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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第2回会議(平成20年1月31日)

大田大臣

(1) マクロ経済運営について

(2) 経済成長戦略について

(3) 今後の諮問会議の進め方について

 大田弘子です。本日、今年第2回目の経済財政諮問会議が開催され、マクロ経済運営、経済成長戦略、今後の諮問会議の進め方について議論しました。

 マクロ経済運営については、福井議員から、展望レポートの中間レビューと昨年来の金融資本市場の動きの説明がありました。また、内閣府から、やや中期的に2000年以降の世界の資金の流れと日本の金融資本市場が抱える問題点を説明しました。
今、足元の金融資本市場の動向に目を奪われがちで、そのことはもちろん最大限の注意で見ていかなくてはいけませんが、こういうときだからこそ中期的な金融資本市場のあり方を見ていくことも重要で、そういう観点から資金の流れを説明しました。

 これに対して、以下の発言がありました。

  • 民間議員から、欧米ではサブプライム住宅ローン問題を中心に危機感が高まっている。日本では直接的なサブプライム住宅ローン問題の影響はそれほどないので、日本の置かれている状況は微妙に異なるが、G7では危機感を共有して改革の方向性をともに見出し、その上で各国が最善の手法を活用することが重要。議長国としてリーダーシップを発揮してほしい。
  • 民間議員から、こういう世界的なリスクに日本が翻弄されない強靭な経済構造をつくる必要がある。原油価格については、成長と環境の両立を図ることが必要。国際的な景気変動に対しては、国内志向を強めるのではなくて、資金、人材、市場を国内に取り込むことが重要。そのための魅力を高めることが重要であり、国際化が遅れているところにしっかり取り組んでいかなくてはならない。また、海外資金の変動については、国内からの市場参加者を持つことが重要で、確定拠出年金の改革が重要。例えば個人拠出を増やすことは、個人が貯蓄から投資に移る第一歩になる。
  • 民間議員から、福井議員から生産、所得、支出の好循環が維持されているという話があったが、やや違和感がある。
  • これに対して、福井議員から、リスク要因は最大限に注意して見ていかなくてはいけないが、経済の実体については、恐怖感で処理するのではなくて、冷静に見ていくことが必要。生産、所得、支出のメカニズム、そして生産、出荷、在庫のメカニズムを十分注意して見て、ここに前向きのメカニズムを維持していくことが必要。
  • 民間議員から、こういうときに株価対策、景気対策という名のもとにばらまきが行われることは避けねばならない。これは改革への逆行として日本売りを招きかねない。こうしたときこそ危機感を持って改革を進め、日本経済の成長力を高めることで、投資家にとっての魅力をつくっていくことが必要。
  • 額賀議員から、秋のG7で証券化商品とかリスク管理についてテーマを与えて調査している。その中間報告をG7では求めて、率直な議論をしたい。サブプライムローンの問題が実体経済にどのような影響として出てくるのか、各国の意見を聞き、どういう対応策をとっていくのか、どういうメッセージを出していくのがよいのか議論していきたい。欧州と米国でも認識が違う点もある。日本は直接的な被害は少ない、バブルの経験もあるので、しっかりリーダーシップを発揮して、議論を進めたい。
  • 甘利議員から、過剰流動性の問題でこういう事態が発生している。アメリカ一国に資金が集中するという状況が起こっており、今後、アジアの実体経済にそういう資金が流れていくような手法を開発していくことが必要。その一つとして、先日、アブダビと日本との間で覚書を交わし、アジアプロジェクトに一緒に投資をしていく日・UAEの投資促進の合意がなされた。今後、アジアに資金を流すためには、1.アジアでの経済制度の整備、2.環境を含めた技術協力、3.人材育成が必要なので、成長戦略にも描いている「アジア経済環境共同体構想」をしっかりと進めていきたい。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 日本経済の現状を見ると、賃金がなかなか上がらず消費に弱さがある。それに加えて、世界の金融資本市場の動揺が続き、米国経済に減速が見られるので、当面細心の注意で経済動向を見ていかねばならない。そして、状況に応じて迅速に対処する構えを持つことも重要だと考えている。
  • 政府と日銀は、緊密な連携をとるようお願いしたい。
  • 足元の問題への対応と平行して、今日の報告にあったように、中期的な観点から日本の金融資本市場をより厚みのある魅力的なものにする改革が不可欠。今回のサブプライムローン問題をきっかけに、日本経済のリスクを冷静に点検して、緊迫感を持って改革に取り組みたい。
  • 額賀議員と福井議員におかれては、G7もあり、欧米だけではなくアジア太平洋諸国との連携もしっかりとって、アジア経済への波及を最小限に食い止める努力もしていかなくてはならないのでよろしく頼む。

 経済成長戦略については、私から説明しました。これは、前回の議論を踏まえ、その後の総理の施政方針演説、ダボスでの発言などを踏まえて、総理と相談しながら作成したものです。簡単にスキームだけ説明します。

  • 成長力を高めるには、1.弱みを克服しなければいけない、2.強みを更に伸ばさなければいけない、3.外から成長エネルギーを取り込まなければいけない、この3つが必要ですが、強みを更に伸ばすというのがこの戦略1の革新的技術創造戦略。
  • 弱みを克服するというところで、やはり日本の弱みはサービス産業の生産性が低いことなので、サービス産業の生産性を高め、あわせてサービスに対する消費者の潜在的需要、潜在ニーズに応えていく。日本が直面する課題が人口減少なので、そういう意味で全員参加の労働市場をつくっていくことが必要。これが3つ目の全員参加の成長戦略という部分。
  • 海外の成長エネルギーを取り込むのがグローバル化戦略。

 これまで安倍内閣のもとでも成長戦略を実行してきましたが、それを例えばグローバル戦略のように更に強化した部分もあります。今回新たなアプローチで総理の理念のもとに加わっている点として、私は以下の3つがあると思っています。

  • 環境を明示的に成長に結びつける鍵にしているという点。
  • 例えば異業種間の連携など、つながりというものを大事にして、全員参加というものを明確に打ち出している点。
  • 生活の場からの成長という考え方を出している点。それが、例えば持続可能なライフスタイルであったり、あるいは生活直結型のサービスを革新していくというようなこと。

 これに対して、以下の発言がありました。

  • 民間議員から、成長戦略のうち実行できるものはなるべく早くやっていくべき。この成長戦略の中には、戦略取りまとめは春を目途にして、それを「骨太方針」にしっかり書いていくが、取りまとめ前でも実行できるものはやっていく。取りまとめ後、すぐに実行できるものは当然すぐにやっていく。その上で、法改正などを要するもの、これについてもできる限り早くやっていく。
  • 民間議員から、消費者の観点に立った規制改革ということも書いてある。電力、ガスが値上がりすることになっているが、電力やガスも競争を通じた効率化が必要で、公益事業の規制改革を消費者の視点から進めることが必要。
  • 2人の民間議員から、グローバル化という観点で、空港会社の外資規制が今法案をつくる段階で議論がなされているが、グローバル化の観点からは、内外無差別が必要ではないか。国際的な視野から検討してほしい。
  • 甘利議員から、iPS万能細胞のような画期的な技術は、少しでも遅れると国際競争に遅れてしまうので、各省ばらばらではなくて、総合科学技術会議、諮問会議などが連携をとって、大胆かつスピーディーな仕組みをつくっていくことが必要。また、地球環境との共生について、その取り組みについては、実行可能ですべての主要排出国が参加する公平な目標の設定が重要。
  • 増田議員から、ITとICTという2つの使い分けがあるが、これはICTで統一すべき。また、情報通信のための各種制度の見直しが大変重要で、行政手続のオンライン化とか、こういうものを一挙に進めていかなくてはならない。
  • 民間議員から、グローバル戦略でEPAをしっかり進めることが必要。例えば、韓国が米、EUとEPAを発効させると、日本の競争力ある企業には不利益。当然、EPAを結ぶことで不利益を被る生産者や産業もあるわけで、そこには手当が必要。トータルパッケージでFTAの進め方を組み立て、各省横断で取り組む必要がある。また、航空自由化では、アジア・ゲートウェイ戦略で、羽田では欧米を含めたチャーター便を飛ばすことになっているが、実績がないので進めるべき。
  • 労働分配率について、今賃金がなかなか上がらずに消費の力強さが欠けているので、成果配分が重要だという認識を共有する必要がある。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 経済成長戦略については、政府を挙げてできるものから着手、実行してほしい。
  • 今後、経済成長戦略を審議する中で、更に早期に実行できるものがあれば、それも積極的に実行に移していきたい。よろしく頼む。

 今後の諮問会議の進め方については、全く時間がなくなってしまいましたが、私のペーパーを取りまとめる段階で、出席している省庁とは既に事務的にも調整をしていますので、これで了承いただきました。

(以 上)

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