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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第30回会議(平成19年12月14日)

大田大臣

(1) グローバル化改革(金融・資本市場)について

(2) 規制改革について

(3) 新成長戦略について

(4) 「日本経済の進路と戦略」(原案)について

 大田弘子です。本日、今年第30回目の経済財政諮問会議が開催され、グローバル化改革(金融・資本市場)、規制改革、新成長戦略、日本経済の進路と戦略(原案)について議論しました。

 グローバル化改革(金融・資本市場)については、渡辺臨時議員、民間議員、甘利議員それぞれからペーパーに沿って説明があり、その後、以下の発言がありました。

  • 若林臨時議員から、取引所法制の一元化については、取引所は産業インフラであり、農業の政策とリンクして運営されねばならない。上場の自由化については、作柄の変動や需給ギャップに応じて米対策などと連携をとってやらなくてはいけないので、大臣が認可するのが妥当であり、反対。
  • 民間議員から、取引所の競争力のためにはソフト面の改革が必要。手続を柔軟にする、英語を容認するといったことが必要。
  • 民間議員から、若林臨時議員からの米対策などと連携をとらなくてはいけないから米の商品上場は難しいという発言に対し、生産調整が終わった時点から取引を開始するような先物があっていいので、生産調整があるから上場できないということとは違うのではないか。
  • 若林臨時議員から、これに対し、これまで生産者団体で米の生産調整を行ってきているが、今年は過剰のために米価が下落した。政府の介入が今年は必要になったわけで、来年からは国や県、市町村も含めて生産調整をやっていく必要があると考えている。こういう生産調整の仕組み・枠組みとかかわってくる。他の農産物も、それぞれ生産や流通の施策と関係しているので、自由というわけにはいかない。

 この問題は、前回議論したときも同じような議論がありました。今日は時間もありませんでしたので、この点については引き続きの議論ということにしてあります。

 また、民間議員から提案のあった取引所の連携・融合について、民間議員は平成20年度中の実現が望ましいと提言しています。これに対して、甘利議員からは、平成20年度は無理かもしれないが、できるだけ早くやりたい。若林大臣からは、1年程度かけて検討をする必要があるので拙速は避けるべきであり、20年度は難しいのではないか。という発言がありました。

 私からは、渡辺臨時議員に、今日の議論も踏まえて最終的な精査をして、年内に取りまとめていただきたい。そして、金融・資本市場改革はスピード感が必要なので、法制の問題など、なるべく早く議論を進めていただきたいとお願いしました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 優れた金融・資本市場を持てるかどうかは、国力に直結する時代になっていると思う。
  • 外国人を含め市場関係者からの問題提起に真摯に耳を傾け、世界に誇れる市場となるよう、法制度の整備をはじめ、改革をしっかり進めてほしい。

 規制改革については、岸田臨時議員、草刈規制改革会議議長、舛添臨時議員、民間議員からペーパーに沿って説明がありました。草刈議長のペーパーの中で、特に混合診療がクローズアップされています。舛添臨時議員からは、混合診療については原則自由ということではなく、基本的合意に沿った枠組みで更に進めていきたいという説明がありました。民間議員からは、以下の発言がありました。

  • 基本的合意があったにもかかわらず、なかなかそれが実行されていない。民間議員ペーパーにもあるように、基本的合意には含まれていない薬事法の認可がなくてはいけないという条件が、保険局医療課長通達によって挿入されている。そして、現実には逆に保険診療と併用可能な保険外診療が縮小しかねないという事態も生じている。したがって、まずこの薬事法の認可は解除すべき。原則禁止ではなく原則自由にして、どういう条件が必要かを考える必要がある。
  • 混合診療には患者の立場から3つのメリットがある。選択の幅が拡大する、最先端医療にアクセスできるようになる、自己負担が軽減される。逆にこれが禁止されていると、保険診療部分まで自己負担できる人しか先端医療を受けられなくなり、逆に今の方が金持ち優遇になっている。患者が受けるメリットを考えると、徹底的に医療情報を開示し、原則自由にすべきではないか。

 民間議員提案にある薬事法認可の条件を早急に解除するという点について、舛添臨時議員は、早急に見直したいということでした。
草刈議長からは、先日東京地裁の判決があったが、原告の人は今も治療を受けているわけで、時間的に早く手を打ってほしいという発言がありました。

 混合診療については、すべてオーケーということではなく何らかの条件整備が必要であるという点、皆保険という枠組みはしっかり守っていくという点については、全員の意見は一致していました。それを原則自由の上で条件をつけていくのか、条件をつける形で解禁していくのかという原則の立て方については、意見は一致していませんでしたが、条件整備をしっかりしてルールのもとで混合診療を拡大していくという点については、一致していました。
また、少なくとも平成16年の基本的合意を実効性ある形で実現するということについては、意見の一致を見ました。舛添臨時議員も、課長通達を早急に見直し、民間議員提案にあるように、基本合意の後、混合診療はどれぐらい認められてきたのか、金額も含めて検証をしっかりやるということでした。

 岸田臨時議員からは、期限を決めながらやっていく必要があるという発言があり、舛添臨時議員も、期限をしっかり決めながらやっていきたいということで、私からも両大臣で今後調整をよろしくお願いするということを申し上げました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 混合診療の問題は、患者の立場に立ってどうするかという視点を大事にして、平成16年の基本的合意をしっかりと実現させてほしい。建設的な成果が得られるよう、岸田大臣、舛添大臣の間で最終調整をしてほしい。
  • 暮らしの安心や豊かさに関連する分野、例えば子育て支援などは、規制のあり方が大きな意味を持つ。規制改革会議で精力的に取り組んでいただいて、一定の成果が得られつつあるけれども、今回の成果を踏まえ今後も粘り強い取組をしてほしい。

 新成長戦略については、私から基本骨格を説明しました。これは総理の考えを踏まえて甘利議員とも相談しながらまとめたものです。この1カ月ぐらいの間、総理のお考えを何度も何度も伺って、ほぼ100%、総理のお考えが盛り込まれたペーパーになっています。キーワードだけ少し説明します。

 現状、景気は回復が続いていますが、内向き、縮み志向の悪循環が生まれています。それを好循環にしていくためには、まず目標を共有するということ。それから、自立と共生のメカニズムを発揮するということです。この「共生」というのは、全員参加型の成長ということで、都市や大企業や勤労者だけの成長ではなくて、都市も地方も、老いも若きも、大企業も中小企業も全員参加型で成長していく、ともに成長するということが大事です。ただつながるだけでは、もたれ合いになったり護送船団になったりしますので、それぞれの主体が自立をして強みを発揮することで、つながりは相乗効果というパワーを持ちます。これを総理は「つながり力」という言葉で表現しています。
この「つながり力」を鍵にして、世界とともに発展するオープンな国、人生90年時代を安心して生活できる国、人口減少下でも成長を持続する国という3つの目標を立てています。この3つの目標を実行していくことで、人口が減少する中にあっても、現在と同じぐらいの実質2%の成長を何とか視野に入れられるような形をつくっていきます。
この3つの目標に共通する経済社会の基盤として、環境と調和する経済社会ということが不可欠です。日本は、環境ということに対しては、既に省エネルギー技術でトップに立っているわけですから、これからもこの環境を経済成長のパワーにしていく、社会全体で環境に配慮するマインドを共有して新しいライフスタイルをつくって世界に提案していく、環境の分野でイニシアチブを発揮していく、あるいは環境技術を初めとしたイノベーションで世界のトップ水準を維持していくといったことを「環境力」という言葉で表現しています。
この3つの目標を実現するような経済社会の姿として、全員参加型の経済、強みを伸ばす経済、世界とともに成長する経済、こういう姿を実現していきます。そして、戦略の柱としては、全員参加型の共生戦略、強みを発揮する自立戦略、グローバル戦略。この柱に沿ってこれから具体的な政策をつくっていきます。

 この成長戦略について、私からの提案の後、民間議員、甘利議員、増田議員からも提案がありました。民間議員ペーパーにも、年明け早々に民間議員から具体的な政策提案がなされるとあり、それを受けて諮問会議で議論をしていきます。その後、以下の発言がありました。

  • 民間議員から、縮み志向であるとか世界のダイナミックな変化から取り残されているという悪循環について、内向きになり、悪循環の中にあるという危機感が共有されていないということが大きい問題。変化する時代は、民間議員提案にあるように、特区の形で思い切ったことをやることが必要。そして、縦割り行政を打破することが必要で、例えば再生医療などを認める最先端医療特区あるいは飛び級を認める最先端教育特区、あるいは最先端農業特区などが必要。
  • 民間議員から、成長を実感できるということが推進力になるので、実践的な国家的プロジェクトが必要で、例えばその代表として世界最高水準の電子政府をつくっていくというようなプロジェクトが必要。
  • 民間議員から、わかりやすいメッセージ、例えば親の代より子供の世代は豊かになるようにとか、ハイクオリティーとか、わかりやすい言葉で夢を呼ぶような成長戦略にする必要がある。
  • グローバル化を進めるとき、その成長の源として日本が魅力あるかどうかということが重要。内外すべての人にとって、日本という舞台が自己実現の場としてポジティブに受けとめられているかどうかということが重要で、そういう意味では日本の経済社会というのは海外の資本や人材を受け入れることに消極的。国内の人材を育成するだけではなく、国外の人材を受け入れ、切磋琢磨して摩擦を克服することで社会が強靱になるということが必要。
  • 人口が減る中での経済成長は大変重要。戦後は組織の時代だったが、これからは個人の輝く時代にならなくてはいけない。すべての人が能力を発揮し、世界のレベルを目指していくことが大事。

 私からは、民間議員に、年明け早々に具体的な政策項目を提案してほしい、それを受けて諮問会議で議論し、なるべく早く成長戦略の形をつくっていきたいと言いました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 活力を持って、目標を定めて経済社会を営んでいく国になってほしいと思っている。しかし、20年近く成長率も横ばいという状態で、そういう活力は失せているのではないか。その間、周りの国々は数倍のスピードで成長している。国民は何となく足りない思いをしている。
  • 経済成長の国でないと、格差が目立ってしまう。格差であるとか、そういうものを克服するためにも経済成長が大事である。そのために何をするかということがポイントで、今日の意見はいろいろ参考になった。良いものをつくっていきたい。

 日本経済の進路と戦略(原案)については、了承されました。なお、額賀議員から、2010年代半ばにどういう国になっているのか、どういう財政の状況になっているのか、この展望が必要である。財政展望、将来展望を踏まえながら、「進路と戦略」を取りまとめてほしいという発言がありました。

 私からは、以下のとおり、とりまとめました。

  • 「進路と戦略」自体は、昨年既にスタートした中期展望。今回その原案をつくるに当たって、各省から災害対策、治安、文化、芸術、スポーツの振興といった、いろいろ盛り込むようにといった意見はいただいているが、昨年の「進路と戦略」に既に盛り込んでいるものについては、一体として実行していくことになる。
  • 今年の「進路と戦略」については、福田内閣として目指すべき姿、特に強調すべき施策を盛り込んで取りまとめていきたいので、御協力をお願いしたい。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • これからの人口減少や内外の環境変化を考えると、今後10年程度の経済のあるべき姿を念頭に置きながら、安定した成長と財政再建の両方を進めていく必要がある。引き続き調整をお願いする。

(以 上)

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