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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第26回会議(平成19年11月8日)

大田大臣

(1) 社会保障制度と財源のあり方(社会保障と税)について(税体系)

(2) 地域経済の建て直しについて

  1. 地域経済の建て直しの新プランについて
  2. 中小企業の生産性改革について

 大田弘子です。本日、今年第26回目の経済財政諮問会議が開催され、税制改革、地域経済の建て直しの新プラン、中小企業の生産性改革について議論しました。

 税制改革については、香西税制調査会会長と民間議員から、それぞれペーパーに沿って説明がありました。これに対して、以下のような発言がありました。

  • 民間議員から、時代の変化に合わせて税が対応していかなくてはいけない。例えば配偶者控除や退職金税制は専業主婦や終身雇用が主流だったときの税。共働きで働く女性や転職した人が増えている中、そういった人に冷たい税にならないようにすることが大事。また、国際的な動きに対応することも重要。日本は対内直接投資が非常に少ないが、これは日本の雇用にはマイナス。日本が投資先として選ばれるように、欧米やアジア、国際的状況に常に合わせていかなくてはいけない。
  • 民間議員から、国際的な税制の潮流に対応していくことが重要であると同時に、国民にフェアで安心できる説明をすることが必要。この観点から、日本の税が国際的に見てどうなのか。例えば所得税、法人税、消費税のバランスはどうか。あるいは企業と個人と分けたときの税の水準はどうかということを検討して、国民にも説明していく必要がある。
  • 甘利議員から、経済成長がなければ雇用も税収も増えない。抜本改革が行われるまでの間でも、税制面から成長力を強化させることが必要。研究開発、IT、人材、環境・省エネ、こういったところへの投資を進める税が必要である。
  • 香西会長から、国際水準に乖離しないようにとか国際的な動きから離れないようにという意見が今日はたくさん出ているが、そのときにどの国を見ることが大事かというのも重要な問題。アジアは例えば法人税率は低いが、では欧米と比較してどうかということもある。比較する対象はどこかというのも重要な点である。
  • 民間議員から、企業立地をする際は、税だけではなく、インフラ、法制度、人材確保といった面も重要。そういうものも含めての比較が大事である。

 私からは、以下のように取りまとめました。

  • 税と社会保障制度を整合性をとりながら税制について具体的に議論したのは、経済財政諮問会議でも初めてのこと。今日の議論を踏まえて、香西会長には政府税調で御議論いただきたい。諮問会議でも議論を続けていきたい。
  • これまで、社会保障と税の一体改革ということで、給付と負担の選択肢、それから持続可能な基礎年金制度、そして今日は税体系と本格的な議論をしてきた。今後の一段の議論の土台として、次回私から、これまでの議論を踏まえた論点整理を示したい。

 総理からは、以下のような発言がありました。

  • 少子高齢化が本格化する中で、成長力を強化する体制を整備する。これは欠くことのできないことである。
  • 社会保障の将来のあるべき姿をわかりやすく描いて、その上で必要な安定財源を確保するということが重要な課題である。
  • 香西会長のもとで、政府税調では熱心に審議していただいているが、答申に向けてよろしくお願いしたい。
  • 今後、政府税調や諮問会議や与党において、本格的な議論を進めていただくが、国民の立場に立った議論を積み重ね、理解を深めていくよう努力してほしい。

 地方については、増田議員から地方再生と地方税財政に関する2種類のペーパーの説明がありました。また、地方税財政に対するコメントも含めて、額賀議員から資料に沿って以下の説明がありました。

  • 地方消費税を含めた消費税のあり方について、消費税は今後議論する中でどう使っていくのか、そのあり方を議論する必要がある。
  • 国と地方の税収比で5対5を目指すということが増田議員の資料にあるが、5対5という形だけつくると、三位一体のときと同じように、地方の財政力格差がついてしまう。これにどう対応していくかということを考えなくてはいけない。
  • 増田議員の資料の法人2税と消費税を税源交換する提案について、法人2税と国の法人税では課税対象が違ったりするので、納税者が混乱しないようにということも考えなくてはいけない
  • いずれにしても、今年末までに結論を出さなくてはいけないので、現実的にどう格差を是正していくのか考えていきたい。
  • 増田議員から提案のあった特別枠の設置については賛成。ただし、偏在の是正によって生じる財源を使うという前提で議論することが必要。総務大臣とも相談していきたい。

 この他、以下のような議論がありました。

  • 民間議員から、増田議員から提示された地域経済建て直しのプランは、おおむね民間議員の提案を受けとめていただいており、評価したい。ただし、次の3点から必ずしも明確ではないので、御検討いただきたい。まず、数値目標や評価基準を明確にするということが大事だという点。2番目に、複数年度で使途の自由度の高い助成の仕方が大事だという点。3点目に、専門能力や意欲を持った民間人を中心に地域のプランをつくって実行することが重要であり、経営人材への人件費を支援することが必要。
  • これに対して、増田議員から、今いろいろな工夫をしている。使い勝手のよい、かつモラルハザードの起こらないような仕組みについて考えていきたい。
  • 民間議員から、地方の財源について、地方活性化のために重要なのは、何より地方分権。税源偏在の是正だけでは、分権にはならない。何より分権を進めて、そして税源偏在を是正する。権限と財源を移譲し、それに伴う弊害を是正するという意味での偏在の是正でなくてはならない。
  • 民間議員から、雇用の厳しい8つの都道府県を対象にするということが出ているが、半分の4県は九州。しかも、そのうちの3つは隣接している県なので、広域経済圏ができれば、かなりそれで活性化できる。財政面で協力して広域で活性化を進める方法が必要。道州制を直ちに入れることは難しいが、複数県での財政調整を容認するとか、広域連携のための特別制度、広域プロジェクトへの国の援助といったことは考えられないか。また、税源の偏在の是正については、法人2税は地域活性化のために地方が真剣に努力した結果でもある。調整の方法にもよるが、全部ならしてしまえば活性化へのモチベーションを奪う反面もある。したがって、国が取り上げるのではなくて、広域で使っていくというような工夫はできないか。
  • 民間議員から、甘利議員からの農と工、農と商の連携の話に関連して、農産品の海外輸出のために経済産業省のノウハウを活用してほしい。
  • 民間議員から、再生プロジェクトは前にもあったが、使い勝手が必ずしもよくない。増田プランの中では、特に総合性の原則が重要で、各省の縦割りを超えていかなくてはならない。主役は地方である。国が地域に権限、財源、責任を移譲して、地方の頑張りを支援しなくてはいけない。

 私からは、以下のようにとりまとめました。

  • 最終報告に向けて、増田議員には新たな仕組みの具体化をお願いしたい。
  • 国と地方の税源配分についていろいろ議論があったが、次回の諮問会議で、地方分権改革推進委員会の中間取りまとめの案について審議することにしている。国と地方の税源配分は非常に重要な課題でもあるので、そこでも議論したい。

 総理からは、以下のような発言がありました。

  • 地方再生への構造改革は、福田内閣の最重要課題の一つ。今日、地方再生に向けた基本的考え方が提示された。今日の議論を踏まえて、増田議員にはスピード感を持って具体的な施策を取りまとめほしい。
  • 財政力格差是正の問題については、総務大臣、財務大臣、両大臣で来年度から実行可能な具体案を取りまとめてほしい。

 中小企業の生産性改革については、これから今後の成長戦略など議論するわけですが、そのスタート地点として私から、今どんな成長戦略を実行しているかということを簡単に説明しました。成長力加速プログラムの中で、中小企業の生産性改革プログラムがまだできていませんでしたので、今日議論したという経緯を話しました。続いて、甘利議員、民間議員からペーパーに沿った説明がありました。これに対して、以下のような発言がありました。

  • 中小企業は非常にさまざまで、最も生産性が低いのは、非常に小さい規模の零細企業。十把一からげではなかなか成果が出ないので、業種別、規模別できめ細かい対応が必要。下請け取引適正化については、大企業と中小企業が共生・自立することが必要。官に頼り、政策に頼るのではなく、経済界としても努力していきたい。
  • 民間議員から、中小企業政策で政府が何を、どういう役割を担うかをしっかり考えていかなくてはいけない。中小企業の努力を引き出すことが重要。実効性のある政策を集中的に行い、どんな政策が有効であるかを常に点検しながら議論することが必要。

 私からは、甘利議員に中小企業の生産性向上プロジェクトをしっかりとまとめて、実行していただきたいということをお願いしました。

 総理からは、以下のような発言がありました。

  • 中小企業というのは、産業の活力の源泉。生産性を上げるプロジェクトは非常に重要なので、甘利議員には大企業と中小企業がともに成長できる環境の整備に力を入れてほしい。

 最後に、総理から、以下の指示がありました。

  • 私は、所信表明で、財政再建と経済成長を車の両輪として進めていくと申し上げている。そろそろ、この内閣として、今日本が置かれている状況に照らして、どのような成長戦略を講じていくべきか考えをまとめる必要がある。
  • これまで講じてきた政策について、その実効性を検証するとともに、欠けているものや足らざるものがないかどうかを点検して、福田内閣としての新たな成長戦略のコンセプト、政策のメリハリ付けのあり方について、早急に検討を開始してほしい。

 来年の1月に、今「進路と戦略」としているものの改訂を出します。ここは、福田内閣として、経済財政政策のあり方の中期ビジョンを出していくわけです。その議論に諮問会議としてもそろそろ入っていきますので、今日の総理の指示を受けて、諮問会議でもこの福田内閣として、成長にどう取り組むかという議論を開始していきたいと考えています。

(以 上)

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