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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第27回会議(平成19年11月14日)

大田大臣

(1) 社会保障制度と財源のあり方(社会保障と税)について

  1. 医療・介護のコスト構造是正策について
  2. 議論の整理について

(2) 地域経済の建て直しについて(地方分権改革)

(3) 平成20年度予算編成の基本方針(事項案)について

 大田弘子です。本日、今年第27回目の経済財政諮問会議が開催され、医療・介護のコスト構造是正策、地方分権改革、平成20年度予算編成の基本方針(事項案)について議論しました。

 医療・介護のコスト構造是正策については、「基本方針2007」で医療・介護の質向上プログラムがまとめられていますが、舛添臨時議員からその進捗状況について報告がありました。これに続き、民間議員から診療報酬体系の見直しにポイントを絞って5つの提言がなされました。その中にも含まれている公立病院の改革については、増田議員から説明がありました。その後の議論は、以下のとおりです。

  • 民間議員から、医師不足に関して、都道府県で医学部の定員が決まっているが、過不足のない医療体制のためには、各都道府県で決められるようにすべき。民間議員提案にもあるように、ホームドクター制度が非常に重要。プライマリーケアで大病院に行ったりすることがないように、主治医制度をつくる必要がある。また、後発医薬品について、抵抗感をなくすように国でもキャンペーンを行っていかなくてはいけない。あわせて、新薬の投資回収がもっと短期にできる仕組みが必要ではないか。
  • 民間議員から、子供を生み育てることへの不安が広がっていて、産婦人科医が不足している。これに対しては、経済的なインセンティブをつけることが大事で、供給を増やしたい分野については診療報酬でメリハリをつけること、あるいは無過失保険を導入することが必要。
  • 額賀議員から、医師不足対策には財務省としても取り組んでいくが、全体としてメリハリをつけることが必要。
  • 舛添臨時議員から、民間議員の提案は、既に実施していたり、あるいは実施したいものばかり。民間議員から話のあった新薬承認の投資回収の期間を短縮するというのも、5年後には1年半になって、米国並みになる。また、公立病院の改革も、これまで医療ネットワークの中核にあったために官でやることの権威とか安心感があったが、改革を進めていかなくてはいけない。民間議員の提案には同意。
  • 舛添臨時議員から、厚労省が医者の数を足りていると見るのか、過剰と見るのか、そこははっきりさせて、文科省と共通認識を持つ必要があるのではないかという意見に関し、医師が足りているのか、不足しているのかというのは、分野ごとに違うが、個人的にはもう抑制は限界に来ていると思う。今後は全体として増やす方向が必要ではないか。

 民間議員から提案があったことを含めて、メリハリをつけたコストの構造改革、あるいは診療報酬の設定などが不可欠であるということで、全体的に合意が得られました。

 これに続き、これまでの社会保障と税の一体見直しの議論の整理をして、今後の議論の土台につなげたいということで、私から議論の整理のペーパーを出しました。5つの原則に沿って、これまで議論され、合意が得られたことを述べています。発言としては、以下のとおりです。

  • 舛添臨時議員から、原則2の受益と負担の世代間格差の是正に関し、これから給付を維持するには負担を増やしていかなくてはいけない、負担を増やさないとすると給付を減らさなくてはいけない、こういう厳しい状況認識を出発点として知恵を絞るべき、という部分について、負担全体が減るわけではないので、公的な給付が減れば、個人負担に変わっていくという点は押さえる必要がある。
  • これに対しては、民間議員から、個人の負担であれば、出す、出さないの選択の余地があるという点も押さえる必要がある。
  • これに対して、舛添臨時議員から、これはバランスが大事。
  • 舛添臨時議員から、世代間の受益と負担、給付と負担に関し、所得の高い高齢者に対しては相応の負担を求めるという部分について、自己負担のところでは所得のある高齢者とそうでない人で既にやっているという点も押さえておきたい。

 全体的には共通認識が得られていますので、この議論を土台にして、今後も議論を進めていきたいと思っています。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 医療・介護のコスト構造是正策について、診療報酬の見直しというのは、30兆円を超える医療費の配分を決めるということなので、大変重大な問題。厚生労働大臣には、国民の安心のために必要なところは充実させる一方、効率化できるところは大胆に削るという明確な姿勢で臨んで、リーダーシップを発揮していってほしい。
  • 議論の整理について、社会保障と税と一体的な見直しは国民生活や働き方に直結している。引き続き議論を深めていく必要がある。これまでの議論の整理を土台として、今後もよろしくお願いしたい。

 地方分権改革については、委員会の委員長である丹羽議員から、これまでの中間的取りまとめが報告されました。また、民間議員からペーパーが出されました。議論は、以下のとおりです。

  • 増田議員から、民間議員の提案には大体同じような意見を持っている。自治事務についても、義務付けや枠付けといろいろあるので、この解消が何より重要。委員会で見直しの共通基準をつくるということもやっておられるようなので、ぜひよろしく頼む。また、地方支分部局の見直し、権限委譲、これはぜひ重要。総務省でも、諮問会議でも、この地方分権の推進に積極的に取り組む必要がある。
  • 額賀議員から、民間議員の提案にある税源移譲して将来の国と地方の税収比を5対5にするという提案に関し、理想的ではあるが、現実的には現在も交付税の配分後は4対6になっており、これを5対5にすると財政力格差は拡大する。これをどう是正しながら将来に向かって議論していくかという、この現実的な対応が必要。
  • 民間議員から、地方分権で地方の自由度が増すということは、規律を伴う。地方債など、その規律を市場を通して働かすことを考えていかなくてはならない。民間議員提案にもあるが、地方債を自由化したときには、国の暗黙的な保証を外すことが大事。地方債の金利差が地方の信用力をあらわすようにしていくことが必要で、地方債を発行する段階で投資家がその自治体に投資するかどうかを判断できるようにする必要がある。したがって、国は自治体の債務不履行には救済しないという原則をつくっていく必要があるのではないか。
  • 増田議員から、地方債の発行を自由化し市場の規律に委ねるという方向には賛成だが、そのためには地方の財政基盤の拡充が必要。これを段階的にどういうステップでやっていくのか、社会資本に対する財政措置をどうするのか、こういうことを考えていかなくてはいけない。

 こういう議論に対して、丹羽委員長の方から、今日の議論をよく理解している。これから順次勧告をまとめていくので、委員会のスケジュールの中で期待に応えるよう進めていきたいという発言がありました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 本格的な地方分権には各省の抵抗が非常に大きいが、福田内閣においても大胆に進めていきたい。中間的取りまとめは、これからの地方分権のあり方を示す重要な第一歩となるもの。丹羽委員長には、内容をより具体化して、地方出先機関の抜本改革を含めた一段の議論をお願いしたい。
  • 増田地方再生担当大臣には、政府全体の合意形成に向けしっかりと議論を進めてほしい。国の関与をなくしていくためにも、地方みずからが人材を育成し、経済的にも自立してけるよう努力することが大事。

 平成20年度予算編成の基本方針(事項案)については、私から説明しましたが、以下の意見がありました。

  • 額賀議員から、歳出・歳入一体改革を進め、その上でプライマリーバランスをしっかり守っていきたい。この事項案の中で分野別に公共事業、社会保障、地方財政などが挙げられているが、今年は教育が大きい問題。教職員を増やすことについて、基本的には平成になって子供の数が500万人減っており、これに対応させることが基本的な方向ではないか。
  • 増田議員から、教職員の増員について、地方の現場で混乱が生じている。行革推進法との関係で、教育関係者を含む公務員については、目標を定めて全体として純減を実行中。ここで増加するという案が出てくると現場が混乱するので、混乱しないようにしていかなくてはいけない。
  • 町村議員から、かつては文部大臣だったので、あえて一言申し上げたい。一人一人にかける時間がかなりかかるようになっている。かつては、教員はクラス委員にぽんと任せておけばよかったが、今30人いると30通りの対応が必要。広い意味の指導時間がかなりかかるので、子供数が減ったからといって教職員は少なくていいという、それほど単純な話ではない。子供と先生が向き合う時間もかかるようになっているから、いろいろな観点から考えなくてはいけない。
  • 民間議員から、クラスの中に教員と補助的な教員も含めて、目の数を増やしていくような工夫がいるのではないか。
  • 民間議員から、歳出増大の要求がいろいろ強まっていると聞くが、歳出・歳入一体改革をしっかりとやっていく。5年間で、歳出削減を守っていくということは、実行しなくてはいけない。
  • 新藤経済産業副大臣から、平成20年度も歳出・歳入一体改革、成長力の強化をともに実現することが必要。そのためには、予算の質を高め、予算の燃費・効率性を高めていくことが必要。予算の重点化、効率化を進めていくことは大賛成。

 予算編成の基本方針については、今日の議論も踏まえ、次回、予算編成の基本方針の原案を取りまとめて提示し、来月初めには諮問会議で取りまとめ、閣議決定するように努力したい。御協力をお願いするということで、私から申し上げました。

 総理からは、以下の発言がありました。

  • 来年度予算については、中身を充実させながらも無駄を排除し、全体として歳出改革を緩めることがないように取り組んでほしい。

(以 上)

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