくのか、地方財源についてもどうするのかということを、しっかりと議論しなくてはいけない。
  • これに対し、額賀議員から、新しい戦略をつくるのはもちろん必要だが、その際、既存のものを見直し、有効な方策をつくる。そして、次世代に負担を先送りしないことが必要。
  • 民間議員ペーパー中の、高齢者に関して柔軟な雇用ルールをつくって取り組んではどうかという提案について、最近、労働法制が遵守されていないという問題がいろいろある。高齢者に対する柔軟なルール、あるいは在宅勤務についても、ルールをしっかりとつくる、具体的な仕組みを検討することが必要。
  • これに対し、民間議員から、あくまで柔軟なルールというのは高齢者を対象にしたもので、高齢者という年齢を区切って弾力化する。今、高齢者はもともと非常に不安定な状況に置かれていて、嘱託という形で1年更新の雇用になっている。そこに柔軟なルールを適用して、より安定したよい状態にしていこうというのが趣旨。
  • 民間議員から、子育てしている女性の就業率が下がらないようにするという目標が大事。M字カーブをつくらないということ。そのためには、発想を親の側に完全に転換して、預けたいときに子どもを預けられる、3月31日を過ぎても申請できるという安心感が必要。そのためには措置という制度を大きく変えていく必要がある。
  • 民間議員から、就労という点では、新しい成長戦略で、成長で得られた成果が賃金の引き上げで家計に確実に配分されることが必要。それが消費や住宅投資など、安定成長につながっていく。今、春闘の真っ最中だが、こういう好循環を確立することが、企業にとってもプラスである。収益の状況、賃上げの状況は企業によって異なるが、好循環が企業にとってもプラスという認識を、経営者も中・長期的な視点に立ってしっかりと共有することが重要。

 私からは、以下のようにとりまとめました。

  • 措置や認定子ども園については、まだ意見が分かれているので、引き続き議論したい。
  • 雇用戦略全体については、今日の議論も踏まえて、舛添臨時議員に、次回、数値目標や改革工程も含めて、いわゆる「舛添プラン」を出していただきたい。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • これから日本は人口が減少するが、人口減少の下でも安定した成長を実現していかなければならない。
  • これは大きなチャレンジであるが、うまく活用すれば、日本の経済構造をさらに強くするチャンスでもある。
  • こうした観点から「新雇用戦略」は、全員参加の経済戦略を展開していく上で大きな柱となるものであり、女性、若者、高齢者に対するどの政策分野も重要。
  • 今日、都内の企業内保育所を訪問した。これは理想的にも見える保育所だが、働くお母さんの側からすると、そういう中でもいろいろと問題があるようである。政府としてもいろいろな取組をしっかりと推進していく必要がある。
  • 厚生労働大臣を中心に、新・待機児童ゼロ作戦を推進してもらいたい。
  • 認定子ども園など保育サービスを充実していくことは、生活者の立場に立ってこれを進めることが不可欠なので、舛添臨時議員、渡海臨時議員には、役所の縦割りを越えて知恵を出してほしい。
  • 経済成長の果実が賃金として国民に還元されることは重要な課題で、民間議員から企業もその方向で努力することが重要だという旨の発言があったことは、大変心強い。

 対日直接投資については、民間議員と甘利議員から説明がありました。民間議員から、以下の議論がありました。

  • いろいろな問題はあるが、本質的には事業コストを削減し、期待収益率を高めることが重要。投資協定やEPAも、国内制度の調整などあるが、積極的な対応が必要。企業も研究開発投資を増やして、魅力的な企業とすることが必要。配当性向についても、欧米の企業に比べると、まだまだ改善の余地がある。配当も家計への波及の一つなので、配当性向を高めていく努力が大事。
  • バブルのころは物価や土地が高いことがネックだと言われ、今は物価もホテルコストも安くなったが、やはりなかなかビジネスチャンスがないと言われている。東京は非常によいところだということは認識されているが、スタッフが雇えない、英語を使えるサポートスタッフが雇えない、即戦力になる人材がなかなかいない、ベビーシッターを連れていこうと思ったらビザが下りないといった人の面の問題が大きい。つまり、10のうち8ぐらいまでは、何とか満足できる環境を用意できるようになっているのではないか。ここで何かを思い切ってすれば、急激に対日直接投資を増やせるような環境が整っているのではないか。
  • ソフト面で人事の公平な評価ができていないという問題がある。優秀な若者が、それで日本に来ない。これは官と民が協力してやることが必要。
  • 政府がGDP比5%という目標を掲げてやっているが、仮にその目標が達成されても、海外に比べると相当低い。これを飛躍的に増やしていくための一層のオープンが必要。例えば日本には、人材という点では、まだまだ女性が使われていない状態もある。対日直接投資が増えない背景には、日本の経済社会のひずみといったようなこともあるのではないか。

 私からは、今日の意見も踏まえて、私のところにつくっている対日投資の有識者会議で集中的に議論して、春ごろに取りまとめたいということを申し上げました。

 総理からは、日本が企業活動にとって魅力ある国になることは極めて重要。対日投資拡大に向けて、今日示された論点について、関係大臣でよく検討してほしいという発言がありました。

 最後に、私から専門調査会の設置について報告しました。
前回の諮問会議で、この設置は了解されています。「前川レポート」から、今、20年たって、世界経済はさらに大きく変わっています。「前川レポート」でも、対外収支不均衡を是正する観点から内需の拡大が必要ということが言われ、そのためには労働時間の問題、成果配分をより賃金に向けていくことが必要というような議論がなされました。20年たった今、日本の内需の厚みは、まだまだつくられていません。世界構造、世界の資金の流れは大きく変わっています。そういう中で、「構造変化と日本経済」専門調査会を設置して、日本経済の質的な構造を含めて議論していきたいということで報告しました。
主な論点は、以下のとおりです。

  • 世界的な分業構造や資金循環の変化の下での日本経済が直面する潜在的なリスク
  • 企業と家計の間で好循環が形成され、内需の厚みを増す成果配分
  • ダイナミックに成長しつつ格差のひずみが小さい経済構造のあり方
  • 世界経済の中での日本経済の役割

 メンバーは、諮問会議の専門委員という位置づけになり、総理の任命になります。今後の予定については、今年6月をめどに取りまとめるということにしています。

(以 上)

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