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大田大臣 経済財政諮問会議後記者会見要旨

第24回会議(平成19年10月25日)

大田大臣

(1) 社会保障制度と財源のあり方(社会保障と税)について(年金)

(2) 地域経済の建て直しについて

 大田弘子です。本日、今年第24回目の経済財政諮問会議が開催され、社会保障制度と財源のあり方(社会保障と税)という大きいテーマの中で年金制度について、また、短時間ですが、地域経済の建て直しについて議論しました。

 年金制度については、まず民間議員から資料に沿って説明がありました。2分の1に国庫負担を引き上げ、そのまま2分の1の国庫負担でいく場合、これは今と同じく社会保険料が残ります。それから、それを2分の2に引き上げていく場合、これは全額税方式ということになります。このそれぞれのメリット、デメリットについて説明がありました。その後、舛添臨時議員から資料に沿って説明がありました。

 その後の議論は、以下のとおりです。

  • 額賀議員から、国庫負担割合を2分の1に引き上げることについて、しっかり対応をしていくべき。税方式と社会保険料方式のどちらがいいか議論するのは大事。国民に本当に理解してもらうことが大事なので、広く議論をすべき。
  • 民間議員から、すべての国民が理解できるように議論する必要がある。現在の方式は未納が最大の問題であり、未納対策を早急にやってほしい。25年という受給のための必要期間は非常に長く、若い人を中心に納付の意欲を失わせるので、大胆に見直すべき。公的年金収支報告書は実にわかりにくいので、企業の会計のようにP/L、B/S、キャッシュフローをぜひ出してもらって議論したい。時間をかけて議論するには、こういう基礎的なデータが必要である。
  • 民間議員から、現在の基礎年金であっても、世代間の所得移転を補うために国庫負担は既に入っている。つまり、高度成長期につくられた年金制度なので、どうしても世代間の不公平が今の制度の中には温存されており、その受益と負担のアンバランスを補うために、既に国庫負担が導入されている。したがって、社会保険料方式か税方式かという白か黒かという議論ではなく、既に2分の1は税が入っているということを前提に議論しなくてはいけない。25年を短縮するのは賛成。今は、24年だとゼロになってしまうので、加入期間を短くすると低年金になるという批判があるけれども、ゼロになるよりはまし。税方式の場合は、税方式に移行したときに、保険料を払い終えている人にとっては、そこから税負担は増えるが、自分の受け取る年金は増えない。したがって、高齢世代の高齢期間の追加負担が発生するという問題があるが、これは世代間格差が今の年金制度にはあるのだから、理屈上は世代間格差をならすための措置だということができる。ただし、それは納得してもらうのは難しい。
  • これに対し、舛添臨時議員から、今の基礎年金制度でも2分の1は税が払われているので、2分の1か2分の2かという議論になるが、むしろ社会保険であるということをもう少し強調したい。年金というのは社会的な連帯の制度であり、世代間の助け合いだということをもう少し強調したい。25年の期間を短縮するのは、今までずっとこつこつと積み上げてきた人もいるので、そういう人とのバランスを考えるべき。税方式に移行した場合に、今既に受け取り始めている人、あるいは加入期間を満たしてこれから受け取ろうという人に発生する二重払いについては、なかなか納得させる論理ができるだろうか。
  • これに対し、民間議員から、社会保険は助け合いだと常に言われるが、それは公平な助け合いでなくてはいけない。後世代の方が負担が大きくなって、後世代にこの負担を押しつけているような制度では、公平とは言えないのではないか。加入期間の短縮については、基礎年金だけではなく2階も組み合わせるとそれほど低年金ではなくなるので、2階の報酬比例年金を受け取れるようにするためにも、加入期間の短縮は必要である。
  • 民間議員から、今アメリカで高齢の高額所得者には、年金に課税をして、それで徴収された税を年金基金に組み入れるという制度がある。これは世代間の格差是正にもなるので、ぜひ検討すべき。
  • 民間議員から、短期の問題と長期の問題を分けて議論すべき。今既に未納問題が大問題なので、短期の未納問題には、すぐにでも対応しなくてはいけない。一方で、税方式か社会保険方式かというような基本的議論は、これと並行してやるべき。
  • 税方式にいくと企業負担分がなくなるが、これについてはどう考えればいいのかという指摘に対し、民間議員から、税方式というのは安心できる年金への一つの選択肢であって、企業の負担の軽減ということは全く思いもしていない。具体的な制度の議論がないまま、企業負担がなくなるから、軽減されるから、企業が税方式を主張するという議論が多くて戸惑っている。現在でも、基礎年金は将来給付のために十分に財源の積み立てがなされているわけではないので、そういう中で保険料負担の軽減はできるものではない。仮に企業負担が軽減されることがあっても、その場合は確定拠出年金など、従業員への別の形での老後保障に向けるのが当然である。また、他の民間議員から、企業が有利になるようなことはあってはいけない。それはフェアーではない。そういうことは考えてもいない。

 私からは、以下のような取りまとめをしました。

  • 基礎年金について、現行の保険料方式とその処方箋の一つとして提起された全額税方式について本格的に議論したのは、これが初めてだと思う。非常に意義ある議論だったと思う。
  • 年金制度の基本的なあり方は簡単に結論が出るものではないが、今日のような選択肢の提示によって国民の関心が高まっていくことを期待したい。
  • 今日の議論の中で、それぞれの選択肢の抱える大きな問題として、現行の保険料方式でいくと、未納問題が最大の問題。一方、全額税方式では、移行をめぐる取り扱いが難しいことが最大の問題。
  • 民間議員ペーパーで提起されている今後の取組について、次の点はおおむね合意があった。与野党含めて国民の総意が得られるように議論をしっかり行う必要がある。国庫負担割合の2分の1への引き上げはやるべき。
  • 未納問題など、現在も問題になっていることについては、早期に取り組む。
  • 最低加入期間の25年を短縮するというのは大きい議論。今日も複数の方から賛成の意見が出たが、これは引き続き議論することが必要。

 総理からは、以下のような発言がありました。

  • 今日は、基礎年金の問題から年金全体の取組について、色々な角度から御議論いただき、大変有意義な議論だったと思う。
  • 国民が理解していただけるような議論を続けていただきたい。
  • 前回から社会保障の負担と給付のあり方を論じているが、議論としては、まずは社会保障や少子化などについて今後のあるべき姿を描き、国民にわかりやすく示した上で、それに必要な安定財源をどう確保し、将来世代への先送りをしないようにしていくかということが、まず大事なこと。
  • 直ちに消費税が幾らかというような話ではなく、社会保障とこれを支える税体系のあり方全体について、国民の視点に立った議論をしてほしい。
  • 前回の試算でも示されたように、安定した成長と歳出改革の両方を進めていくことが重要。随意契約の見直しや入札制度の改善など、予算の無駄を徹底して排除していくことや、経済成長戦略を着実に推進していくことについても議論を深めてほしい。

 地域経済の建て直しについては、まず私から地域力再生機構(仮称)の検討状況について説明しました。
その後、増田議員から、第三セクターについて、今一生懸命取り組んでいるという、資料に沿っての説明がありました。地域力再生機構(仮称)については、資料にもあるように、しっかり連携をとっていくということとあわせて、自治体の自主性をしっかり尊重する制度にする必要があるということでした。

 その後の議論は、以下のとおりです

  • 民間議員から、地域力再生機構(仮称)で第三セクターに取り組むのはもちろん重要だが、地域の民間セクターの改革も大事である。国が何を助けることができるのか、予算措置についても考える必要がある。例えばイギリスにはシティーチャレンジという助成制度があるが、これは国が決めるメニューではなく、地方からの自由な提案からコンペ方式で事業を決めて、そのかわり地方に自由にお金を使えるようにするもの。ばらまきにならないように数値目標を定めてやる制度だが、こういうものが日本でも必要ではないか。
  • これに対して増田議員から、省庁横断・施策横断的に取り組む施策が必要である。メニュー方式で地方の使い勝手がいいようにしたい。ばらまきではなく、第三者の目を入れる制度にしたい。例えば提案のあったコンペ方式もいいやり方。自由な地域の発想でお金を使った後、あるいは使っている途中でも、第三者機関が評価をするという客観的な評価手法を入れたコンペ方式、かつ自治体が自由に使えるような仕組みを考えたい。
  • 民間議員から、第三セクターは非常に難しいので、中央から乗り込んでいってすぐできるわけではない。省庁が横断的にバックアップをするような対応が必要である。
  • 民間議員から、地方の自主性を尊重して、予算の使い勝手をよくするのは大変重要。知恵を絞った自治体が報われるような仕組みにすべき。
  • 甘利議員から、地域力再生機構(仮称)が加わることで、経済産業省がやっている中小企業再生支援協議会もあり、第三セクターを含めた企業再生のツールがそろった。事案ごとに最適に使われていくことが必要。
  • 額賀議員から、第三セクターや中小企業を地域力再生機構(仮称)で支援するにあたっては、単に生き延びさせるのではだめ。再生することが大事であり、ばらまきになってはいけない。

 私からは、次回この地域経済建て直しの増田プランのスケルトンを出していただきたいと、増田議員にお願いしました。また、総理から指示のあった経済成長戦略などについても、今後甘利議員から中小企業生産性向上プランなどを発表していただきたいということで取りまとめました。

(以 上)

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