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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第29回会議(平成19年12月3日)

大田大臣

(1) 平成20年度予算編成の基本方針について

(2) 「日本経済の進路と戦略」(事項案)について

(3) 地域経済建て直しの新プランについて

(4) 「成長力底上げ戦略」について(ジョブ・カード、最低賃金等)

 大田弘子です。本日、今年第29回目の経済財政諮問会議が開催されました。今日の議題は、平成20年度予算編成の基本方針、日本経済の進路と戦略(事項案)、地域経済建て直しの新プラン、成長力底上げ戦略です。

 平成20年度予算編成の基本方針については、格別の発言もなく、案どおり了承されました。その後、総理から以下の挨拶がありました。なお、この基本方針は、明日閣議決定の予定です。

  • 平成20年度予算編成の基本方針の答申をいただきました。
  • 本日決定された平成20年度予算編成の基本方針は、福田内閣が目指す希望と安心の国の実現に向けて、政府一丸となって成長力強化に取り組むとともに、歳出改革の努力を決して緩めず、歳出の無駄の排除を徹底すること、あわせて活力ある経済社会の実現、地方の自立と再生及び国民が安全で安心して暮らせる社会の実現に重点を置き、メリハリの予算配分を行うことなどの方針を示したものです。
  • 早急に閣議決定し、これを政府の基本方針として、平成20年度の予算編成作業を進めていきます。

 次いで、平成19年度の補正予算の議論をしました。まず、額賀議員から、以下の発言がありました。

  • 19年度の補正予算については、18年度税収の決算額が補正後予算額を1.4兆円下回った経緯もあり、本年度も補正後予算額が当初予算額を下回る可能性がある。
  • 更に、前年度剰余金や税外収入の増などを含めても、近年になく厳しい財政状況にある。
  • そうした中で、今年度発生した災害の復旧、義務的な経費の増加など、やむを得ない追加財政需要に対応することとなるが、財政規律を緩めることのないよう、公債の増発は行わないことを基本として編成作業を進めてまいりたい。

 民間議員からは、以下の発言がありました。

  • 歳出圧力が高まっているが、ここで改革を中断することはできない。第1に、補正予算というのは、当初予算で想定できなかった緊急事態に対して必要最低限の施策に限定して対処するという原則を守るべき。第2に、最近、景気の先行き懸念が言われ始めたりしているが、景気を支えるために官で予算を積みますという予算措置は行うべきではない。第3に、前回の諮問会議で概算要求基準や「基本方針2007」をしっかりと守って平成20年度予算を作り上げることが確認されたところなので、補正予算において新たな国債発行によって歳出増を支えるということがあってはならない。この点を受けて、財務大臣には尽力してほしい。
  • 19年度予算の5原則を「進路と戦略」にも「骨太方針」にも書いてあるが、これをしっかりと守るべき。その中にも国民の説明責任という原則がある。国民がいささかの疑義も抱くことがないように、国民への説明をしっかりとすべき。
  • 国債の追加発行はぜひ避けるべき。ここで手を緩めると、改革が後退するのではないかということで、日本に対する海外の評価が悪くなる。だから、国債の追加発行はぜひやめるべき。ここで財政規律を緩めてはならない。

 以上の議論を受けて、額賀議員から、財政規律はしっかり守る、公債の追加発行はしないという発言がありました。

 以上のとおり、議論の中で、国債の新規発行を行わない、必要最低限の施策に限定して対処するという明確な方向が出されました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 補正予算についても、財政健全化の例外ではない。補正予算のために新たな国債発行をすることは考えていない。
  • 国民生活の安心・安全に緊急に必要となる施策には対応しなければならないが、真に必要な歳出に限定して、財務大臣は編成を進めてほしい。

 日本経済の進路と戦略(事項案)については、私から説明しました。これに対して、以下のような発言がありました。

  • 民間議員から、成長戦略を今度の中期方針に加えていくが、この役割は社会や経済に漂う閉塞感を払拭して、日本の社会に希望を与えるようなものでなくてはならない。それには、国の形を変えるインパクトを持つものが必要。世界経済の変化に取り残されないように、日本の持つ強みを生かしていくことが必要で、世界最高水準にある環境技術やナノテクなどを生かしていくことが必要。一方で、人口減少、高齢化、あるいは地域間の格差といった弱みをチャンスに変えていくことも必要で、EPAや国際協力によってアジアの資源や成長力を取り込んでいくことが必要。成長戦略の実例として波及効果がよく見えるようなプロジェクトが必要で、例えば世界最高水準の電子政府というのを断固として実行することで、大企業から中小企業にITが波及し、行政改革も進む。人材が中央から中央に流れていくことにもなる。
  • 民間議員から、日本の強みの1つは中間層労働力の質の高さだった。それが、バブルの崩壊などで、この中間層の弱体が生じているのではないか。人に頼らずに、自己責任、チャレンジスピリッツを持つために、目指すべき改革の先に見える姿を明確にしていくことが必要。それが、総理の言われる自立と共生の日本の姿ということになるだろう。最近「くれない症候群」というのが言われている。何とかしてくれない、政府が何してくれないという「くれない症候群」ではなくて、自分の力で立ち、そして更に大企業や中小企業が共生していくような姿を描く必要がある。中間層の元気な姿、そして海外においては信頼された国・日本という姿を出していく必要がある。今日より明日がよくなるという気持ちを国民が持つには、忍耐強く語りかけることが必要。
  • 甘利議員から、目指す経済社会の姿として、この事項案にある3つの点-成長力の強化、地方の自立と再生、安心できる財政・社会保障、行政の構築-は、3つばらばらではなくて、一体として取り組むことが必要。足元の経済としてサブプライム住宅ローンの問題、原油価格の問題、改正建築基準法に伴う混乱といった問題があるので、今こそ福田内閣として成長ビジョンをしっかりと出して、国民に安心を与えるべき。そのときに、大企業とか都市という伸びるところを伸ばし、一方で中小企業を底上げするというような大企業と中小企業を別々にした戦略ではなくて、大企業と中小企業、都市と地方、互いにコラボレートして、相乗効果を発揮させるようなプランが必要。今後の検討は経済産業省としても知恵を絞って最大限の貢献をしたい。
  • 額賀議員から、今日の民間議員の提案の中に、財政に関わることとしては、2011年度のプライマリーバランス黒字化をきちんと達成していくということが書かれているが、これは財政健全化の最終的な目標ではない。第3期として、2010年代半ばを念頭に、債務残高の対GDP比を引き下げていくということも視野に入れてまとめるべき。
  • 民間議員から、当然、第2ステップ、第3ステップ、この既定方針は実現していく方針に変わりはない。ただ、その前提としては、税と社会保障の問題や税制改革も同時に考えて、全部セットしていかなくてはいけないので、2~3週間で議論できるものではない。既定方針はこれまでどおりで、それに向けて今後も議論していく必要がある。

 私からは、以下のとおり、とりまとめました。

  • 以上の議論を踏まえ、次回の諮問会議で原案を示したい。
  • この中期方針は、来年1月に取りまとめ、閣議決定したい。
  • 経済財政の姿がどうなっているのか、足元と展望、いずれにおいてもわかりやすく示していきたい。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 今回の中期方針は、この内閣の初めての方針となる。
  • これからどういう国を目指すのか、そのためにどのような基本政策、これは経済政策も含めて、基本政策をどういう形で考えるのかを示していく。
  • 国民にわかりやすく示すことが非常に大事である。
  • 今後、諮問会議で新しい成長戦略についても議論を行いたいと考えているので、その基本的考え方などについて、中期方針に盛り込んでほしい。

 地域経済建て直しの新プランについては、増田議員と甘利議員から、資料に沿って説明がありました。民間議員からは、以下の発言がありました。

  • 大事なのは、地方がみずから考え実行できる体制。住民とかNPOなど、自立の精神と挑戦の気持ちが強いところは、地方再生もうまくいっている。地方のそこに住んでいる人がこのまちをよくしようと考えることが大事で、中央からお金を出すというだけではだめ。地方が自立しようとしているところをしっかり支援し、応援していくことが大事。
  • 地方会議の印象として、そこの消費者が何を望んでいるのかという、消費者・住民の視点に立って改革したところが成功している。例えば、商店街でも一番大事なのは、土地の所有権等の権利の調整。これは国から言われてやるようなものではなく、地方の住民自らどういう方式があるかを考えて編み出しているところがうまくいっている。規制など阻むものがあれば取り除くのが行政の役割だが、機動力があるのは住民。併せて国際的な視点が必要。一昨年から去年にかけて地価が上がったのはニセコ町だが、これはオーストラリア資本が入った。外国との連携をとって、新しい需要を生み出していくことが大事。
  • 増田プランがしっかりと実効性を伴うように、事業の事後検証、PDCAが大事。

 成長力底上げ戦略について、私から簡単に推進状況を説明し、民間議員から提案の説明がありました。これに対して、以下の発言がありました。

  • 民間議員から、ジョブ・カードについては、人口が減る中で職業能力の向上というのは大変大事なので、国を挙げて職業能力の向上に取り組んでいかなくてはいけない。ジョブ・カード構想の要となるのは、企業のOJTなので、少しでも多くの企業が参加できるように、私たちも呼びかけている。来年度からの実施に向けて、既に複数の企業が先行的な取組を初めている。これからもなるべく多くの企業が参加できるようにしていきたい。政府の対応としてお願いしたいのは、職業能力の評価手法を標準化して、全国で通用するような信頼できる評価にすること。
  • 甘利議員から、成長力底上げ戦略について、中小企業の生産性向上プロジェクトは、数値目標の達成に向けてしっかりと取り組んでいきたい。ジョブ・カードについては、労働大臣のときに、職業能力開発訓練を全部総点検せよと指示したことがある。雇用側が欲しがっているスキルになっているのかどうか点検しなくてはいけない。指導員の給料のためのリストではなくて、企業がどういう能力、どういうスキルを望んでいるかということをきちんとリストにして、客観的な評価の仕組みをつくっていく必要がある。ジョブ・カードではぜひそこをしっかりとやってほしい。
  • 民間議員から、最低賃金は、地域の労働者の生計費を基準にして決めるべき。適正な水準になるように、早期の合意形成を目指して円卓会議で議論してほしい。

 以上の議論を踏まえて、今後も成長力底上げ戦略を進めていきたいと考えています。

(以 上)

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